【感想・ネタバレ】かたみ歌(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年06月04日

今回、読書にハマるきっかけとなった本です。
不思議な町へ自分も入り込んでその場にいるような気がするくらい昭和のノスタルジックな情景が浮かんできて、短編集で読みやすいというのもありますが、あっと言う間に読み終わりました。
しばらくしたらまた読みたくなると思います!!

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Posted by ブクログ 2023年01月24日

朱川湊人作品の中で大好きな一冊です。

どこか懐かしい昭和のあの頃に連れて行ってくれます。

一つひとつの物語に切なくも温かい美しさを感じます。

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Posted by ブクログ 2022年10月29日

なんとも言えない寂しさと温かさが味わえました。
移り変わる時代が流行歌に反映されているのもいいなと思います。
じんわりと全貌が明らかになっていく感じが素敵でした。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年08月04日

東京の下町、アカシア商店街の7話。
僕は朱川さんの紡ぐ、別の物語がちょっとだけつながっている、その構成が好み。③、⑤、⑥、⑦が特にお気に入り。
①紫陽花のころ
初読はそれなりに楽しめたんだがなぁ、なんだかなぁ、そんな結末だったとは。
②夏の落とし文
電柱の貼り紙に自分の未来が予見されていたら。いいお...続きを読む兄ちゃんだな、せつないな。
③栞の恋
ひねりも不思議さもあってとてもいい。結末が意外だったが2読目以降も飽きない。
④おんなごころ
かわいそうだが、悪い作品とは思わない。他の編ではケバい初恵の正気さのためか。
⑤ひかり猫
猫2匹と「私」と古本屋の店主しか登場しないが、朱川さんらしい味わいの短編。
⑥朱鷺色の兆(ときいろのしるし)
おっさんの一人称の語り口。予兆モノはいくつかあるがハッピーエンドで一安心。
⑦枯葉の天使
他の6作全てに登場する幸子書房の店主が実は主役。締め括りとして珠玉の作品。

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Posted by ブクログ 2019年06月30日

読んでよかった。
短編集になってるけど、繋がっていて読みやすかった。
私のように、普段小説読まない方にお勧めできます。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年11月01日

昭和40年代半ばの東京下町にある「アカシア商店街」で起こる摩訶不思議な物語。
アーケードのついた長い道に、様々な店がぎっしり連なる昔ながらの商店街の一角にある、ある有名作家似の古本屋の主人を中心に人々と物語は交錯する。

奇妙な「栞」の文通をしたり、あの世と繋がるお寺があったり、突然懐かしいあの子が...続きを読む「お使い」に来たり……。
どのエピソードもとても切なく、じわりじわり涙を誘うものばかり。

時代も変わり、流行る歌が変わっても、人が感じる幸せって昔も今も同じようなものなんだな。
不思議な懐かしさと、温かな気持ちになる物語。

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Posted by ブクログ 2024年03月13日

平成生まれだけどどこか懐かしい感じがする。映画Alwaysが好きなので街並みはそれを想像しながら読んだ。

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Posted by ブクログ 2023年05月28日

読者は不思議が起きる町へ招待される。
死者の世界に通じる場所がある覚智寺、町で起きる摩訶不思議な出来事の目撃者であり証言者である古書店主をキーに7篇の死にまつわる話が語られる。
そしてそれぞれの話の底流にあるストーリーは最後の一篇によって鮮やかに語られる。
戦禍を免れて古くからの町並が残ったこの町に...続きを読むは訳あって他所から流れて来た人達も多い。彼らは過去に責め立てられながらこれからの自分達を立て直すためにこの町にやってきた。そして昔ながらの商店街でスーパーマーケットの便利さとはひと味違う買い物にむしろ居心地の良さを感じる。
この町には便利さと引き換えに私達が失ってしまったものが残っている。
それは人々が心地よく暮らしていくためにどうしても必要な事なのだろう。
人間は生きていく上で後悔する事を、長く生きていけばいくほどそれだけ多く抱え込む。
それに対する懺悔の気持ち、特に死んでしまった愛する者に対するその気持ちはなかなか辛いのだが、もしも死者に今この懺悔の気持ちを伝える事ができたならどんなに気持ちが楽になるだろう。
古いこの町はそんな願いが叶うかもしれない不思議空間。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年04月22日

