朱川湊人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『花まんま』の映画が公開中だけどまだ観ておらず、いつか観に行けるだろか?どうだろうか?予定立たず…というわけで先にこの本を手にする。
この物語は、映画から生まれた4つのサイドストーリーということで、ちょっと昭和を色濃く感じてしまう内容。
東大阪や生駒を身近に接する者としては、妙に親近感が湧いてくる。
じんわりとした感じは、なんだろう。
懐かしさも覚えるのは何故だろう。
短編4話はどれもいい。
○花のたましい〜駒子と智美のはかなくも美しい友情の行く末。
○百舌鳥乃宮十六夜詣〜摩訶不思議な体験は、ノスタルジック・ホラー。
○アネキ台風〜家族をパワー全開で再生しようとする肝っ玉アネキの奮闘記。
○初恋忌〜人生の終わりを予感した男の身に起こる小さな奇跡。
なかでもいちばん短い話だけど「初恋忌」が痺れた。
「花まんま」は、記憶がうっすらなので再読したいと思う。
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Posted by ブクログ
少し不思議で心温まる短編集。「初恋忌」は「花まんま」のスピンオフと言えますが、「花まんま」を読んでいなくても問題はないかも。もちろん、読んでいるならさらに楽しめます。
どの物語もほっこりした味わいながら、どこかしら悲しさ寂しさを感じさせられるのが印象的です。お気に入りは「アネキ台風」。すぱっと気持ちの良い、痛快なパワーあふれる物語に思えますが、しかしなんともいえない切なさがありました。死別の悲しみは当然だけれど、こういうわだかまりの残った状態の別れの苦しさがやりきれません。それでも辛うじて繋がっていることにはほっとさせられました。
「花のたましい」はとても優しい、だけれどその優しさがあまりに悲しすぎました。不幸せではないのだけれど……幸せとも言い切れない。「百舌鳥乃宮十六夜詣」は不思議な物語。真相がいったいどちらだったのか、は考えても意味のないこと。あり得ないようなことでも、絶対に起こらないとは限らないのかも。 -
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小林泰三『玩具修理者』
いや〜いいホラー。ゾクッとはしないが、読んでいてドキドキしてどんどん読んじゃう。話の運びから設定まで良い作品でした。
沙藤一樹『Dーブリッジテープ』
ぁぁぁぁあああ!!!いやぁぁぁぁああ!!って描写が多い。イチイチムカつく金持ちズとあんまりにも可哀想な子供達。足と車のドアの部分とかバスの中で思いっきり顔を顰めてしまいました。二人とも私が覚えててやるからな!!!いやほんとに!!!
朱川湊人『白い部屋で月の歌を』
ホラー、というよりかは幽霊の出てくる小説というイメージ。ただ最後の終わり方とか、主人公の設定とかがすごい!!!良い作品でした。
森山東『お見世出し』
これが一番好き!!!ホラーなんだけど、雅というか、静かな異質さが良い!!!終わり方も秀逸。
あせごのまん『余は如何にして服部ヒロシと
なりしか』
怖いというか気持ち悪い!
知らんおっさんに首筋舐められてるみたいな嫌さ。
よく分からん世界がよく分からんルールで進むこの感じ…嫌ですねえ… -
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毎日2時間あまりの通勤。同じ立ち食いそば屋で朝ごはんを食べて会社に向かう。うだつの上がらない営業課の課長として毎日夜遅くに帰る。そんなある日、一人で夕食を食べながら映画のビデオを見ていると「明日は一生に一度のサービスデーなの」という女性の声が聞こえてくる…。
少し懐かしいノリの怪談メインのSF短編集。5本収録されているが、最初の3本がメインで、あと2本はちょっと毛色の異なる話。最後の三途の川はそこまで違わないか。
表題作から、ちょっと長いもの、天使と悪魔との戦いに、人間が巻き込まれるという、星新一のショートショートのような話。ただ、オチは割とウェットでご都合主義的なところは有るが。
2作目から、おそらくこの作者の本領発揮という感じで、昔ながらの幽霊の話を核とした怪談ベースの話。怪談を描くといきいきした雰囲気を感じるので、こちらが本物なのだろうと思う。ただ、いずれも最後はふわっと終わるんだな。
星新一のドライなショートショートの感覚と、阿刀田高の怪談のちょっとどんよりウェットな感じの中間を行くような話で、短編として楽しむにはなかなか良いのではないかと思われる。電子書籍としても読みやすいだろう。
ただ、もうちょっと無慈悲にどうしようもないバッドエンドなどが有っても良かった。
余談。
ちょくちょく、ちょっと昔の時事ネタを具体的に入れた、情景比喩のような表現が見られ、作者なりの照れかくしのようなものなのだろう。また、小ネタとして入れている部分も有るのだろう。ただ、たとえば1984年に、大学生がバイト先のおじさんからCDを借りるなど、実際には+2~3年は必要な部分が見られたり(CDが一般家庭に普及するのは1986~7年)、ネタに組み込むのに必死で、裏付けが取れていないのはちょっとね。 -
Posted by ブクログ
読者は不思議が起きる町へ招待される。
死者の世界に通じる場所がある覚智寺、町で起きる摩訶不思議な出来事の目撃者であり証言者である古書店主をキーに7篇の死にまつわる話が語られる。
そしてそれぞれの話の底流にあるストーリーは最後の一篇によって鮮やかに語られる。
戦禍を免れて古くからの町並が残ったこの町には訳あって他所から流れて来た人達も多い。彼らは過去に責め立てられながらこれからの自分達を立て直すためにこの町にやってきた。そして昔ながらの商店街でスーパーマーケットの便利さとはひと味違う買い物にむしろ居心地の良さを感じる。
この町には便利さと引き換えに私達が失ってしまったものが残っている。
それは人々が心地よく暮らしていくためにどうしても必要な事なのだろう。
人間は生きていく上で後悔する事を、長く生きていけばいくほどそれだけ多く抱え込む。
それに対する懺悔の気持ち、特に死んでしまった愛する者に対するその気持ちはなかなか辛いのだが、もしも死者に今この懺悔の気持ちを伝える事ができたならどんなに気持ちが楽になるだろう。
古いこの町はそんな願いが叶うかもしれない不思議空間。