朱川湊人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人の心に巣くう「水銀虫」。
それに取りつかれ罪を犯した人々の7つの物語を収録したホラー短編集。
朱川さんは好きな作家さんのひとりですが最近読んでいませんでした。
久しぶりにあの怖さを味わいたい、と思い本書を手にとったのですがやっぱり期待を裏切りませんでした!
どの話もぞわわわ~っとしますがなかでも「虎落ちの日」と「薄氷の日」が個人的に怖かったです。
それから「はだれの日」は最高に後味悪い。
恐怖よりさな子への腹立たしさが残りました(笑)
ちなみに「水銀虫」とは作中で、人の魂の中に入り込んで這いずり回り、やがて無数の穴をあけてしまう昆虫、と書かれています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ舞台は昭和初期。不思議な力を持った姉様とワッコが送った懐かしい日々の回想。
前作の続きなのだが、姉さんこと鈴音はものや人の記憶を読むことができる。いわゆるサイコメトリーが可能で、その力を使って日常生活で起こる様々な問題を解決していく。
回想録ということもあり、姉の命の残り少なさも切ないが、姉がどうして自分に不思議な能力があると考えているのか、同じ能力を持つ黒薔薇こと御堂吹雪との対比も行われつつ描かれている。
淀みに光を当てていくというのが心優しい鈴音らしい言葉だった。
幸男という幼なじみの凶行を止めようとしたり、怪しい新興宗教にはまってしまった茜を二人が取り戻して3人組に戻ったり、記憶をなく