朱川湊人のレビュー一覧

  • 黒のコスモス少女団 薄紅雪華紋様

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    連作短編6編
    「みれいじゃ」という哀しい存在になりたいという破天荒な画家惣多を見つけてしまう風波.なんとも言えない気持ちになった.1話1話話が進むうちに,時が過ぎ事情も変わり,いつまでも青春をしていられなくなる.
    雪華の過去が少しわかりかけてきたので,次巻が出ると信じてます.

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    2016年01月30日
  • 赤々煉恋

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    ネタバレ

    朱川湊人がノスタルジー色を抑えて、ホラーと幻想を押しだしたら、こういう短編を書くのだなぁ、とある意味感心した1冊。古き良き郷愁を存分に味わいたい人にとっては、この本は外れなんだろうな。実際評価も割れているようである。

    俺は、これはこれでアリだと思う。こういうのが読みたくない気分の日もあるんだけど、そうじゃない日は妖艶に耽溺したいタイミングもある。(俺的に)ちょっと歪んだ性癖を、リアル体験する趣味はないし勇気もないが、怖いもの見たさって野次馬根性はある。その欲求を程度の低い媒体で満たそうとすると悪酔いしてしまいがち。気分が悪くなる程度なら自業自得と納得もできるが、酔いが行動に出そうになると…非常に怖い。

    この本では、そんな低い次元の酔い方せずに「こういう世界もあるんだなぁ」的に、野次馬根性を満足させられた。もっとも嵌まってしまって行動に出ると、それが悪酔いじゃないだけに一層ヤバいことになるんだろうけど…。

    余談:収録作品「アタシの、いちばん、ほしいもの」が映画化されている。その映画の監督さんが「ウルトラマンメビウス」の監督だったらしく、メビウスの脚本を数本書いた「朱川湊人」作品を是非映画化したい、というとこから話が進展したらしい。
    映画はどっちでも良いが、朱川脚本のメビウス、これは観てみたいぞ。

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    2016年01月16日
  • なごり歌

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    巨大団地が未来と希望の象徴だった昭和の時代。今を生きる人と過去の人、そして不思議な生き物『雷獣』。必然と偶然の交流がさわやかな感動をよぶ連作短編集。
    お気に入りは「ゆうらり飛行機」。速さや高さを求めることなく、ゆっくりゆっくり、全部ゆっくりとその道を進もうと、主人公を諭す老人の言葉から奇跡が起こる。子を持つ親なら感涙です。
    そして、「今は寂しい道」の『今は寂しい道ーこの道を歩き通せば、きっと、また会える』って言葉が美しい。全編通して優しい昭和ノスタルジーに浸れる作品。

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    2016年01月03日
  • 本日、サービスデー

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    朱川湊人さんの本、先日、2015.6発行の「今日からは、愛の人」を読みました。猫の家を営むデリヘル嬢のところに男5人がやっかいになってる話で、セクシーな女性の魔女とちょっととぼけた男性天使が登場したりで、奇想天外な物語でした。読後、この本が2009.1刊行、2011.11文庫化の「本日、サービスデー」の続編と知りました。「本日、サービスデー」、この作品は、テンポも良く、キレもあって、なかなか面白かったです(^-^)

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    2015年12月30日
  • 水銀虫

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    ネタバレ

    ホラー短編集。
    枯葉の日:全体的に暗いトーン(季節の描写含む)、確かに内容も暗いものだったけどわたし的には最後に救いがあったように思えたかな。きっと彼は彼女を殺してあげた。殺すことが大事なのではなく、その願いに気づき叶えてあげたこと。彼女はこれでやっと解放される、その自由にわたしは共感できたんだと思う。

    しぐれの日:読み進めるにしたがって、ぞわぞわした気分になる話(作者の意図にまんまと乗ってる感が・・)。どんどん救われなくなる感じがね。自業自得なことではあるんだけど、幸せっていうのは簡単に手に入らないね。そのとばっちりが子供にくるなんて。

