朱川湊人のレビュー一覧

  • キミの名前 箱庭旅団
    さまざまな世界を箱庭に見立てた連作短編集「箱庭旅団」シリーズ第3弾。
    コメディタッチ風あり、ゾッとする奇妙な物語あり、SF設定の不思議な世界観ありと実にバラエティーにとんでいる。逆にそれが落ち着きに欠けている。ちょっとブラックだけど面白かったのは、「サトミを泣かせるな」。
  • 花まんま
    「どこかであった不思議なお話」という感じ。ちょっと身内に不幸があってから、死というワードやそれにまつわる諸々がとても苦手になってしまっていたので、ちょっと読むのしんどかったです。作品としてはどれも素晴らしかった。表題作の「花まんま」と最初に入ってる「トカビの夜」がわたしは好きだったかな。「摩訶不思議...続きを読む
  • 花まんま
    全6編の短編集。すべての時代背景が高度成長期の日本。どの話にも共通して、ファンタジックな要素が盛り込まれている。「花まんま」はそのうちの一作品で、ある一人の少女が前世の記憶をたよりに、その家族に会いに行くという話。いい意味で抑揚もなく、すんなり頭に入ってくる文章はとても清々しさを感じた。
  • 銀河に口笛
    小学三年生の少年たちが奇妙な流れ星を見た日、不思議な力を持つ少年と出会う。身の回りに起こる事件を経て、成長する少年たちを描くノスタルジー小説。
    懐かしい昭和40年代の風景が甦る。少年時代の世界は狭かったけど、夢と希望は無限だった。それぞれの事情で、あの頃のようには再び戻ることはできないが、決して忘れ...続きを読む
  • 幸せのプチ ――町の名は琥珀
    278頁より

    子供は親の「願望達成機」ではない。

    まして見栄だの世間体を満足させるための

    生き物でもないのだ。

    291頁より

    本当に優しい人というのは

    同時に深い悲しみを知っているもの
  • 鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様
    少し不気味で少し悲しい小説。時代設定もぴったり。有名人たちのカメオ出演も、あの人だと気づくとうれしい。続きをにおわせた終わり方。これからやってくる戦争の時代、きっと「みれいじゃ」は増える。主人公ふたりはどう過ごすのだろう?ぜひ読んでみたい。
  • 満月ケチャップライス
    家族がテーマとなっている話。
    アットホームな内容だとばかり思って読み進めていたら、かの有名な宗教団体などが出てきたり、
    少し想像していたのとは違う感じ。

    私、この方が描く家族に何だか違和感を覚える。
    何だろか、親が余りにも親らしくない、親になりきれていないと言うか。
    普通、自分が連れ込んだ男が、自...続きを読む
  • 水銀虫
    ブラックです。「薄氷の日」森のくまさん♪と「微熱の日」山ワロは、小説の中のこととはいえ、よくもこんな出来事が・・・と、描写に目を背けたくなった。でも、朱川さんの作品は好んで読んでしまう。
  • 遊星小説
    世界の不思議な出来事すべてがこの一冊に。名手の技が光るショートショート集。
    ちょっとした思いつきが、大胆な発想でひとつのストーリーになる。プロの作家はやっぱりただ者ではない。面白かったのは「不都合な真実」。オチは笑わずにはいられない。
  • 銀河に口笛
    昭和40年代の下町に住む6人の子供たち。
    これはただのノスタルジー溢れる少年たちの成長物語ではない。
    6人のうち1人、転校してきた男の子『リンダ』。
    何とも不思議な力を持っている男の子で、どうやら地球の子供ではない。
    この設定が非常に素敵。

    そして子供たちの中の1人、『ミハル』は男の子なのだけれど...続きを読む
  • 幸せのプチ ――町の名は琥珀
    登場人物の生まれ育った、もしくは、一時期を過ごした町への郷愁とか愛着に寄り添う感じの短編集。
    琥珀という町が舞台というのが共通していて、お話ごとに時代が微妙にずれています。全体的にほっこりしたり、じーんときたりするストーリーで、商店街の雰囲気なんかにこちらまで懐かしさを感じる錯覚もあったり。
    でもプ...続きを読む
  • 黒のコスモス少女団 薄紅雪華紋様
    「鏡の偽乙女」の続巻。前巻の冒頭にもあったので、風波と雪華の別離が訪れるのだろうな。その時雪華の正体が分かるんだろう。知りたいけど知りたくない。
    この二人の掛け合いが面白くて、声を出して笑ってしまう。「みれいじゃ」の三郎も
    いい奴だし、西塔も(憎まれ役?)好きだな。惚多が残念なことになってしまうが。...続きを読む
  • 満月ケチャップライス
    主人公の進也は中学1年生。妹の亜由美は小学4年生。美人と言われているけれど寝顔と怒った顔は般若のような母と3人で暮らしています。ある日、母が連れてきたモヒカン男チキさん。その髪型に似合わず弱々しい彼は料理上手。しかも超能力が使えて……。一見穏やかなファンタジーですが、重いのなんのって。坂本弁護士一家...続きを読む
  • 黄昏の旗 箱庭旅団
    現在過去未来、さまざまな世界を舞台にしたショートストーリー15篇の箱庭旅団シリーズ第2弾。
    朱川湊人版『世にも奇妙な物語』。奇想天外な物語が宝石箱にいっぱい詰まっている感じ。個人的には、ちょっとブラックなストーリーが好きなので、電車から見える旗を目指して行くと別れた妻子に出会う『黄昏の旗』と、母から...続きを読む
  • 幸せのプチ ――町の名は琥珀
    琥珀という町に生きた人たちのお話。

    琥珀という町の刻んできた歴史のお話。

    ふんわりとノスタルジックな印象の1冊。
  • 白い部屋で月の歌を
    霊を剥がすことができる先生のお手伝いをしている誰か。その正体は、読んでいてもはっきりせず、その本人自身もよくわかっていないようだ。徐々にその正体がわかってくる。霊剥がしの依頼こどに読み進めれるので、手軽に面白く読める一冊。
  • 黒のコスモス少女団 薄紅雪華紋様
    久しぶりの再読。
    シリーズ第二作は、死者の様々な形や想いを描いた前作と逆に、生者の妄執や危うさを描いていた。
    前作にあった『みれいじゃ』や『みれいじゃ』を創る蒐集家(コレクター)の本質に迫る部分がなかったのは残念だが、それは次回へのお楽しみということか。
    今回出てきた人々も一歩間違えば『みれいじゃ』...続きを読む
  • さよならの空
    環境破壊による地球規模の危機。
    その対策として取られたウェアジゾンの散布。
    夕焼けがなくなったからといって日常生活に支障が出るわけではない。
    それでも、多くの人にとってはやりきれない思いがすることなのだろう。
    反対派の人たちは声高に非難の叫びをあげる。
    では、オゾンホールの出現によって家族や友人が被...続きを読む
  • 幸せのプチ ――町の名は琥珀
    連作短編6作。
    人はひとりでは生きるのは難しい。
    だれかがそばにいてくれたら、それだけで幸せなんだな。
  • 太陽の村
    the suns project. in the last, Ryoma, he must choose the love with lie or lonely with free. which one do you choice? he don't want to be a rainy drop ...続きを読む