朱川湊人のレビュー一覧

  • 水銀虫
    腕や、首筋や、耳の中とか、小さな虫がはい回るような感覚の、その虫のことを水銀虫と言うのだそうだ。

    いろんな死に関る主人公たちがその水銀虫の感覚に襲われる短編集。

    こりゃ、ホラーです。

    後味も良くない。

    でも、なんか嫌いじゃないです。

    なんだろう。やっぱり人間が描けてるからかな。 ...続きを読む
  • 都市伝説セピア
    世にも妙な物語に出てきそうな短編集。
    最初の一本が生理的に受け付けず、次を読むまでに時間がかかりましたが、二本目からは全部面白かった!
    『昨日公園』などタイトルの付け方も好き。
    後味がいいとは決して言えず、基本的に私はそういうのあんまり好きじゃなかったんだけど、本作は面白かったです。あっという間に読...続きを読む
  • 水銀虫
    星はホラー度。
    いやーーー背筋がぞくっとする。
    短篇集。
    どのお話もなんとなーーく暗く怪しい雰囲気がただよう。
    オーメンのように。
  • 赤々煉恋
    初・朱川湊人。
    結構好きな短編集でした。
    エロで話のオチがあり、結構変態。すき。

    「死体写真師」ラスト主人公が婚約者を好きなのは納得行かないな。女なのに。
    「レイニー・エレーナ」この主婦ちゃんが結構好きである。
    「わたしの、いちばん、欲しいもの」ポジティブだった主人公が後ろ向きに……。虫男気持ち悪...続きを読む
  • 赤々煉恋
    短編集。エロくてグロいが哀しくて美しい。人間の欲望や癖(へき)がテーマ。

    ・死体写真師
    死体に欲情する心理が分からない。元日に読んでへこんだ。

    ・レイニー・エレーン
    特にないが、ラブホでお手製の弁当は食べれないような気がする。

    ・アタシの、いちばん、ほしいもの
    この中で一番好きかな。虫男、虫女...続きを読む
  • 水銀虫
    うーん、もっと後味悪い。
    とはいえ、話として後味が悪いだけであって、本を読む楽しみには溢れている。
    それでそれで?それからどうなる?そういったワクワク感の先にこの後味の悪さ。
    それが評価を下げているのかもね。

    話はゾクッとするようなオモシロさがある。
  • 都市伝説セピア
    デビュー作と言うので、あまり期待しないで読んだのに
    全体のバランスが良かったからかあっという間に物語へ
    引き込まれ、一気に読み切ってしまった。

    しばらく既刊を追ってみたい作家。
  • 白い部屋で月の歌を
    第10回日本ホラー小説大賞短篇賞受賞作。

    ◆白い部屋で月の歌を
    ◆鉄柱(クロガネノミハシラ)・・・雅彦と晶子は東京から緑豊かな久々里町に引っ越してきた。町の人々は隣人や町長をはじめ感じのいい人達ばかりで、今までは内向的だった晶子も積極的に外に出ていくようになり、この町に馴染んでいった。しかしながら...続きを読む
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1
    1994年~2011年の間に設けられていた、日本ホラー小説大賞・短編賞を受賞した作品を集めたアンソロジー。(自分にとっての)新しい作家に出会えることを期待して、手に取ってみた。

    収録されているのは、以下の5作品。
    ・小林泰三『玩具修理者』(1995年・第2回)
    ・沙藤一樹『D-ブリッジ・テープ』(...続きを読む
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成2
    後半になるにつれ、インパクトは抑えてられていってる気がする。ただ、受賞作をまとめて読める意義は大きいと思う。収録作品は含めた本はほぼ絶版だし。未収録作品があるようなので、短編全集としていつか再刊してください。ついでに大賞受賞作全集もお願いします。
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1
    表紙のインパクトにつられて読みました。
    有名な「玩具修理者」が読めたのが嬉しかった。
    純粋にホラーっぽく怖かったのは「お見世出し」かなあ。
    「余は如何にして〜」は、生理的に嫌な感じ。
  • 鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様
    朱川湊人の新境地、今までの昭和レトロからちょっと遡って大正ロマン時代のホラー…と言うより幻想奇譚シリーズ。

    大傑作という感じではなく、まだアイドリングで温めてる状態かな。シリーズとしての土台を積んでる感じ。
    「みらいじゃ」を追うにしても、一話のような語り手たちの絵描きという特徴をもっと使いこんだ方...続きを読む
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1
    小林泰三の玩具修理者が突出して出来がいいと思う。ゾクゾクする恐怖でストーリーテリングも素晴らしい。他はスプラッターホラー要素が強くて、恐いというか生理的嫌悪感で恐怖感を煽るような所が気になる。
  • 花まんま
    昭和30年あたりの大阪の下町を舞台に、
    少し不思議な設定で人の生死を描いた作品。

    数年大阪に住んでたので場所が割とわかるのが楽しかった

    反面、先日母の余命宣告があったので、
    生死に関する話を読むのは少しきつくもあった。

    トカビの夜
    凍蝶
    の2作品が好き。

    死が絡むので憂いのある作品が多かった...続きを読む
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成2
    しばらくホラーから離れていた時期の受賞作なので「鼻」以外は初読。
    バリエーションが出てきたなって感じ。しかし、「穴らしきものに入る」のナンセンスさはすごい。
  • かたみ歌(新潮文庫)
    昭和だ〜

    しかも“ゴリゴリ”の高度成長期
    「環境」なんて二の次、「チクロ」入りのお菓子を食べ、光化学スモッグの中で子供が育つ。
    道ではダンプカーか我が物顔で行き来し、白黒テレビからは、石坂浩二の「ウルトラQ」のナレーションが聞こえてくる。
    「これから30分、貴方の目は貴方の体を離れ……」

    そんな...続きを読む
  • 銀河に口笛
    朱川湊人お得意のノスタルジック小説。SF気はあっても、ホラーっぽくないのがちょっと新鮮か?ただ、この手の小説は作者のものだけでなく、結構な弾数が出揃っていて、その中から抜け出しているくらいかというと、ちょっと疑問符。

    基本は王道のノスタルジック路線。中年にまで成長した語り手役が、少年時代を思い出し...続きを読む
  • 白い部屋で月の歌を
    ホラー文庫ですが、純粋なホラーではないかもですよね。
    タイトルの「白い部屋で月の歌を」は、少年を依代とした除霊を、心霊現象と現実的な人の汚さを並行して、どちらが除外されるべきかと問われる感じがしました。
    四角な白い部屋での、除霊の描写は、そんな感じかもしれないなと、朱川さん上手いなあと思いました。
    ...続きを読む
  • かたみ歌(新潮文庫)
    昭和40年代頃を中心にした時代、都電が走る下町のアーケード商店街がある街を舞台に、生と死の間を行き来する不思議な体験を軸にした連作短編の構成。

    昭和50年代に子供時代を過ごした自分からすると少し前の時代で、どんぴしゃノスタルジーを感じるには今一歩なのだが、人と人の距離が今よりも近かった素朴で小さな...続きを読む
  • 白い部屋で月の歌を
    怖かった度★★(最高が★5)

    ホラー克服のための「魁ホラー塾」の第三弾はおびのりさん推薦本『白い部屋で月の歌を』です

    第10回ホラー小説大賞の短編賞の受賞作品とのこと
    いやーさすがおびー、分かっとるな
    こういうことですよ
    徐々に馴らして行きたいんですよ!

    いきなりド本命を勧めてするんじゃないわ...続きを読む