朱川湊人のレビュー一覧
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ネタバレ表紙が違う。。。
女性が片手を伸ばしているイラストだったのだが、該当なし。
なかなかぶっ飛んだ題材を扱っているのに、 さらりさらりと表現してしまうのが毎回凄い。
性的な関係も絡むので、中高生にお薦めできるのと出来ないのがあるが。。
3作目は読んで欲しい。
『死体写真師』
→写真師の動機は何なのだろう。。あくまでも、その後のシステムは商売人である葬儀社の思惑から来ているのだろうし。
『レイニー・エレーン』
→これまた、主人公は何故にそういった行為に走ったのか。。。本当、子供がいる人はそちらを優先して欲しいと思うのは綺麗ごとなのだろうか。。
『アタシの、いちばん、ほしいもの』
→欲しいものは何なのだろう、というのにナルホドな、という答え。
言葉が足りない時、逆に説明しすぎてしまう時、何となく、そうなってしまった時の心情。
もやもやする思春期の感情をこうも的確に表現できるとは。。。
読み終えた時、一番苦しくなる作品。
『私はフランセス』
→マイノリティであることを理解しながら生きるのは辛い。。こんな長文の手紙をもらったら読みきれないが、本当、作家さんの力は凄い。
『いつか、静かの海に』
→どうなるのだろう、という展開に対し静かな結末。
けれど、これからどう転ぶかは分からない。。 -
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ネタバレ『白い部屋で月の歌を』『鉄柱(クロガネノミハシラ)』
以外にも、タイトルの方が短編。
巻末に第10回ホラー小説大賞についての批評があって
『姉飼』『相続人』『ぼっけえ きょうてえ』『光 A Light』『蜥蜴』も気になる。。
タイトルの作品のラストの月は、きっと青くて白いのだろうなぁ、と、イメージが浮かぶ。
大どんでん返し、な激しい展開なのに、ラストは静かな余韻が残るというか。。
『鉄柱』は再読すると主人公以外の隣の奥さんや町内会長が気になる。
主人公は…
妻の「こんな静かなところにきても、この病気からは解放されないのね」コレって、主人公の事を指しているのでは??と思ってしまう。
これからの長い人生、主人公はどんな選択をして、どんな終わり方を選ぶのだろう。。。 -
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ネタバレ2004年から2005年にかけて雑誌『ミステリーズ!』に発表された短編5編からなる短編集。
5編のうち1編はネクロフィリア(死体性愛)、もう1編はアクロトモフィリア(四肢欠損性愛)、更にもう1編は アポテムノフィリア(身体欠損性愛)、というなかなかド変態な内容ですが、朱川湊人氏の筆にかかると、ダークなファンタジーになります。
5編のうちもう2編は幽霊もので、変態性はありません。
5編に共通してバッド・エンディングですが、イヤーな感じのするエンディングではなく、切なくホロ苦く哀しい、という感じです。
この感じ、何かに似ていると考えると、解説の中の「特撮」というキーワードから、市川森一脚本に思い当たりました。
刑事ドラマや特撮ヒーローもので、何とも言えない苦ーい結末を迎えることもある市川森一脚本回。変態性は別にして、後味はこの作品集と共通する気がします。
そういう意味では、自分の世代には、これもノスタルジー作品集といえます。。 -
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タイトルを見れば、何について書かれているかすぐ分かる。
手を繋いでいる表紙の絵も、読み終えてみれば重要なポイントを突いている。
トモローって良い名前だな~
男の子がいたらつけたかったな。
小説家志望の斉藤知朗。
編集に携わっていた美術誌が突然廃刊となり…実質クビ?
そんなタイミングで、恋人の美智子は「結婚しよう!」と言った。
美智子の夢はインテリアデザイナーとして独立すること。
彼女の両親も進んだ考え方の人たちで、愛娘が好きな仕事を思いっきりできるよう、トモローくん、主夫よろしく頼む!
