福澤徹三のレビュー一覧

  • 白日の鴉

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    福澤徹三『白日の鴉』光文社文庫。

    痴漢冤罪を描いた警察・法廷小説。600ページにも及ぶボリュームに、どんな展開が描かれるのか興味があったのだが、最後まで面白く読むことが出来た。登場人物が皆細い糸でつながっていくところが見事。

    製薬会社のMR・友永孝が電車の中で見知らぬ男女に痴漢の疑いをかけられる。友永を逮捕した新人巡査の新田真人、老弁護士の五味陣介らの活躍により少しずつ明らかになる事件の真相…

    テレビドラマの原作。

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    2018年01月14日
  • 灰色の犬

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    福澤徹三の小説にでてくるヤクザは、花村萬月や馳星周 の非情で苛烈な血も凍るようなイメージとは違う、どこかお茶目で憎めない、そこが読者をホッとさせる。

    著者のホラー小説も好きだが、『灰色の犬』を読み、社会派小説の評価も一段と高まる。ヤクザ稼業、職場、人生とそれぞれに冴えない3人の大逆転劇に拍手を送りたい。『Iターン』を面白く読めたひとには、こちらもおすすめ

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    2017年11月14日
  • 侠飯3 怒濤の賄い篇

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    内容(「BOOK」データベースより)
    渋川卓磨、27歳、ヤミ金業者店長。上層部から「やくざの組長宅を地上げせよ」という指令を受け組に潜入したが、なりゆきで行儀見習いとして住み込むはめに。そこに現れた頬に傷もつ中年男。客人なのに厨房に立ち、次々に絶品料理をつくっていく。一体何者?卓磨の地上げはどうなる?旨さ3倍増の文庫書き下ろし第3作!

    意外性も何も無く、シチュエーションが変わっただけ。物語の大枠も予想が付くし、上手くいき過ぎでもあります。しかしながら、お話っていうのはリアリティーだけではないのですね。こういう寓話めいた話というのは昔の映画によく有って、その世界観のお約束事ごと愛するべきもので

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    2017年07月21日
  • 夏の改札口

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    ネタバレ

    7つの短編

    ・夕立:あの日 傷ついた自分に重ねて・・・思いやりや強さ、そして優しさを感じた。

    ・蛇飼う男:気が触れるってこういう感じなんだろうな。

    ・青空の記憶:幼い時にも感じた愛情を ふと今・・・

    ・老信者:何かに夢中になれると若くなれるんだ?

    ・夏の改札口:自殺志望の人たちが数人集まり・・・

    ・犬死の旅:そんなんで死ぬ事を考えるか?自分の方が強いと確認できた。

    ・ベランダの鳩:うかつにもラストにホロりと。

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    2017年07月13日
  • 忌談

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    この本のまえがきにもあるように心霊物とかそういうのじゃなくて人間って怖いっていう話
    ゾッとしたり不快感だったり・・

    生きた人間が関わると心霊現象よりも怖いかもしれない

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    2021年12月30日
  • 忌談 2

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    こんな言い方をしたらあれだけど、この話が実際にあったことなら
    世の中には壮絶な体験をした人がたくさんいるんだなあ・・。
    前作ほど厭な話はないけれどインパクトあるえげつない話がチラホラ

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    2021年12月30日
  • Iターン

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     著者の恐怖ホラー小説のファンなのだが、『東京難民』とか社会派(?)小説もそれなりに楽しめる。中年サラリーマンが左遷先の土地でひょんなことからヤクザの舎弟になり、組絡みの抗争に巻き込まれる。そこまで落ちぶれ、暗い展開しかないと思わせてからの大逆転劇は痛快である。現実離れもここまで行くとファンタジーとして受け入れやすい。

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    2017年05月30日
  • もうブラック企業しか入れない 会社に殺されないための発想

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    高学歴、高収入の社会学者が抗弁を垂れている書物よりとても好感が持てました。
    専門書ではないけれど、作者の経験が面白い。
    著者のバイタリティはなかなか凡人ではできない。凡人でないような人だからこそ作者という道の選択ができたのだろう。

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    2017年05月14日
  • Iターン

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    福澤徹三『Iターン』文春文庫。

    リーマン・ノワールとはまさにピッタリのネーミング。スピード感があり、ユーモラスで、ドキドキハラハラの一気読み小説。

    同族経営の弱小広告代理店の冴えない営業マンの狛江はリストラ対象の北九州支店への赴任を命ぜられる。単身赴任で向かった北九州支店は営業マンの柳と事務員の吉村の二人だけ。リストラ回避のために奔走する狛江は思わぬトラブルからヤクザに絡まれ、大借金を負い、ついには犯罪にも手を染める。果たして狛江の運命や如何に。

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    2017年05月11日
  • 侠飯3 怒濤の賄い篇

