朱川湊人のレビュー一覧

  • 赤々煉恋

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    私たちは、魂で繋がっています。

    (死体写真師/レイニー・エレーン/アタシの、いちばん、ほしいもの/私はフランセス/いつか、静かの海に)

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    2012年02月18日
  • 白い部屋で月の歌を

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    ネタバレ

    表題作について。
    この作品のホラー要素はいったいどれか。未練の残った霊たちの醜い執着のありさまか。それを操ろうとする霊能者とその弟の歪んだ心理か。
    霊が怖いというよりは、そこまで執着してしまう人間という存在そのものがホラーだと思えてくる。ジュンという主人公が発する違和感の正体が最後でわかるようになっているが、そういう事がある、ということよりも、やはり、そんなことをしてしまうシシィという霊媒師の精神のほうがよほど恐ろしい。
    そして、この作品の底に流れる「生きるとはどういうことか」という問いが、もうひとつの「鉄柱(ハガネノミハシラ)」でくっきりと描かれる。
    初読の時は、主人公と同じように、「自殺な

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    2012年02月17日
  • 白い部屋で月の歌を

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    表題作の『白い部屋で月の歌を』は選評を先に読んでしまいまさかのネタばれ…
    やってしまった…と思いながら読み始めたものの、文章の美しさやアイディアに惹かれつつ読めました。ホラーらしい不気味さもあるものの読後に残るのはやりきれなさや切なさ。ネタばれしていたもののオチにそういうものが詰まっていてよかったです。

    もう一編収録されているのは『鉄柱』田舎町へ越してきた夫妻の話。この出だしでホラーということで話の展開は大体予測できたのですが、こちらも切なさややりきれなさの残る作品。表題作以上の名作だと思います。
    個人的には主人公がある行動をとった後の心情や町民たちの様子のあまりの切なさに泣きかけました。命

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    2012年12月19日
  • 赤々煉恋

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    タイトルから「赤煉蛇(ヤマカガシ)」を想起させられた。
    ひやりとしているが温度も感じられる、という爬虫類的特徴は本作ぴったり。
    恋焦がれる「モノ」への倒錯的な愛が低温・高熱で描かれた短編集。

    愛の形については、いわゆる「フィリア」であって、マニアとかフリークとか
    とは異なるもの。ただ、そこに帯に書かれたような絶対的な「おぞましさ」を
    感じることはなく、綺麗さが伴っているのがさすが。
    作者にしては珍しいエロチズムがそこかしこに書かれていて違和感はあるが、
    得意とするレトロスペクティブな情景描写で上手くコーティングされていて
    そんなに卑猥な感じは受けず、これもまた手腕によるものかと。

    見たくな

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    2010年02月27日
  • 赤々煉恋

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    官能、性的嗜好、死や死体。そして不可思議なもの。普段の私とは縁のない世界のため、息苦しさを感じたり目を背けたくなった。でも、怖いもの見たさで先が読みたくなる。見てはいけないけど、だからこそ見たくなる。そんな本だった。

    全体的に暗黒な雰囲気の作品だったが、不思議と心に切なく染みてきた。気に入ったのは以下の三つ。

    ●「アタシの、いちばん、ほしいもの」
    アタシが欲しいものにはっとさせられた。目の前で小さな命が散っていくのを止められなかった場面が印象的だった。

    ●「私はフランセス」
    「あぁ……人を愛するって、どういうことなのでしょう?」以降で女の情念の深さをしみじみと感じた。業か…個人的には好き

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    2010年02月21日
  • 本からはじまる物語

    購入済み

    読みやすい

    本屋の魔法使い。よかった。自分もこんな本屋の人に会いたいと思った。自分の好みの本を見抜いて勧められたり、欲しい本があるとすぐに取り寄せてもらえる。うらやましいな。

    #エモい #共感する #ほのぼの

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    2025年11月22日
  • 花まんま

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    昭和の懐かしさを感じた、私が育ってきた時代そのものであった
    『花まんま』とは…子どもの頃、色々な花を摘んで詰め込んだ、ままごと遊びのお弁当だった
    大阪の下町を舞台に言葉が飛び交う物語

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    2025年11月19日
  • 花まんま

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    第133回直木賞受賞作。
    ↑これは知らずに、鈴木亮平、有村架純の映画のCMを観て、読んでみたいなと、、

    情報なく、読み始めたら、まさかの短編集、、。
    それなりに興味深い話が続くものの、、
    「摩訶不思議」でくすくす笑い、

    やっと目的の「花まんま」に到着。
    こんな短篇が1本の映画に?、、と期待薄で読み始めるも、、号泣。
    花まんま。
    そうか。タイトルの意味よ、、
    兄、、亮平が演じるのね、、
    破天荒な架純も、、と色んな想像で涙。
    是非、映画も観たい。
    小説では描いてなかった、それぞれが乗り越えたその後を観て安心したい。

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    2025年10月26日
  • 花まんま

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    昭和の大阪が舞台。差別的で怪しくて不思議でノスタルジック。全体的に物悲しい物語が多くて滅入ってる時に読むのはちょっ杜息苦しくなった。でもストーリーは凝っていて良かった。表題作の花まんま不思議で切ないお話。

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    2025年10月20日
  • 花まんま

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    連休にプライムで映画を見たので。

    昭和30~40年代の大阪の下町で小学生が体験した話の短編集。
    大阪ではないけど近しい子供時代だったので、時代背景がめっちゃわかる~!

