麻耶雄嵩のレビュー一覧

  • メルカトルかく語りき

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     本格ミステリーに「問題作」の要素を加えた短編集。短編のクオリティはどれも高く、メルカトル鮎の、記憶よりもロジック優先、の精神に「メルカトル鮎は最高で最低な銘探偵だな。」という探偵像が芽生えた。

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    2024年02月01日
  • 貴族探偵

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    殺人現場に偶然居合わせた貴族探偵(正確に言うと貴族探偵の使用人)が推理するというお決まりのパターンで話が進んでいくため、名探偵コナンを彷彿とさせる展開だった。
    髭ズラの優男って想像しにくいのは私だけですかね…。

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    2024年01月24日
  • 貴族探偵

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    金の力でありえない解決方を導く、富豪刑事(筒井康隆)に似た作品かと思っていた

    ナンパしかしない探偵の連作集

    詳細はぼかされつつも設定が面白いのと、主に彼の使用人達のキャラクターが良い

    各編ともにトリックは特筆する点は無し
    個人的には及第点

    最後の「春の声」がマイベストかな
    被害者3人の事件を使用人3人が担当する意趣

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    2024年01月14日
  • 貴族探偵

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    姓名不詳、貴族探偵と書かれた名刺だけを持つ謎の御曹司を主役にした短編集。
    ミステリーに出てくる探偵で金持ちだったり貴族だったりはいただろうが捜査や推理も使用人がするものとして丸投げし自身は女性を口説く(刑事には横柄だが女性には丁寧な言葉遣い)のみの探偵というのは斬新すぎる。作者の凄いのはコイツがボンクラなのか賢才なのか不明にしているところ。
    話の方も本格ミステリになっており個人的には楽しめた。

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    2024年01月07日
  • 隻眼の少女 下

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    ここにきてまさかの漫画化!
    こういうミステリは漫画になると文字で読むよりずっとわかりやすく読みやすいですね。美しく品のある画も作品によくマッチ。ラストシーンがたまりません。
    複雑でマニアックなミステリこそ、どんどん漫画化してほしい。

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    2023年12月25日
  • 隻眼の少女 上

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    ここにきてまさかの漫画化!
    こういうミステリは漫画になると文字で読むよりずっとわかりやすく読みやすいですね。美しく品のある画も作品によくマッチ。ラストシーンがたまりません。
    複雑でマニアックなミステリこそ、どんどん漫画化してほしい。

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    2023年12月25日
  • 螢

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    館に閉じ込められた殺人という超ベタな設定!叙述トリックとしては凝っているが逆に読者たる小生の頭が悪すぎて、そこまで意外性はなかった。
    どちらかというと演奏の音や殺人鬼ジョージの正体といった怖い要素が強い。特に最後のエピローグは強烈で忘れられない。
    地名に因んだ人名が覚えやすく平戸さんのキャラクターが親しみやすいのも好き。

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    2023年12月21日
  • あいにくの雨で

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    一応青春ミステリという区分にはなるんですけど、麻耶作品らしく一筋縄ではいかない作品となっています。
    青春ミステリらしい爽やかさはほぼ皆無で、どんよりとした雰囲気が作品全体を纏っています(ある意味麻耶作品らしいちゃあらしいけども)

    初期の頃の作品ですが、「翼ある闇」や「夏と冬の奏鳴曲」のような衝撃はないものの、作者らしい歪みに満ちたラストを迎えます。

    中盤の生徒会のスパイ活動のくだりは少し読んでてダレましたが、それでもラストの展開や、余韻を残すラスト、全体のジメッとした雰囲気が個人的に好きでした

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    2023年11月17日
  • 貴族探偵対女探偵

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    ネタバレ

    前作からオールドスタイルな女探偵、高徳愛香が加わり、貴族探偵に対するツッコミ役を担っている為、前作よりコメディ色が強めな印象でした。

    前半3遍は可もなく不可も無くな感じ。愛香の推理が貴族探偵を犯人とするという縛りを設けていたとしても、ツッコミ所満載のガバガバ推理なことを除けば。

    4編目の「弊もとりあへず」は前作の「こうもり」を彷彿とさせる作品。 叙述トリックと逆叙述トリックが合わさり、読者、登場人物、実際に発生した事件、3つの認識すべてにズレが生じて物凄くややこしくなっていて、面白かった。ただ、初めて逆叙述トリックというものを味わった「こうもり」のインパクトを超えられなかったのも事実。

