あらすじ
1946年、戦争で両親と住まいを失った里見滋は、焦土と化した東京を放浪し、飢えと貧困に苦しむ。2020年の東京、コロナ禍で自粛生活を続ける洲崎駿は、父の勤務先が倒産し、楽しかった高校生活が破綻する。絶望の淵から這いあがろうともがくふたりを待っていたのは、驚くべき運命の巡りあわせだった。心にしみる感動と勇気がみなぎる傑作長編。
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Posted by ブクログ
終戦直後を生きる滋と現代のコロナ禍を生きる駿。ともに17歳の人生が交互に語られていく。戦争の影響が色濃く残り、生きていくので精一杯の日々のなかでの出会いから商売を始める滋。コロナ禍で不自由ななか居場所を見つけられず悩む駿。時代は全く違うし、悩みも違う。でも人と関わって変化していくのは同じでどちらの時代もとても面白く読める。時代が違う二人がどうやって交錯するのか。その瞬間に人生とか時間とかの不思議さに思いを馳せる。
本書の解説は北上次郎さん。一月にお亡くなりになり、恐らく最後の解説が本書のだそう。亡くなるひと月前に書かれたらしいけれどいつもの北上さんの文章でそんなことは全く感じない。北上さんを通して知った作家、作品は数えきれないほどでこれからもその影響を受けて本を選び読んでいくと思う。 解説の後に著者の福澤さんの北上さんへの追悼文にもぐっとくる。