朱川湊人のレビュー一覧
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方丈記と平家物語に着想した、アレンジ小説です。特に方丈記では、朱川さんらしく、無常で儚げな市井の人々が語られています。
方丈記は、随筆ですが、疫病や火災等の災禍の歴史的史実が多く記録されていますので、それらの引用が多く創作とはいえ、平安の世を垣間見るようでした。平家物語(挫折中)と方丈記、同時期ですが視点の違う二作からの小説もあり、暖めていた構想なのかなと思いました。
揚羽蝶は、平家の家紋ですが、本当に何故だか、お墓によくいるんですよね。それもたくさんいるのではなくて、一頭で飛んでるんですよね。不思議。
芥川や森鴎外など古典からの作品は好きなものが多いので、朱川さんの次作も期待します。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】第一話 泡沫(ウタカタ)草子/第二話 揚羽の夢/第三話 鵺と辻風/第四話 一二三ノ尼御前/第五話 餓鬼京/第六話 回天流転/第七話 波濤の揚羽/第八話 夢方丈
鴨長明の視点で描かれた平安時代末期~鎌倉時代の話。『平家物語』は有名な段しか読んだことはないが、『鎌倉殿の十三人』やアニメ『平家物語』を始めとした周辺の小説のおかげで、話に抵抗なく入り込めた。
それにしても、この時代の地続きに現代があるというのは、自然な流れとは思えない。とはいえ、そこに働いた意志が望んでいた姿になったとも思えない。そうなる前に逆戻りしそうだが、そっちはずっと簡単そうで怖い。 -
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Posted by ブクログ
こういった現実的な実生活の様子を舞台に、超現実的なテーマが進行するオカルトっぽい話は苦手なのですが驚きの展開が続き一気読みした表題作。
そして、もう一つの作品、もしかしたらそんな集落があるかも知れない(実社会にはまあ無いだろうけれど、八つ墓村的なあるいはドラマ「トリック」的な可能性としては否定できないような)奇妙な地方都市の人々の社会を描いた「鉄柱」は主人公の女性問題から発展する恐怖かと思いきや、こちらの人生観を問われているかのように思えた。
いずれにしても「わくらば〜」的な作品で親しんでいた私にとって、朱川さんってこういう作品も書くんだぁと驚きました。ー