    最後の「なほあまりある」は今までの短編に起きた出来事が、手がかりとなっているのが、まさに連作短編集の最後の話として相応しいなと思った。
    使用人がいない貴族探偵がどうするのかと思っていたけど、実は愛香が知らず知らずのうちにその役割を担っていたというオチはニヤリとさせられた...w

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    2023年11月03日
  • 螢

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    ネタバレ

    仕掛けられてるトリックに感心する。
    普通の叙述トリックではなく逆になってる。
    トリックが明かされると倒叙ミステリーの様になる。自分でも何を言ってるか分からんけど。
    読んでいる分にはややこしくないけど、読み終わるとややこしい。
    読後に色々語りたくなる。その意味では今敏のパーフェクトブルーみたいな。

    最序盤から語り手を長崎に固定してしまってた事が悔やまれる。
    語り手が曖昧なのが不満で、最初の数十ページを何度も読んで長崎で落ち着いてしまった。
    あわよくば終盤の風呂場のシーンで驚愕できたかもしれないのに。
    ベットに横になり優しく囁きかけるシーンの違和感が半端ないので多分無理だったけど。

    タカタカタを全部口に出して読んだせいか、最終盤は恐ろしくなってしまった。からのエピローグがもう怖い。

    解説を大胆要約すると、
    『トリックのための登場人物、行動、描写は、人工性の極みのような小説だが、その中で会話し泣き笑うのは生きている「人間」で、そんな齟齬に魅惑的な戦慄が宿ってる。』
    と書いてあるが、がっつり戦慄けた。

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    2023年10月26日
  • さよなら神様

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    ネタバレ

    前作「神様ゲーム」では片鱗が見えるくらいだった鈴木くんの邪悪さが、連作短編という形をとったことでより鮮明になる。「神様」であるがゆえの反論のできなさ、人間に対する無味乾燥さが作品全体を意地悪く飾っていて、不快指数がかなり高い。

    同じ導入を繰り返すため、自然と思考実験的な側面も強くなってくる。特に因果論・決定論にさらっと踏み込む「バレンタイン昔語り」は秀逸。テッド・チャンを筆頭にSFではよく扱われるテーマではあるが、ミステリという舞台で展開されると味わいが違う。小説全体に対する「どうしてこんな短期間に殺人が連続するんだ?」というイチャモンに対してもそれは神様が託宣をしたからだよ、と答えられてしまうようなところもある。SF的マインドをミステリとして描く姿勢は作家性ということなんだろう。

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    2023年10月11日
  • 夏と冬の奏鳴曲  新装改訂版

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    ネタバレ

    途中でキュビズムの説明がされたことで「なら世界が丸ごとキュビズムになってるってこと!?それなら雪の密室も館の構造も異常気象も桐璃が和音に似てることも説明できるし!」と思い至り、バラバラだった出来事に1本の線が通ったかのように思え久しぶりにミステリ小説を読みながら光明が見えた思いはしたものの、「でもこれミステリ小説だし流石にそういうオチにはならないよね(それだともうSFじゃん)、なにかのミスディレクションなのかな」と一度推理を捨てた。しかし、その後も一向にそれ以外の可能性を示唆する情報が出てこず、えーと思っていたらマジでそのまま突っ走っていき、え、謎解きパートは???

    確かに名探偵による解説はないものの物語のテンションが変わって物語世界に一応の決着がつくという点ではこれ以上なくミステリだよねと納得しかけたもののやはり厳しいのでは?
    1993年という時代を考えても、ミステリという舞台でこの話をやろうと思いつき書き上げてしまうって並々ならんことですよね。

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    2023年10月05日
  • 夏と冬の奏鳴曲  新装改訂版

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    ネタバレ

    数十年ぶりに再読。当時は???しかなかったけれど、もう一度読んでもやっぱり分からない…
    当時と違うのは、考察がたくさんあること。(昔もあったのかもだけど…)
    とはいえ、いくつか考察を読んでも、謎は深まるばかり。
    「和音」の復讐、という説がいちばんありそうかなーと思う。でも、烏有の過去が映画とシンクロしていたこととか、ふたりの桐璃とかは、ちょっと色々無理がある…
    もう全部烏有の記憶が改竄されてたってことなのでは、と思う。

