あらすじ
ドラマ化でますます絶好調のシリーズ第三弾!
ついにドラマ開始、主演は生頼勝久さん。原作も負けてはいません。今回の舞台は下町のやくざ事務所。そこにまた“あの男”が現れた!
【あらすじ】
渋川卓磨、27歳、ヤミ金業者店長。上層部から「やくざの組長宅を地上げせよ」という指令を受け組に潜入したが、なりゆきで行儀見習いとして住み込むはめに。そこに現れた頬に傷もつ中年男。客人なのに厨房に立ち、次々に絶品料理をつくっていく。一体何者? 卓磨の地上げはどうなる? 旨さ3倍増の文庫書き下ろし第3作!
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Posted by ブクログ
どう見てもヤのつく筋の人間に見える二人組が作る絶品料理のシリーズ第三弾。今度の舞台は下町ヤクザの事務所での賄番。相変わらずの美味しそうな描写、ごちそうさまでした。
主人公は、半グレ集団の下で闇金の店長をしている三十前の男。同年代の他の若い人たちのように遊びたいのも我慢して、せっせと金を貯めて、目標額が貯まったら独立してどこかでやっていこう、という計画的なようであまり計画という計画も立てていないような将来設計を持っていたところ、新しい商業施設を建てるための地上げの話が持ち上がる。立ち退き予定地に建っているのは、とあるヤクザの事務所。古くからあるその場所は、主人公の祖父の家だった。母が祖父と絶縁していたため、主人公は祖父とは面識がない。けれど、実の親族なのだからと地上げの説得に行けと上司たちから追い立てられ、なんとか説得しようとした主人公はあえなく失敗。その上、何故かそのヤクザの事務所で行儀見習いをすることに。
今作の主人公は、根は悪い人間ではないにしろ、裏社会の側の人間です。売り言葉に買い言葉で行儀見習いをすることになった祖父は古くから続くヤクザの一門の親方。そんなところに現れた例の二人組。
これは一体どういう着地をするのだろう、と思っていましたが、今回は登場人物がとてもよかったです。
主人公の祖父の親方と、その一門の古参の二人がとてもいい。古き良き任侠一家とはこういうものだったよな、と思わせる思想や姿勢が素晴らしい。
今時、畳の上での作法を知っている人は少ないでしょう。フローリングに椅子とテーブルの生活に慣れた人には、分からない感覚もあるかもしれません。ですが、行儀見習いとして入った主人公が事あるごとに『効率が悪い』『もっと要領よくできる』と言ってなかなか素直に向き合おうとできないことや作法の中に、大切にしなければならないことや教えがたくさんあるのではないかと思わざるをえません。
『ヤクザ』の語源は、今回本文中に出てくる話で初めて知りました。なるほど、花札かと膝を打つ心地です。言葉一つ、謂われ一つでまだまだ知らないことが多くあります。正直、厳しい道のりではあると思いますが、行儀見習いなどさせてもらえること自体が少々羨ましいです。
本編の中に出てくる『侠飯』は、今回も大変に美味しそうでした。一食一人当たり300円。その縛りの中で工夫をし、やりくりをして食事を作るというのは本当にすごいことです。
さりげなくレシピを本文に練り込んで下さっているので、また読み返して日々の料理に使ってみたいと思うものもちらほら。手始めにのりの佃煮を入れた卵焼きを作ってみましたが、大変に美味でした。
安くて簡単なレシピ本は、探せば世にはいくらでもあります。少し検索をかければ、インターネットには数多くの簡単ずぼら飯のレシピがヒットします。けれど、何かを作ろうと思う気力を呼び起こすには、『レシピ』があるだけでは不十分です。
うまそう。美味しい。なんだこれ、今まで食べたことない。〇〇の香ばしい匂いが食欲をそそる。
そんな、登場人物の反応や料理中の驚き、食卓に並んだ時の期待に浮き立つ表現。それらを一緒に味わうことができるから、ああ私もこれを食べてみたい、と思うのです。
私はあまり普段から食に執着のない人間なのですが、料理系の話を読みたくなるのは、それを読むことによって自分の食欲を呼び起こすことができるからかもしれません。
シリーズ次作で、どんな料理が飛び出してくるのか楽しみです。
Posted by ブクログ
前作を読んだのが約一年前なので、続きから読んでいけるか…