    虎落ちの日:これも気持ち悪い・・。祖母の孫を思う気持ちが、痛くなる。なぜ他人の孫を利用するのか・・エゴだよね。

    薄氷の日:救いがまるでない。そのチャンスはあったのにね、っていうやつ。自分の身を振り返るのに、こういう話はつまされるね。

    微熱の日:これも怖い。普通に現実にあり得るからさ・・。罪があるのか、ないのかその点でも気になる。

    全体的に、怖い。
    身近に起こり得る恐怖。でもおもしろい。そんな短編集でした。

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    2015年12月29日
  • 都市伝説セピア

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    ネタバレ

    「昨日公園」の映像化から。

    短編集で他作品が結構ダークなので ん?と思ったが「昨日公園」もラストは原作だとこうなのか。。
    ナルホド。。。
    「フクロウ男」が文章ならではの技法と、作中でも触れているが江戸川乱歩っぽくて好きだった。

    「いっぺんさん」のようなほのぼの系の作風だと思っていたので驚いたが、他の作品も読んでみたい。

    解説の石田衣良氏が男性だと初めて知った。。。

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    2015年12月24日
  • 黒のコスモス少女団 薄紅雪華紋様

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    薄紅雪華紋様シリーズ2作目。
    朝でも昼でも夜でも、まるで逢魔時のような妖しさ。
    前作に比べて衝撃は少ないけれど、ピタっと吸い付くような何とも言えない落ち着き、なれ合った感じが良い。

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    2015年12月09日
  • 黒のコスモス少女団 薄紅雪華紋様

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    大正時代の東京。画家を志す槇島風波は裕福な家を出て、風変わりな友人・穂村江雪華と同じ下宿に暮らしていた。
    天才的な画力を持つ雪華は、さまよう魂を絵で成仏させる不思議な力の持ち主でもある。巷では、何者かが一人歩きの婦女子を縄で縛り上げ、金品を奪う「鬼蜘蛛事件」が起きていた。
    妹の友達の護衛を引き受けた風波は、雪華とともに事件に巻き込まれ……(「鬼蜘蛛の讃美歌」)。
    「黒のコスモス団」と名乗る不良少女団に呼び出された風波。兵役忌避で故郷を飛び出した女ボスの幼馴染が、雪華に瓜二つだというのだが……(「黒のコスモス少女団」)。
    画業で結果を残さなければ家に戻ると、父親と約束してしまった風波。友人である鬼才の画家・平河惣多も、恋から身を持ち崩していた。そんな時、巨大な災害が日本列島を襲い……(「白い薔薇と飛行船」)。
    変わりゆく帝都で、友と交わり夢を追い怪に惑う青年たち。彼岸と此岸をつなぐ大正怪異事件帖、第二弾。

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    2015年11月24日
  • 都市伝説セピア

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    「世にも奇妙な物語」の傑作復活編で「昨日公園」をみたので再読。やはり「昨日公園」以外も傑作ぞろいの短編集。怖いのに哀しくて美しい「フクロウ男」。エキスポシティオープンのニュースを聞きながら「月の石」を読んで感慨深かった。

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    2015年11月22日
  • 満月ケチャップライス

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    ネタバレ

    公園の遊具から落ちてケガをした妹…
    母は呟いた…「運の悪い子」

    ある日突然、家に現れた、怪しいけれどなんだかユーモラス、そして家事に堪能な謎の男“チキさん”
    彼の一生こそが、まさに「運の悪い子」なんじゃないか?

    中学生だった「僕」の一人称で語られているから、ほんわかした雰囲気で、チキさんの作る美味しい料理や、次第にチキさんに心を開いて仲良しになっていく母子家庭の兄妹が描かれていくけれど、実際には恐ろしい事件を引き起こしたカルト集団の話などと絡んで、平和な日常を一瞬にして失いかねない社会の話でもあるのだ。

    『やっぱり幸せな家っていうのは、いつもきれいなタオルと、新しい卵がある家のことを言うんだよね』
    という言葉には、普通の、平和な家庭に対するチキさんの切ないまでの憧れが込められている気がする。

