麻耶雄嵩のレビュー一覧

  • 夏と冬の奏鳴曲  新装改訂版

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    一人の女性を忍び島につどった人たち。そこにやってきた探偵の助手が巻き込まれていく惨劇と破滅です。
    傾倒していく、どこまでも落ちていく感覚が強烈なミステリ作品。陶酔に溺れた先の悲劇と選択。畳みかける一言。ラスト全ページで声が出ました。

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    2023年01月28日
  • 貴族探偵

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    楽しかった!
    難事件の只中に颯爽と現れ、執事やメイドを駆使して解決していく。人呼んで、貴族探偵。
    彼の仕事は、使用人が捜査をしている間、ソファーに座って紅茶を飲むこと。
    労働は家人が行い、彼自身は決して自ら動くことはない。
    なぜなら彼は、貴族だから。

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    2023年01月12日
  • メルカトルかく語りき

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    79点:あれはあくまでも君の短編、フィクションの話だからね
    全然正しくはない、嘘は言わないが悪魔的に振る舞う探偵とへたれな作家。正しくなさを面白がれるかは人により分かれるが、そもそもミステリなんてものを読もうとする人には絶対面白い!

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    2022年11月28日
  • 鴉

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    ネタバレ

    またとんでもないものを読んでしまった。

    兄弟の名前から示唆されるところはぼんやり予想しつつ、しかし結末までページが少なくなっても全然全体図を掴めなくて、麻耶雄嵩すごいな…の一言。

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    2022年11月20日
  • 夏と冬の奏鳴曲  新装改訂版

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    こんなに感想に困る作品もなかなかないだろうと思う。ひたすらに難解。咀嚼してどうにか飲み込もうと試んでみても、霞を食べているよう。しかしこの世界観は麻耶雄嵩の理想郷。息を呑むほどの没入感。続篇の『痾』にも期待

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    2022年11月13日
  • 貴族探偵

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    2017年に相葉雅紀さん主演のドラマ原作。
    突如あらわれた思は「貴族探偵」と名のる。警察上部への強力なコネと、執事やメイドら使用人を駆使して難事件を解決してゆく。貴族?探偵?この男、一体何者?(きうい)

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    2022年11月07日
  • 神様ゲーム

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    ネタバレ

    麻耶氏の作品は以前読んだ事があったが好みではなく、それ以来敬遠していたが、今回、YouTubeの中で非情に重い結末があると聞き、読んでみた。ページ数も少ないので一気読みであったが、その結末は自分の想像を超える重さであった。
    小学生が主人公であり、事件自体はそれ程、凄惨のものでないが神様が示した結末は凄くダークで主人公の人間性を打ちのめしてしまう様なもので主人公:芳雄の将来が心配になってしまう結末であった。
    続編は異なる設定なようだが気になって手に取ってしまうのだろうと思う。

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    2025年01月12日
  • 螢

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    読んでいて、ところどころ違和感が有るものの、完全に騙された。もう一度、読み返したくなる。
    しっかり驚かされたので評価は高め。

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    2022年10月25日
  • 鴉

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    ネタバレ

    盲点を突くトリックってまさに色盲というところを指しているわけで、すでに書評や帯から実はいろいろとヒントが出ていたのだなと、読み終えてから感じた。
    なにぶん長いので読むのが大変に感じてしまうかもしれないが、できることならまとめて読んだ方が話の筋は理解しやすくなると思う。
    まあ自分はかなり細切れに長い期間かけてしまったけれど…
    叙述トリックに近いものも入っていたり、村を支配する謎めいた信仰によって不思議な雰囲気が漂っていたりして、自分もその村の中にいるかのような空気を感じることができる。

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    2022年10月15日
  • さよなら神様

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    ネタバレ

    面白かった。
    初っ端で犯人を名指しして、どうやってそこに着地させるのかというミステリー。その展開にこれだけのバリエーションを与えられるものかと感心しながら読んだ。

    シリーズ前作「神様ゲーム」の方が、当然中編として内容に奥行きがあるように思うが、こちらは連作短編ならでは色とりどりなところに魅力がある。
    共通しているのは暗鬱な方向に一直線のストーリーで、神様こと鈴木の存在は実際のところ厄介以外の何者でもない。

    本書ではさらに一歩踏み込んで、最終的に非常にグロテスクな「真相」の想起を経た主人公が、神様と訣別する境地に至る。
    この結末をせめてもの救いと捉えるか、救いの無い開き直りと捉えるのかは読者

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    2022年08月21日
  • 隻眼の少女

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    どう見てもシリーズ化できそうなのに、なぜしないのか。ラストで納得した。隻眼の少女、御陵(みささぎ)みかげ。母の名を受け継ぎ探偵デビュー戦が始まる。ミステリアスな雰囲気、「medium」を先に読んでいたので翡翠ちゃんをどうしても彷彿とさせてしまう。

    しかし、舞台は1985年、山奥の村。村の権力者の娘が首を切られて殺される。疑義をかけられたのはたまたま滞在していた大学生種田。みかげの推理で無罪を晴らされ、事件解決のためみかげの助手として巻き込まれる。

    そして18年後、解決したと思われた事件は再び起きていく。

    古くからの言い伝えや家の事情も含まれており、雰囲気は「ひぐらしのなく頃に」のような独

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    2022年06月01日
  • 「さあ、どんでん返しだ。」(キャンペーン8作品無料試し読み)

