朱川湊人のレビュー一覧

  • 本日、サービスデー

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    どの話も面白くて、考えさせられましたが、特に響いた作品が、「気合入門」と「蒼い岸辺にて」です。

    前者では、気合一つがあるか、ないかで、見ている世界が変わってくるということ。

    怖がったり、避けたりしていても、何も変わらない。気合を入れて、目を逸らさずに、最後まで立ち向かうことで何かを得られることもある。

    後者では、自分の未来を自分で決めつけてはいないだろうかということ。

    誰かに言われたままを真に受けてはいけない。夢があるなら夢に向かって突き進むことが大事だし、ありのままの自分に誇りを持ち、自分が好きでいられる自分でいるということは素敵なこと。

    生きていくのに、大切な、普段の生活の中では

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    2014年03月14日
  • わくらば追慕抄

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    ネタバレ

    わくらばシリーズの2冊目。
    光あるところ影があるように、白魔術と黒魔術があるように、ブラックジャックにドクターキリコがいるように、好敵手登場ってのは読者にとってワクワクするもんだ。また良き理解者の造反と復活、なんていう常套手段の展開もあり、結構盛り上がりのある巻となっている。

    昭和30年代を語るのに「戦争」と「貧困」を忘れたらアカンと思う。その時代をリアルに生きてきた人は忘れても良いかも知れんけど、後で生まれた人が、その時代が背負ってたものを意識せずに「あの頃は良かった」と語るのは、魂が入っていないノスタルジーにしか過ぎなくて薄さを感じてしまう。

    その荷物を重すぎず、でも決して忘れることの

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    2014年03月01日
  • わくらば追慕抄

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    ネタバレ

    短編なので、読みやすい。

    さりげなく続ききになるような謎を置いてきます。
    非日常の世界なのに、どこか懐かしい匂いを閉じ込めて。

    戦後の日本。いろんな人がいた匂いがつまってる。

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    2014年02月25日
  • オルゴォル

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    男の約束を果たすため、東京から鹿児島へ旅する少年の成長物語。
    人は一人では生きていけない。支えあってこその「人」である。よく言われることだが、その実感は本当のピンチの時に知ることができる。
    生まれてきたからには、本当に死にたいと思う人はいない。少年が、福知山線事故現場、広島平和記念資料館、知覧特攻平和会館で感じた「生きる」ことの尊さ。
    大きなテーマを読みやすく、そして心温まるストーリーに仕上げた作者の力量が素晴らしい。私も我が子を旅に出そう。

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    2014年02月01日
  • わくらば追慕抄

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    わくらばシリーズ第二段
    ・お姉さんの能力、もしかしたら姉妹の両親の秘密を知ってそうな悪役薔薇姫登場。怖い。

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    2014年01月28日
  • わくらば日記

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    ネタバレ

    ノスタルジーには希望だけでなく悲劇前の哀しげな追憶も含むことがあって、最近の昭和ものにはその暗い側がないがしろにされてるよなぁ。

    って思ってたんだと、改めて思い出さされた本でした。
    主人公と幸薄そうな美人の姉、厳しくとも優しい毅然とした母の家族に、娼婦あがりの茜さんという女性たちが、まだまだ戦争の傷跡が残る昭和の日本で生きていく姿は読んでいて心に沁みる、ミステリー要素や姉の能力がまた絶妙に効いた小道具で飽きさせない

    父親の謎、予想される悲劇(なんだろうなぁ)と続編にも期待できる。

    ただ、やっぱり、それでも楽しい話が好きなんだよなぁ俺は…

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    2014年01月27日
  • 本日、サービスデー

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     表題作の中編一編と短編四編収録

     一日だけどんな願いことも叶えれることを知った男の一日を描いた『本日サービスデー』、三途の川での橋渡し役と女性のやり取りを描いた『蒼い岸辺にて』。
     どちらも設定や展開はベターな作品だと思うのですが、朱川さんの語り口の巧さ、ベタな設定にも一つのスパイスといえるアイテムやルールを加えることで、見事に朱川さんらしいオリジナリティが加えられていると思います。どちらの作品もちょっと元気をもらいたいときに読むにはピッタリな作品です。

     この作品集の中で最も朱川さんらしさを感じたのは『あおぞら怪談』。バイト先の先輩のアパートの部屋に出現する、女性の腕だけの幽霊との不思

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    2014年01月18日
  • 赤々煉恋

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    ストーリーはグロテスクだったり
    オドロオドロしかったり怖かったり
    だけど、全然怖くないし気持ち悪くもなく
    人間の業の悲しさが漂ってくる短編ばかりで
    読み終わると、なんだかホッとする
    朱川さんの小説は、他の小説では味わえない
    独特の世界を味わえるのです

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    2013年12月21日
  • 太陽の村

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    去年くらいに読みましたが、めっちゃ笑いました。夢中で読みました。素直に面白かったです。
    最っ高のお気に入り! とするには至らないけれど、もし実際にこんな場所があったら……と、時折想像しています。

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    2013年10月17日
  • さよならの空

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    最初はなかなか読み進まず、放置して、他の朱川湊人さんの作品を読んで「めっちゃ好き!」という勢いをつけてから改めて読みました。
    多分、最初の部分だけ見て「外国人の恋愛話? しかもややこしそうな内容?」と思ってしまったのだと思います。

