麻耶雄嵩のレビュー一覧
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購入済み
サンプルとしてとても良い試み
今まで読んだことのない作家の作風、特に文体を知るのには、とても良い試みである。サンプルなのでミステリーに必須の伏線関係、特にオチの部分のどんでん返し は当然入っていないので評価できないが、文章そのものが読みやすいか文体が気に入るか の評価はできる。三津田信三 さんが苦手だ と言うのはよくわかった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。
初っ端で犯人を名指しして、どうやってそこに着地させるのかというミステリー。その展開にこれだけのバリエーションを与えられるものかと感心しながら読んだ。
シリーズ前作「神様ゲーム」の方が、当然中編として内容に奥行きがあるように思うが、こちらは連作短編ならでは色とりどりなところに魅力がある。
共通しているのは暗鬱な方向に一直線のストーリーで、神様こと鈴木の存在は実際のところ厄介以外の何者でもない。
本書ではさらに一歩踏み込んで、最終的に非常にグロテスクな「真相」の想起を経た主人公が、神様と訣別する境地に至る。
この結末をせめてもの救いと捉えるか、救いの無い開き直りと捉えるのかは読者 -
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Posted by ブクログ
蛍とはなんなのか… 梅雨の山荘に奏でられる恐怖の調べ、過去の凶悪事件が交錯する本格ミステリー #蛍
オカルト探検サークルの大学生たちが、かつて凄惨な事件が発生したいわくつき山荘を訪れる。怪しい山荘で一晩を過ごすと、過去の事件と同じ殺害状況で死体が発見される。雨は降り続け、街とつながる唯一の橋が崩れてしまい…
この小説は情景描写が美しい!
梅雨のじめっとした感じ、山荘の暗澹たる雰囲気、惨殺事件の狂気、怪しく神秘的な音楽と蛍。あー旅行に行きたい。山荘じゃなく、南の島がいいな。
お話としても有り体な背景ストーリーではありますが、しっかり組み立てられており興味深く読み進められます。登場人物も背景 -
Posted by ブクログ
ネタバレ正直に言うと、思ってたより普通。
「神話的最高傑作」とか言うんだし、一瞬理解不能になるようなものを期待していたのだが、残念ながら予想の範囲内。
叙述トリックが使われていると知っていたからか、櫻花は弟の名前が明記されないので怪しいとは思っていた。
が、おそらくこっちがメインであろう村の秘密、大鏡の正体には驚いた。
櫻花が履いていた汚れたズボン、カインの服の色などの伏線もあったし、独特の世界観やカタルシスはやはり一級品。
だが色々な書評サイトでも取り上げられていたが、アンフェアな記述もあり、さすがにそれはいただけない。
楽しみだっただけに少し残念。
(御簾を開けたら御座に鎮座するメルカトルって -
Posted by ブクログ
傲岸不遜にして唯一無二の銘探偵、メルカトル鮎シリーズの短編集。そこはもちろんメルなので、事件を素直に解決はしない。事件そのものを破壊するのである。論理的に。何の予備知識もない読者が本書を読むと、なんだこれはと放り投げてしまうかもしれない。
ミステリにおける探偵とは、いわば作者という神の神託を告げる者だ。ゆえに、かの者が白と言えば黒いものも白くなる。絶対的な存在であり、無謬である。そういう自分をメルは軽やかに演じる。シルクハットにタキシードという道化のような装いは、彼がトリックスターである証でもある。
本書収載の短編は、いかにもメルカトル鮎的なものばかりだが、個人的に好きなのは「答えのない絵