と背中を押す。
そんなこんなで、“世間の常識”的には男女逆転、トモローと美智子的には、やりたいこと全部やって、人生いいとこ取りしちゃおうよ!という生活が始まった。
やがて子供も生まれて…
美智子も産休後の会社などではかなりいろいろあったとは思うが、ここは「主夫」をするトモローの子育ての悩みと周囲の状況に的を絞って書かれていてスッキリ読みやすい。
予想される出来事が続くが、「絵にかいたようなヤンキー」的風貌の武井さんの登場のあたりから、がぜん面白くなった。
トモローは、小さい時に母親が家を出て行ってしまったという過去を持つ。
自分が子供を育ててみて、母親への思いも変って行くところも見どころだ。
母親の育児ものと違ってドロドロ感が少なく、問題が起きても主人公たちがあくまで明るく前向きなので読後感がよい。 -
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後少しで5年生になるハヤト。
両親が離婚しており、東京で母親と暮らす。
大阪で住んでいる父親の所へ行くのだけれど父親は再婚しておりもう少しで子供も産まれる。
この父親、決して悪い人ではないのだけれど、何だかモヤモヤ。
大事なことをどうして自分の口から伝えないのか。
『自分は父親だ』と言うなら、どうして子供と向き合わないのか。
きっと想像力が足りないのだ。
簡単な事ではないだろうけど、この父親は好かない。
大阪で知り合ったサエと、ハヤトが東京でおじいさんとした約束をはたしに2人で鹿児島へ。
戦争や近年で起きた事件、事故など色々と詰め込みすぎかなぁと思うものの、
それでも良い本だ。
読みやすい本だから子供でも読めるはず。
こんな風に親からだけではなく、周りに揉まれ
色々なものを見て大人へと進んでいって欲しいなぁと、娘の寝顔を見ながら思いました。 -
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どんなに幸せの絶頂にいても、先のことはわからないものだ。
一瞬で奪われてしまう人の命とは、なんて儚いものなんだろう。
それでも、幸せな記憶はずっと心に残っていく。
会ったことがない父親に、公園で会ったとうれしそうに話す娘。
自分もその場所にいたはずなのに、何も覚えていないことが切なくて哀しくて涙ぐむ母親。
この世の常識でははかれないことだってある。
こんな奇跡ならあってもいいじゃないか、と信じたくなってくる。
幸せに過ごした時間は戻らないけれど、大切に思える人がいた…その思いはきっと消えることはない。
ちょっと不思議な、だけどとてもあたたかで切ない物語。
おだやかな物語は、いつだって心を優しい気持ちで満たしてくれる。 -
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ほんの一瞬、ちょっとだけ目を離したすきに大怪我を負った亜由美。
その責任をずっと感じながら生きてきた進也。
後遺症が残った亜由美は、片方の足がひざから曲がらない。走ることも出来ない。自転車に乗ることも出来ない。
一番近くでそれを見守ってきた進也は、亜由美への負い目をずっと抱えて生きてきた。
亜由美の怪我が原因で、結局両親は離婚した。
家族の崩壊は自分のせいだ、誰が何を言っても進也はそう思い込んでいる。
何かがあったとき、誰かのせいにして、全部責任を誰かに押し付けてしまうのは楽だ。
だってその誰かを責めていればいいんだから。
進也の父親はきっと弱い人だったんだろう。
いろんなことを受けとめきれずに、逃げ出すことしかできなかった弱い人。
形は違うけれど、チキさんもまた弱い人。
自分の幸せなのに、自分の手で必死になって守ろうとはしない。
いつも最後には・・・仕方がないと諦めてしまっている。
辛くても、傷つくことを怖れずに前に進めていたら、チキさんの人生ももっと違うものになっていたいたのかもしれない。
家族のバランスは進也がいることで保たれている気がする。
基本は自分の幸せ。恋愛に関しては自分の気持ちに嘘がつけない母親咲江。
寂しがりやで、少しかまって症候群の一面のある亜由美。
そして、妹最優先を崩さずに生活する進也。
何というか、とてもわかりやすいあたたかな物語。
うんうん、あったかいよね。優しいよね。寂しいよね。わかるわかる・・・的な。