って思ったけど、
いけた。
今回もめちゃくちゃ面白かった。
なんちゅうか、ここまでの三冊ってどれも
根性なしのキャラクタが登場する
↓
柳刃さんと出会う
↓
最初は柳刃さんに不信感を抱く
↓
料理を通して目覚める
↓
明日から心を入れ替えてがんばる
って流れやのに、なんでどれも面白く読んでしまうんやろう(笑)。
それはわたしが根性なしやからか。他の根性なしたちが性根を入れ替えて前に進むサクセスストーリーを本能で求めるのか(笑)。
それもあるやろうけど、時代劇的安心感面白さもあるんかもしれへんね。
じつは柳刃さんの立場すら忘れてるまま読んだけど、べつに忘れてるまま読めるんで全然良かった。
卓磨くん、なんだかんだで若いのにちゃんと料理してると思う。
いや、わたしと比べんなっちゅう話やけど。
とりあえず、間を置かず次をリクエストしました。
なんだかんだで良い人ばっかり登場するし、素直なのはフィクションでも見ててとても心地良いです。
あと、文春文庫ってこんなに文字がでかかったっけ(ありがてえ…)。
Posted by ブクログ
今回なかなか柳刃と火野が登場しなかったので
違うパターンなのかな?と思って読み進めたら
登場しました
まあこの2人が主要人物だから出ないってことはないか
相変わらずの旨そうな賄い飯に集中してしまいましたが
ストーリーは前の2作よりかなり濃い
ヤミ金の店長をしていた青年が幹部に実の祖父の家を地上げしろと命じられる
祖父はヤクザの組長
しかし組は祖父の他にはじいさん組員が2人だけ
簡単にできると思ったら
そうは問屋がおろさなかった
なぜか組に住み込んで行儀見習いをすることに
そこに柳刃と火野がやってくる
そこで人間らしい暮らしをするうちに
すっかり性根を入れ替えた主人公
人情譚と料理がいい具合に混じりあった作品です
Posted by ブクログ
侠飯シリーズ 第3弾
プロローグ 幹部の椅子と実家の地上げ
1激安で激旨、鶏つくねピェンロー
2朝飯がばくばく進む、海苔玉子焼となめ茸豆腐
3激辛でカプサイシン効果、火の鶏と部隊鍋
4二日酔いの朝こそ旨い。カレー肉吸いと玉子かけご飯
5冷めているのに温かい。真夜中おにぎり
6安い肉ほど美味しくなる、わが家で作れる激旨牛丼
7旨すぎてスタミナ満点、オリジナル総菜の饗宴
8懐かしさは最強の調味料、心で食べる母の味
エピローグ 本物の任侠は人生の味を極める
渋川卓磨は、半グレ集団で闇金の店長をしていたが、リーダーの命により、地上げを担当させられることに。
それが卓磨の祖父で浅草で渋川組を構える伊之吉の組事務所だった。
行儀見習いとして組に住み込みながら地上げの機会を狙うも、客人として柳刃と火野が組に転がり込んでくる。
組織のために伊之吉から地上げの承諾を得なければならないが、組での礼儀作法や柳刃の激旨料理、伊之吉の温情に、本当の自分の生き方を見出していく。
今回も腹が減って仕方ないストーリー。
もはやこれは料理本。
Posted by ブクログ
侠飯第3弾は闇金のお兄ちゃんが主人公。これまでは大学生や会社員が主人公だったのでまだよかったんだけど、闇金とか、自分には縁遠い世界で。
読み進むのに難儀しました。
ところで柳刃さんは、どこで仁義の切り方(というらしい)を覚えてきたんでしょうね。小指の先がないことに関係するのかしら。でもまたこれはきっと別の話。
今回も柳刃さんと火野さんコンビが世直しです。前巻の主人公が、リレー形式よろしくちらっと登場させてくれるのは、嬉しいプレゼント。
Posted by ブクログ
イヤー、こんなシリーズがあることに気づいてよかったぁ。フレンチが好きな私ですが、こんな絶妙な一手間をかけた自炊飯は、私のもうひとつの好きなジャンルだということに気づきました。素材の美味しさをしっかり引き出す感じがフレンチとおんなじだと思います。最後の〆の話で、料理の〆同様、きれいにしまりました!
ヤナギバさんと火野さんが話に初めて登場するときは、私のなかでキター‼って叫んでます。
Posted by ブクログ
料理はヨダレ垂らしながらイメージ。
物語はありふれてるが、なんか知らんけどカンドーする
このまま4へ!!!
止めません、止まりません!
飽きるまでは!!!
