朱川湊人のレビュー一覧
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さまざまな世界を箱庭に見立てた連作短編集「箱庭旅団」シリーズ第3弾。
コメディタッチ風あり、ゾッとする奇妙な物語あり、SF設定の不思議な世界観ありと実にバラエティーにとんでいる。逆にそれが落ち着きに欠けている。ちょっとブラックだけど面白かったのは、「サトミを泣かせるな」。Posted by ブクログ -
全6編の短編集。すべての時代背景が高度成長期の日本。どの話にも共通して、ファンタジックな要素が盛り込まれている。「花まんま」はそのうちの一作品で、ある一人の少女が前世の記憶をたよりに、その家族に会いに行くという話。いい意味で抑揚もなく、すんなり頭に入ってくる文章はとても清々しさを感じた。Posted by ブクログ
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278頁より
子供は親の「願望達成機」ではない。
まして見栄だの世間体を満足させるための
生き物でもないのだ。
291頁より
本当に優しい人というのは
同時に深い悲しみを知っているものPosted by ブクログ -
少し不気味で少し悲しい小説。時代設定もぴったり。有名人たちのカメオ出演も、あの人だと気づくとうれしい。続きをにおわせた終わり方。これからやってくる戦争の時代、きっと「みれいじゃ」は増える。主人公ふたりはどう過ごすのだろう?ぜひ読んでみたい。Posted by ブクログ
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家族がテーマとなっている話。
アットホームな内容だとばかり思って読み進めていたら、かの有名な宗教団体などが出てきたり、
少し想像していたのとは違う感じ。
私、この方が描く家族に何だか違和感を覚える。
何だろか、親が余りにも親らしくない、親になりきれていないと言うか。
普通、自分が連れ込んだ男が、自...続きを読むPosted by ブクログ -
ブラックです。「薄氷の日」森のくまさん♪と「微熱の日」山ワロは、小説の中のこととはいえ、よくもこんな出来事が・・・と、描写に目を背けたくなった。でも、朱川さんの作品は好んで読んでしまう。Posted by ブクログ
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世界の不思議な出来事すべてがこの一冊に。名手の技が光るショートショート集。
ちょっとした思いつきが、大胆な発想でひとつのストーリーになる。プロの作家はやっぱりただ者ではない。面白かったのは「不都合な真実」。オチは笑わずにはいられない。Posted by ブクログ -
登場人物の生まれ育った、もしくは、一時期を過ごした町への郷愁とか愛着に寄り添う感じの短編集。
琥珀という町が舞台というのが共通していて、お話ごとに時代が微妙にずれています。全体的にほっこりしたり、じーんときたりするストーリーで、商店街の雰囲気なんかにこちらまで懐かしさを感じる錯覚もあったり。
でもプ...続きを読むPosted by ブクログ -
「鏡の偽乙女」の続巻。前巻の冒頭にもあったので、風波と雪華の別離が訪れるのだろうな。その時雪華の正体が分かるんだろう。知りたいけど知りたくない。
この二人の掛け合いが面白くて、声を出して笑ってしまう。「みれいじゃ」の三郎も
いい奴だし、西塔も(憎まれ役?)好きだな。惚多が残念なことになってしまうが。...続きを読むPosted by ブクログ -
主人公の進也は中学1年生。妹の亜由美は小学4年生。美人と言われているけれど寝顔と怒った顔は般若のような母と3人で暮らしています。ある日、母が連れてきたモヒカン男チキさん。その髪型に似合わず弱々しい彼は料理上手。しかも超能力が使えて……。一見穏やかなファンタジーですが、重いのなんのって。坂本弁護士一家...続きを読むPosted by ブクログ
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霊を剥がすことができる先生のお手伝いをしている誰か。その正体は、読んでいてもはっきりせず、その本人自身もよくわかっていないようだ。徐々にその正体がわかってくる。霊剥がしの依頼こどに読み進めれるので、手軽に面白く読める一冊。Posted by ブクログ
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久しぶりの再読。
シリーズ第二作は、死者の様々な形や想いを描いた前作と逆に、生者の妄執や危うさを描いていた。
前作にあった『みれいじゃ』や『みれいじゃ』を創る蒐集家(コレクター)の本質に迫る部分がなかったのは残念だが、それは次回へのお楽しみということか。
今回出てきた人々も一歩間違えば『みれいじゃ』...続きを読むPosted by ブクログ