あらすじ
不動産屋の男は言った。「事故物件は人気あるから、すぐ埋まるんです」
怪談社の糸柳寿昭と上間月貴が全国各地で怪異を取材、作家の福澤徹三がそれを書き起こす。
心霊スポットや事故物件など、さまざまな「場所」にまつわる怪異はときに不可解な連鎖を遂げ、予想外の恐怖と戦慄にたどり着く。
ページをめくるにつれて読者の日常をも侵食する最恐の怪談「実話」集。
〈文庫書下ろし〉
あまりの怖さに眠れない読者を続出させた『忌み地』『忌み地 弐』に続くシリーズ第3弾!
感情タグBEST3
臨場感
一般に読まれている実話怪談本は、体験談を書くものが主流だが、本書は取材そのものを記述している点に特徴がある。空振りに終わることもあるものの、霊体験より取材の方が怖いこともあり、なかなか目を離せない。
相変わらずの怖さ
さすがの怪談社で今回も怖かったです。語りとして聞いたことのあるお話もありましたが、活字として読むとまた違った味わいがありました。
それにしても、怪談の取材って本当に大変なんですね。本に載るのの何倍も取材されていらっしゃるでしょうし、ある意味怪異より生きた人間の方が怖い、という体験もされているでしょう。
そうやって集めたお話を聞かせていただけるのはありがたいし、幸せだなあ、と思いました。
Posted by ブクログ
表紙が怖すぎる。
でもカバーするのはもったいない。
みんなに、見せたいから笑
『文化住宅』『不審者』『O山』『居心地の悪い部屋』『黒いナースコール』『濡れたシャツ』『デスクの下』『電柱』『佇むひと』『Oさんがいるアパート』『死にたくなる部屋』が良かったです。
『電柱』は都市伝説ぽさもあって、こっちに戻る戻れないはなしはやっぱり面白いです。
『Oさんがいるアパート』も糸柳さんが実際体験してはるから余計リアリティー感じて怖さと興味深さと強いです!Oさんがだんだんはなしがおかしくなるとか異世界に入り込みそうで、怖すぎます。
そして福澤徹三作家の文体は相変わらずめちゃくちゃ好きです~!!
Posted by ブクログ
忌み地シリーズ3作目。
このシリーズは普通の怪談実話の羅列と違って取材のプロセスが書かれているので面白い。案外怖い話を知ってる人って多いんだなぁ。
でも「朽ちはてた商店街」や「Oさんのいるアパート」のように、霊的なものより意味の分からない人間の方が怖いなって思った。
Posted by ブクログ
実話怪談蒐集のシリーズ第三弾。
各地で取材した怪談のファイリング集です。前作二作もとても読みやすかったですが、今作も安定の読みやすさでした。淡々と、現地取材で聞いた話をその語り口で読ませてくれるので怖い話なのに安心して読んでいくことができます。
オーディブル視聴で聞いているため、語っている口調そのままに聞くことができて違和感がありません。
今作では、取材をした人たちにもなにか怪しい雰囲気を感じることが多かったようで、ところどころドキッとする場面がありました。
印象深かったのはN島でしょうか。
あそこは暗い、なんだか空気が重い、よくない気がする、そういう直感は根拠がないだけに何か違うものを感じ取っているのだろうと思います。自分にとって縁起が悪そうだと思ったなら、近寄らないのが吉なのでしょうね。
また続編もあるとのことなので、期間をあけつつ読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
福澤&怪談社、三巻目。
まだコロナ禍のなか、取材はまだまだ本調子でないけれど、宮崎の怪しげな商店街周辺、お馴染みK市、埼玉N駅など、コンセプトの忌み地的な局所怪談はなかなかのインパクト。
特に今回はそういう取材先の人物、怪談のなかの登場人物も怪しげでインパクトのある人がちらほら。
こういう忌み地に住む人というのも怪談じみてくるのだろうか。
個人的にすさまじさを感じたのは一話目の「押し入れの腕」。怪談ではなくその背後にあった事件だが、ちょうど柳田国男の「山」に関する本を読んでいたためか、この話も何か「山に憑かれた」ものを感じた。柳田国男ならこの話も「山の人生」に組み込んでいそうだ。
じわじわと
相変わらずじわじわと怖い。作中にときどき不可解な現実(?に生きている人が登場するのが、意味分からないけど怖い。
取材して連鎖で移動していくところが臨場感あって好きです。
ただちょっとおおしまてる多用しすぎかなあ。