    購入済み

    気になる気になる

    気になる作家さんが複数いるが、文章が好みかどうかわからなかったので無料試し読みで確認。最初から引き込まれるタイプと中々進まないけどいつの間にか引き込まれてるタイプと最後まで無理なタイプがあった。コレを参考にして作品を選ぼうとおもった。

    #怖い #ドキドキハラハラ #シュール

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    2022年09月29日
  • さよなら神様

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    ネタバレ

    神様ゲームの時とは違った鈴木くん(神様)だったけど、中身の冷静で人間味のないところは同じで、1話1話の初めに犯人を伝えるところがあって読み進むたびにドキドキが味わえた。ちょこちょこ伏線回収もあって面白かった。

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    2022年03月29日
  • 螢

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    ネタバレ

    麻耶雄嵩作品にしては正統派な印象。
    読者に仕掛ける叙述トリックと作品内のキャラクターに仕掛ける逆叙述トリック。
    誰が生き残ったんだろう。

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    2022年10月14日
  • 友達以上探偵未満

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    ネタバレ

    主人公が女子高生2人組だったり随所に挟まれる言葉遊びも合って、麻耶先生の作品の中では比較的ライトな読み心地でした
    ……と思っていましたが、最後の最後でやられましたね
    テイストは違えど紛れもなく摩耶豊作品でした

    仕掛けの斬新さも健在で、作中で語られる「ホームズ・ワトソン論」も相まって本格ミステリ愛に溢れた作品だと思います(犯人の動機はかなり大味ですが笑)

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    2024年03月17日
  • 螢

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    蛍とはなんなのか… 梅雨の山荘に奏でられる恐怖の調べ、過去の凶悪事件が交錯する本格ミステリー #蛍

    オカルト探検サークルの大学生たちが、かつて凄惨な事件が発生したいわくつき山荘を訪れる。怪しい山荘で一晩を過ごすと、過去の事件と同じ殺害状況で死体が発見される。雨は降り続け、街とつながる唯一の橋が崩れてしまい…

    この小説は情景描写が美しい!
    梅雨のじめっとした感じ、山荘の暗澹たる雰囲気、惨殺事件の狂気、怪しく神秘的な音楽と蛍。あー旅行に行きたい。山荘じゃなく、南の島がいいな。

    お話としても有り体な背景ストーリーではありますが、しっかり組み立てられており興味深く読み進められます。登場人物も背景

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    2022年03月13日
  • 鴉

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    ネタバレ

    正直に言うと、思ってたより普通。

    「神話的最高傑作」とか言うんだし、一瞬理解不能になるようなものを期待していたのだが、残念ながら予想の範囲内。
    叙述トリックが使われていると知っていたからか、櫻花は弟の名前が明記されないので怪しいとは思っていた。
    が、おそらくこっちがメインであろう村の秘密、大鏡の正体には驚いた。

    櫻花が履いていた汚れたズボン、カインの服の色などの伏線もあったし、独特の世界観やカタルシスはやはり一級品。
    だが色々な書評サイトでも取り上げられていたが、アンフェアな記述もあり、さすがにそれはいただけない。
    楽しみだっただけに少し残念。
    (御簾を開けたら御座に鎮座するメルカトルって

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    2022年01月07日
  • メルカトルかく語りき

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    傲岸不遜にして唯一無二の銘探偵、メルカトル鮎シリーズの短編集。そこはもちろんメルなので、事件を素直に解決はしない。事件そのものを破壊するのである。論理的に。何の予備知識もない読者が本書を読むと、なんだこれはと放り投げてしまうかもしれない。

    ミステリにおける探偵とは、いわば作者という神の神託を告げる者だ。ゆえに、かの者が白と言えば黒いものも白くなる。絶対的な存在であり、無謬である。そういう自分をメルは軽やかに演じる。シルクハットにタキシードという道化のような装いは、彼がトリックスターである証でもある。

    本書収載の短編は、いかにもメルカトル鮎的なものばかりだが、個人的に好きなのは「答えのない絵

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    2021年12月08日
  • 化石少女

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    再読。連作短編集。化石大好き少女神舞まりあが探偵役として、幼馴染みで後輩でお守り役の桑島彰を助手にして華麗に事件を解決!と思いきや、あれれー?まりあの推理は毎回頓珍漢の的外れなものとして彰にこき下ろされてしまう。なら犯人はいったい誰なんだー!?しかしそこは麻耶先生の小説である。勿論そう簡単に話は終わらない。最後の最後に明かされる驚愕の真相。彼女は名探偵なのか?それともただの狂人か?真相を知るのはワトスンのみ。

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    2021年12月05日
  • 貴族探偵

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    娘の学校の「朝の読書時間」用に購入。
    全く読まれずに放置されていたものを娘の部屋から救出して読み始めました。

    他の方の感想などで、全く何もしないとは知っていましたが、ここまで何もしないとは。
    女性を口説いてばっかりで、ともすればただのアホぼんに思いますが、不思議とそうとは感じない。
    何故かこの男にはなにかすごい力や能力があるのでは?と感じてしまうのは、召使いたちの彼への忠実な態度からでしょうか。

    続編の対女探偵をこれから読み始めますが、そちらにはもう少し探偵の素性とか分かるのかな?
    もう少し探偵の過去とかを知りたいって思ってしまいました。

    余談ですが…
    実写化されてるものは登場人物のイメ

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    2021年11月25日