朱川湊人のレビュー一覧
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表題作の『白い部屋で月の歌を』は選評を先に読んでしまいまさかのネタばれ…
やってしまった…と思いながら読み始めたものの、文章の美しさやアイディアに惹かれつつ読めました。ホラーらしい不気味さもあるものの読後に残るのはやりきれなさや切なさ。ネタばれしていたもののオチにそういうものが詰まっていてよかったです。
もう一編収録されているのは『鉄柱』田舎町へ越してきた夫妻の話。この出だしでホラーということで話の展開は大体予測できたのですが、こちらも切なさややりきれなさの残る作品。表題作以上の名作だと思います。
個人的には主人公がある行動をとった後の心情や町民たちの様子のあまりの切なさに泣きかけました。命 -
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タイトルから「赤煉蛇(ヤマカガシ)」を想起させられた。
ひやりとしているが温度も感じられる、という爬虫類的特徴は本作ぴったり。
恋焦がれる「モノ」への倒錯的な愛が低温・高熱で描かれた短編集。
愛の形については、いわゆる「フィリア」であって、マニアとかフリークとか
とは異なるもの。ただ、そこに帯に書かれたような絶対的な「おぞましさ」を
感じることはなく、綺麗さが伴っているのがさすが。
作者にしては珍しいエロチズムがそこかしこに書かれていて違和感はあるが、
得意とするレトロスペクティブな情景描写で上手くコーティングされていて
そんなに卑猥な感じは受けず、これもまた手腕によるものかと。
見たくな -
Posted by ブクログ
官能、性的嗜好、死や死体。そして不可思議なもの。普段の私とは縁のない世界のため、息苦しさを感じたり目を背けたくなった。でも、怖いもの見たさで先が読みたくなる。見てはいけないけど、だからこそ見たくなる。そんな本だった。
全体的に暗黒な雰囲気の作品だったが、不思議と心に切なく染みてきた。気に入ったのは以下の三つ。
●「アタシの、いちばん、ほしいもの」
アタシが欲しいものにはっとさせられた。目の前で小さな命が散っていくのを止められなかった場面が印象的だった。
●「私はフランセス」
「あぁ……人を愛するって、どういうことなのでしょう?」以降で女の情念の深さをしみじみと感じた。業か…個人的には好き -
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「花まんま」が面白かったので、朱川湊人をもう一冊読んでみた。これも短編集で、前半は花まんまと同じように少年少女の不思議な物語が二篇続く。この人は子どもたちの話しか書かないのかな?と思いながら読んでいたけど、その後の作品からは大人も登場してくる。
どの話もなんともノスタルジックで、幼さゆえの悲しさや歯痒さがうまく描かれていて、もの悲しさの中にファンタジーの要素が組み込まれている。そのバランスがとても上手くて、不思議と引き込まれる力があり、読後にも余韻が残る物語ばかりだった。これが朱川湊人の魅力なんだと思う。
それにしても、幼い頃に両親のどちらかが家を去ったのかな?と考えずにはいられない設定が -
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映画の花まんまの話を聞いて買ってみたら短編集だった。どの短編も10歳くらいの子どもが主人公で、一応連作っぽくつながっている。どれも不思議で不穏で、郷愁と背徳が同居しているような感じがしてゾワゾワして面白い。映画化された「花まんま」も良かったけど、やはり俺は子どもに大人の記憶や欲望を宿す設定は本来きわめて危ういと思うので、フィクションとして楽しみながらも心底は楽しめなかったな。この設定ってドラマ性に引きずられて、その倫理的負担や危険性に無自覚なまま感動できちゃう構造なんだよな。
「トカビ」はトッケビのことだろうとすぐにピンときたし、「妖精生物」は奇妙に背徳的でややグロテスクでよかった。「摩訶不 -
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連休にプライムで映画を見たので。
昭和30~40年代の大阪の下町で小学生が体験した話の短編集。
大阪ではないけど近しい子供時代だったので、時代背景がめっちゃわかる~!
「トカビの夜」もう苦しくなくなって飛び回ってるなんてよかったね~!って思っちゃう
「妖精生物」いたいた~学校帰りにヒヨコとか売ってた人!そして正体がこわ!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
「摩訶不思議」女好きなおっちゃんの話。これは笑ったし、女たちが仲良くなるのもいい話だぁ~
「花まんま」会いに行くエピソードが映画まんまで映像が蘇った
「送りん婆」呪文が途中まで読み上げられたところでまさかとは思うがもしホント