朱川湊人のレビュー一覧

  • 都市伝説セピア

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    分類はホラーミステリー、ホラーファンタジーでしょうか?

    中でも「昨日公園」が好きです。

    全編、ゾッとする部分あり、切ない部分ありととても素敵な短編集でした。

    ホラーファンタジー、ホラーミステリー特有の怖いなかになにか心に沁みるなんとも言えない読後感があります。

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    2012年03月09日
  • 赤々煉恋

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    私たちは、魂で繋がっています。

    (死体写真師/レイニー・エレーン/アタシの、いちばん、ほしいもの/私はフランセス/いつか、静かの海に)

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    2012年02月18日
  • 白い部屋で月の歌を

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    ネタバレ

    表題作について。
    この作品のホラー要素はいったいどれか。未練の残った霊たちの醜い執着のありさまか。それを操ろうとする霊能者とその弟の歪んだ心理か。
    霊が怖いというよりは、そこまで執着してしまう人間という存在そのものがホラーだと思えてくる。ジュンという主人公が発する違和感の正体が最後でわかるようになっているが、そういう事がある、ということよりも、やはり、そんなことをしてしまうシシィという霊媒師の精神のほうがよほど恐ろしい。
    そして、この作品の底に流れる「生きるとはどういうことか」という問いが、もうひとつの「鉄柱(ハガネノミハシラ)」でくっきりと描かれる。
    初読の時は、主人公と同じように、「自殺なんて!」とか「死んではいけないのだ」という思いを抱いたのだが、今回読んだときはこの町の風習もそんなに悪くないんじゃないか、と思ってしまった。
    「今日はどうする?生きるかい?」と毎日問われるのはしんどいことではあるが、「今日は生きる……ことにするよ」と応えて毎日を生きるのは、実は大事なことのように思う。作品のトーンとしては「しんどいこっちゃで」という嘆息混じりではあったが。

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    2012年02月17日
  • 白い部屋で月の歌を

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    表題作の『白い部屋で月の歌を』は選評を先に読んでしまいまさかのネタばれ…
    やってしまった…と思いながら読み始めたものの、文章の美しさやアイディアに惹かれつつ読めました。ホラーらしい不気味さもあるものの読後に残るのはやりきれなさや切なさ。ネタばれしていたもののオチにそういうものが詰まっていてよかったです。

    もう一編収録されているのは『鉄柱』田舎町へ越してきた夫妻の話。この出だしでホラーということで話の展開は大体予測できたのですが、こちらも切なさややりきれなさの残る作品。表題作以上の名作だと思います。
    個人的には主人公がある行動をとった後の心情や町民たちの様子のあまりの切なさに泣きかけました。命や幸せの価値観を揺さぶられた作品です。

    両作とも後からじわじわと怖い、という意味で良作のホラーですがそれ以上に何かを訴えかけてくる寓話のような話でもありました。

    第十回日本ホラー小説大賞〈短編賞〉受賞作『白い部屋で月の歌を』収録

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    2012年12月19日
  • 赤々煉恋

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    タイトルから「赤煉蛇(ヤマカガシ)」を想起させられた。
    ひやりとしているが温度も感じられる、という爬虫類的特徴は本作ぴったり。
    恋焦がれる「モノ」への倒錯的な愛が低温・高熱で描かれた短編集。

    愛の形については、いわゆる「フィリア」であって、マニアとかフリークとか
    とは異なるもの。ただ、そこに帯に書かれたような絶対的な「おぞましさ」を
    感じることはなく、綺麗さが伴っているのがさすが。
    作者にしては珍しいエロチズムがそこかしこに書かれていて違和感はあるが、
    得意とするレトロスペクティブな情景描写で上手くコーティングされていて
    そんなに卑猥な感じは受けず、これもまた手腕によるものかと。

    見たくないものに限って無意識的に見てしまう人間の性。
    「きれいはきたない、きたないはきれい」を地で行く一冊。

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    2010年02月27日
  • 赤々煉恋

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    官能、性的嗜好、死や死体。そして不可思議なもの。普段の私とは縁のない世界のため、息苦しさを感じたり目を背けたくなった。でも、怖いもの見たさで先が読みたくなる。見てはいけないけど、だからこそ見たくなる。そんな本だった。

    全体的に暗黒な雰囲気の作品だったが、不思議と心に切なく染みてきた。気に入ったのは以下の三つ。

    ●「アタシの、いちばん、ほしいもの」
    アタシが欲しいものにはっとさせられた。目の前で小さな命が散っていくのを止められなかった場面が印象的だった。

    ●「私はフランセス」
    「あぁ……人を愛するって、どういうことなのでしょう?」以降で女の情念の深さをしみじみと感じた。業か…個人的には好きな結末?

