朱川湊人のレビュー一覧

  • 花まんま

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    ネタバレ

    時が止まったままの父親の時間が、流れ出して欲しい。そのために、生まれ変わってきたのでしょう。思いが残るのは、執着。執着が世界をバグらせる。強い悲しみがあっても、日々の暮らしを充実させなければ、死んだ人が死にきれない。人に心配させるようなことはしてはいけない。
    花まんま食べて、あの父親が、ごはん食べれるようになった、ということであって欲しい。

    ともあれ、切なくて、号泣した。

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    2025年11月22日
  • 本からはじまる物語

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    全体的にかなりのショートショートで18人の作家で有名な作家も取り揃えて234ページとは、かなりお得感がある。
    そして、それぞれが書店や貸本屋、本にまつわる出来事を綴っていくのはおもしろかった。

    本を読むのが苦手な人もこのくらいの短さであれば読むのも楽なのかなと思った。

    個人的には下記が印象に残ったが、
    それぞれの作家さんがこんな短い話しにきちんと自分の色を出しているのはすごいと思った。

    十一月の約束 本多孝好
    サラマンダー いしいしんじ
    読書家ロップ 朱川湊人
    閻魔堂の虹 山本一力

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    2025年10月05日
  • 花まんま

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    ネタバレ

    差別されていた家の子供が病気で亡くなった後に現れて一緒に遊ぶ『トカビの夜』では、親の気持ちを思い涙ぐみ、不思議な生き物を飼う少女の話『妖精生物』では、ダメだよ!と思いながらも怖いもの見たさでドキドキし、遊び人だった叔父の葬式で霊柩車が動かなくなり愛人たちが呼ばれる『摩訶不思議』は笑い事ではないけれどなんだか笑ってしまい、生まれ変わる前の夢を見るという妹と前世での父親に会いに行く『花まんま』で、妹を思う兄や、娘を亡くした父親の姿に涙が溢れ、言葉で人をあの世に送る『送りん婆』では、この力で世界を平和にできるのではないかとの誘惑を感じ、仲間はずれにされていた少年が南の方から働きに来ていた若い女性と墓

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    2025年09月21日
  • 花のたましい

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    表題からスピンオフなのか...?と思っていたら最終章であまりにも淡く切ない思いに自然と涙がこぼれました。朱川湊人さんの作品を追いかけたいと思います。

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    2025年09月20日
  • 妖し

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    電車の乗り換え時に構内の本屋で購入

    「妖し」という固有名詞を題材にするとこんなにも作者のカラーが出るのかと…!

    大好きな恩田陸さんの作品のじっとり感がたまらなかったです。
    バナナの話は、一生忘れないと思います。
    情景描写が秀逸で、主人公視点の光景が目に浮かびすぎて怖い。そして情景は目に浮かぶのに主人公の感情が絶妙に言語化されないままそこにある感じが凄かったです。

    たまたま手に取った本でしたが大好きな一冊になりました。

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    2025年08月24日
  • いっぺんさん

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    まさに朱川さんの本領発揮なノスタルジックホラー。
    表題作が1番好き。
    願いを1度だけ叶えてくれるという「いっぺんさん」におまいりにいく2人の少年のひたむきさ。
    切なくてちょっと苦い顛末。
    子供ゆえのまっすぐさと、それだけでない利己的なところがとてもリアル。
    最終話で、別シリーズのあの人が登場したのも嬉しかった。
    あのシリーズ、読み返したくなってしまう。

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    2025年08月13日
  • 花のたましい

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    ネタバレ

    中編集。先に読んだ「花まんま」のような。
    というか、「初恋忌」はまるっきりスピンオフなのかな、かつて読んだときの思いが一気に溢れてきました。そしてこの本の中のどれもこれも連鎖反応を起こしてるような共鳴し合っているようでした。
    魂というものは目に見えないけれどやっぱりあるんだなぁ〜ゾクッとするちょっと手前のはんなりとしたストーリーばかり。

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    2025年07月14日
  • 花まんま

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    2005年第133回直木賞受賞
    短編小説6編。
    どれも大阪下町の懐かしさを感じられる。子ども目線で描かれ、子ども時代の気持ちを改めて思い出しジーンときます。

    「トカビの夜」と「摩訶不思議」が特によかった!!

    トカビの夜
    なんとも儚くも優しい少年同士の心温まる泣けるお話だった。

    妖精生物
    全然妖精ではなかった(笑)性描写⁈

    摩訶不思議
    なんとも大阪らしいお話。クスクス笑えた。
    「世の中、不思議なもんやなぁ」。から始まる。ほんとそう。何が起こるかわからない。女性もなんとも摩訶不思議な生き物。「人生はタコヤキ」。うん、いつかこの言葉思い出そう!

