朱川湊人のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ差別されていた家の子供が病気で亡くなった後に現れて一緒に遊ぶ『トカビの夜』では、親の気持ちを思い涙ぐみ、不思議な生き物を飼う少女の話『妖精生物』では、ダメだよ!と思いながらも怖いもの見たさでドキドキし、遊び人だった叔父の葬式で霊柩車が動かなくなり愛人たちが呼ばれる『摩訶不思議』は笑い事ではないけれどなんだか笑ってしまい、生まれ変わる前の夢を見るという妹と前世での父親に会いに行く『花まんま』で、妹を思う兄や、娘を亡くした父親の姿に涙が溢れ、言葉で人をあの世に送る『送りん婆』では、この力で世界を平和にできるのではないかとの誘惑を感じ、仲間はずれにされていた少年が南の方から働きに来ていた若い女性と墓
-
Posted by ブクログ
2005年第133回直木賞受賞
短編小説6編。
どれも大阪下町の懐かしさを感じられる。子ども目線で描かれ、子ども時代の気持ちを改めて思い出しジーンときます。
「トカビの夜」と「摩訶不思議」が特によかった!!
トカビの夜
なんとも儚くも優しい少年同士の心温まる泣けるお話だった。
妖精生物
全然妖精ではなかった(笑)性描写⁈
摩訶不思議
なんとも大阪らしいお話。クスクス笑えた。
「世の中、不思議なもんやなぁ」。から始まる。ほんとそう。何が起こるかわからない。女性もなんとも摩訶不思議な生き物。「人生はタコヤキ」。うん、いつかこの言葉思い出そう!
花まんま
もし前世の記憶が残っていたら。誰か -
-
Posted by ブクログ
昭和四十六年、立花信悟は原因不明の頭の発達の遅れを持つ弟の将悟と東京の下町、三崎塚で過ごす小学三年生。つい最近、超能力のような不思議な力を使えることに気付いた。そんな信悟の通う学校に、ひとりの女性教師が赴任してくる。綺麗で優しい菜美先生は児童たちからすぐに好かれていくが、彼女が来て以来、三崎塚で様々な事件が頻発するようになる。
三崎塚自体は架空の町ですが、物語と大きく三崎塚で十年近く前に起こった死者160名を出す鉄道史上に残る大惨事というのは、私もあまり知らなかったのですが、国鉄戦後五大事故のひとつとされる三河島事故をモデルにしたもののようです。そしてなるほど〈現在〉の事件とこういう関わ -
Posted by ブクログ
人間ってのも まぁ なかなか
いいもんだね
と 思わせてもらえる
朱川湊人さん
少し前に マリ共和国の友達と話していて
彼が 初めて日本に来た10数年ほど前に
初めて新幹線に乗ることがあったそうな
その時に 新幹線の駅のホームで待っていた時
目の前を ものすごい速さで何かが通過していった
横にいた連れ合いに 今のは 何ですか?
と聞き、それが 自分の乗るモノだと教えられたときに
あぁ それには 僕は乗ることができない
と 強く思ったそうです
人の常識、常態を飛び越えてしまったものに対する
畏怖を 我々はもっと感知すべきかも知れない
私たちは 誰でも そういう畏怖の心を
持ち合わせているはず