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    侠飯、第3弾。
    柳刃さんと火野さんのコンビは変わらずだが、お迎えする主人公が新しくなって、2作目よりも新鮮に感じた。
    本物のヤクザというのは、そんなにも奥ゆかしいものだったのですね。
    8と9と3をたして20になるので云々というのは、どこかで聞いた覚えもあるのですが。
    試しに「串刺連合」の9434を足してみたら、これも20になりましたよ!
    あと、柳刃さんの「桜田門一家」って、身バレしてるじゃありませんか‼︎
    1巻から読んでいれば知っていることなので、ツッコミ待ちなんでしょうね。

    またまた美味しそうな料理てんこ盛りで、何よりも「ひとり頭300円の予算」という縛りが、お財布の味方!
    柳刃さんと結婚

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    2017年08月03日
  • 真夜中の金魚

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     チンピラ小説であり、青春小説。福澤さんの描く物語は、なんとも瑞々しい。
     どうしようもない主人公のおれ(なぜか最後まで名前が出てこない)は、どうしようもないながらも、やるときはやる一面も持っていて、ついつい応援したくなってしまう。 
     また、登場人物はみなキャラが立っていて、文章も読みやすく、内容も面白い。読み手を飽きさせることなく、笑いながら、ハラハラドキドキさせながら、時にはホロリとさせながらラストまで連れて行ってくれる。
     『すじぼり』と似たテイストなので、この物語が好きな人は、ぜひそちらも読んでみては。

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    2016年07月10日
  • 死に金

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    ネタバレ

    金とはなんなのか、金に振り回される人と、金に振り回されない人。金に振り回される人が多数を占める現在では、それが一般的で、かつ、それが幸せとも刷り込まれている。地獄の沙汰も金次第。金の切れ目が縁の切れ目。まさにその通りの本だった。

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    2016年06月05日
  • 灰色の犬

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    刑事の息子が借金苦で落ちていく様が「ウシジマくん」のようだった。父親も窮地に陥って、ハラハラドキドキしたけどラストが爽快でよかった。

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    2016年05月17日
  • 死に金

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    末期癌で死の淵に立つアウトローの金貸しの矢坂の大金を何とか手に入れようと、矢坂のもとに群がるするやくざ、別居中の妻、チンピラ…

    金に群がる人間の浅ましさ、そして、この小説の中の唯一の救いとの対比。途中で結末に気付いてしまったが…

    裏表紙の紹介文にあるピカレスク・ロマンとはちょっと違う。傑作『灰色の犬』のレベルまでは到達してはいないが、面白い小説だった。今後の福澤徹三は、この路線で行くのだろうか。

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    2016年05月16日
  • 東京難民(下)

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    下巻。こんな苦難な状況からどう結末を迎えるのか気になったが、一応、ハッピーエンドでOK?
    色んな人に出会い、経験していく中で日々垣間見られた修の心の変化や成長が逞しく感じた。
    どんな状況にも人は人に助けられ、支えられて生きているんだなあとこの物語を読んで実感。
    終始楽しく読めた。文句をつけたくなる時もあったけど、主人公の性格や行動にイライラしながら物語を読むってのも結構気持ちがいいものですね。

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    2016年01月18日
  • すじぼり

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    北九州市を舞台にした青春アウトロー小説。第10回大藪春彦賞受賞作。先に読んだ同じ系統の『真夜中の金魚』の方が面白かった。しかし、本作も決してつまらない作品ではなく、一定水準に到着した面白い作品だった。

    ある事件をキッカケにヤクザの事務所に出入りすることになった大学生の亮は、次第にアウトローの世界にのめり込んでいく…

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    2015年12月05日
  • すじぼり

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    単純にVシネばりの極道小説かと思いきや…全然違いました。
    堅気が一人加わるとこんなに素晴らしい作品になるとは…切ない恋愛も交えつつ…贅沢な作品でした。
    面白かったです。
    何をもって善悪とすべきか…??ってのも面白かった。
    また、こんな作品に出会いたい。

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    2015年09月01日
  • 怖い話

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    怖いのは苦手だけど、これは本当に面白かった!時々ぞっとするけど、怖すぎず雑学寄り。でもあの表紙はやめてほしい...

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    2015年08月10日
  • 東京難民(下)

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    あながちファンタジーではなく、いまの大学生にも起こる可能性はありそうな話だと思わせてくれる。
    中国マフィアはちょっとあれだけれども。
    私はグイグイ読まされた。

    現代の日本社会の抱える大問題であろう。ネットカフェ問題は。
    東京砂漠をうろつく難民の物語。

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    2015年07月15日
  • 怪談実話コンテスト傑作選 お不動さん

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    ホテルの備品の話が、一番こたえたかな。
    額縁のウラに御札。というのが、旅館やホテルの怪談あるあるだけど、備品というのがね。
    こっそり見えないところに御札をはって、怪異がなければ知らぬが仏。そんな対処では追いつかない怪異なので、簡易ではあるけれど常備にしておくという。
    怪異が起こるのが当たり前、となっている状況が怖いです。

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    2015年04月06日