朱川湊人のレビュー一覧

  • スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち
    まず、表紙のデザインにピンと来るものがあり(僕らは少年~的な)、興味を持ちました。内容としては、人付き合いの温かさあふれる下町で起こる、ちょっと不思議な事件を解決していく連作もので、主人公はじめ、登場するキャラクターが、皆、個性的で楽しく読むことができました。本格的な推理ものを期待している方には、物...続きを読む
  • スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち
    初出 2016〜17年「オール讀物」の連続6話

    作者らしいこの世の者ならぬ不思議系のものは登場せず、乱歩へのリスペクトたっぷりの下町人情系ミステリー。

    推理小説作家の息子黒葛原涼(つづらはらすずむ、スズメがあだ名)は勤務先が倒産し、父親が自宅を処分してサ高住に移るために、膨大な蔵書の預け先荒川区...続きを読む
  • スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち
    表紙絵で分かるように『少年探偵団』を彷彿とさせるような、ユーモア作品。
    父親が作家だった黒葛原涼(つづはらすずむ)が父の蔵書の書庫として借りた一室が、周囲の人々に圧されるうちに探偵事務所と化していく。

    朱川さんらしいノスタルジックな舞台設定。時代に取り残された昭和の雰囲気、入り組んだ路地、濃密な人...続きを読む
  • スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち
    お勧め度:☆6個(満点10個)。なんか、すごくノスタルジックな小説に出会った気分だ。特に私のように50歳過ぎの人にとっては、映画の「オールウェイズ」を彷彿させる場面がそこかしこに出てくるのは懐かしい。もちろんミステリー風を装ってはいるが、読み終えたらマンガ的な要素が多かった気がする。内容は会社の倒産...続きを読む
  • かたみ歌(新潮文庫)
    ほんわかはする。 でも世にも奇妙系の恐さがじわじわ来る怖がりの自分にはちょっとあとを引くものが………。
    最後の女の子の言葉とか、それぞれのつながりとかは良かった。兄弟の話のお兄ちゃんにも出て来て欲しかったな。
  • 太陽の村
    今まで読んできた朱川湊人作品とは毛色の変わった小説。懐かしのヨコジュンハチャハチャ系ではじまり、最後は環境警告系で終わる。

    ハチャハチャで行くなら、もっと突き抜けるべきだし、環境警告で行くなら(お笑い要素を入れたとしても)もっとそっちを突き詰めるべきだっただろうし、いずれにしても中途半端感が否めな...続きを読む
  • スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち
    この装丁、分かる人には懐かしい少年探偵団風。まぁ乱歩のオマージュ作品はたくさんあるので若者でも分かるか。

    6篇からなる短編集。朱川さん、やはり昭和ノスタルジーを感じさせる。親父がベテラン作家の黒葛原(つづらはら)スズム。ひょんなことから下町で探偵の真似事をする状況になっていく。

    どの話もミステリ...続きを読む
  • スズメの事ム所 駆け出し探偵と下町の怪人たち
    【収録作品】都電の町と鉄仮面/ネジ子さんが来た/セカイは知らんぷり/守り神は失踪中/スキマ男のレモン/まぼろし楽隊 
     乱歩へのオマージュ。レトロな気分で探偵ごっこ。郷愁を誘われる。
  • 主夫のトモロー
    男性目線で描かれた育児の様子は新鮮。
    この著者の本はまた是非読んでみたい。
    色んな親がいて、バックグラウンドだって様々。
    否定して排除するのではなく、理解して受け入れようとすればいいのかもしれない。
  • 白い部屋で月の歌を
    表題作「白い部屋で月の歌を」、最後はまさかの展開で日本版ピノキオの異常な世界とも言うべき作品。しかしこの思わせぶりな題名はいただけない。
    もう一つの短編「鉄柱」は死の選択というテーマ。テーマが重い割に不倫等の下世話な内容もあり読後感は今ひとつ。
  • 本日、サービスデー
    すべての人間に与えられた、どんな願いがいくつでもかなうサービスデー。ただし、その日は人生に1日だけ、普通は気づかぬままに終わるのだが、悪魔の囁きで自分のサービスデーを知ってしまったら、いったい何を願うのか。表題作ほかほか短編4つ。
    鶴ヶ崎の善人、小市民ぶりに和む。自分であればもっとうまく使って、あれ...続きを読む
  • 花まんま
    子どもの頃、不思議なものに心を奪われ、好奇心でいっぱいだった時の気持ちが蘇るようだった。
    誰しもこういう思い出があるかもと、懐かしい感じがした。同時にトラウマを抉られるような話も中にはあり、多感な時期の様々な感情が良くも悪くも掘り起こされる。
  • 鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様
    大正時代の画家(見習い)が遭遇する怪異譚。と言ってもどこか哀愁を帯びていて、恐ろしさはあまりない。得体の知れない美貌と博覧強記知識の持ち主の雪華の正体が気になるところ。未練者かな。
  • 遊星小説
    ショートストーリー集で読みやすかった。「あなたの、古い友だち」と、表紙にもなっているラビラビの3編がすき。「まぼろし観光ツアー」もいい。「赤い月」の雪駄の男は宮沢だろうか。そして、やっぱり自分は後味のわるい話はあまりすきではないのかもしれないと思った。
  • なごり歌
    内容(「BOOK」データベースより)
    昭和48年、小学校3年生の裕樹は県境に建つ虹ヶ本団地に越してきた。一人ぼっちの夏休みを持て余していたが、同じ歳のケンジと仲良くなる「遠くの友だち」。あなたの奥さまは私の妻なんです―。お見合い9回の末やっと結婚にこぎつけた仁志が突然現れた男にそう告げられる「秋に来...続きを読む
  • 花まんま
    ほのぼの~した話なのかと思ったら、
    2話目くらいまでは、ドス黒い部分が展開して
    なんじゃこらーと意表をつかれた。

    だんだんほのぼの~路線に展開していくような気がするが
    最初のインパクトが強くて、ホラー?という印象が残った。
    ほのぼのホラー(でもないけど)って感じ。

    面白いっす。
  • 都市伝説セピア
    ニヤリとするラストのアイスマン
    完成度が高く切なく泣ける昨日公園
    意外な展開になるフクロウ男
    の3篇が面白かった。
  • 幸せのプチ ――町の名は琥珀
    内容(「BOOK」データベースより)
    都電が走る、この下町には、白い野良犬の“妖精”がいる。口が悪くて、おせっかい。そんな人たちが暮らす町に、ちょっぴり不思議で、ささやかな奇跡が起きる時…ここも東京。1970&80年代の思い出とともに、あなたも追憶の彼方へ―

    懐かしさと切なさを書かせたら日本随一の...続きを読む
  • 銀河に口笛
    昭和40〜50年代に小学生だった著者と同世代の人でなければたぶんツライ。どんぴしゃの世代なら、オレンジ色の空と歩道橋と建物、この表紙だけで郷愁に浸れそう。

    あのとき「ボク」たちが流れ星を追いかけた先にたたずんでいた「キミ」。35年前のことを回想しながら、ボクはもう会えないキミに語りかける。キミはき...続きを読む
  • さよならの空
    初長編。
    解説松尾たいこ氏。(表紙担当の方)

    冒頭プロローグから 夕焼けとさよならした状態なので
    本編はどんなスペクタクルな展開が…、と思ったら
    結構ほのぼの系??
    そこまで強烈!!な感想は抱かず。

    でも、今の北朝鮮のミサイルがきても、毎日変わらぬ日常を過ごしているわけだし
    そんなものかもしれな...続きを読む