    トモールが、なんやかんや言っても子どもらしくて本当に可愛かったです。
    もう戻れない切なさに満ちていながら、それでも未来への希望が見えるような、良い作品でした。

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    2013年10月13日
  • 都市伝説セピア

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    ホラー(?)短編集。
    なんとも不思議な小説でした。

    『アイスマン』 ノンコ可愛い。ラストが怖い!一押し。
    『昨日公園』 よくできてる!感動。
    『フクロウ男』 ミステリーっぽい。好き。
    『死者恋』 女性が怖い。
    『月の石』 個人的にはイマイチ。

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    2013年10月10日
  • 白い部屋で月の歌を

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    ジュンは霊能力者シシィのもとで除霊のアシスタントをしている。仕事は霊魂を体内に受け入れること。彼にとっては霊たちが自分の内側の白い部屋に入ってくるように見えているのだ。ある日、殺傷沙汰のショックで生きながら霊魂が抜けてしまった少女・エリカを救うことに成功する。だが、白い部屋でエリカと語ったジュンはその面影に恋をしてしまったのだった…。斬新な設定を意外なラストまで導き、ヴィジョン豊かな美しい文体で読ませる新感覚ホラーの登場。ラストは少しショックだった。。。

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    2013年09月30日
  • あした咲く蕾

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    昭和の東京の下町を舞台にした、ちょっと不思議でいい話七編。
    朱川さんは、こういうシチュエーションの物語を作ると本当に巧い。浪花節にならず、お涙頂戴でもないのに、ホロッときてクスッとくる。特に今回の作品はラストのスパイスに味わいがある。
    お気に入りは表題作、「カンカン軒怪異譚」「花、散ったあと」。

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    2013年09月25日
  • 都市伝説セピア

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    「花まんま」がおもしろかったので
    デビュー作にもチャレンジ。
    ちょっと不気味な世界の中にも、
    ほのかに温かい空気感があって、
    1話1話独立しているのに、まとまっている作品です。
    おもしろいけど、怖いのが苦手なので星4つ。

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    2013年09月10日
  • 赤々煉恋

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    ネタバレ

    黒朱川作品。
    様々な愛を描いた5編の短編集。
    どのお話も人の業の深さや狂気を、恥美的でおぞましく描いています。
    「死体写真師」の救いのなさと偏執、「私はフランセス」のどこか美しさすら感じさせる妄執、「いつか、静かの海に」のおぞましさが特に好みでした。
    後味も悪いので好みは分かれるとは思いますが、個人的には好みの作品です。
    ぞくぞくするような歪んだ愛の世界に惹き込まれます。

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    2013年05月28日
  • オルゴォル

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    主人公の小学校4年生の少年が、近所のお爺さんに頼まれ、東京から鹿児島にオルゴールを届ける話。
    大阪に住む離婚した父親とその再婚相手のミチコさん、そしてその友人で少林寺拳法三段の女性サエさん。そうした人に助けられながら目的地を目指します。
    最後の頃にちょっと霊的な雰囲気のところがありますが、朱川さん得意のホラーではありません。
    福知山線の事故、広島の原爆、鹿児島の知覧、重い話題も多いのですが、全体には軽いイメージです。少々子供向きの雰囲気ですかね。ややキャラが立ちすぎていたり、予定調和的なストーリーも感じますが、全体には読みやすく爽やかな話でした。
    改めて気づいたのですが、講談社文庫の紹介には「

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    2016年06月19日
  • かたみ歌(新潮文庫)

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    初めて読んだ作家さんです。勧められて読みましたが、読んで大正解でした。幽霊にまつわる話ばかりで怖さもありますが、それ以上に切なくて深い感動が心を満たしてくれます。舞台が昭和レトロの街なのも懐かしさがあっていいですね。たくさんの人に読んでもらいたい作品です。

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    2021年09月01日
  • わくらば追慕抄

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    わくらば日記の続編。
    前作を気に入っていたので続編を楽しみにしていました。
    ハードカバーで出ている事は知っていたのですが、文庫で続む派なので心待ちにしていました。
    前作は、かなり前に続んだので、ワッコちゃんや鈴音など、おなじみのキャラクターの登場で嬉しくなります。
    又、今作では敵役として薔薇姫が登場し話を盛り上げます。
    登場キャラクターを気に入っているので、鈴音が若くして亡くなる前提で語られる事がさみしいです。
    もう続編は出ないのですかね……。

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    2013年03月16日
  • 太陽の村

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    SF? ミステリ?
    フリーターなデブが、家族旅行でのハワイからの帰りに飛行機事故である浜辺に打ち上げられる。その地は江戸時代よりも前の日本だった…。
    ちゃんと後半にはオチ(ネタ)があるのだけど、それにしても、現代の青年が、大昔に行けば、もう少し賢く生きられそうな感じだけど、どっぷり消費社会に浸かってしまうと、こんなものか?
    最後のオチがやや苦しい。

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    2013年02月07日
  • 都市伝説セピア

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    ホラー短編集。
    ゾクッとしたり切なくなったり、怖さいろいろで、
    どんでん返しもあり、飽きずに読めた。

    「昨日公園」が良かったな。

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    2013年01月23日