福澤徹三のレビュー一覧

  • 忌み地 惨 怪談社奇聞録

    ネタバレ 購入済み

    相変わらずの怖さ

    さすがの怪談社で今回も怖かったです。語りとして聞いたことのあるお話もありましたが、活字として読むとまた違った味わいがありました。

    それにしても、怪談の取材って本当に大変なんですね。本に載るのの何倍も取材されていらっしゃるでしょうし、ある意味怪異より生きた人間の方が怖い、という体験もされているでしょう。

    そうやって集めたお話を聞かせていただけるのはありがたいし、幸せだなあ、と思いました。

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    2022年07月31日
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    色々な作家さんの作品が読めるホラーアンソロジー。
    怖かった…!
    特に今邑彩さんの「鳥の巣」、小池真理子さんの「ゾフィーの手袋」は、後半にかけて恐怖がヒタヒタと迫り来てゾッとした。
    岩井志麻子さんの「依って件の如し」は、怖さよりも文章のリズム感と情景描写が美しすぎて感動させられた。
    もっとこの人の作品を読みたいと思った。
    もちろん田舎の陰鬱とした雰囲気漂うホラー要素もあるのでしっかり楽しませてくれた作品だ。

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    2022年07月16日
  • 羊の国の「イリヤ」

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    福澤徹三『羊の国の「イリヤ」』小学館文庫。

    奇妙なタイトル名と600ページのボリュームに一瞬躊躇したのだが、本書の紹介文を読むと非常に面白そうなので読んでみることにした。

    同族経営の食品メーカーで働く50歳のサラリーマン・入矢悟が主人公にした絶体絶命、怒濤のエンタメ・ピカレスク小説。身悶えするくらい最後の最後まで面白い。

    50歳ともなれば子供も巣立ち、いよいよ10年余りとなる会社生活でもう一旗上げようと決意を新たにしながらも、何処かで将来の安穏な暮らしを夢見てしまい、先々の生活に不安を感じる年頃。人生には何が起きるか解らない訳なのだが、本書の主人公のジェットコースターのような人生には驚愕

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    2022年11月15日
  • 侠飯2 ホット&スパイシー篇

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     侠飯シリーズ、気に入っちゃってどんどん読んでる。今日からスキーだからいろんな本6冊くらい持ってきたんだけど、3巻以降も持って来ればよかったなー。

     1巻でストーリーがいったん完結したから2巻以降はどんな展開になるんだろうと思っていたら、全く新しい登場人物が出てきた。今回の主人公は、会社から能力不足を理由に自主退職を迫られて、会社の地下三階にある謎の部署に左遷された28歳の順平。同じ部署に送られた不遇の同僚たちと昼休みにたまたま入ったキッチンカーで、柳刃と火野に出会う。今回もヤクザのふりをする二人に料理を教わったり脅迫されたりしながら、自らの今後と向き合う。

     今回はメキシコやアフリカの料

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    2022年03月19日
  • 侠飯

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     おもしろかったー!友達に借りたけど読み始めるタイミングがないまま返す日が来ちゃって、せっかくだから最後に目だけ通しとこうかなと思って行きの電車で読み始めたら案外おもしろくて、結局もうしばらく返さないままでいることにした。笑

     主人公は、勉強にも就活にもやる気が出ない大学生の良一。ある夜、自宅付近でヤクザ同士の抗争に巻き込まれてしまう。柳刃と火野という二人のヤクザと共に命からがら逃げたものの、身を隠す必要があるという二人は良一の家に居座ってしまう。なぜか異常に料理が上手い柳刃は、良一が大学に行っている間に勝手に冷蔵庫や炊飯器を新調したり、何も知らない友達が遊びにくると「叔父だ」と言って豪勢な

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    2022年03月18日
  • 侠飯

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    ネタバレ

    食事を作ることに飽きてしまっていた
    この本を読んで、おいしいご飯を作る楽しさを考えるようになった。

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    2022年02月11日
  • 侠飯6 炎のちょい足し篇

