朱川湊人のレビュー一覧

  • 妖し

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    全編シンプルに怖い。どろどろしているわけじゃなくて、上品な怖さだけど、それ故に怖い…!作家さんたちがみんな巧みなんだな…

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    2024年03月19日
  • かたみ歌(新潮文庫)

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    平成生まれだけどどこか懐かしい感じがする。映画Alwaysが好きなので街並みはそれを想像しながら読んだ。

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    2024年03月13日
  • 本日、サービスデー

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    毎日2時間あまりの通勤。同じ立ち食いそば屋で朝ごはんを食べて会社に向かう。うだつの上がらない営業課の課長として毎日夜遅くに帰る。そんなある日、一人で夕食を食べながら映画のビデオを見ていると「明日は一生に一度のサービスデーなの」という女性の声が聞こえてくる…。

    少し懐かしいノリの怪談メインのSF短編集。5本収録されているが、最初の3本がメインで、あと2本はちょっと毛色の異なる話。最後の三途の川はそこまで違わないか。

    表題作から、ちょっと長いもの、天使と悪魔との戦いに、人間が巻き込まれるという、星新一のショートショートのような話。ただ、オチは割とウェットでご都合主義的なところは有るが。

    2作

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    2024年03月03日
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1

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    小林泰三『玩具修理者』
    沙藤一樹『Dーブリッジテープ』
    朱川湊人『白い部屋で月の歌を』
    森山東『お見世出し』
    あせごのまん『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』

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    2024年01月21日
  • かたみ歌(新潮文庫)

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    読者は不思議が起きる町へ招待される。
    死者の世界に通じる場所がある覚智寺、町で起きる摩訶不思議な出来事の目撃者であり証言者である古書店主をキーに7篇の死にまつわる話が語られる。
    そしてそれぞれの話の底流にあるストーリーは最後の一篇によって鮮やかに語られる。
    戦禍を免れて古くからの町並が残ったこの町には訳あって他所から流れて来た人達も多い。彼らは過去に責め立てられながらこれからの自分達を立て直すためにこの町にやってきた。そして昔ながらの商店街でスーパーマーケットの便利さとはひと味違う買い物にむしろ居心地の良さを感じる。
    この町には便利さと引き換えに私達が失ってしまったものが残っている。
    それは人

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    2023年05月28日
  • かたみ歌(新潮文庫)

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    ネタバレ

     東京の下町、アカシア商店街というアーケードのついた300mぐらいの通り。古本屋、ラーメン屋、酒屋、スナック、お寺、アパート・・・。その商店街を舞台にした昭和30~40年代の物語。連作短編7話。霊や魂をテーマにした朱川ワールドが拡がっています。「かたみ歌」、2008.2発行。 

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    2023年04月22日
  • なごり歌

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    かたみ歌を読んだ後にこちらのなごり歌を読む、という流れを踏まえてみたが、こちらの作品単体で読んでも充分楽しめる作品です。
     アカシア商店街でテーマソングの様に流れていたというあの曲や、木綿のハンカチーフ、心の旅、作中出てくる実在の楽曲を聴きながら作品の世界観に浸れるというのが嬉しい演出でした。

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    2023年03月28日
  • かたみ歌(新潮文庫)

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    なごり歌を先に購入してしまい、こちらのかたみ歌が先の作品と知り慌ててこちらも購入し、読破しました。
     非常に良くできた短編集……かつ、それぞれ少しずつ人物が被るように絡んだストーリーの構成………あ、ここでこの人物が関係してくるのか!と意表を突かれたりで、じっくりゆっくり楽しめる読み物って素晴らしいなぁと感じました。

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    2023年03月27日
  • 満月ケチャップライス

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    「幸せな家というのは、いつもきれいなタオルと新しい卵がある家のことを言うんですよ」

    救われない結末になりそうだと思いながら読み進めたけど、覚悟したほどではなかった。
    会話のやりとりに矛盾がなくて気持ちがよかった。

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    2023年02月19日
  • 主夫のトモロー

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    素敵な夫婦の話。
    お互いに思うことをきちんと伝えて一緒に悩んでいく姿勢が大事なんだろうなと思った。
    人の生き方に口を出すこと自体が変だって思われるような世の中になったらいいのにと思う。

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    2023年02月11日
  • 狐と韃(むち)~知らぬ火文庫~

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    日本霊異記を基にした短編小説集。バラエティに富んでいる印象。理不尽だと思う話もいくつかあるけれど、そこが仏教?を基にした教訓譚らしさを感じた。女が蛇と結ばれる話は、正直古典で読むからライトな感覚で読めたものが小説になるとウッ…となる感覚を味わえたのは面白かった。

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    2023年01月22日
  • わくらば日記

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    ネタバレ

    昭和30年代の前半はこんなだったのかな

    映画、「三丁目の夕日」(西岸良平さん原作マンガの映画)を見たときは、隣の知らないおばちゃんに負けないほど懐かしさや感動に号泣してしまったけれど•••

    こちらはもう少ししんみりしている。

    30年ほど前に亡くなった姉を慕う私(妹)の懐古連作、5作。

    「姉さま」はフシギな能力を持っていて•••その能力に焦点を当てた①と②。その能力を前提にした③と④。そこまで行くか、という⑤。

    僕が好きなのは③と④。いい!!