 東京の下町、アカシア商店街というアーケードのついた300mぐらいの通り。古本屋、ラーメン屋、酒屋、スナック、お寺、アパート・・・。その商店街を舞台にした昭和30~40年代の物語。連作短編7話。霊や魂をテーマにした朱川ワールドが拡がっています。「かたみ歌」、2008.2発行。 

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Posted by ブクログ 2023年03月27日

なごり歌を先に購入してしまい、こちらのかたみ歌が先の作品と知り慌ててこちらも購入し、読破しました。
 非常に良くできた短編集……かつ、それぞれ少しずつ人物が被るように絡んだストーリーの構成………あ、ここでこの人物が関係してくるのか!と意表を突かれたりで、じっくりゆっくり楽しめる読み物って素晴らしいな...続きを読むぁと感じました。

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Posted by ブクログ 2022年09月11日

東京の下町にあるアカシア商店街。その近くにある覚智寺はあの世とこの世をつなぐ寺だと噂されている。その商店街をとりまく人々、特に幸子書房の店主が、7つの短編全てに関わりながら、そして、最後の物語では その店主の過去が明らかになっていく。殺されても家族を守ろうとする中華屋の主人、弟の代わりに突然行方不明...続きを読むになる血の繋がらない兄、古本に手紙をはさむ文通で、いつの間にか時代を越えて 若くして特攻隊で、亡くなった著者と交流する娘、亡くなった猫の魂に救われる漫画家、見えないものが見えることで 後の奥さんを助ける大学生、そして最終章では母に殺された幼い女の子が、古本屋の主人を救う。今は少なくなったご近所の心の交流と昔は感じていた死者との交流が、描かれていて 懐かしいようなほっとするような。もちろん、残酷な死があるのだが、それでもなお温かい気持ちが交差する。

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Posted by ブクログ 2022年07月30日

不思議な出来事が起こる「アカシア商店街」を舞台にした短編集。「かたみ歌」というタイトルは一体どう言う意味なのかと思ったが、なるほど「死人の想い=かたみ」の話なのかと納得。全ての話が死に関わる話で、少し物悲しく、少し恐ろしく、どこか懐かしい感覚がする。後半になるほど様々な事情が一気に明らかになるストー...続きを読むリーは爽快だった。またそれぞれの話に出てくるその時代を代表する曲もいい味を出していた。

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Posted by ブクログ 2022年06月28日

初めて読む、朱川湊人さんの作品。
7つの連作短編集。

舞台は昭和40年代の東京下町、“アカシア商店街”というアーケード通りとその周辺の街。
この時代は子供も沢山いて、商店街も大変賑わっている様子。
レコード屋のスピーカーからは古い歌謡曲が流れている。

私の頭の中は、セピア色の古い昭和の街にタイム...続きを読むスリップした感じ。
でもこの作品は、そんなノスタルジックなだけの作品ではない。
黄泉の国と繋がっているらしいお寺があり、7編それぞれ、死や霊にまつわる不思議体験のお話。

どの登場人物も、幽霊を普通に受け入れている(怖がらない)のが良い。
本来こうした“不思議”は私達の身近なところあり、共存しているのかな、と思った。

私が好きなのは、次の3編。
「栞の恋」 古本に手紙を挟み、文通する話。
「ひかり猫」 漫画家志望の男と猫の魂の話。
「枯葉の天使」 最終話、全てのストーリーが繋がる。

最後に全ての謎が解け、ひとまとまりになる様は、見事です。

この本を紹介して下さったshukawabestさん、ありがとうございます!
他の朱川さんの作品も読んでみたいです!