    ●「いつか、静かの海に」
    不思議で綺麗な話。月光レンズで月の光を集めて水を作るというのが素敵だと思った。最後に主人公が月光レンズを作らなかったことにほっとした。

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    2010年02月21日
  • 本からはじまる物語

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    短編で不思議な話や心温まる作品などたくさん入っていて楽しいアンソロジーでした。
    作品の色が出ていて読んでいて楽しかったです

    飛び出す、絵本 恩田陸
    十一月の約束 本多 孝好
    招き猫異譚 今江祥智
    白ヒゲの紳土 二階堂黎人
    本屋の魔法使い 阿刀田高
    サラマンダー いしいしんじ
    本棚の片隅から 柴崎友香
    読書家ロップ 朱川 湊人
    バックヤード 篠田 節子
    閣魔堂の虹 山本 一カ
    気が向いたらおいでね 大道珠貴
    さよならのかわりに 市川 拓司
    メッセージ 山崎 洋子
    迷宮書房 有栖川有栖
    本棚にならぶ 梨木香歩
    23時のブックストア 石田衣良
    生きてきた証に 内海隆一郎
    The Book Day 三崎亜記

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    2026年09月29日
  • 無限のビィ下

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    さすが朱川湊人さま、SFとホラー、昭和のレトロさもちゃんと描かれている。物語の細かいところだと比奈子が大人びているように見えて実は闇かかえてたり、地域住民による人種差別など現代でも問題になっていることが描かれていた。ただひとつ気になったのは、信悟が小学3年生にしては優しすぎるなと感じた。友達や好きな人のために怖くても立ち向かえる勇気が素晴らしいと感じた。

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    2026年09月27日
  • 太陽の村

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    結構、臨場感のあるタイムスリップ本で、楽しめた。
    タイムスリップ本は、結末の持って行き方が興味深いが、結末は定番ではあるものの
    ちょっとしたひねりが入っていた。

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    2026年09月26日
  • 幸せのプチ ――町の名は琥珀

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    1970年代から80年代の下町にある商店街で生きる人達にスポットを当てた短編集。それぞれ章の主人公は違うけど、同じ商店街なので時折何気なく登場する人達に繋がりがあるのもいい。
    昔ってこんな感じだったのかなぁ、他人だけど顔見知りを少し越えたご近所さんのやりとりにほっこりとした。
    少し早めに読んでしまってので、ささやかに登場する人達をしっかりと覚えながら読み進めた方がもっと愛着持って楽しめたと思う。
    重たい小説を読んだ後にぴったり。

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    2026年09月01日
  • 花まんま

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    出遅れたけど映画化記念に再読。割りとホラーテイスト多めだけどそこが良い。個人的に「妖精生物」の後味の悪さが好き。

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    2026年08月21日
  • 小学61年生

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    この『小学61年生』は、「永遠に小学校を卒業できない男」である18歳の青年、神田杉千代を主人公にした小説で、他に杉千代の大親友である辛崎渡という特撮好きの青年が登場するが、このモデルになっているのは特撮やコメディ色の強い作品で知られるB級映画監督の河崎実さんのようだ。

    二人は小学校時代の同級生・幼なじみで、ともに大の怪獣好きだった仲間だ。小説も彼の出身である明治大学農学部が最初の舞台となっている。(生田校舎に通っている)なお、時代背景は1977年〜1980年頃だ。

