朱川湊人のレビュー一覧
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ネタバレ舞台は昭和初期。不思議な力を持った姉様とワッコが送った懐かしい日々の回想。
前作の続きなのだが、姉さんこと鈴音はものや人の記憶を読むことができる。いわゆるサイコメトリーが可能で、その力を使って日常生活で起こる様々な問題を解決していく。
回想録ということもあり、姉の命の残り少なさも切ないが、姉がどうして自分に不思議な能力があると考えているのか、同じ能力を持つ黒薔薇こと御堂吹雪との対比も行われつつ描かれている。
淀みに光を当てていくというのが心優しい鈴音らしい言葉だった。
幸男という幼なじみの凶行を止めようとしたり、怪しい新興宗教にはまってしまった茜を二人が取り戻して3人組に戻ったり、記憶をなく -
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『わくらば日記』の続編。
各短編の内容はシリアスなものが多いですが、語り口調の柔らかさや登場人物たちの暖かさのおかげで読後感が暗くなることもなく、安心して読むことができました。
新キャラも今作では登場しますが、中でも注目は鈴音と同じ能力を持ちその能力を悪用する御堂吹雪。彼女と鈴音の関係についてはまだまだ謎が多く、このシリーズはまだ続きがありそうな予感です。
印象的なのは『冬は冬の花』吹雪の事件がきっかけで鈴音やワッコと親友茜との関係に変化が訪れ、その顛末が描かれる作品。鈴音が友人との付き合い方について言及するところがあるのですが、それがとても切ないです。だからこそ最後の場面の会話がとても -
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第10回日本ホラー小説大賞短篇賞受賞作。
◆白い部屋で月の歌を
◆鉄柱(クロガネノミハシラ)・・・雅彦と晶子は東京から緑豊かな久々里町に引っ越してきた。町の人々は隣人や町長をはじめ感じのいい人達ばかりで、今までは内向的だった晶子も積極的に外に出ていくようになり、この町に馴染んでいった。しかしながらある日の朝、ジョギングで丘に登った雅彦は、その丘にある鉄柱で首をつっている老婆を発見する。
以上2篇を収録した短編集。どちらも、血が飛ぶようなグロテスクな怖さではなく、後からじわじわとくるような精神的なホラー。どちらかといえば、【鉄柱】の方がよくできた話だなぁと思った。
◆鉄柱(クロガネノミハシ -
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ネタバレ昭和時代の大阪にタイムスリップしたような物語の書き方が印象深かった。
やはり映画化した「花まんま」ももちろん面白かったが、個人的には「トカビの夜」「送りん婆」の話が好きだった。
覚書用に一言ずつ感想を書いておこうと思う。
「トカビの夜」
チェンホが報われて良かった。
「妖精生物」
性的な魔物のような妖精生物にぞっとする。
「摩訶不思議」
大人の人間関係って子どもから見たらまさに摩訶不思議。
「花まんま」
繁田喜代美のお父さんが前を向けたらいいな。
「送りん婆」
死を自在にする力は人を外道に落としかねない。恐ろしい。
「凍蝶」
蝶のようなミワさん。幸せに