    花まんま
    もし前世の記憶が残っていたら。誰か

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    2025年07月12日
  • 都市伝説セピア

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    どれも好きだけど、やっぱり、特に『昨日公園』!
    友達を救おうとする少年と、その決心。
    大人になったその少年とその息子。その気付きと決心が胸に迫る。
    それから、『フクロウ男』が好き。
    都市伝説を生み出そうとして、自ら手を汚す男。
    そのラストの鮮やかさ。大好きだ。
    どちらも、むかーし、映像化されたのを見たのだけど、再見したくてたまらなくなって探している。見つかります様に。

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    2025年05月31日
  • 本からはじまる物語

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    面白かったー。
    「本」からはじまるのがテーマといっても、それぞれの作家さんごとにアプローチが違って、ジャンルもそれぞれで楽しかった。
    恩田陸さんの「飛び出す絵本」、「飛び出す」の意味をそう持っていくか、というのが面白いし、阿刀田高さんの『本屋の魔法使い』も素敵。石田衣良さん三崎亜記が久々だった。
    どれもよかったけど、やっぱり、なんと言っても朱川湊人さん!ここで猫の話が読めるなんて、最高すぎる。朱川さん、大好きだー。お初の山本一力さんも猫♪
    はい、もう、これはかんっぺきに猫本である!!

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    2025年05月26日
  • 満月ケチャップライス

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    読みやすくてとても面白かったです。

    チキさんはちょっと変わった人だけど、とても繊細で温かい人柄で素敵ですね。

    実際に起きた過去の事件も取り上げているので、チキさんも実在していたのかもしれないなんて考えたら面白くなりました!



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    2025年05月24日
  • 花まんま

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    まさかの短編集だったけど、どれも良かった。
    メインの?花まんまは、涙がリアルに出てくる素晴らしさだった。映画も観てみたい!

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    2025年05月18日
  • 花まんま 1話

    無料版購入済み

    映画化されて

    いま公開中の映画ということで検索してみたら、この漫画の単話がお試しになっていました。題名から想像していたものとまるで違い、驚いています。もし妹が前世の記憶を持っていたら、、。優しいタイトルの「花まんま」も深い意味がありそうです。

    #深い #ほのぼの

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    2025年05月10日
  • 花まんま

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    朱川湊人は『かたみ歌』に次いで2冊目。かたみ歌で散々泣いて本作で心を揺さぶられる。パルナスのCMソングが出てくる件は、一気に子供時代にタイムスリップ、懐かしすぎる!

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    2025年05月09日
  • 花のたましい

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    『花まんま』のスピンオフ。4つの短篇集。どの作品も関西弁。其故に活気に満ちているが、読後に襲う切なさが半端じゃない。登場人物が皆、優しくて魅力的。不思議な世界を美しく活写する筆致が秀逸。暫し余韻に浸る。

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    2025年05月04日
  • 花まんま

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    6話の短編集。

    大阪が舞台で、大阪弁もなんかええなぁ。
    一昔前の時代背景で、しみじみと。
    全編不思議なお話。切なくて心に響く。

    私は、「トカビの夜」と「花まんま」が良かった。
    泣いてしまった。

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    2025年05月03日
  • 花のたましい

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    映画『花まんま』からのサイドストーリー。
    映画オリジナルの登場人物たちの、映画では語られなかったストーリー。
    カッコウのカンコの話が、なんとも切なくも美しい。
    不思議すぎるお話だけど、『花まんま』の世界でなら、こういうこともあるのかもしれない、と。
    『花のたましい』も、思いがけない明るくて元気な展開かと思って油断した、、、まさか、、、
    最後の『初恋忌』、喜代美にもそういう思い出があって本当によかった。

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    2025年04月26日
  • 無限のビィ下

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     昭和四十六年、立花信悟は原因不明の頭の発達の遅れを持つ弟の将悟と東京の下町、三崎塚で過ごす小学三年生。つい最近、超能力のような不思議な力を使えることに気付いた。そんな信悟の通う学校に、ひとりの女性教師が赴任してくる。綺麗で優しい菜美先生は児童たちからすぐに好かれていくが、彼女が来て以来、三崎塚で様々な事件が頻発するようになる。

     三崎塚自体は架空の町ですが、物語と大きく三崎塚で十年近く前に起こった死者160名を出す鉄道史上に残る大惨事というのは、私もあまり知らなかったのですが、国鉄戦後五大事故のひとつとされる三河島事故をモデルにしたもののようです。そしてなるほど〈現在〉の事件とこういう関わ

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    2025年03月27日
  • 幸せのプチ ――町の名は琥珀

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    琥珀と言う街を軸にして、時間を前後させながら、様々な人間模様を織りなしていくストーリー構成には驚きを隠せない。素晴らしい作品でした。

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    2024年05月05日
  • なごり歌

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    人間ってのも まぁ なかなか
    いいもんだね
    と 思わせてもらえる
    朱川湊人さん

    少し前に マリ共和国の友達と話していて
    彼が 初めて日本に来た10数年ほど前に
    初めて新幹線に乗ることがあったそうな
    その時に 新幹線の駅のホームで待っていた時
    目の前を ものすごい速さで何かが通過していった
    横にいた連れ合いに 今のは 何ですか?
    と聞き、それが 自分の乗るモノだと教えられたときに
    あぁ それには 僕は乗ることができない
    と 強く思ったそうです
    人の常識、常態を飛び越えてしまったものに対する
    畏怖を 我々はもっと感知すべきかも知れない

    私たちは 誰でも そういう畏怖の心を
    持ち合わせているはず

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    2024年04月23日