Posted by ブクログ
2016年出版。シリーズ第3作。個人的には3作目までの中で一番良かった。それにしても、毎回美味そうな、でも決して自分に不可能な料理や材料でも無い、と云う所が堪らない。しっかり基本を抑えて忠実に、手を抜かずに手順を重ねるってのが、何かと教育的示唆として重ねて表現される。ちょっと鬱陶しく感じないでもない。と言いつつ、次の巻も間違いなく読むのだろう。うん。
Posted by ブクログ
相変わらず、読んでいるとお腹が空いてしまう内容である。これなら作れそうかな、というレシピもある。伊之吉の優しさが伝わる「おじさん」の話が良かったです。
Posted by ブクログ
シリーズ第3作目にして流れは予想できてしまうけれど料理のうんちくはなるほどと思わせるし、何より美味しそう。いかにして食材を最大限にいかして料理するか勉強になる。さすがに500万円を簡単に振込んだりポンと差し出すのは現実味ないけれどーまぁそのくらいあってのこの作品だと思えばいいかな。
Posted by ブクログ
やっぱり料理の豆知識が入っているとありがたいなあ。今回も非常に美味しそうだった。プデチゲは読んだその日に食べたし、トムヤムクンは作ってみたくなった。いつか絶対作ろう。正直、物語より料理のことしか覚えてないかもしれないくらい、料理パートが魅力的すぎる。
Posted by ブクログ
うー今回も良かった…!エンタメとして読み応えがあったし最後グッときた。
柳刃さんは本当にカッコいいなぁー。火野さんもどんどん良いキャラになるし。相変わらず涙脆い。
面白かった。
今回も前作の登場人物達がちょっとだけゲスト出演。こういうの連作もの読んでて嬉しいサービスですね。
Posted by ブクログ
半グレがヤクザを地上げするという、なかなかの設定でした。怖いものなし。この世界の人たちの話は物語で読むととても魅力的。卓磨のグズグズっぷりに途中「長いな」とは思いましたが、その間も柳刃さんの美味しそうな節約レシピに癒されながら読めました。前作の登場人物がちらっと出てくるのも良い。続編も読みたいです。
Posted by ブクログ
登場人物達の職業故にどう終わるのか、不安だったけれど
自分の好きな終わり方でした。
(この作家さん、他作品はなかなかヘビーらしいので。。。
ほっこり出来て、読み終えた後はいい気分)
妹尾河童氏の鍋が登場!!気になっていたし
鍋の季節だし、試してみようか。。
また、ファミリー?で食卓を囲むことから、まとまった献立内容だったことが有難い。
参考にさせて頂きます。
シリーズとして続いているようなので、楽しみ。
Posted by ブクログ
シリーズ3巻もとてもお腹が空きました。面白かったです。
今回の主人公も初めは嫌なやつで、でも潜入した柳刃さんの言葉で変わっていったところが良かったです。
今回の柳刃さんの作るごはんもとても美味しそうでした。予算1人300円という範囲での料理、今までで一番実用的な気がしました。季節もちょうど冬ですしぴったり。
今回の舞台がやくざの組ということで、色々なしきたりが大変そう…と思いました。主人公の祖父である組長と、柳刃さんとの初対面のときの仁義、「お控えなすって」のやりとり…長かったです。でも和室での作法とか立ち居振舞い、勉強になりました。
スパイシーギャングもがんばってるみたいです。4巻も楽しみです。
Posted by ブクログ
やっぱり面白い福澤徹三。今回は、半グレの卓磨がヤクザの行儀見習いをしながら男になっていく。
半グレ集団に属し、闇金の店長をしている卓磨が、半グレ組織串刺連合のリーダーの命を受け、ヤクザの祖父の事務所の地上げに乗り出す。なんとか行儀見習いとして働きだしたが、昔気質の祖父を口説けないでいた。そんな時、例の2人組、柳刃と火野が現れた。
行儀見習いをしながらもリーダーからは地上げをせっつかれ、挙句に祖父を殺せと指示される。板挟みになった卓磨の出した結論は・・・。
相変わらず柳刃の作る料理は旨そうで、しかも他のレシピ本とかと違い、簡単そうなので思わず作りたくなってしまう。また、このシリーズのキモは何と言っても主人公が成長していく様にある。今回もその成長振りは大いに勇気をくれるし、読後感も爽やかだ。
ひとは、なんのために生きるのか。人によって考え方は違うだろうが、それを見つけた卓磨はもう大丈夫だろう。
Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
渋川卓磨、27歳、ヤミ金業者店長。上層部から「やくざの組長宅を地上げせよ」という指令を受け組に潜入したが、なりゆきで行儀見習いとして住み込むはめに。そこに現れた頬に傷もつ中年男。客人なのに厨房に立ち、次々に絶品料理をつくっていく。一体何者?卓磨の地上げはどうなる?旨さ3倍増の文庫書き下ろし第3作!