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    このシリーズ、いつも美味しそう。
    お手ごろな材料で、お馴染みの料理にひと手間で、とても美味しそうなものができあがっていて、参考になる。
    今回は引きこもりの引き出し屋の話。
    それぞれが兄貴の料理と語りで立ち直るいつものパターン。このパターンがとても好き。

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    2022年02月08日
  • 忌み地 怪談社奇聞録

    購入済み

    幽霊などとは違った怖さ

    取材記録の羅列かと思いきや、読んでいくうちにおや?と思うことがちらほら。
    最後にはぐるっと繋がる感覚があります。
    日本古来の風習やそれにまつわる怪異などに興味がる方におすすめです。

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    2022年01月27日
  • 群青の魚

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    福澤徹三『群青の魚』光文社文庫。

    『灰色の犬』『白日の鴉』に続く条川署クロニクルの第3弾。因みに第4弾の『晩夏の向日葵』の方が先に文庫化されている。

    第3弾では、交番巡査の武藤大輔と新米刑事の風間志郎の二人の若き警察官を中心に条川市の闇に潜む正体不明の巨悪に率いられる半グレ集団との攻防を描く。

    起伏に富んだストーリーはうねりにうねり、非常に面白い。そして、全く予想外の展開と条川市に巣くう巨悪の正体には驚愕する。

    特養老人ホームで入所者が何者かに絞殺される。第一発見者の介護員である清水穂香は半グレ集団の幹部の夫と離婚したシングルマザーでストーカー被害に悩んでいた。

    穂香の事情聴取にあ

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    2021年12月20日
  • 侠飯7 激ウマ張り込み篇

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    新米刑事の乾正悟は薬物疑惑の芸能人の張り込みに失敗し、左遷におびえる日々。

    そんなある夜、何者かに拉致されて、着いたところはヤクザの事務所。

    そこで出会った頬に傷持つ男は、警視庁の捜査官を名乗る。

    正悟は理不尽な命令と激ウマ飯のはざまで煩悶したあげく。

    手に汗握る潜入捜査の裏側を描く
    文庫書き下ろし第7弾!

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    今回は一番面白かったと言えるかも。
    いや、はじめの頃はすっかり忘れてるから、何とも言えへんけど、このシリーズを読み続けてるってことは、全部面白かったと思う。

    でも、今回は主人公以前に、いつも出てくる

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    2021年12月16日
  • 作家ごはん

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    福澤徹三『作家ごはん』講談社文庫。

    『侠飯』とはまた趣の異なるユーモラスでほのぼのした感じのグルメ短編連作集。美味しい短編10話を収録。

    ここ数年小説を書かない作家とデビュー前の新人作家、二人に翻弄される新人文芸編集者が繰り広げるユーモラスな連作グルメ短編小説。料理の蘊蓄だけでなく、古今東西の小説家の作品や生き様に関する蘊蓄なども描かれ、なかなか面白い。

    続編がありそう。

    『書かずのチクリン』の異名をとる竹林賢一郎は30年間の作家生活の中で僅か20作ほどしか書いていない寡作の作家だ。そんな竹林を担当することになったのは入社して間もない文芸編集者の山野内和真。山野内は、もう何年も新作を書

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    2021年11月26日
  • 侠飯7 激ウマ張り込み篇

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     アッというまに読み終えてしまった。久々に柳刃、火野コンビニ再会。変わらぬ二人に安心したと共に、出会える料理に期待が膨らんで読み始めた。コロナ禍でのストーリーに臨場感が増した気がした。インスタントな食材と、家でじっくりと調理する馴染みの食事。いつもながら、テラーの心をかくはんして、最後には美味い結果に仕上げていく様は読み手の楽しいひと時を演出してくれる。
     催促は控えるべきと思いつつ次の一冊も楽しみである。

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    2021年08月29日
  • 侠飯7 激ウマ張り込み篇

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    今回は柳刃と火野が最初から刑事だと分かっているパターン( ゚Д゚)そこへ潜入捜査のお手伝いにきた新米刑事(^^;)火野が新米刑事の正悟に「組長に料理について訊け」と言った時には私も面倒くさいなぁ(-_-;)と思ったよ(-.-)でも最後はやっぱり格好良い二人(*^^*)料理も堪能しました(^o^)♪