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Posted by ブクログ 2022年06月18日

昭和40年代半ばくらいかな、アーケード商店街を持つ東京下町。その周辺に住まう住民たちと死にまつわる短編集。
下町で日常を暮らす人と不思議な存在との共存。昭和のどこかまでは、まだそんな雰囲気があったようです。郷愁という言葉が、一番しっくりくる作品でしょうか。
“栞の恋”は、古本屋(この作品全体の主要舞...続きを読む台ですね。)の一冊の古本で、栞を使った短い往復書簡。素敵な恋の物語です。以前、映像化されましたね。これが、一番好きでした。そのうち電子書籍での恋なんかも書かれるかしら。
朱川さん初読みかなと思っていたら、「白い部屋で月の歌を」ですね!作風違って気が付かなかった。こちらもすごく良かったです。
shukawabestさんご紹介ありがとうございました。

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Posted by ブクログ 2021年10月06日

ある商店街を舞台にした連作集。
何らかの形で死を扱っているが、不思議と重く感じさせず、むしろせつない。
登場人物は外見的にこう見えると思わせておいて実はそうではなかったというものが多い点は、とても参考になる。

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Posted by ブクログ 2021年03月27日

連作短編集。いずれも死にまつわる話で、確かに背筋がひやりとするところもあるのだが、不思議と優しい気持ちにさせられる。死を、一方通行に終息していく、やるせない結果として扱わない。むしろ、未知の可能性として、世界の広さとして描かれている。

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Posted by ブクログ 2019年08月06日

いやゃぁぁ、それはずるい…

あちらとこちらの世界の境界線が曖昧な下町の商店街。ノスタルジックでミステリアスで少し怖いような気もするけれど、人と人の想いが交錯するどこまでも暖かくて少し切ない短編集。

で終わると思ってたのに、ラストのあれはひどい。それはずるい。暖かすぎて切なすぎる。彼はあんなにひど...続きを読むいことをしたのに。


要は幽霊と呼ばれるものが現れたり超常現象が起きたりするお話ばかりなんだけど、それがなんでもないことのように描かれていて面白いと思った。

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Posted by ブクログ 2019年08月04日


ストーリーテリングがお上手で
取りようによっては怖くもなり得る内容なのだけど、ノスタルジックで心あたたかくなるのが、朱川作品の特徴。

短編集なので、合間合間にサクサク読めるのも好き。

「花まんま」「かたみ歌」など、
タイトルのつけ方も好みです。


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Posted by ブクログ 2019年07月17日

7編の連作短編集。
心霊現象的なものをからめながら、人間の生き方がちりばめられています。
特に最後の「枯葉の天使」はこれまでの謎がすべて明らかになります。
全体の構成がよいので、どんどん引き込まれていきます。
とても面白い本でした。

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Posted by ブクログ 2019年05月06日

おおむね前に読んだ『花まんま』と似たテイストの連作短編集。
死者に会える町で古本屋を営む店主と、そのオヤジにかかわる人々。
印象に残っているのは、古本屋の商品を利用して、時を超えた文通をする女。片思いの彼にあてて書いていたハズだったのに…という不思議な恋愛ストーリー。
この人の作品はハデさは一切ない...続きを読むけど、じ~んとくるよね。

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Posted by ブクログ 2021年09月01日

初めて読んだ作家さんです。勧められて読みましたが、読んで大正解でした。幽霊にまつわる話ばかりで怖さもありますが、それ以上に切なくて深い感動が心を満たしてくれます。舞台が昭和レトロの街なのも懐かしさがあっていいですね。たくさんの人に読んでもらいたい作品です。

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Posted by ブクログ 2023年09月11日

昭和だ〜

しかも“ゴリゴリ”の高度成長期
「環境」なんて二の次、「チクロ」入りのお菓子を食べ、光化学スモッグの中で子供が育つ。
道ではダンプカーか我が物顔で行き来し、白黒テレビからは、石坂浩二の「ウルトラQ」のナレーションが聞こえてくる。
「これから30分、貴方の目は貴方の体を離れ……」

そんな...続きを読む“怪しい”ノスタルジー香る連作短編集。

もう一つのお楽しみとして、短編ごとに昭和の名曲?が幾つか入る。
「紫陽花のころ」には布施明「シクラメンのかほり」(超有名)
「夏の落とし文」にはドラマ「愛と死を見つめて」テーマソング(マニアックだけど大ヒット、マコ、甘えてばかりで……)
「栞の恋」にはザ・タイガース「モナリザの微笑」(超超有名、ジュリー〜)
「おんなごころ」は佐良直美「いいじやないの、しあわせならば」(渋いですねー)
「ひかり猫」は藤圭子「圭子の夢は夜ひらく」(独特!娘は宇多田ヒカル)
「朱鷺色の兆し」にはアニメタイガーマスクB面「みなしごのバラード」(とんでもなくマニアック、でも心に染みる名曲)
最終話「枯葉の天使」にはチューリップ「心の旅」(超超超有名、超青春だー!)

