朱川湊人のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ昭和時代の大阪にタイムスリップしたような物語の書き方が印象深かった。
やはり映画化した「花まんま」ももちろん面白かったが、個人的には「トカビの夜」「送りん婆」の話が好きだった。
覚書用に一言ずつ感想を書いておこうと思う。
「トカビの夜」
チェンホが報われて良かった。
「妖精生物」
性的な魔物のような妖精生物にぞっとする。
「摩訶不思議」
大人の人間関係って子どもから見たらまさに摩訶不思議。
「花まんま」
繁田喜代美のお父さんが前を向けたらいいな。
「送りん婆」
死を自在にする力は人を外道に落としかねない。恐ろしい。
「凍蝶」
蝶のようなミワさん。幸せになってほしい。
「トカビの夜」は所謂ハッピーエンドのような終わり方だが、他の話は含みを持たせた終わり方が多かったように思う。
「妖精生物」「送りん婆」は主人公の心の隅の薄暗い部分の片鱗をみせて終わらせる、形容しがたいが夏の怪談のような生々しさがあり、「摩訶不思議」「花まんま」「凍蝶」は大人たちに振り回される子どもの無力感があったように思う。
昭和時代の煩雑な雰囲気と今より身近にあった性的な刺激や差別的な体験を読んでいて感じることができて面白かった。 -
Posted by ブクログ
作品紹介・あらすじ
1話5分でわくわくできる、本にまつわる18のストーリー。
森を飛びかう絵本をつかまえる狩人、ほしい本をすぐにそろえてくれる不思議な本屋、祖父がゆっくり本を読む理由、書店のバックヤードに隠された秘密……。
青春、恋愛、時代小説から、ミステリにファンタジーまで、「本」と「本屋」をテーマに豪華執筆陣18名が集結! 本の世界の奥深さが短いお話の中にたっぷり詰まっています。1話5分でわくわくできてどこから読んでも面白い、本にまつわるショートショート・アンソロジー。
*****
本にまつわるショートショート18編を集めた短編集。
僕は梨木果歩さんの作品目当てで購入。
ホロリとさせるものから、ミステリーっぽいもの、恋愛ものまでジャンルは様々で、似たようなアイディアの作品もある。
どれも短い作品なので、ちょっと食い足りなさを感じるのだけれど、逆に短いからこそ重くならずにすっと入ってくる心地良さがあって、全体的に好感が持てた。
肝心の梨木果歩さんの作品だけれど、これがホラー。ラストが明記されていないだけに、余計に怖さが残る。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ昭和の高度成長期から平成にかけて、都電が走る町を舞台に人間ドラマを描いた連作短編集。
全体を通して、温かくおおらかな昭和の雰囲気が伝わってきて、どこか懐かしい気持ちになりました。
失敗や後悔を乗り越えるストーリーが多く、救いはあるものの切なくも感じました。
冒頭の「追憶のカスタネット通り」は、街の描写が細やかで、世界観がすっと頭に入ってきました。
「やり直したい過去は誰にでもあるけれど、後悔の種は自分と関係なく進んでしまう」という作者の視点に、ハッとさせられました。
一番心に響いたのは「オリオン座の怪人」です。
優しい気持ちになるラストシーンが秀逸でした。
「人間はコップにすぎない。おいしい水が入るか、粗悪な酒が入るかはコップの持ち主次第」というフレーズは心に留め置き、自分のコップを美味しい水で満たせるような人になりたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
★3の下。
もう夏真っ盛りっぽい暑さだしホラーいっときます。
・白い部屋で月の歌を
怖いというより切なさが残るお話。
除霊を生業とする一味に使われる主人公。
月の歌を聴いてみたくなった。
オチは今ひとつ。
・鉄柱(クロガネノミハシラ)
怖いというより考えさせられるお話し。
妙な田舎に左遷させられた主人公。
「死ぬには良い日だ」という思想を体現する村。
ホラー仕立ての小道具を除けばアリだと思うな。
腹が弱いのでアイスとか控えてるんですが、今日は我慢できずにチョコモナカジャンボをパクついてしまった。
皆様におかれましては如何お過ごしでしょうか。
寒さより暑さの方が辛いな~。
突然、棒のようにぶっ倒れた人を見たことがあります。
熱中症にはお気をつけあ~れ~。 -
Posted by ブクログ
【要約】
兄妹と母が暮らす家庭に、突如として超能力を持つモヒカンの男が現れる。彼の登場によって、兄妹が抱えていた問題は解消され、平穏で幸福な日々が訪れるかに見えた。しかし、モヒカンの薬物購入や、宗教団体の存在が、次第に家族の運命に歪みをもたらしていく。
【感想】
謎の宗教団体が妹を取り込もうとする場面から、一気に物語に引き込まれ、物語から目が離せなくなった。本作は家族愛といった大仰なテーマを掲げているわけではないが、純粋な娯楽としての読書を存分に楽しめる一冊である。特に、作中の宗教団体が現実に存在する団体を想起させる点が、物語のリアリティを高めており、読み進めるごとに緊張感と期待が増していく構成が見事だった。