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    2021年08月23日
  • 忌み地 怪談社奇聞録

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    怪談社さんのファンで購入しました。
    読み終わってからだいぶ経ってからの投稿で申し訳ないです。
    実話に基づいているので、解決せずにもやっと終わることも多い。またあまり派手な怖さはない。
    だけど、それが故にリアルな怖さがジワジワ迫ってきます。それが実話怪談の面白さだと思う。

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    2021年08月22日
  • 侠飯7 激ウマ張り込み篇

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    福澤徹三『侠飯7 激ウマ張り込み篇』文春文庫。

    シリーズ第7弾。今回も書き下ろし。果たして、今回の柳刃竜一と火野丈治はどんな侠飯を味あわせてくれるのか。

    プロローグに描かれた新米刑事・乾の不始末からすれば、乾の上司に頼まれた柳刃と火野の二人が何とか乾を一人前に育てるというストーリーではないかと思うのだが……

    ……と簡単に考えるのは、素人の浅はかなところ。ストーリーはもっと複雑で奥が深いのだ。

    六本木署の新米刑事・乾正悟は薬物使用疑惑のある芸能人をマークし、クラブに潜入していたところ彼の取り巻きのファンに見付かり、張り込みは大失敗。やっとなれた刑事だったが、第一線から外され、左遷に怯える

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    2021年08月06日
  • 忌み地 怪談社奇聞録

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    読み始めは何も感じなかったが、読み進めていくうちに背後がどうも気になるようになった。後半は背筋のざわつきを気にしながら読んだ。

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    2021年05月03日
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    角川ホラー文庫ベストセレクション。というだけのことがあって、本当にもうどれをとっても大傑作のホラーアンソロジーです。お気に入りがどれかだなんて選べません。もう全部大好きすぎる作品でした。
    ほぼ既読だったので、雰囲気に浸りながらじっくりと再読。福澤徹三「五月の陥穽」だけ未読だったかな。これ、凄まじく怖かったです。リアルな恐ろしさというのでは一番だったかも。こんな状況には追い込まれたくないものです。

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    2021年04月15日
  • 侠飯6 炎のちょい足し篇

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    久しぶりの、柳刃さんと火野さん。
    特別捜査官なのに、ほぼ料理で世直ししてるような……

    美味しいものを食べると、生きる力が湧くのです。

    今回は引きこもりのための施設が舞台。
    こういう施設の知識が多少なりともあるので、
    一ヶ月80万円もかかるなんて、そりゃ眉唾だっていうことはわたしならわかるけど、
    おそらく蓮太郎の父は、息子を放置してきた負い目なんかもあって、この金額でもと納得して、びたみんビレッジに預けることに決めたのだろう。

    蓮太郎たちがどんなふうにびたみんビレッジから脱出するのか、
    柳刃さんと火野さんペアが、どんなふうに活躍するのか、
    結末が気になって、今回も一気読みしてしまいました。

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    2021年02月21日
  • 東京難民(下)

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    主人公には苛立ちを覚えるかもしれない。
    いや、覚えるだろう。

    しかし、どんどん沼底へと沈んでいく主人公が、そんな沼に順応していくのが面白い。

    さまざまな方法で生活費を稼ごうとするが、その過程が面白い。

    側から見ている第三者だからだろう。

    でも、自分も修のようにならないとも言い切れないのだから恐ろしい。

    この本で知ったことが、いつか役に立つ。そんなことにならないことを望む。

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    2020年12月23日
  • 東京難民(上)

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    主人公には苛立ちを覚えるかもしれない。
    いや、覚えるだろう。

    しかし、どんどん沼底へと沈んでいく主人公が、そんな沼に順応していくのが面白い。

    さまざまな方法で生活費を稼ごうとするが、その過程が面白い。

    側から見ている第三者だからだろう。

    でも、自分も修のようにならないとも言い切れないのだから恐ろしい。

    この本で知ったことが、いつか役に立つ。そんなことにならないことを望む。

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    2020年12月23日