朱川湊人のレビュー一覧

  • なごり歌
    朱川湊人さんの作品に出会ったのは
    本作「なごり歌」の前の作品「かたみ歌」
    でした。

    前回は一つの商店街を
    中心とした不思議な物語が
    オムニバス形式でのストーリーとして
    確立しているんですが
    全ての作品の登場人物が
    どこかで繋がってると言うところが
    ”世間は狭いね”と言う感じてとても
    好感を持てまし...続きを読む
  • わくらば日記
    他人や物から過去を見られる力はチョッピリ羨ましい気もするが…
    人は必要以上なものには気付かない方がしあわせなのか。
    これは人の永遠の課題なのかも。
    心優しい姉妹、私が生まれる前なのに何故か懐かしさが伝わってくる。
    まだ明かされていない秘密もあるようだから、続編も買おう。
  • 幸せのプチ ――町の名は琥珀
    都電が走る、この下町には、白い野良犬の“妖精"がいる。
    「きっとプチは、あの町で今も生きていて、たくさんの人たちを、小さくだけれど幸せにしているはずだ」
    その町に生き、通り過ぎた人たちの心あたたまる物語。
    銭湯の煙突が目立つ迷路のような路地は生活感が溢れ、地味なくせに騒々しい。口が悪くて、おせっかい...続きを読む
  • わくらば日記
    昭和30年代、不思議な力を持った姉との話。「流星のまたたき」で姉さまが流星塵を力を使ってみたところになんか、えらく私も感心した。

    最後、姉さまと茜さんが亡くなったのが次回わかるのかな・・・。気になる。
  • わくらば日記
    見る力のある美しい姉さまは、優しさゆえに磨耗する。特に1話目は、それが辛くてなかなか読み進められなかった。
    知らずとも懐かしく感じる戦後すぐからの日本がなんだか美しくて。
    けれど姉さまが早くに亡くなる事がわかっているせいか、そして語りが老年に入り昔を懐かしんでいるせいか、ずっと物悲しくて。
    なんだか...続きを読む
  • 箱庭旅団
    ちょっと不思議な話や心が温かくなる奇跡の話を集めた、短篇の名手による新境地のアンソロジー。
    晴れた日や雨の日風の吹く日、爽やかな朝、不気味な夜。春夏秋冬あって全く同じ日はないように、人の人生も様々だ。短篇なので登場人物の辿った人生や、現在の状況を表す描写は僅かだが、そんなことは気にならない巧さが光る...続きを読む
  • 遊星小説
    いわゆるショートショートですから感想は書きにくい。
    ただ僅か1編数ページの作品では、やはり朱川さんらしさは感じられませんね。ノスタルジーや独特の暗さは無くて。
    私の中ではショートショート=星新一で、そういえばこの作品も雰囲気は朱川さんよりも星さんに近いかもしれません。じっくり読むというより、気楽にサ...続きを読む
  • 主夫のトモロー
    作家を目指して主夫になった結婚生活。
    まぁ有りがちな普通な話。でもそれなりに楽し。 2016.10.25
  • 主夫のトモロー
    働く妻を支え、家事と育児をこなす“主夫”斉藤知朗(トモロー)。自らも作家を志し、日々奮闘するトモローに、主夫に対する社会の壁が立ちはだかり…。胸を打つ新たな家族小説。

    作者の自伝的小説らしいと聞くと、なるほどそれで…と思えるシーンがいくつかあった。驚くような展開はなく、淡々と進み、引っ掛かりはない...続きを読む
  • 満月ケチャップライス
    母と妹の三人で暮らす中学生の進也の家に、突然現れたモヒカン男。通称「チキさん」が作る料理は独特で美味。不思議な家族関係の物語。
    一風変わった男の出現で、翻弄されながらも家族が再生するようなストーリーと勝手に思っていた。ところが、超能力に違法薬物、そして怪しい新興宗教団体と、平和な家族を揺るがす問題が...続きを読む
  • 本日、サービスデー
    手軽にさっくり読める、エエ意味にもワルい意味にも。
    アクがなさすぎるし詰めも甘いように感じるねんなぁ。手軽に読める半面、軽過ぎて歯ごたえない感じ。
    特に表題作は、朱川風味抑え過ぎじゃないかなぁ。もうちょっと個性出して練ればオモロい話になりそうな設定だとも思うんだけど。

    収録作で一番気に入ったのは気...続きを読む
  • 主夫のトモロー
    一流のインテリアデザイナーを目指す先輩との結婚を機会に、専業主夫となったトモローくん。

    子供ができて、ママ友ができ、様々な生活の変化を乗り越えながら、主夫の生活は続いていくのだという、まあ、普通の物語。
  • 鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様
    大正時代を舞台にした、ちょっと不思議なお話です。
    ノスタルジーな雰囲気を味わうにはいいですが、
    推理ものを期待して読むと肩すかしを喰らうかもしれません。
  • なごり歌
    昭和40~50年代の団地、住んではないけど、懐かしい。個々の短編の話が連動してるんだけど、ちょっとややこしかった。
  • 主夫のトモロー
    とても読みやすいのだが、これから先、日本のみんなが考えていかなければならない事をやんわり提示してくれた。事情があって、主夫になったトモロー。妻のミッちゃんが一家の大黒柱だ。やがて父親になったトモロー。男女が逆になっただけで、世間とはこんなにも生きていきにくいものなのか。悪戦苦闘しながらも「わはは」と...続きを読む
  • 主夫のトモロー
    出世した妻を応援するため主夫となった小説家志望のトモローの奮闘記。主夫には主婦とは違った悩みがあると言うことには非常に納得させられるのですが、これって朱川が書くようなお話ですか?と言う気がしなくもないです
  • 主夫のトモロー
    主夫となったトモロー。男は仕事、女は家事という概念がずっとあるが、今は女も働けという世の中だし、逆に主婦だけしていたら見下すような空気も感じる。確固たる気持ちで毎日に向き合えば人の視線なんか気にならないだろうが、多数派の世間体というのは厄介だと思う。トモローは強い方だと思う。
  • 太陽の村
    家族でハワイ旅行の帰りに飛行機事故に遭った坂木龍馬。たどり着いた島は、電気もガスも水道もない鎌倉時代のような村だった。文明と未開をテーマにする不可思議なストーリー。
    主人公と同様にタイムスリップものと思いながら読み進めていたが、予想外の展開。でも、スッキリ感や満足感はない。例えに出てくるサブカルが微...続きを読む
  • 主夫のトモロー
    妻でも夫でもどちらが子供の世話をしたっていいじゃないか。
    やりたい人、適した人がその役割を受け持てばいい話だと思う。あ、それは子供がいないから、そう言えるのか?
    確かに、性別による適性というものはあるのだろうけど、それほどこだわらなくてもね〜。
    しかし、母親であれ父親であれ、子供たちの親との付き合い...続きを読む
  • 箱庭旅団
    世にも奇妙な物語系の不思議短編。幻想小説の要素を含んでいるような雰囲気です。最初と最後に出てくるエピソードで一つの話に集約しようとしてますがあまり上手くいっていないので単なる短編として読んだ方が楽しいかも。