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    2016年05月17日
  • 太陽の村

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     飛行機事故が原因で理解不可能な不思議な村に入ることになった主人公の話。大半はコメディタッチで進み、シモネタも含んだギャグも満載のエンターテイメント小説である。
     作者は私の同級生であり、作中に散りばめられる小ネタ的なギャグもいちいち分かってしまうところが面白い。最後になって明かされる秘密は夢オチでなくてよかったが、奇想天外で無理もある。
     主人公がいわゆる引きこもり型のオタクであり、没社会性の持ち主であることが、話の展開に欠かせない要素になっているのも面白い。
     ただ、家族の死があっさりと語られるなど、作品世界の軽さが際立っていて少々気になった。
     2010年に上梓され、2012年に文庫化している。東日本大震災後の出版であったせいもあって、文明批評の書であるなどの宣伝文もつくが気楽に読み飛ばすべき娯楽本である。

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    2015年09月25日
  • 満月ケチャップライス

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    表紙と題名に惹かれて購入。

    温かくも切なさが残る読後感でした。
    チキさんはあの家族の中にいて幸せだったのだろうけれど、幸せになって欲しかったと思わずにはいられない。

    せめて最後、亡くなる前に再会してほしかった。2人に会いに来て欲しかった。

    現実はそううまくはいかない、それはわかってはいるけれど。

    タオルと卵はいつも新しいものを、ね。

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    2015年08月26日
  • 白い部屋で月の歌を

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    朱川湊人を初期作品からおいかけて読んでみようと思い手に取った本。

    表題作は角川ホラー大賞短編賞を受賞している作品。
    うん、上手い。荒削りではあるものの(特に主人公の正体やそれが暴かれる描写あたりはかなりザツいと個人的感想)文章は美しくてやるせなくて、澄んでいるかと思えば淀み、血の匂いがするかと思えば涙に変わり…

    読ませ方が実にうまいのだけど、物語の展開が気になってドキドキとページを繰るような感覚とは違う。物語の世界にスワーッと沈み込んでいくような感覚。それこそ気がつけば白い部屋で月の啼き声を聞いていてもおかしくないような。

    ラストの1文がちょっと作為的に悲しいが、それも味だと思わせる世界を構築しているのが良いねぇ。

    併載のもう一作「鉄柱」は逆。文章の美しさはそれほど感じられず、むしろ物語の展開が気になってドキドキページをめくる系。これまた荒削りな部分があるものの(鉄柱掘るシーンなど)、テーマも深いし起承転結のエッジの効いてるし、表題作よりエンタメ性は圧倒的にこっち。俗ではあるがはしたなさが感じられなくて良い。

    どちらも、もろ手をあげて「是非読んでぇ」とは言えないけど、最近作に至る朱川作品の根源がばっちり詰まっている良作、ホラー小説に怖さじゃなくて切なさ求めるなら、読んで損なし。

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    2015年04月18日
  • わくらば追慕抄

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    同じ能力を持つ謎の女性が現れて、姉とは全く違う使い方をすることで人に不幸を与えていき、二人の過去も匂わせます。疑問は残されたままいつものように姉の力で問題を解決していきますが、最後もまたその女に邪魔をされ、あまりすっきりしない終わりで、次回もこのようにたびたび邪魔されていくのか、そして姉があまり長く生きられなかった理由も明らかになるのかなど気になるところで終わっています。続編はまだないようなのでもやっとします。

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    2015年04月15日
  • 都市伝説セピア

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    ネタバレ

    Q:口裂け女に出会って「私きれい?」って聞かれたらどう答える?
    A1:「きれいです」→これでもかぁとマスクを外したら、裂けた口が見えてその口で頸動脈食いちぎられて殺される
    A2:「不細工です」→鎌で口を割かれた後、殺される

    で、どうせ死ぬなら「そんなに殺したいか、かかってこんかい」とタイマン張る。という結論に達した小学校6年生。修学旅行帰り新幹線の中のバカな俺たちでした。

    というような青春時代を過ごした俺たちには、怖さよりも懐かしさがたまらない、タイトル通りのセピア色した短編幻想ホラー小説集。怖さに偏らず、切なさに偏らず、懐かしさというおもりでバランスとっているやじろべえみたいな作風が面白い。

