麻耶雄嵩のレビュー一覧
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少年探偵団と神様の物語
みなさんは、小説の目次を読むだろうか。私は基本的に読まない。でも、本作はまず目次を読むべき。真ん中の章を中心に、左右に線対称に同じサブタイトルが並ぶ様は、本作の異質な雰囲気をありありと感じさせてくれる。
さて本編。少年探偵団と聞くと、何だかワクワクしてしまう。
子供たちが秘密基地を作ったり、知恵を絞って事件に挑む様子は、好奇心をくすぐられる。
芳雄や男子の友人たちはテレビの戦隊ヒーローに夢中で、おもちゃを欲しがったりTシャツを自慢したりする。こういうところはいかにも子供らしく、微笑ましい。
でも、本作は麻耶雄嵩のミステリ。
読み進めていくうちに、読者の期待通りにはさせないぞという意志に翻弄され、思わず息を飲む。
本作の異質なポイントの一つは、神様を自称する鈴木。犯人や動機を言い当ててしまう彼の存在は、基本的な推理のプロセスを破壊している。彼の発言を信じるか否か。信じたところで、どのように向き合うべきか。彼に翻弄されつつも意志を持って事件に臨む芳雄の姿は、主人公然としていてたくましい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレヒグチユウコさん目当てで購入。
以下ネタバレ
最後、何で??????
状況だけ考えたら、共犯者はどう考えても父親な訳で。
なのに何で母親が????
でも、作中に《天誅=本人の死》とは、一言も書いない。ミチルちゃんが直接の断罪死だったから、勝手に読者がそう思い込んでるだけで、決して《本人の死》が天誅であるとは、神様は明言してないのよね。
芳雄は大柄な父親に似ていないこと。
両親の本当の子ではないこと。
芳雄が母親にしか事実確認をしなかったこと。
母親の動揺。
この4点から、芳雄は母親の不貞による托卵では?はと仮定。
すると、英樹殺しの犯人である父親ではなく、妻に代理で罰を下すことで、犯人である父親が《血のつながらない息子》を育てることになり、それこそが天誅(天罰)になると考えることもできる。
母親は理不尽な貰い事故やんけ…とも思うが、
《神様の理》なんて人間が理解出来るはずもない。
だってこの世は神様のゲームなんだから。
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Posted by ブクログ
「三つ子の魂百まで」
読後に、この言葉が頭に浮かびました。
大学生の種田静馬が訪れた栖苅村。
その村で起きた殺人事件の犯人と疑われた種田は、隻眼の少女探偵、御陵みかげの推理に助けられる。
その後、御陵は推理により犯人を見つけ出し事件は解決を迎える。
それから18年後、再び栖苅村を訪れた種田。
再び村で殺人事件が起きる。
18年前の事件は、まだ解決していなかったのか?
といったあらすじ。
日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞をダブル受賞した本作品。
これぞミステリー!
と読者をあっと言わせる展開。
予想だにしない結末に、
「えっ、マジか」
と一人呟きました。
また、解決したと思われた事件が、18年の時を経て、再び蘇る流れは、今まで読んだミステリー小説にもなかったので、新鮮でした。
犯人はなかなかのサイコパス。
常人では考えられない犯行。
「三つ子の魂百まで」
私には理解できませんでしたが、犯人には、犯人の正義があったのかもしれません。
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Posted by ブクログ
ちょっとナメてました。
もともとこの作品は、子どものためのミステリレーベルから出版されていたのを知っていたので。
でも、これを子ども向けに書いたって…すごいよ。
確かに薄くて、子どもにもわかる平易な文章で書かれていて…でも、この内容よ。
森博嗣の『探偵伯爵と僕』も驚いたけど、子ども向けか…。
主人公たちは小学4年生。
たった10歳なのです。
同じ町内の友だちと探偵団を作ったりしているのも御愛嬌。
最近市内で多発している猫殺しの犯人をみつけようと盛り上がっているなか、違う町内に住む親友が探偵団に入れてくれ、と言ってきます。
大人には気づかれにくい探偵団本部の場所は、探偵団以外には絶対秘密なので、断るのですが。
本部の裏庭で、親友の死体が発見されます。
ここから物語は、きな臭くなっていきます。
まず、主人公の芳雄が転校生の鈴木と親しく話をしたことが、ターニングポイントとなります。
ごくごく平凡な顔立ちで、特徴のない鈴木は、自分を「神」だと言います。
芳雄はそれを、都会ではやっているゲームか何かだと思う話を合わせるのですが、鈴木の予言をもとに猫殺しの事件を解決することになりました。
鈴木は本当に「神」なのか。
鈴木の言うことに間違いはなかったのかもしれませんが、「神」と親しくなった芳雄は幸せにはなれません。
構成がたくみなので、何を書いてもネタバレになりそうで、事件について書くことはできません。
もどかしい。
事件からは離れて、まず、目次に注目です。
順に「誕生日」「神様」「犯人」「天誅」「英樹」「死」「英樹」「天誅」「犯人」「神様」「誕生日」となっています。
「死」を軸に反転しています。
これが最後の「誕生日」で、完成するわけです。
正直、ミステリとしての醍醐味には欠けると思います。
証拠を見つけ、推理を展開し、真相に至るという流れではないので。
鈴木が真相を言います。
それが全て。
学生時代、ドリルの答えを最初に見てから、正解になるように理屈付けしていたことを思いだしました。
答はわかったけど、達成感はない。
つまり、「神様ゲーム」とは、芳雄の考える鈴木とのやり取りではなく、作者(神)の提示した真相を、どう破綻なく理屈付けられるのか、という作者から与えられたゲームなのでは、と、最終的には思いました。
で、まだ、納得いく結論が私には出せていません。
だって、少なくとも殺人課の刑事が、現場から逃げてから通報してきた子どもたちに、先に現場に戻っていなさいと指示するのは不自然すぎるよね。
これが事件と無関係とは、どうしても思えないのよ。