福澤徹三のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
相変わらずの怖さ
さすがの怪談社で今回も怖かったです。語りとして聞いたことのあるお話もありましたが、活字として読むとまた違った味わいがありました。
それにしても、怪談の取材って本当に大変なんですね。本に載るのの何倍も取材されていらっしゃるでしょうし、ある意味怪異より生きた人間の方が怖い、という体験もされているでしょう。
そうやって集めたお話を聞かせていただけるのはありがたいし、幸せだなあ、と思いました。 -
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福澤徹三『羊の国の「イリヤ」』小学館文庫。
奇妙なタイトル名と600ページのボリュームに一瞬躊躇したのだが、本書の紹介文を読むと非常に面白そうなので読んでみることにした。
同族経営の食品メーカーで働く50歳のサラリーマン・入矢悟が主人公にした絶体絶命、怒濤のエンタメ・ピカレスク小説。身悶えするくらい最後の最後まで面白い。
50歳ともなれば子供も巣立ち、いよいよ10年余りとなる会社生活でもう一旗上げようと決意を新たにしながらも、何処かで将来の安穏な暮らしを夢見てしまい、先々の生活に不安を感じる年頃。人生には何が起きるか解らない訳なのだが、本書の主人公のジェットコースターのような人生には驚愕 -
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侠飯シリーズ、気に入っちゃってどんどん読んでる。今日からスキーだからいろんな本6冊くらい持ってきたんだけど、3巻以降も持って来ればよかったなー。
1巻でストーリーがいったん完結したから2巻以降はどんな展開になるんだろうと思っていたら、全く新しい登場人物が出てきた。今回の主人公は、会社から能力不足を理由に自主退職を迫られて、会社の地下三階にある謎の部署に左遷された28歳の順平。同じ部署に送られた不遇の同僚たちと昼休みにたまたま入ったキッチンカーで、柳刃と火野に出会う。今回もヤクザのふりをする二人に料理を教わったり脅迫されたりしながら、自らの今後と向き合う。
今回はメキシコやアフリカの料 -
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おもしろかったー!友達に借りたけど読み始めるタイミングがないまま返す日が来ちゃって、せっかくだから最後に目だけ通しとこうかなと思って行きの電車で読み始めたら案外おもしろくて、結局もうしばらく返さないままでいることにした。笑
主人公は、勉強にも就活にもやる気が出ない大学生の良一。ある夜、自宅付近でヤクザ同士の抗争に巻き込まれてしまう。柳刃と火野という二人のヤクザと共に命からがら逃げたものの、身を隠す必要があるという二人は良一の家に居座ってしまう。なぜか異常に料理が上手い柳刃は、良一が大学に行っている間に勝手に冷蔵庫や炊飯器を新調したり、何も知らない友達が遊びにくると「叔父だ」と言って豪勢な -
購入済み
幽霊などとは違った怖さ
取材記録の羅列かと思いきや、読んでいくうちにおや?と思うことがちらほら。
最後にはぐるっと繋がる感覚があります。
日本古来の風習やそれにまつわる怪異などに興味がる方におすすめです。 -
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福澤徹三『群青の魚』光文社文庫。
『灰色の犬』『白日の鴉』に続く条川署クロニクルの第3弾。因みに第4弾の『晩夏の向日葵』の方が先に文庫化されている。
第3弾では、交番巡査の武藤大輔と新米刑事の風間志郎の二人の若き警察官を中心に条川市の闇に潜む正体不明の巨悪に率いられる半グレ集団との攻防を描く。
起伏に富んだストーリーはうねりにうねり、非常に面白い。そして、全く予想外の展開と条川市に巣くう巨悪の正体には驚愕する。
特養老人ホームで入所者が何者かに絞殺される。第一発見者の介護員である清水穂香は半グレ集団の幹部の夫と離婚したシングルマザーでストーカー被害に悩んでいた。
穂香の事情聴取にあ -
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新米刑事の乾正悟は薬物疑惑の芸能人の張り込みに失敗し、左遷におびえる日々。
そんなある夜、何者かに拉致されて、着いたところはヤクザの事務所。
そこで出会った頬に傷持つ男は、警視庁の捜査官を名乗る。
正悟は理不尽な命令と激ウマ飯のはざまで煩悶したあげく。
手に汗握る潜入捜査の裏側を描く
文庫書き下ろし第7弾!
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今回は一番面白かったと言えるかも。
いや、はじめの頃はすっかり忘れてるから、何とも言えへんけど、このシリーズを読み続けてるってことは、全部面白かったと思う。
でも、今回は主人公以前に、いつも出てくる -
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福澤徹三『作家ごはん』講談社文庫。
『侠飯』とはまた趣の異なるユーモラスでほのぼのした感じのグルメ短編連作集。美味しい短編10話を収録。
ここ数年小説を書かない作家とデビュー前の新人作家、二人に翻弄される新人文芸編集者が繰り広げるユーモラスな連作グルメ短編小説。料理の蘊蓄だけでなく、古今東西の小説家の作品や生き様に関する蘊蓄なども描かれ、なかなか面白い。
続編がありそう。
『書かずのチクリン』の異名をとる竹林賢一郎は30年間の作家生活の中で僅か20作ほどしか書いていない寡作の作家だ。そんな竹林を担当することになったのは入社して間もない文芸編集者の山野内和真。山野内は、もう何年も新作を書 -
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福澤徹三『侠飯7 激ウマ張り込み篇』文春文庫。
シリーズ第7弾。今回も書き下ろし。果たして、今回の柳刃竜一と火野丈治はどんな侠飯を味あわせてくれるのか。
プロローグに描かれた新米刑事・乾の不始末からすれば、乾の上司に頼まれた柳刃と火野の二人が何とか乾を一人前に育てるというストーリーではないかと思うのだが……
……と簡単に考えるのは、素人の浅はかなところ。ストーリーはもっと複雑で奥が深いのだ。
六本木署の新米刑事・乾正悟は薬物使用疑惑のある芸能人をマークし、クラブに潜入していたところ彼の取り巻きのファンに見付かり、張り込みは大失敗。やっとなれた刑事だったが、第一線から外され、左遷に怯える -
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久しぶりの、柳刃さんと火野さん。
特別捜査官なのに、ほぼ料理で世直ししてるような……
美味しいものを食べると、生きる力が湧くのです。
今回は引きこもりのための施設が舞台。
こういう施設の知識が多少なりともあるので、
一ヶ月80万円もかかるなんて、そりゃ眉唾だっていうことはわたしならわかるけど、
おそらく蓮太郎の父は、息子を放置してきた負い目なんかもあって、この金額でもと納得して、びたみんビレッジに預けることに決めたのだろう。
蓮太郎たちがどんなふうにびたみんビレッジから脱出するのか、
柳刃さんと火野さんペアが、どんなふうに活躍するのか、
結末が気になって、今回も一気読みしてしまいました。