朱川湊人のレビュー一覧

  • 妖し

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    10人の作家さんが描く怪異の短編アンソロジー。多種多様な怖い話。一体、どこからこんなアイデアが出てくるのかと驚きながら楽しみました。

    恩田陸『曇天の店』
    北陸の料理屋。開けてはいけない勝手口。フェーン現象がつれてくるカワケが人を狂わせる。ラストの夫婦の会話が不穏で、余韻たっぷりで終わる。

    米澤穂信『わたしキャベンディッシュ』
    バナナの種って貴重なんだなあ。シゲルはどんな味なのかしら。

    村山由佳『ANNIVERSARY』
    小2のときの儀式が35歳で効果を発揮?
    夫と息子と幸せに暮らしていたのに、少し違う世界で小2からやりなおし。新しい世界で新しい家族と幸せになっても、新旧、どちらも裏切って

    0
    2024年08月16日
  • スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    軽い感じで読み進められる連作短編集。でも実は根底に流れるのはいなくなった家族への想い。一つ一つの謎よりも、いなくなった弟が生きていてお兄ちゃんと遊びたがっている『かもしれない』っていうラストが何より衝撃的だった。

    0
    2024年08月13日
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1

    Posted by ブクログ

    1994年~2011年の間に設けられていた、日本ホラー小説大賞・短編賞を受賞した作品を集めたアンソロジー。(自分にとっての)新しい作家に出会えることを期待して、手に取ってみた。

    収録されているのは、以下の5作品。
    ・小林泰三『玩具修理者』(1995年・第2回)
    ・沙藤一樹『D-ブリッジ・テープ』(1997年・第4回)
    ・朱川湊人『白い部屋で月の歌を』(2003年・第10回)
    ・森山東『お見世出し』(2004年・第11回)
    ・あせごのまん『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』(2005年・第12回)

    『玩具修理者』のみ既読で他4作は初見だったが、一番面白かったのはやはり『玩具修理者』。テキス

    0
    2024年05月17日
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1

    Posted by ブクログ

    表紙のインパクトにつられて読みました。
    有名な「玩具修理者」が読めたのが嬉しかった。
    純粋にホラーっぽく怖かったのは「お見世出し」かなあ。
    「余は如何にして〜」は、生理的に嫌な感じ。

    0
    2024年02月16日
  • 鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    朱川湊人の新境地、今までの昭和レトロからちょっと遡って大正ロマン時代のホラー…と言うより幻想奇譚シリーズ。

    大傑作という感じではなく、まだアイドリングで温めてる状態かな。シリーズとしての土台を積んでる感じ。
    「みらいじゃ」を追うにしても、一話のような語り手たちの絵描きという特徴をもっと使いこんだ方がいいんじゃないかなぁ、と個人的には思うが、まだまだここからのシリーズらしいので楽しみにしておこう。

    0
    2024年01月31日
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1

    Posted by ブクログ

    小林泰三の玩具修理者が突出して出来がいいと思う。ゾクゾクする恐怖でストーリーテリングも素晴らしい。他はスプラッターホラー要素が強くて、恐いというか生理的嫌悪感で恐怖感を煽るような所が気になる。

    0
    2024年01月13日
  • かたみ歌(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    昭和だ〜

    しかも“ゴリゴリ”の高度成長期
    「環境」なんて二の次、「チクロ」入りのお菓子を食べ、光化学スモッグの中で子供が育つ。
    道ではダンプカーか我が物顔で行き来し、白黒テレビからは、石坂浩二の「ウルトラQ」のナレーションが聞こえてくる。
    「これから30分、貴方の目は貴方の体を離れ……」

    そんな“怪しい”ノスタルジー香る連作短編集。

    もう一つのお楽しみとして、短編ごとに昭和の名曲?が幾つか入る。
    「紫陽花のころ」には布施明「シクラメンのかほり」(超有名)
    「夏の落とし文」にはドラマ「愛と死を見つめて」テーマソング(マニアックだけど大ヒット、マコ、甘えてばかりで……)
    「栞の恋」にはザ・タ

    0
    2023年09月11日
  • 白い部屋で月の歌を

    Posted by ブクログ

    ホラー文庫ですが、純粋なホラーではないかもですよね。
    タイトルの「白い部屋で月の歌を」は、少年を依代とした除霊を、心霊現象と現実的な人の汚さを並行して、どちらが除外されるべきかと問われる感じがしました。
    四角な白い部屋での、除霊の描写は、そんな感じかもしれないなと、朱川さん上手いなあと思いました。

    「鉄柱」
    これは、鉄柱ーミハシラー自体の恐ろしさというより、地方都市の片隅の一集落の閉鎖的な不可思議さに現実感のある恐怖感があると思いました。
    根本には朱川さんの優しさもあるなと思います。

    0
    2023年07月09日
  • 銀河に口笛

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    朱川湊人お得意のノスタルジック小説。SF気はあっても、ホラーっぽくないのがちょっと新鮮か?ただ、この手の小説は作者のものだけでなく、結構な弾数が出揃っていて、その中から抜け出しているくらいかというと、ちょっと疑問符。

    基本は王道のノスタルジック路線。中年にまで成長した語り手役が、少年時代を思い出し、主人公の不思議な少年や幼馴染の仲間と過ごした2年ほどの小学校時代を思い出す形式。

    小学生らしい冒険譚の中に、当時も現代にも顕在する困った問題、貧困やジェンダーやハラスメント、老人介護、交通事故等がテーマとして取り上げられている。

    主人公の反則禁じ手をもってしても、その場を収め離だけで安易に解決

    0
    2023年07月08日
  • かたみ歌(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    昭和40年代頃を中心にした時代、都電が走る下町のアーケード商店街がある街を舞台に、生と死の間を行き来する不思議な体験を軸にした連作短編の構成。