    主人公たちは特撮ヒーローや怪獣映画を自主制作するいわゆるオタクの大学生。携帯スマホなど無い時代、同じような趣味の仲間たちとその生活を楽しんでいる。

    その後、二人は将来に向けて歩み出す岐路に立つが、同じ道を進むわけではなく、辛崎渡は映画・特撮の世界へ突き進み、杉千代は会社員として普通の生活を送る。しかし杉千代は渡を見捨てるのではなく、距離を置きながらもその夢をずっと見守る。夢を仕事にした人と、夢とは別の人生を選んだ人――その両方の人生を肯定する物語でした。
    後半では実際の河崎監督の作品や、俳優が登場するため、どこからどこまでがフィクションで、何が事実なのか混沌としてしまったのが、個人的には不満だなあ。

    最後に2人が還暦過ぎとなり、自分らがいまだに小学校を卒業できていない小学61年生だなあと笑い合うシーンがあるが、それが印象的だった。

    そのほか、僕も自分の青春時代と時間軸がかぶっているから、話題の一つひとつが面白かった。例えばキャンディーズの解散、オレは男だ、エイトマン、大巨獣ガッパ、ケーキ屋ケンちゃん、宇宙戦艦ヤマト、ウルトラ警備隊のキリヤマ隊長…たぶんウルトラマンなど特撮ものなどに興味を持っている人、幼稚な一面を持ち合わせている人には、めちゃくちゃ刺さり、楽しさも倍増するのだろうな。
    逆に何の興味もない人が読んだら、全然面白くないのだろうな…感想を聞いてみたい気もする。

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    2026年08月20日
  • かたみ歌(新潮文庫)

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    行ったことは無いのにどこか懐かしさを感じる下町が舞台。各話で登場する古本屋の主人のエピソードが一番心に残った。

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    2026年08月18日
  • 花まんま

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    昭和30〜40年代の子どもたちの目線で描かれる、不思議な体験の短編集。本当か嘘かわからない怪異を通して、生と死や人の情が描かれる。ホラーともファンタジーとも言い切れない、懐かしく切ない余韻が魅力の一冊

    坂本龍一/BTTB
    静かなピアノが昭和の日本を思わせる懐かしさと、どこか影のある空気を感じさせる一枚。『花まんま』のおどろおどろしさや幻想的な世界観に自然と寄り添い、読書の雰囲気をより深めてくれる。

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    2026年08月02日
  • 妖し

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    ネタバレ

    アンソロジーは結構当たり外れがあると思っていて、今回は当たりでした。
    怪異をテーマに10人の豪華な作家が描いた作品です。
    アンソロジーの短編集は作家が変わるが故に薄味になりがちなイメージですが、どの作品もしっかり味があって良かったです。
    個人的には、「わたしキャベンディッシュ」、「かぐわしきひと」が特に良かったです。
    アンソロジーは普段読まない作家に出会うので、定期的に読みたいなと思いました。

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    2026年06月19日
  • 花まんま

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    私淑する人に勧められて読んだ。良くも悪くも昭和の価値観が持つ、今もないようであって、なくなってしまった気もする雰囲気に満ちてる。短編ごとに話は当然全く違うのに、苦みみたいなのが共通してる。令和もいつか懐古主義の中で漂う時代になるだろうか。

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    2026年05月07日
  • 花まんま

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    少しホラー風でもあるフィクション短編集でした。最近この手のフィクションを読んでおらず、また、この本もこうした作風だと知らずに読んだので話の展開が予想の上を行ってかなり新鮮に読めました。
    自分の想像力の裾野を広げるためにもこうしたジャンルの本も読みたいと思わせてくれた本でした。映画化されているみたいなのでそちらも観たいと思います

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    2026年02月12日
  • 花まんま

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    昭和30~40年代の大阪下町を舞台にした
    子供の不思議を描いた短編集

    死や差別、生まれ変わりなどを題材にしつつも
    暗くはなく、ノスタルジックな雰囲気が
    何故か懐かしい

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    2026年02月08日
  • 花まんま

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    短編集。ホラー寄りのファンタジー、って印象。タイトルからは、もっとほんわかした現代小説を想像してました。どぎつ過ぎず、あまり残酷な結末もなく、読みやすい。

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    2026年02月02日
  • 花のたましい

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    小説、映画を見て、やっと本書を読めた。
    小説や映画単体も良く、小説から映画への繋がりも綺麗で好きな作品群です。
    本書のお話は、加藤兄妹の周りの人を描く事で映画の記憶に、より深みを加えてくれていると思う。
    もう一度映画が見たくなった。

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    2026年01月17日