    この本を読むなら、夏の後半、ひなびた民宿で蚊帳をつってもらい、その中に敷いたせんべい布団に寝っ転がって、電気スタンドの明りの下、BGMはいらんけど大日本除虫菊のアロマがあるとなお良いかも。

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    2015年03月25日
  • 鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様

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    浪漫香る大正時代の雰囲気なんかはとても好きですが、雪華の核心に迫らず続く感じなのでちょっと不完全燃焼。

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    2015年02月08日
  • あした咲く蕾

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    朱川さん、大好き。でもどれもノスタルジーあふれる内容で、ちょっと寂しくなった。表題作、「あした咲く蕾」、おばさん、本当手加減下手だったんだなぁ。猫又になっちゃったじゃないの・・・。

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    2015年01月16日
  • オルゴォル

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    子供は外(社会)との関わり合いにより成長する。大人と関わり合いを持つ事で新たな扉を開く事が出来る。かわいい子には旅をさせろ。と言うのは本当だな。

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    2014年12月19日
  • わくらば日記

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    朱川作品二作目でした。私は平成生まれでこの昭和三十年代のことは実際に体験したことがあるはずない。それなのにこの懐かしさは何なのだろうと『かたみ歌』に引き続き思いました。
    清廉潔白で心優しい鈴音と少しおてんばだけどまた心優しいわっこちゃん。怖い見た目とは裏腹に百合丸なんていう可愛い名前の神楽さん。とにかく自由奔放で強い茜ちゃん。ひとりひとりのキャラクターがとても愛おしかった。
    ものごとにはいろんな背景があって、自分から見える側面だけが真実ではない。普通の人は自分の側面からしか見えなくて、真実はあやふやになる。それを飛び越える力を持った鈴音。でも、見えることは本当に幸せなことなのか。すごく考えさせられた。色んな側面があって見方が違えば、色んな形がある。本当におばけ煙突そのものだなと感じた。
    残酷な事件も扱っているのに読んだ後、暖かくなるのはなぜなのだろう。こんなあたたかい心を持ちたい。礼儀とかも大切にしたい。この時代と今の時代をああ昔はよかったなんて言葉では片付けたくないし、片付けられない。けど、どうしても羨ましく感じてしまう。

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    2014年11月29日
  • 白い部屋で月の歌を

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    ネタバレ

    【本の内容】
    ジュンは霊能力者シシィのもとで除霊のアシスタントをしている。

    仕事は霊魂を体内に受け入れること。

    彼にとっては霊たちが自分の内側の白い部屋に入ってくるように見えているのだ。

    ある日、殺傷沙汰のショックで生きながら霊魂が抜けてしまった少女・エリカを救うことに成功する。

    だが、白い部屋でエリカと語ったジュンはその面影に恋をしてしまったのだった…。

    斬新な設定を意外なラストまで導き、ヴィジョン豊かな美しい文体で読ませる新感覚ホラーの登場。

    第十回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    二作とも愛をテーマにしたホラー小説である。

    「白い部屋で月の歌を」は、霊能力者の助手が主人公。

    地場から引き剥がした不安定な状態の霊をいったん体の中に入れ込むのが彼の仕事だ。

    彼の中の霊を導き入れる場所を「白い部屋」と呼ぶ。

    彼と霊能力者は、弟子と師匠以上の深い関係にある。

    正直言って、こういったストーリーは好みではない。

    非現実的な設定を否定するのではないが、胡散臭さが拭えない。

    しかし、文章の美しさというか巧さはマイナス要素をカバーして余りある。

    「鉄柱」は、左遷により奇妙な風習を持つ田舎町に引っ越して来た夫婦の話。

    こういう内容は好きだ。逆に「白い部屋で月の歌を」で受けた文章の美しさは感じられない。

    しかし、俗世の中の非現実的な部分がうまく描かれていると思う。

    ラスト部分は意表をつき感動的でさえある。

    なかなかの読後感が待っている。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

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    2014年11月26日