あまり過去を振り返ると戻ってこれないので、注意……。

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Posted by ブクログ 2023年06月30日

昭和40年代頃を中心にした時代、都電が走る下町のアーケード商店街がある街を舞台に、生と死の間を行き来する不思議な体験を軸にした連作短編の構成。

昭和50年代に子供時代を過ごした自分からすると少し前の時代で、どんぴしゃノスタルジーを感じるには今一歩なのだが、人と人の距離が今よりも近かった素朴で小さな...続きを読む世界の雰囲気はよくわかるし、伝わってくる。

ハートウォーミングな筆致の中に、人の世の業が織り成す、今となってはやや生々しく感じられる件りも所々に盛り込まれる。令和の時代の日本社会の深層にも生き続けるウェットな人間関係の負の側面を意識させられ、やや重く感じられたというのが正直な印象。

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Posted by ブクログ 2022年12月26日

アカシア商店街での話。

地域密着、という感じの話ではありますが
時代も主人公も別々。
ただ、古本屋の主人だけが出てきます。

少しずつ分かったり、かけらだったり。
そこに繋がるのか、という小さな驚きがありました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年10月09日

商店街を舞台に短編がおさめられています。『栞の恋』が世にも奇妙な物語20周年スペシャル・秋〜人気作家共演編で堀北真希さんが印象的でした。切なくて不思議な恋のお話でした。

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Posted by ブクログ 2020年04月10日

ある商店街を主題にした短編小説
親子愛、兄弟愛に感動した。
ただそれぞれの話に霊の力のようなものがあり、
怖くなってしまい3話目の途中、読むのを断念した。
特に2話は感動も大きかったが恐怖も大きくトラウマになってしまった
ただ最後まで読むと全ての話がつながるみたいなので、すごく興味がある


もっと...続きを読む大人になったら読みたい本

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Posted by ブクログ 2020年04月06日

直木賞受賞作家の実力発揮の好著です。
7つの連作短編集は、個々の作品は独立していながらも最後の作品を読めば全体がつながるという趣向ですが、1960年前後生まれの読者ならさらになつかしさとほろ苦さが倍加されること必定です。
タイトルの「かたみ」とは形見のようですが、結構悲しい話もありながらも陰鬱に終わ...続きを読むらない優しい小説です。
とはいえできれば、行方不明になった秀則兄ちゃんの元気な姿がこの小説のどこかで登場してくれればという私の願いは欲張りすぎでしょうか?
涙腺の弱い人には要注意です。

最後に、小説のPR告知です。
不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。殺人事件が起きたラーメン屋の様子を窺っていた若い男の正体が、古本屋の店主と話すうちに次第に明らかになる「紫陽花のころ」。古本に挟んだ栞にメッセージを託した邦子の恋が、時空を超えた結末を迎える「栞の恋」など、昭和という時代が残した"かたみ"の歌が、慎ましやかな人生を優しく包む。7つの奇蹟を描いた連作短編集。

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Posted by ブクログ 2020年01月21日

昭和40年代の郷愁と、異世界との繋がりを上手に織り交ぜた短編集。最終章は、ああそうなるだろうね、とネタバレだったが、そこに落ち着いて良かった...。ほっこりする一冊。

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Posted by ブクログ 2020年01月09日

死にまつわる短編集なのに、決して暗くないのはなぜだろう。最後の一編に、それまでの話がうまく掬われる手法が、沁みる。

小説を読まなくなった大人に似合う。

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Posted by ブクログ 2019年09月11日

ほんわかはする。 でも世にも奇妙系の恐さがじわじわ来る怖がりの自分にはちょっとあとを引くものが………。
最後の女の子の言葉とか、それぞれのつながりとかは良かった。兄弟の話のお兄ちゃんにも出て来て欲しかったな。

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