    昭和50年代に子供時代を過ごした自分からすると少し前の時代で、どんぴしゃノスタルジーを感じるには今一歩なのだが、人と人の距離が今よりも近かった素朴で小さな世界の雰囲気はよくわかるし、伝わってくる。

    ハートウォーミングな筆致の中に、人の世の業が織り成す、今となってはやや生々しく感じられる件りも所々に盛り込まれる。令和の時代の日本社会の深層にも生き続けるウェットな人間関係の負の側面を意識させられ、やや重く感じられたというのが正直な印象。

    0
    2023年06月30日
  • 白い部屋で月の歌を

    Posted by ブクログ

    怖かった度★★(最高が★5)

    ホラー克服のための「魁ホラー塾」の第三弾はおびのりさん推薦本『白い部屋で月の歌を』です

    第10回ホラー小説大賞の短編賞の受賞作品とのこと
    いやーさすがおびー、分かっとるな
    こういうことですよ
    徐々に馴らして行きたいんですよ!

    いきなりド本命を勧めてするんじゃないわよ!まったく
    ショック療法が失敗してもっと苦手になるやないか!

    ホラーとしてはなんというか、じゅわってくる感じでした
    表題作『白い部屋で〜』はなるほどそっちか!って感じですね
    ちょっとトリッキーな感じのオチは嫌いじゃないんですが、文章の感じがちょっと雑いというか
    作者が狙っているような空気感は出せ

    0
    2023年06月15日
  • 本からはじまる物語

    Posted by ブクログ

    18人の作家による本にまつわるアンソロジー。
    市川拓司さん「さよならのかわりに」が面白かった。梨木香歩さん「本棚にならぶ」は勝手なイメージでほんわかした話かと思ったらなかなかに怖かった。どの作家さんの話からも本好きな気持ちが溢れ出ているように感じた。

    0
    2023年05月08日
  • なごり歌

    Posted by ブクログ


    1970年台の団地を舞台にした郷愁人間模様短編集。ちゃぶ台をあげて布団を敷いていた時代以降、食卓があるDKの生活に憧れ何十倍もする公団入居の抽選に応募していた頃のキラキラどろどろした世の中を彷彿させる。

    0
    2023年04月25日
  • わたしの宝石

    Posted by ブクログ

    読み終わるのになっかなか時間がかかった。
    仕事も忙しく読む時間もあんまりなく、、、
    想い出セレナーデが一番好き

    これを読み、想い出セレナーデを購入した

    0
    2023年01月28日
  • かたみ歌(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    アカシア商店街での話。

    地域密着、という感じの話ではありますが
    時代も主人公も別々。
    ただ、古本屋の主人だけが出てきます。

    少しずつ分かったり、かけらだったり。
    そこに繋がるのか、という小さな驚きがありました。

    0
    2022年12月26日
  • 本からはじまる物語

    Posted by ブクログ

    本に纏わるアンソロジー。
    お馴染みの作家さんは、なるほど作家さんらしいお話だし、はじめての作家さんの話はなかなか新鮮だ。

    梨木香歩さんの「本棚にならぶ」がとても衝撃的で印象が強かった。なんだか、私もこんな風になっていく気がしないでもないと。怖いよりもなぜか納得してしまうのだ。

    0
    2022年12月25日
  • 揚羽の夢~知らぬ火文庫~

    Posted by ブクログ

    方丈記と平家物語に着想した、アレンジ小説です。特に方丈記では、朱川さんらしく、無常で儚げな市井の人々が語られています。
    方丈記は、随筆ですが、疫病や火災等の災禍の歴史的史実が多く記録されていますので、それらの引用が多く創作とはいえ、平安の世を垣間見るようでした。平家物語(挫折中)と方丈記、同時期ですが視点の違う二作からの小説もあり、暖めていた構想なのかなと思いました。
    揚羽蝶は、平家の家紋ですが、本当に何故だか、お墓によくいるんですよね。それもたくさんいるのではなくて、一頭で飛んでるんですよね。不思議。
    芥川や森鴎外など古典からの作品は好きなものが多いので、朱川さんの次作も期待します。

    0
    2022年11月01日
  • 揚羽の夢~知らぬ火文庫~

    Posted by ブクログ

    『方丈記』『平家物語』を下敷きに、鴨長明や平重盛、平知盛の視点で語られるお話。どちらも日本史や国語の文学史年表でお目にかかった程度で、せいぜい出だしの一文くらいしか知らないわけですが、今見てる大河ドラマにオーバーラップする話なので興味深く読めました。難波加々麻呂は架空の人物でしょうが、なかなか良いキャラクターだと思います。⭐3.5

    0
    2022年10月05日
  • 狐と韃(むち)~知らぬ火文庫~

    Posted by ブクログ

    平安時代初期に書かれ
    伝承された最古の説話集
    『日本霊異記』の数話を題材に
    現代風にアレンジした作品
    #狐と鞭 #朱川湊人

    元々宗教を伝えるために
    書かれた書物なのに
    時々艶かしいお話しとかもあって
    なかなか面白かったです

    いつの時代も同じような悩みを持ち
    人は生きているんだなぁ…。

    0
    2022年09月13日
  • わくらば日記

    Posted by ブクログ

    懐かしさと虚しさがつまった回顧録。
    ストーリーは嫌いではないが、短編集なだけに無理矢理な感がある場面がみられる。

    0
    2022年09月09日