意外性も何も無く、シチュエーションが変わっただけ。物語の大枠も予想が付くし、上手くいき過ぎでもあります。しかしながら、お話っていうのはリアリティーだけではないのですね。こういう寓話めいた話というのは昔の映画によく有って、その世界観のお約束事ごと愛するべきものです。
この本は3作目にて既にクラシカルな風格が出て来ました。是非このお約束事に磨きを掛けてくすまないようにして頂きたいものであります。2話目で失速という感じは有りましたが、今回は舞台設定が秀逸。任侠の心意気が気持ちよろしかったですよ。
Posted by ブクログ
侠飯、第3弾。
柳刃さんと火野さんのコンビは変わらずだが、お迎えする主人公が新しくなって、2作目よりも新鮮に感じた。
本物のヤクザというのは、そんなにも奥ゆかしいものだったのですね。
8と9と3をたして20になるので云々というのは、どこかで聞いた覚えもあるのですが。
試しに「串刺連合」の9434を足してみたら、これも20になりましたよ!
あと、柳刃さんの「桜田門一家」って、身バレしてるじゃありませんか‼︎
1巻から読んでいれば知っていることなので、ツッコミ待ちなんでしょうね。
またまた美味しそうな料理てんこ盛りで、何よりも「ひとり頭300円の予算」という縛りが、お財布の味方!
柳刃さんと結婚したい。
火野さんのさりげなく気配りも相変わらずだし、卓磨はまだ青いけれど、家事に励むイケメンはやはりいいですね!
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主人公が新しくなって、と上に書きましたが、勘違いでした。
2巻目の主人公が、私にとって印象が薄かったのかも…
2巻の冒頭で、良太たちがちらっと登場したのが印象に残っていたのかもしれません。
それと、1巻目が就活に悩む大学生、2巻目も会社の話だったので…
実家がヤクザという設定が、世界観が変わって印象的だったのです。
Posted by ブクログ
祖父の伊之吉がもう格好良くて!こんなヤクザなら私も入りたいが賃金が出ないのは困るな…。そして卓磨の成長を感じられた。そしておじさんの謎が解けてほっこり。今回は前回の登場メンバーが出ないと思ったら最後の最後で!
Posted by ブクログ
かぁくほぉぉぉぉぉーーーー(確保)
って言いたくなるくらい気持ちの良い展開でした。
こういうのは展開がわかっててもいいもんですね。
2024.12.1
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Posted by ブクログ
今回は古いほんまものの極道が出てくる回。あと半グレ。
初回から極道一本道で来てたら、読み手を選んでたかもしれないので、3巻あたりで持ってくるのがなかなかにくい。
またもや主人公が変わって、任侠料理人が居候するパターン。
なぜ生きるのか、っていう禅問答のような会話があって、柳刃さんの哲学に触れられる。日々を丁寧に生きるのは大事だけど、難しい。
Posted by ブクログ
シリーズ第三弾。今回は下町のヤクザの家に滞在する柳刃と火野。一人前300円の料理だが、簡単で美味しそう。火野さん、発砲しちゃったけど、大丈夫なのかな?
Posted by ブクログ
地上げしないといけない場所は
会った事もないヤクザの祖父の家。
大金を手に入れるには、きつい仕事になる、という事で
主人公が選んだ仕事がこれなら、従うしかないかと。
そこにやってきたのが、いつもの方々。
こんなに綺麗にやられると、疑いも何も
あったものではないかとw
祖父の家で、礼儀やら料理の仕方やら。
一般常識なのか、ここでの一般常識なのか、が
分かりませんが、成長している事は確か。
前回出て来た人達がでてくる、というのが
お楽しみ、なのかもしれません。
ワゴンが出てました。
Posted by ブクログ
最近(?)記憶力がすこぶる鈍くなってきて、お久しぶりのシリーズ3作品目を読み始める。
長めのプロローグ、主人公と柳刃氏との絡み、あぁ、こんな感じだ、と思い出してきた(笑)
私は任侠もの、特に今回の硬派ものは好きな部類。
ラストは、みんな囲い込んで、ばあーーっとスッキリ終わる潔さ、ものスゴく好み♪
Posted by ブクログ
柳刃さんの今度の潜入先は昔気質のヤクザの事務所。そこには組長の孫という若者が地上げ目的で紛れ込んでいたが。手っ取り早く金を稼いで、いい思いしたい。そんな卓磨は今時の子なのかもしれない。礼儀作法とか古いしきたりを非効率な生活とくさすが、人らしくあるのはその礼儀作法や古いしきたりだったりもする。限られた予算で三度のご飯を賄う。それは柳刃さんの得意技だ。自前の調味料は予算外。それはちょっとずるい気もするが。工夫をこらせば食卓は豊かになる。温かいご飯は何よりものご馳走。桜田門組で気がつかんのはなぜかね。
Posted by ブクログ
今回は任侠一家に、お邪魔する話。相変わらず、食欲そそる料理ばかり!話の流れは毎回、同じなんだけど・・・また次を読みたくなる♪結構、いいセリフがあるんだよね~。それに、今までの話のキャラも登場するし。④見付けたら、読も~っと