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やっぱり朱川作品はいい!人々の喜怒哀楽を閉じ込めた琥珀という名前の東京・下町を舞台にした連作短編集でした。各章にはかわいい白い犬「プチ」のイラストが。ところがプチは出てきたり出てこなかったり。でも住人達はみんなこの白いナゾの犬を知っています。私も東京下町生まれのせいか、読後は自分も琥珀の住人であったかのような錯覚にとらわれました。朱川作品のなかでもマイルドこの上ないでしょうけど、とても満足。一人一人みんながんばって生きてる。いつの時代も。どこの町でも。そんなふうに人間を信じたくなる気持ちにさせてくれます。
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朱川ワールド満載、追憶のカスタネット通り、幸せのプチ、タマゴ小町とコロッケ・ジェーン、夜に旅立つなど連作6話。「幸せのプチ 町の名は琥珀」、2016.11発行です。都電が走る貧乏だけど美人ぞろいであたたかな人情が行き交う町が舞台です。店や登場人物が時代をこえてつながっています。町の佇まいそのものが、そこに暮らし暮らした人々が、すべて愛しく恋しく感じられる感動作です!読後の心地よい余韻に浸っています(^-^)
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朱川さんらしい、素敵にノスタルジックな連作短編集。
つなぐのは1匹の野良犬。
人懐こく、不思議な白い犬。
そして、舞台は琥珀という町。
昭和の雰囲気漂う下町。
時代が少しずつ移ろいながらも、登場人物も重なっている。
知らない町なのに、どこか懐かしい琥珀の町。
子どもの頃に住んでいたあの町に戻ったような、懐かしい夢を見た、そんな気がする。
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こういう感じが好きで朱川湊人を止めれれない。昭和の40年代ぐらいの、ちょっと不思議で懐かしい感じが、経験した世代にはたまらない。その時代の空気をたっぷり吸わせてくれる小説。琥珀はあるあるの連続です。野良犬のプチも子供達が通う模型屋も、オリオン仮面もありそう。
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琥珀という下町で起こった不思議な出来事。
この時代、そういや野良犬って結構いたっけな。追いかけられると怖くて、よく高い場所へ逃げたりしていたもんだ。
プチ(白い野良犬)は、やはり幸せを運んできていたんのだろう。にゃん吉さんのように。え、にゃん吉さんって、数年前にわが家によく遊びに来ていた野良猫。このニャンコが来ると仕事が決まったりしたもんだ。野良猫のくせに、そこそこ愛想も良かったもんで癒やされたなぁ。へへ。
近所の人とのつながりが濃い町もなかなかにいいんじゃないか? 田舎生活もそうだもの。
長く、長く住まないとね。
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都電が走るこの下町には、白い野良犬の“妖精”がいる-。生活感が溢れ、地味なくせに騒々しい迷路のような路地。そこに生き、通り過ぎた人たちの心あたたまる6つの物語を収録する。
昭和40~50年代、地下鉄も都電も走る下町の架空の街(どの辺がモデルかはヒントが散りばめられているので何となくわかる)を舞台にした、ノスタルジックな朱川湊人お得意路線の連作短編集。最後の6篇目で各話が収斂していく。ハート・ウォーミングな作品集であることは確か。
(B)
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「琥珀」という町を舞台にした、しんみりほっこりする少し不思議な物語の連作。そこで生きる人たちそれぞれの物語が繋がって、あの人やこの人のその後がのちの物語で判明したりする部分も魅力的です。ノスタルジックで切なくて、レトロな雰囲気も読みどころ。
お気に入りは「タマゴ小町とコロッケ・ジェーン」。こういう友達っていいなあ、と思いました。そして気になるあの人たちのその後が、最後まで読めばちゃんと判明するのも良かった。
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久しぶりの朱川湊人さん。
東京の下町、都電の走る「琥珀」とう名の街を舞台にした連作短編集。朱川さんお得意のノスタルジックで温かい物語でした。個人的にはそれにホラー味が加わるとなお好きなのですが。
お気に入りは表題作の「幸せのプチ」
見た目は怖いけど実は優しくて強い、ゴリラ・モンスーンことトキワさんが素敵だった。あんなお兄さんが味方に付いていてくれたら少年たちは百人力だったろうなぁ。
プチは琥珀に棲みついている白い野良犬の名前。プチが思ったほど物語に絡んでこなかったのが犬好きとしてはちょっと残念でしたが、スカイツリーが建った今でも東京のどこかに琥珀という町は存在していて、そこにはプチがいたらいいなと思う。
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【収録作品】第1話 追憶のカスタネット通り/第2話 幸せのプチ/第3話 タマゴ小町とコロッケ・ジェーン/第4話 オリオン座の怪人/第5話 酔所独来(スットコドッコイ)夜話/第6話 夜に旅立つ
ちょっと不思議で、ちょっといい話。
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内容(「BOOK」データベースより)
都電が走る、この下町には、白い野良犬の“妖精”がいる。口が悪くて、おせっかい。そんな人たちが暮らす町に、ちょっぴり不思議で、ささやかな奇跡が起きる時…ここも東京。1970&80年代の思い出とともに、あなたも追憶の彼方へ―
懐かしさと切なさを書かせたら日本随一の名手です。表紙からして狙っている空気満載ですが、期待している人にはたまらない作品です。表紙に小さく出ている白い犬がプチで、どの話にもちょっとずつ出てきます。表題作はプチが主人公のです。
琥珀という東京の下町が舞台の連作です。40年代から現代までの間色々な人々の人生の移り変わりが描かれているあたりは、今までの作品を踏襲している為非常に安定感が有ります。今までのものよりも悲しみの部分を抑え目に、懐かしさを多めでブレンドしている為、切なさを求めていると若干物足りなさを感じますが、ぼんやりと自分が子供だったころの東京の街並みを思い出して気持ちよく物語に入って行けます。
友達や近所の人々今でも元気でいるだろうか?僕の事なんて覚ええていないだろうなあと思いながら、懐かしい町を歩きたくなります。
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278頁より
子供は親の「願望達成機」ではない。
まして見栄だの世間体を満足させるための
生き物でもないのだ。
291頁より
本当に優しい人というのは
同時に深い悲しみを知っているもの
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登場人物の生まれ育った、もしくは、一時期を過ごした町への郷愁とか愛着に寄り添う感じの短編集。
琥珀という町が舞台というのが共通していて、お話ごとに時代が微妙にずれています。全体的にほっこりしたり、じーんときたりするストーリーで、商店街の雰囲気なんかにこちらまで懐かしさを感じる錯覚もあったり。
でもプチの存在感が思ったより薄い印象。悪くはないけど、あんまり自分のなかに残らない読後感です。