麻耶雄嵩のレビュー一覧

  • 貴族探偵対女探偵

    Posted by ブクログ

    女探偵・高徳愛香との推理対決が始まる二巻。
    対決と言っても女探偵の推理はほぼダミー。一巻より掲げられている「何をもってして探偵と呼ぶのか」という議題をより浮き彫りにさせる。舞台装置としての貴族探偵。真相にたどり着くのであれば、実態がその名を冠したお飾りであっても、「探偵」と呼べてしまうのではないか。「事件を解決できない」女探偵と、「事件を解決する手立てを持っている」貴族探偵の二項対立により、読者に議題を投げかけている。
    個人的には「なほあまりある」の結末がお気に入り。

    0
    2017年05月30日
  • 鴉

    Posted by ブクログ

    実に麻耶雄嵩らしい一作。
    探偵小説家が固有名詞を伏せたら基本的に叙述トリックを疑うことにしているので、やはりといったところではあった。
    ただ、それを明かすのにくどい説明がないのがとても良い、やっぱりどんでん返しは数行でスマートに決まるとかっこいい。

    0
    2017年03月19日
  • 名探偵 木更津悠也

    Posted by ブクログ

    『翼ある闇』から辿り着きました。
    主人公・木更津さんの名探偵たろうとする姿勢が潔くて本当に格好いい。「禁区」が特に好きです。
    いつかシリーズ続編が読んでみたいなぁ。

    0
    2016年07月02日
  • 鴉

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    十数年ぶりの再読。初読時(取り分け死んだと思われた橘花が珂允の許に現れた箇所。495頁)に感じた世界がぐらつくような感覚こそ薄れはしたものの、今度はその構成の強かさに感嘆させられる。〈人格が変わると顔まで変化する〉というのはミステリ的にはかなりアウトな気がするのだが、それでも『夏と冬の奏鳴曲』と並ぶ麻耶雄嵩の二大傑作である点は揺らがないと自分は思っている。

    0
    2016年03月19日
  • メルカトルと美袋のための殺人

    Posted by ブクログ

    メルカトルの名推理に拍手
    「メルカトルかく語りき」を読み、メルカトルにすっかり魅了され、本書を購入。こちらは割合普通の殺人事件の短編集のようだと思いきや、やはり一味も二味も違う。1話目が特に印象的。短編でこれほど感情を揺さぶられるとは。恐るべし麻耶雄嵩。

    ---

    2015年私的ベスト1(短編)
    「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」

    0
    2016年01月03日
  • あいにくの雨で

    Posted by ブクログ

    ちょうど私のニーズに応えたような内容で、とても満足できました。
    青春モノだけど青春過ぎず、ミステリだけど複雑でないものが読みたかったので、今の気分にピッタリでした。

    トリックはあって無いようなものですが、ハラハラ感やドキドキ感は充分味わえました。また、後味は悪めですが、あまり酷すぎる・絶望的過ぎる感もなくあっさりとまとまっていて良かったです。
    オチは若干、「麻耶先生のいつものパターン」といった風で新鮮味に欠けますが、言い換えれば「安定の麻耶節」という感じで安心感のようなものも感じられます。人に勧めるのにも調度良さそうなので、買って良かったです。

    1
    2015年07月26日
  • メルカトルかく語りき

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    麻耶雄嵩らしい短編集。全くすっきりしない。
    「答えのない絵本」は、手がかりは揃っているにしても推理して真相にたどり着ける人はいないだろう。で降参して解決を読んだらブチギレると。タイトルからして怪しまないと駄目ですね。
    「収束」も構成が巧妙で面白かったし、その他の短編も仕掛けがうまくどれも面白く読めた。
    ただ人におすすめは絶対できない笑

    0
    2014年11月18日
  • メルカトルと美袋のための殺人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初っぱなの短編から飛ばしすぎ。後の短編の期待度が上がりすぎてしまった。それでも面白かったけど。
    「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」がベスト1。麻耶雄嵩の短編集は1つ飛び抜けて面白い短編があるものばかりな気がする。
    メルカトルと美袋の関係も面白い。

    0
    2014年11月18日
  • メルカトルかく語りき

    Posted by ブクログ

    ああ…わかっているのに。わかっているのに読むのだ。読んでしまうのだ。
    …このミステリというものにロジックというものに馬鹿にされてるような騙されてるようなごまかされてるようなでも論理的には正しいけどさ、という読後感が癖になってしまったら、あなたもメルカトル中毒( ತಎತ)
    推理はほんとちゃんとしてるんだけどなあ!
    帯の文句も素晴らしかったです…メルカトルを読むにはドMでwwww

    0
    2014年08月29日
  • 名探偵 木更津悠也

    Posted by ブクログ

    既存の名探偵と助手の枠組みを完全にぶち破る木更津と香月の素敵な関係性がとにかくいい。
    香月の驚異的な頭脳もさることながら、探偵としての美学や最後のカウンターで単なる傀儡ではないことを示した木更津の描き方がまた上手い。あくまでこの作品は「名探偵 木更津悠也」であるのだなぁ、と再認識しました。
    「禁区」の着眼点には脱帽。

    0
    2017年05月20日
  • 新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件

    Posted by ブクログ

    このミステリーは、どんでん返しだな!と思いきや、さらにどんでん返しされてしまい、誰が犯人か、登場人物の真の正体は何か…最後の最後まで騙されつづけましたσ^_^; 新進気鋭なミステリー小説です(o^^o)

    0
    2013年07月05日
  • 新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件

    Posted by ブクログ

    『メルカトルと美袋のための殺人』の講談社→集英社に比べ加筆修正は少ない。というか無い。メルのステッキの種類が変わってたくらいか。でも麻耶のあとがきがあるってだけで買ってよかったって感じです。ほんと。

    個人的にはあらすじと帯に突っ込みを入れたい。最後の事件なのに「メルカトルの伝説はここから始まった」って、…ねえ。あらすじは木更津の木の字も出ないのが気の毒でしょうがない。旧版のあらすじでは「二人の名探偵が火花を散らす」と書いてあったのに…。

    ところで『ポン』って何なんですか…?

