朱川湊人のレビュー一覧
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ネタバレ虹ヶ本団地を舞台にした連作。粒ぞろい。①、②は意外な結末が楽しいが、⑦がやるせなく後味がよくない。オススメは⑤。
①遠くの友だち
表紙はこれか。撫でるのもいいが、一緒に遊んでくれた方が楽しいに決まってる。
②秋に来た男
妻・智津子の秘密が、紛らわしいというか可愛いというか。いや、可愛くはないか。
③バタークリームと三億円
推理ドラマのように〈続く〉で終わる。読者を「騙す」幾つかの仕掛けが心地いい。
④レイラの研究
一瞬の表情に惹かれ好きになった事が自分にも。でもあっけなく終わるなぁ、普通。
⑤ゆうらり飛行機
朱川短編の真骨頂。じわじわくる読後感がたまらない。ただの一ファンの感想です。
⑥今は寂しい道
ラストシーンは日本昔話のよう。307頁5行目「何十年も夫婦を・・・」深いなぁ。
⑦そら色のマリア
③の種明かし。でもスッキリしないな。憎むべき犯人の運命が過酷過ぎたからか。 -
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久しぶりの朱川湊人さん。
東京の下町、都電の走る「琥珀」とう名の街を舞台にした連作短編集。朱川さんお得意のノスタルジックで温かい物語でした。個人的にはそれにホラー味が加わるとなお好きなのですが。
お気に入りは表題作の「幸せのプチ」
見た目は怖いけど実は優しくて強い、ゴリラ・モンスーンことトキワさんが素敵だった。あんなお兄さんが味方に付いていてくれたら少年たちは百人力だったろうなぁ。
プチは琥珀に棲みついている白い野良犬の名前。プチが思ったほど物語に絡んでこなかったのが犬好きとしてはちょっと残念でしたが、スカイツリーが建った今でも東京のどこかに琥珀という町は存在していて、そこにはプチがいたらいいなと思う。 -
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2003年日本ホラー大賞を受賞した時に一度読んでる。
除霊の話しで、ジュンが特別な少年で、ホラーだけど美しいなぁ…と思ったことは覚えていた。
不幸にしてあの世に行けず、この世に影響を与える霊魂を回収することを生業とする先生の元で回収のお手伝いをするジュン。
少女エリカと白い部屋で出会い、心を持ってしまったときからジュンの世界は変わりはじめる。
どうしようもなく救いようのないラストシーンが切ない。
「鉄柱~クロガネノハシラ」
世界一幸せな町に隠された秘密。
都会から越してきた夫婦は、親切すぎる町の人たちに不信感を抱えながらもいつしか溶け込んで行く。その先にある町のオキテにいつしか飲み込まれることも知らず。
好きなことをすればいい…人生最高の瞬間に死ねる幸せ。それは満足死。
今年の21冊目
2020.8.1
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十人の人気作家が作る、妖しげな世界。
「ANNIVERSARY」は言葉の持つ明るい世界とは異なる、なんだか奇妙な、悲しい世界だ。
世界がループするのだ。
ちょうど今読み返している『D.Gray-man』にも、繰り返される日々の話が出てきていた。
この漫画について語るのはまた別の機会として、とにかく元の世界においてきた子供のことが気になってしまう。
愛する者との離別を考えると、胸が苦しくなる。
『李果を食む」は、私が感じ取ったおぞましさは二つあった。
どちらだ。
どっちなんだ。
いや、どちらでも構わないだろう。
もうすぐ、スモモの季節。
あの甘酸っぱいすももを、私はこの話を思い出さずに食べられるだろうか?
「かぐわしきひと」「喪中の客」はどちらも気味の悪さで際立つ。
前者は自分の思い込みに騙され、そして、終わりの凄惨さに胃液が上がってくる。
後者は、自分の見ている世界が本当に正しいのか、わからなくなる。
それにしても、あの客人は一体なぜきたのだろう?
そちらの方が、より、恐ろしい。 -
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ネタバレ直木賞受賞作家の実力発揮の好著です。
7つの連作短編集は、個々の作品は独立していながらも最後の作品を読めば全体がつながるという趣向ですが、1960年前後生まれの読者ならさらになつかしさとほろ苦さが倍加されること必定です。
タイトルの「かたみ」とは形見のようですが、結構悲しい話もありながらも陰鬱に終わらない優しい小説です。
とはいえできれば、行方不明になった秀則兄ちゃんの元気な姿がこの小説のどこかで登場してくれればという私の願いは欲張りすぎでしょうか?
涙腺の弱い人には要注意です。
最後に、小説のPR告知です。
不思議なことが起きる、東京の下町アカシア商店街。殺人事件が起きたラーメン屋の様子を窺っていた若い男の正体が、古本屋の店主と話すうちに次第に明らかになる「紫陽花のころ」。古本に挟んだ栞にメッセージを託した邦子の恋が、時空を超えた結末を迎える「栞の恋」など、昭和という時代が残した"かたみ"の歌が、慎ましやかな人生を優しく包む。7つの奇蹟を描いた連作短編集。 -
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【怪異】をテーマに描く奇譚小説。
アンソロジーシリーズ。
この面子だし、と思って読み始めたのが
間違いだった…
想像のはるか上の上をゆく怖さだった…
夜、部屋で一人で読んでいられないページが
何度もあった。
大好きな米澤穂信の
「わたしキャベンディッシュ」も、
あーー、これが伏線でこうなる感じかぁ
のんきに思っていたあたし。
伏線は伏線でも回収先が違っていて
安定の穂信のぞわぞわ感。
乾ルカの「かぐわしいひと」なんか
ここから先は、もう読めない……と
次の日に
持ち越したくらいなのに
その怖さに上塗りされるように
壊れていく人間の怖さがくる。
えーーー??そっちーーー??!みたいな…
そんな中、
なんとも言えない感情と思いに溺れたのが
窪美澄の「真珠星スピカ」
母と娘、父と娘。
このそれぞれの【2人きりの時間】には
切なさとやりきれなさ、
それに希望が詰まってる。
まだ読んだことがない作家さんも多かった。
少しずつ読んでみたい。