    やっぱり、このラインからは逃れられないな、僕は。

    【あらすじ(冒頭部)】
    ①追憶の虹
    幼い私は、交番の秦野巡査の気を惹くために、姉の秘密『透

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    2023年01月20日
  • 揚羽の夢~知らぬ火文庫~

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    朱川湊人 さんの「知らぬ火文庫」シリーズ
    最新刊というだけで 手に取ってしまう

    相変わらず 
    あっという間に
    幽玄の世界に連れて行ってもらえます

    何年も前に
    夢中になって 読み進めていた
    吉川英治さんの「新 平家物語」の
    部分部分が 浮かんでは消えていきました

    ずいぶん前に 読んでいるうちに
    途中で 放り出してしまった
    「方丈記」
    もう一度 手にとってみよう!
    と 思ってしまいました

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    2022年11月24日
  • 都市伝説セピア

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    はじめて、朱川湊人先生の作品を読んだ。

    読みやすくて面白くて、短編集だが全体的に描写がしっかりと描かれていてどれも納得のいく作品。

    最初のアイスマンを読んで、想像できるラストだったが鳥肌が立つほど怖くまた切なくて、感情を揺さぶられた。

    他の作品も脳内でしっかりと映像化されて、とても面白いと感じた。

    次は「花まんま」を積読しているので読んでみたい。

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    2022年10月25日
  • 揚羽の夢~知らぬ火文庫~

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    うたかた。

    読み終わった読後感としてはそこまで儚さばかり残っているわけでないが、

    平安末期の町の様子、世の中の大きな出来事・時代の変化を描く。

    8編あり、大火事、竜巻、飢饉、福原遷都が鴨長明の視点で、

    平家が衰え、滅んでいく様を、平清盛の子、重盛と知盛の視点から触れられている。

    編の後半はいくぶん読みやすくなったが、前半は、知らない史実や語句の検索で、勉強しているようだった。

    「無無明亦無無明尽」(むむみょうやくむむみょうじん)

    この言葉で前半、半数以上の編が締め括られていて、どのサイトを見ても浅学な僕にはピンと来ないのだが、「人生を励まそう」という言葉なんだと僕には受け取られた

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    2022年10月16日
  • 本からはじまる物語

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    本が好きな人には是非読んでほしい!
    本と人との関わり方、大切な本の思い出、ファンタジーな物語もあり、、、

    色々な方のストーリーをいっぺんに楽しめる欲張りな本です!!

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    2022年10月15日
  • かたみ歌(新潮文庫)

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    東京の下町にあるアカシア商店街。その近くにある覚智寺はあの世とこの世をつなぐ寺だと噂されている。その商店街をとりまく人々、特に幸子書房の店主が、7つの短編全てに関わりながら、そして、最後の物語では その店主の過去が明らかになっていく。殺されても家族を守ろうとする中華屋の主人、弟の代わりに突然行方不明になる血の繋がらない兄、古本に手紙をはさむ文通で、いつの間にか時代を越えて 若くして特攻隊で、亡くなった著者と交流する娘、亡くなった猫の魂に救われる漫画家、見えないものが見えることで 後の奥さんを助ける大学生、そして最終章では母に殺された幼い女の子が、古本屋の主人を救う。今は少なくなったご近所の心の

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    2022年09月11日
  • 白い部屋で月の歌を

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    短編2作品
    ホラーと謳ってはいるけど生々しい表現はないので読みやすい。朱川さんの作品は何作か読んでいるけれど、読み終わった後に何かしら心に残る作品が多い。わくらば日記もしかり

    1作目〜
    オチがー!まさかのジュンは人形だったのか!!となる。いままで恨み言をいう霊魂しか相手をしていなかったから恵梨香が物凄く綺麗で純粋に見えてしまったのだろう。でも実際はキャバで働いていたりしているから、それはジュンは知らない世界
    先生との性行為についても何だかよくわからないままだったんだろうと思う。

    2作目〜
    こちらもオチというかなんというかだ。
    雅彦がどうしょうもなくクズだと感じた
    不倫をして左遷されたのにま

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    2022年08月24日
  • 揚羽の夢~知らぬ火文庫~

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    「方丈記」と「平家物語」をアレンジした幻想譚。平安鎌倉時代、都を次々と襲う災禍。戦、疫病、天災の数々にあえなく命を奪われる多くの人々と、その中でも必死に生き抜こうとする人々。栄華を誇った平家の隆盛と滅亡。移り変わる時代を見つめ続ける鴨長明を主人公にして描かれた、虚無的だけれど穏やかさも感じさせられる連作短編集です。
    いつの世にもこのような災禍は絶えたことがないのでは、というのがまず思ったことでした。時代は違えど、現代とあまり変わらないような気がします。災禍によって人心が荒れる、というのもしかり。諸行無常というけれど、その変化もただ繰り返すものなのでしょうか。そう思うと何もかもが虚しくなってしま

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    2022年08月06日
  • 揚羽の夢~知らぬ火文庫~

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    鴨長明の視点で捉えた平安鎌倉時代の日常。飢餓、疫病、源平合戦…常にとばっちりを受けるのは平民である。時代を超えて人間の悲哀、無常が心に響いた。

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    2022年07月31日