差し出されたあたたかさを素直に受け取れる人は、心の中がほんわりとしてくる物語。 -
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短編集。
宗教というものが本当に人を救うのかどうかはわからない。
でも、きっと心の中の平安を求めて宗教と向き合っているのだろうと思う。
金に執着する宗教はまがいものだ。
昔そんなふうに言っていた人がいた。
もしかしたら、ナカツギさまにはわずかかもしれないけれど本当に不思議な力があったのかもしれない。
でも、会長に利用されるようになってから、少しずつ間違った方向へずれていってしまったように思った。
幸せになりたい。誰でも願うことだけれど、幸せかどうかは自分の心が決めること。
人と比べて羨んだり妬んだりしていては、きっといつまでも本当の幸せは来ない気がした。 -
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昭和30年代。まだ日本が貧しかった頃の物語。
古き良き時代・・・と言っていいのかわからないけれど、今よりも不自由な(当時の人たちにはそんな認識はなかったと思うけれど)中に、人の優しさが息づいていた時代。
現実は厳しく、ときに残酷だ。
けれど反面愛しくて優しくて、ときに泣きたくなるほどに切ない。
ほんわりとした語り口で、穏やかさとあたたかさが描かれている。
不思議な力を持つ姉と、姉を慕う妹。
柔らかな印象なの凛とした美しさも感じさせる姉・鈴音は、病弱なところも含めて憧れ的な存在なのかもしれない。
二人をしっかりと見守る女丈夫な母親の果たす役割も大きい。
そして全編を通して感じるのは、甘く切ない何か。
たぶん鈴音の持つ能力はサイコメトリーと呼ばれるものだろう。
「サイコメトラーEIJI」のEIJIと同じ能力だと思われる。
鈴音はその能力によって事件解決の手伝いをしたり、身近な人の悩みを解消したりすることもできる。
けれど、同時にその能力によってもたらされるマイナスの部分も鈴音が引き受けなければならない。
特異な能力を持ってしまった人間は、普通よりも過酷な運命を辿りやすい。
少なくとも物語の中ではそういう設定のことが多い。
どんなに哀しい運命でも、「人生は無意味なんかじゃない」と思いたい。
たとえこの世のすべてが寂しく虚しいものに見えてしまうときがきたとしても・・・。
朱川さんらしい味わいのある物語だった。 -
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導入部から回想という形を採り、時代背景を現在から極端にシフトさせることなく、過去の大きな事件や流行りを背景設定に取り込んでいる。
なので、その”過去”の方を体験している人の方が実感を伴って読めるだろうが、全く知らない人でも楽しめる作品になっているのではないかな、と思う。
突然に表れた突飛な人物から、印象を変えつつ影響を与え合いつつ、止まっていた時間の側面が癒されつつそっと動いていく。 そしてある日、その人物はいなくなり...
何だか呆気ないほどの終盤だったが、消えてしまった人物はしっかりと確実に、良い変化を残していったのだ。...ということなのだろう。
途中で展開が急変しスピード感が上がる。後半はあっと言う間に読み終えてしまった。 -
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(「BOOK」データベースより)
「実は前から、ハヤ坊に頼みたいことがあってなぁ」東京に住む小学生のハヤトは、トンダじいさんの“一生に一度のお願い”を預かり、旅に出る。福知山線の事故現場、父さんの再婚と新しい生命、そして広島の原爆ドーム。見るものすべてに価値観を揺さぶられながら、トンダじいさんの想い出のオルゴールを届けるため、ハヤトは一路、鹿児島を目指す。奇跡の、そして感動のクライマックス!直木賞作家による感動の成長物語。
我が家で大流行している朱川湊人の作品の中でも異例の長編で、いつも短編か連作なので長編はどうなのかなと若干心配していましたが、結果杞憂でした、とても良い本でした。
少々作者の顔が透けえて見えるような部分があり、素直に読めない部分も有りましたが、やはりこの叙情性はとても心地よく最後は朱川マジックに掛かっていました。