朱川湊人のレビュー一覧
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映画「花まんま」のスピンオフと聞いて紐解いた。4篇の短編集。多分主人公以外の誰かにスポットが当てられるのだろう。読む前に予想を立てた。映画の中で個性豊かなのに、全然深められていないといえば、フミ子の婚約者で鳥の言っていることがわかる太郎くん(鈴鹿央士)か、彦根の家族の一員で何故か太郎くんのことを知っていた大学教授の人(六角精児)、或いは彦根家族近くのお店を営んでいた女性。或いはお好み焼き屋の駒子(ファーストサマーウイカ)かと踏んでいた。
結果は、駒子しか当たらなかった。しかも、映画でヤキモキした駒子の恋が実るかどうかという話ではなくて、駒子の幼馴染で、あまりにもお人好しの瑠美ちゃんが主人公。 -
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先に出版された『花まんま』の、ちょっと変則的スピンオフ作品といえる。
映画『花まんま』の撮影現場を訪れた朱川湊人氏は、後に新たな世界を思い浮かべて『花のたましい』を執筆されたとのことだ。
もし『花のたましい』を先に読んでも、何ら問題はない内容だと思う。
『花まんま』で綴られた雰囲気はそのまま引き継がれ、4篇の短編集は朱川氏独特の世界が綴られている。
相変わらず朱川作品は、不思議な世界の中に切なさと優しさが同居していた。
切なく寂しい思いもあるのだが、同時にほのぼのとした温かさも伝わってくる。
特に「初恋忌」では、逢いたくとも会えない切なさ、相反してほのぼのとした気分も伝わってくる。
何故に朱川 -
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ネタバレ昭和30〜40年代の大阪の下町を舞台に、当時子どもだった主人公が体験した不思議な出来事を、ノスタルジックな空気感で情感豊かに描いた全6篇。
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トカビになったチェンホ(トカビの夜)
ピースマークの妖精(妖精生物)
フォークのカツ子・カオル・ヤヨイ(摩訶不思議)フミ子と繁田喜代美(花まんま)
一度の外道(送りん婆)
リュウキュウアサギマダラ(凍蝶)
花まんまが放映中で気になり本を購入。
(トカビの夜)と(送りん婆)がワクワクして読みすすめられました。子供のドキドキする気持ちや恐怖心をうまく表現出来ていて、そしてどこか懐かしくどっぷり本の世界へ引き込まれ -
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『花まんま』の映画が公開中だけどまだ観ておらず、いつか観に行けるだろか?どうだろうか?予定立たず…というわけで先にこの本を手にする。
この物語は、映画から生まれた4つのサイドストーリーということで、ちょっと昭和を色濃く感じてしまう内容。
東大阪や生駒を身近に接する者としては、妙に親近感が湧いてくる。
じんわりとした感じは、なんだろう。
懐かしさも覚えるのは何故だろう。
短編4話はどれもいい。
○花のたましい〜駒子と智美のはかなくも美しい友情の行く末。
○百舌鳥乃宮十六夜詣〜摩訶不思議な体験は、ノスタルジック・ホラー。
○アネキ台風〜家族をパワー全開で再生しようとする肝っ玉アネキの奮闘記。
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少し不思議で心温まる短編集。「初恋忌」は「花まんま」のスピンオフと言えますが、「花まんま」を読んでいなくても問題はないかも。もちろん、読んでいるならさらに楽しめます。
どの物語もほっこりした味わいながら、どこかしら悲しさ寂しさを感じさせられるのが印象的です。お気に入りは「アネキ台風」。すぱっと気持ちの良い、痛快なパワーあふれる物語に思えますが、しかしなんともいえない切なさがありました。死別の悲しみは当然だけれど、こういうわだかまりの残った状態の別れの苦しさがやりきれません。それでも辛うじて繋がっていることにはほっとさせられました。
「花のたましい」はとても優しい、だけれどその優しさがあまりに悲 -
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小林泰三『玩具修理者』
いや〜いいホラー。ゾクッとはしないが、読んでいてドキドキしてどんどん読んじゃう。話の運びから設定まで良い作品でした。
沙藤一樹『Dーブリッジテープ』
ぁぁぁぁあああ!!!いやぁぁぁぁああ!!って描写が多い。イチイチムカつく金持ちズとあんまりにも可哀想な子供達。足と車のドアの部分とかバスの中で思いっきり顔を顰めてしまいました。二人とも私が覚えててやるからな!!!いやほんとに!!!
朱川湊人『白い部屋で月の歌を』
ホラー、というよりかは幽霊の出てくる小説というイメージ。ただ最後の終わり方とか、主人公の設定とかがすごい!!!良い作品でした。
森山東『お見世出し』
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