    0
    2013年03月10日
  • 新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件

    Posted by ブクログ

    単行本初版で持ってるし読んだけど、改訂版というので購入。
    私は自分と同じ年齢の彼とこの本が世に出た当時、這い蹲ってひれ伏した。
    難解とか、余計な薀蓄が、とかぐだぐだ言う評論家には、
    「お前の勉強が足りんのだ、勉強して出直して来い。この人は日本ミステリ界の救世主じゃ。文章力なんてこれからついてくるんじゃ!」と思った。
    今でもそう思っている。

    0
    2012年10月14日
  • 新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    メルカトル鮎シリーズ

    探偵・木更津とともに今鏡家にやってきた香月実朝。脅迫状を送られた伊都。依頼人である伊都の首無しの遺体。足を切り取られ甲冑の足をつけられた遺体。密室で見つかった有馬の遺体も首がなくオレンジの種がふりまかれていた。翌日殺害された畝傍の遺体も首を切られていたが発見された首は白粉で白く化粧されていた。目撃された多侍摩。木更津の推理で事件の発端となった多侍摩の遺体の調査。1月前に棺に納められたはずが切られた首。推理に失敗した木更津の山籠り。メルカトル鮎の登場。殺害された双子の加奈絵、万里絵。使用人ひさの遺体はレコードに首を載せられていた。メルカトルの首の発見。シルクハットをかぶっ

    0
    2012年09月29日
  • 新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    悪徳銘探偵(メルカトル)の伝説はここから始まる!!
    ミステリー界に物議を醸した鮮烈のデビュー作!!!

    京都近郊に建つヨーロッパの古城のような館・蒼鴉城を、
    城の主からの依頼で、名探偵・木更津悠也ともに「私」(香月実朝)が訪れた時、既に惨劇は始まっていた。
    第一部では冒頭からお約束の首なし死体の登場、しかも2対。首と身体が異なる組み合わせで。さらにそこには密室の謎が―
    翌日、さらなる殺人事件が発生、ここでも首が切断されている―。
    さらに次の日には、これまた同様に首なし死体が。背後には蘇る死者の存在が―。
    4日目、ついに名探偵は答えを導く!
    ―が、失敗に終わりなんと彼は山籠りをするのだ!

    第二

    0
    2012年03月09日
  • 名探偵 木更津悠也

    Posted by ブクログ

    「翼ある闇」の記憶があるうちに読んでおこうかと。
    香月くんは木更津にべたぼれですね(笑)
    ていうか香月くんてこんなキャラだったの・・・!
    探偵より助手のほうが実は先を行くっていうちょっと珍しい探偵助手コンビかも。助手が探偵を導くって言うか自分の理想とする探偵像を現実とすべく操ってるとしか(笑)
    ところで木更津さん考えるときにあやとりするくせはなくなったんですか。

    0
    2009年10月04日
  • メルカトルと美袋のための殺人

    Posted by ブクログ

    メルカトル鮎のキャラクターが最高な短編集。やりたい放題。
    それでも、デビュー作(『翼ある闇』)ではもっとひどい人間だった記憶がある。

    0
    2025年12月07日
  • 貴族探偵

    Posted by ブクログ

    メルカトル鮎と比べるとだいぶまともな探偵(比べる対象が悪い)で、全体的にだいぶまともにミステリをしている。

    そしてなんと言っても「こうもり」。
    この作品は素晴らしい。
    非常に精緻に作り込まれており、舐めていると一瞬で手のひらの上で転がされる。
    読者と作者の真剣勝負。
    ここまでやられると、もはや小説の枠を超えたナニカであるような気さえしてくる。

    0
    2025年11月26日
  • 夏と冬の奏鳴曲  新装改訂版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    うーーーむ。

    僕にとってはですよ。前置きとして。

    小賢しい。
    難解ではなく。

    あまりしたくは無いけど、ネットを見回ってきます。

    。。。ネットから戻ってきました。

    ある方が書いたことにある程度感銘。
    読み終わってからが本題。
    なんで⭐︎1つ追加。

    0
    2025年11月19日
  • 神様ゲーム

    Posted by ブクログ

    子どもでも読めそうな平易な文体に騙されていると、突如発生する凄惨な事件、そして不穏な雰囲気。
    「神様」の言っていることは本当に正しいのか?正しいとするとあまりにも意外な人物が犯人ということに…。
    それでもなんとか真相らしきものが見えてきて、一息つけると思いきや、ラストで困惑必至な出来事が発生し…。
    読後に大きな謎を残す一作。

    0
    2025年10月03日