福澤徹三のレビュー一覧
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家にまつわるホラーのアンソロジー。玉石混交という感じ。
【収録作品】
「氷室」宇佐美まこと
「倒福」大島てる
「旧居の記憶」福澤徹三
「やなぎっ記」糸柳寿昭
「たかむらの家」花房観音
「妹の部屋」神永学
「笛を吹く家」澤村伊智
「牢家」黒木あるじ
「トガハラミ」郷内心瞳
「終の棲家」芦花公園
「ろろるいの家」平山夢明
たとえば「倒福」「旧居の記憶」「やなぎっ記」の御三方は実話怪談や事故物件をメインにしているだけあって実録風というかとりとめがない。それもそれで好きだけどほかの短編小説の中では浮いてるように個人的には感じた。
この中で怖かったのはやはり「終の棲家」と「ろろるいの家」。芦花公園さ -
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ネタバレ侠飯シリーズ 第9弾
書き下ろし。
プロローグ 応募したら即闇落ち。恐怖の求人広告
➀冷凍食品がひと手間で激変の簡単レシピ
②冬が旬。寒ブリと小松菜と柚子の極上メニュー
③超簡単なのにうますぎる。アメリカのソウルフード
④知らないひとも意外と多い。伝説のコンビニグルメ
⑤寒い夜もポッカポカ。日本酒にあう絶品うどん
⑥イブに食べたい。至福のチキンとローストビーフ
⑦これぞ勝負飯!戦う男の激ウマ鉄火巻
エピローグ 弱さが強さ。はたちの三人は未来を変える
会社を首になり、半グレの求人広告から闇落ちした創介。半グレの幹部・蜂矢に拾われ、歌舞伎町のスナックの手伝いをしながら仲間ができた。
歌舞伎 -
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福澤&怪談社シリーズ、第四巻。
相変わらず、訳がわからない・不気味な実話怪談が目白押し。ただ怪談の特定地域≒「忌み地」要素は薄めで、主だったものは千葉のおせんころがし周辺、巻頭巻末の青木ケ原樹海くらいになっている。
おせんころがし周辺は山やトンネルといった定番かつ不気味な話でなかなか。
単なる伝承だけでなく、実際の事件現場というのもリアルさをプラスして別な怖さが増してくる。
…しかし、読み終わるとこのカバーにとんでもない「詐欺」があることに気づく。これもおせんころがしの一件。
「怖いワードがたくさん!こりゃ凄そうだ!」と買った時は思ったんだけどねぇ…上間さん。
あとそれで思 -
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福澤&怪談社、三巻目。
まだコロナ禍のなか、取材はまだまだ本調子でないけれど、宮崎の怪しげな商店街周辺、お馴染みK市、埼玉N駅など、コンセプトの忌み地的な局所怪談はなかなかのインパクト。
特に今回はそういう取材先の人物、怪談のなかの登場人物も怪しげでインパクトのある人がちらほら。
こういう忌み地に住む人というのも怪談じみてくるのだろうか。
個人的にすさまじさを感じたのは一話目の「押し入れの腕」。怪談ではなくその背後にあった事件だが、ちょうど柳田国男の「山」に関する本を読んでいたためか、この話も何か「山に憑かれた」ものを感じた。柳田国男ならこの話も「山の人生」に組み込んでいそうだ。 -
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条川署の警官・新田真人は、警官とは何をすべきなのかをわかっているが、交番の警察官のルールに縛られて、余分な仕事をすると上司から叱られる。警察って、随分縦割り社会なのだ。
2年前に、目の前で飛び込み自殺した立花健作、52歳だった。健作はアパート経営したが、悪さされて経営がうまくいかず、借金のカタにアパートも取られてしまう。打越不動産の仕業だった。この男は、さまざまな事業で成功させている。そして、新田真人は、今度はオレオレ詐欺の若い男を捕まえる。それは、自殺した父親の息子立花康平でまだ大学生4年生だった。生活が苦しいので、少しでも高額なアルバイト、日当3万円に飛びついたのだった。オレオレ詐欺の -
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ネタバレカバーイラストは濱口真央。
■綾辻行人 「再生」 (『亀裂』、『眼球綺譚』)
中高生の頃に既読。再読。
思った以上に・・・・の「・・」で笑ってしまった。
■鈴木光司 「夢の島クルーズ」 (『仄暗い水の底から』)
中高生の頃に既読。再読。
当時はすごい大人の話だと思っていたが、マルチ勧誘というしょぼさとヨットという対比が、実に大人っぽい。
またヨット好きの作者らしい描写(専門用語)もきりっとしている。
■井上雅彦 「よけいなものが」 (『怪奇幻想短編集 異形博覧会』)★
面白いアイデア。
よく会話文が連続するときに陥りがちな混乱を逆手にとって。巧み。
■福澤徹三 「五月の陥穽」 (『怪談