    キュビズムとか奏鳴曲の形式と、物語の関わりについてはなんとなーく前よりは理解できた、気がするし、そこがこの作品をわからん…と思いつつ何度も読む理由というか要素?になっていると思う。
    あとは烏有=ヌル=何もない、という主人公は大好物。ただし、これは麻耶作品なので、語り手に感情移入してはいけないのだな…

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    2023年08月14日
  • 化石少女

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    ネタバレ

    春に出た続編を読みたくてまずは前作から読んでみた。いつものごとく癖が強い本格ミステリだった。化石少女のキャラクターの好き嫌いはわかれそうだが、最後の展開もふくめて著者らしい独特の味にあふれていてとてもよかった。続編を読むのが楽しみだ。

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    2023年07月17日
  • あぶない叔父さん(新潮文庫)

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    他の本読みながら、合間合間に少しずつ読んでたけど意外と面白いってゆーか何とも奇妙な。。。

    危なすぎるおじさん笑

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    2023年07月11日
  • 7人の名探偵

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    ネタバレ

    新本格ミステリの作家さん7人による「名探偵」がテーマのアンソロジー。面白かったです。
    メルカトル鮎(シリーズ未読でした)、火村英生、法月綸太郎と名探偵シリーズもあれば、綾辻さんは深泥丘なんだ…という楽しみもありました。探偵AIは2作品。
    「プロジェクト・シャーロック」のみ既読でした。シャーロック・ホームズのAIがあるなら教授もね…という。マイアミの鑑識課員やラスベガスの科学捜査研究所もプロジェクトに参加してくるのも面白かった…以前、募金の名義に名探偵ものの作品の登場人物名を使ってたリストを目にしたことがあって錚々たるメンバーだったのを思い出したりしました。
    「天才少年の見た夢は」の戦中シェルター密室殺人も大変なことでした。究極の安楽椅子探偵ってそういうことか…(気付きませんでした)。
    綾辻さんのお話の、作家さん大集合はこのアンソロジーの締めくくりとして良かったです。小野不由美さんまで。麻耶雄嵩さん……。
    新本格、好きなジャンルだなぁと改めて思いました。これからも読みます。

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    2023年06月11日
  • 7人の名探偵

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    日本を代表するミステリ作家による豪華なアンソロジー。
    本格ミステリ界を牽引する方々だけあってクオリティは折り紙つきです。
    ラストを締める綾辻さんの「仮題・ぬえの密室」が本格ミステリの歴史を感じさせて感慨深い気持ちになりました。(あと麻耶雄嵩の扱いで笑いました)

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    2023年05月25日
  • 螢

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    これから読むひとに言いたいのは「この作品は信じていいぞ」ということ。
    違和感が雑な描写によるものなのかわざとなのか、きちんと結末するのかと疑いながら読み続けてしまった。
    男尊女卑丸出しに思える描写が多かったのも最後まで読むと、それかー、と清々しく騙されていて、読み終えてからもう一度読むと、あー!あー!あああ〜と、引っかけとヒントの繰り返しだと気づく。やられた〜!2回目が面白い。良くできてる。面白かった。結末の謎については「身許がわからない女性」であれこれ考えた結果、こうだろうなと勝手に考えたけど合ってるかはわからない。お疲れ様でした。

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    2023年05月04日
  • 螢

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    かつて演奏家6人を惨殺し謎の言葉を残し人生を終えた作曲家:加賀蛍司。 10年後、惨劇の痕の残る屋敷に肝試しに来た大学のサークルメンバー達。 世間を賑わす殺人鬼「ジョージ」。 雨の山荘での殺人から何かが始まる・・・。

     トリック自体は真新しさはないのだけれど使い方が非常に上手かったですね。 登場人物のまともさ、がっつり王道な館クローズドサークルものなのは麻耶雄嵩っぽくないなと思ったけれども最後の最後にやってくれます。 

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    2023年05月01日
  • 7人の名探偵

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    新本格ミステリのレジェンド作家による短編集、ではあるけれど、単なるミステリ短編集では済まないのが予想外で面白かった。テーマが『名探偵』であるせいか、『もし名探偵がAIだったら?』という被りもあったけれど、当然物語の展開はまったく違うから、その差異も含めてとても楽しかった。ラストを飾る綾辻行人は、自伝かエッセイのようでもあったけれど、しみじみとした昔語りにレジェンドたちの歴史の重みを感じることが出来、良い余韻の残る締めだったと思う。

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    2023年03月07日