    「トカビの夜」もう苦しくなくなって飛び回ってるなんてよかったね~!って思っちゃう
    「妖精生物」いたいた~学校帰りにヒヨコとか売ってた人!そして正体がこわ!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
    「摩訶不思議」女好きなおっちゃんの話。これは笑ったし、女たちが仲良くなるのもいい話だぁ~
    「花まんま」会いに行くエピソードが映画まんまで映像が蘇った
    「送りん婆」呪文が途中まで読み上げられたところでまさかとは思うがもしホント

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    2025年10月16日
  • 花まんま

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    414 audible
    「トカビの夜」「妖精生物」「花まんま」を聞く。特にトカビの妖精生物は印象に残った。

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    2025年10月12日
  • 花まんま

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    映画の原作?と思って読んだのですが、違いましたね。
    昔の大阪を舞台にした、短編集。
    ちょうど大阪に住んでいるので、昔の雰囲気を味わえたことがまず良かったです。

    そして、それぞれのお話もなんだろう、独得の雰囲気を醸し出していて、楽しく読みました。

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    2025年10月07日
  • 花まんま

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    現代ホラー小説家を知るための100選に入っていたので読んだけど、これはホラーではないよね?

    不思議な話の短編集だけど、ホラーと言うには怖さが足りない。とても読みやすい。どの話も面白かったし、印象深い。

    花まんまは、映像化されていると言う事なので、これはみてみたいな。

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    2025年09月16日
  • かたみ歌(新潮文庫)

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    舞台は昭和40年代の下町、アカシア商店街。この街には人ならざる者が見える事がある。幸子古書店の店主がナビゲーターのような役割だが、最後のお話で店主の謎も解ける。少しホラー要素のある物語もあるが、温かい物が多いので読みやすい。個人的には夏の落し文の兄が登場する奇跡がほしかった。良い人は救われる世の中であれ、と思う。他の作品も読みたい作家さん。

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    2025年09月03日
  • 花まんま

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    6つの短編で構成されており、場所は大阪の下町。昭和30-40年代の頃であることは6つの話に共通していること。朝鮮人、貧困、女性の権利、言霊(シャーマン?)、部落問題など、今では大分薄れてしまった差別の数々が直接的に書かれていて、大阪の歴史的な背景を物語を通して知ることができる。どの物語も子どもの視点から書かれており、子どもたちが不思議な体験をする。書き手が自分の周りの世界を把握できない子どもだから、読み手は物語に引き込まれていくのかもしれない。物語そのものも面白いが、歴史的な視点から考えるとまた面白かった。

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    2025年08月29日
  • 花のたましい

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    本人が何も語らなかったとしても
    みんな色々あるしそれぞれ一生懸命に生きている。
    笑いあり、涙ありで面白かった!
    花まんま映画とSETで楽しむのがおすすめ!

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    2025年07月31日
  • さよならの空

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    オゾン層を修復するために開発された化学物質「ウェアジゾン」で太陽光線から特定の波長が散乱され、「夕焼けの色」が地球上から消えてしまう世界が舞台。「当たり前の日常」が奪われたとき、人はどう感じるのだろうか。個人的には夕陽がなくなるのは耐え難い。その化学物質の開発者と本物の笑顔を失った少年が旅を通じてそれぞれの心が解けていく話。
    朱川さんが登場人物や読者に“日々の営みの大切さ”を再認識させる、とどこかに書いてあったが、そこまで読み込むことはできなかった…。
    登場人物の説明が飛ぶし、中途半端なところもあったけど、後半に向けて物語が収束していく中で、まぁ、別にいいや、関係ないか、と静かな納得が残った。

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    2025年07月29日
  • 冥の水底(下)

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    一気読みでした。「バンテン」と呼ばれる、人が動物や植物に変身する不思議な一族の存在を、主人公が親友を救う中で徐々に知っていく物語。最初は怖いもの見たさで読み進めていたけど、途中から幻想的でどこか切なく、悲しさもあるような内容だった。しかも文体の性質上、読みながら自然と頭の中に映像が浮かんだ。
    普段から小説の魅力は、自分の想像力で世界を自由に広げられるところ、と思っているけど、この本はまさしくそれを示してくれた。逆に映像化してほしくないと思う。後半はなんだか急に駆け足になったけど、読後には静かな感動と余韻が残る一冊。

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    2025年07月14日
  • 花まんま

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    約40年前の大阪の下町を舞台にした、少し不思議な短編集。
    どれも主人公は子供。貧しくて、差別蔓延る世の中と眩しく輝く子供たちの対比が際立つ。
    不思議と懐かしく、切なくも煌めく物語でした。

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    2025年07月06日
  • 花のたましい

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    短編集4編.花まんまのスピンオフ
    どこか異世界不思議な雰囲気のする朱川さんらしい物語.
    アネキ台風はもっと現実感あふれる前向きな物語で男前なアネキ二人が輝いていた.

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    2025年06月28日