麻耶雄嵩のレビュー一覧

  • 鴉

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     あらすじ、本編、解説を読む限り、著者の他作品のキャラクターが登場しているようだが、未読でも遜色なく楽しめた。
     主人公がようやく辿り着いた、隔離された名もなく地図にも載ってない村。
    そこは大鏡という神が支配する閉鎖的な村だった。
     村で起こる全てのことがどこか怪しく、村人の肚の底も見えず不気味さを感じさせる。
     村人全員に疑惑を感じ、孤独が際立つ状況での推理から雪崩れ込むように明らかになる事実まで、テンポよく読み進められる。
     しかし最後4ページでの更なる事実は読み直した。
    自分自身の中で読み積み上げてきた情報が、ダルマ落としのようにスコッと抜けたようだった。

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    2021年11月08日
  • 螢

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    ネタバレ

    長崎が全然出てこないと思っていたんですが、ずっと長崎のターンだったんですね笑
    完全に叙述トリックにハマっていました。

    そして最後のオチもふぇっ?!となりました笑

    若干読みにくさはありましたがもう一度読み返したくなる作品です。

    最後生き残ったのは誰なんだ!

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    2021年11月07日
  • 夏と冬の奏鳴曲  新装改訂版

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    ネタバレ

    すごいものを読んだ。ずっと読んでみたかったので、読めてよかった。

    『翼ある闇』に比べると衒学趣味が抑えられ、新装改訂版でかなり手を加えられているであろうことを差し引いてもかなり読みやすくなっている。
    それでもやはりキュビスム、キリスト教、音楽、と目眩く知識量に圧倒されるけれど、衒学趣味が邪魔しない。これらの要素が暴走して物語の根幹を成しているわけで、排除できないし読めば理解できる。

    烏有の最後の選択があまりに衝撃的で、ああまた作者に突き放された、と思った。
    麻耶雄嵩は当人物も読者も等しく突き放す。
    放り出される快感。
    謎が解ける快感。
    わからないままでいる快感。

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    2021年10月28日
  • 「さあ、どんでん返しだ。」(キャンペーン8作品無料試し読み)

    購入済み

    沢山のミステリーを知ろう

    ミステリー作品は読んでない人からすれば敷居が高く感じられますが、同一作者のみのものではなくさまざまな作家先生方の作品が連載されているこのシリーズであれば、自分のお気に入りの作風を知ることができると思います。

    #深い

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    2021年11月06日
  • 「さあ、どんでん返しだ。」(キャンペーン8作品無料試し読み)

    購入済み

    東川篤哉先生の純喫茶〜の続編が見られるなんてワクワクします。是非文庫本が出たら買いたい。これを気に他のミステリー作家さんたちを知れたのも良かったです。

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    2021年10月14日
  • メルカトルかく語りき

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    なんかもう、すんごいな…
    本格ミステリでありながら、アンチミステリを楽しませてくれる。麻耶さんのことだから何かがあるはずといつも覚悟して読んでるのに、絶対負けちゃう…!!答えのない〜はもちろんのこと、他も全部楽しかったし、メルカトルはほんとメルカトル…。

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    2021年09月20日
  • メルカトルかく語りき

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    何度目かの再読。メルカトル鮎物の中短編が五篇収録されている。最初に書いておく事としては、これを読む前の諸君、この小説を正統な本格ミステリ物と思って読み始めてはいけないということだ。かく言う私は「麻耶雄嵩先生の小説だからな!どんな物でもこいや!」という精神で読み進めたが敢え無く撃沈した。仕方ないよね麻耶先生だもの。この五篇に共通の趣向がわかった時はちょっと復活したけどね。流石は麻耶先生だぜ!

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    2021年08月27日
  • あぶない叔父さん(新潮文庫)

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    再読。何気に気に入っている一冊。霧に覆われた田舎町で起こる数々の事件を、頼れる叔父さんが名探偵よろしく快刀乱麻を断つが如く鮮やかに解決していく、という話ではもちろんない。むしろ叔父さんがやばい。何をおいても叔父さんがやばい。しかし一番やばいのは主人公では…?と最終的にはなる。そういう話である。

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    2021年07月17日
  • 鴉

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    ネタバレ

    弟アベルが死んだ理由を探しに地図のない村に来た兄のカイン。現人神として君臨する大鏡様、半年前に死んだ金を作ろうとしていた男、南に住んでいたが滅ばされた一族、鬼子として殺された娘。人殺しをすると痣が浮かび上がるはずの村で新たに殺人事件が起こる。

    謎の風習が残る村で起こる殺人で、色々な謎がある。
    鬼子の定義(?)が個人的にとても感動した。あと叙述トリックで兄弟と思っていた話が、主人公の過去だとは思わなかった…確かに名前がおかしすぎる…
    ずっと鬱々とした感じだけど、それが村の異質さを表現しているようで良かった

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    2021年07月12日
  • 貴族探偵対女探偵

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    ネタバレ

    「貴族探偵」という強烈なキャラクターと、駆け出しの女探偵。
    対照的な探偵を登場させることで、前作よりも貴族探偵のキャラクターが際立っているように感じる。

    1作目〜3作目は、派手さはないがロジックがしっかりしている。ただ、読んでいてあまり新しさがないのは難点。

    4作目『弊もとりあへず』は前作の『こうもり』でも用いられていたトリックが使われている。
    もちろん驚いたし面白いが、一度味わっちゃってるからな...

    と、ここまでは出来としては及第点といった感じだが、5作目でなんと連作短編集のような作りになっていたことがわかる。
    1作目〜4作目に散りばめられた伏線を回収し、愛香が学んだ"貴族

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    2021年07月09日
  • 貴族探偵

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    『こうもり』が圧倒的。
    "フェアすぎてもはやアンフェア"
    こんな叙述トリック初めて見た...!!
    それ以外はまぁ悪くはなく、そこそこといった感じ。同シリーズの『貴族探偵対女探偵』も楽しみ。

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    2021年05月09日
  • メルカトルと美袋のための殺人

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    7編からなるメルカトル鮎シリーズの短編集。相棒?は作家の美袋。

    作中で本人も言っているけど、メルカトル鮎は短編向きだと思うので(登場したらすぐに謎解いちゃうもんな)私的にもサクサク読めて楽しかった。
    もう、ほんとにメルがクズで(笑)美袋も負けず劣らずやし、リアルでなら絶対にお近づきになりたくない二人やけど、掛け合いを見るのはすごい楽しい。
    謎を解くためならなんでもありやし、暇やから〜とかほんま理由がすごい。

    私的に読んでいて楽しかったのは「水難」と「シベリア急行西へ」かな。「小人閑居為不善」も好きだな。ブラックユーモア的な感じが。

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    2021年03月17日
  • 7人の名探偵

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    どの作者名を見ても、ミステリ好きなら知らない者はいないと言ってよい作家ばかりで、その人たちの個性が感じられるアンソロジーなのである。
    7人の名探偵とは、とりもなおさず作者達自身のことであり、この名探偵達の生み出す世界にゆったりとひたるのがよい。
    とはいえ、一つ一つは決して長くないので、どんどん読み進めることができる。

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    2021年02月28日
  • 新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件

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    ネタバレ

    「メルカトル鮎」とかいう単語の響きで読んだところが7割くらいなんで、そこにたいした意味がなかったことが一番の衝撃。(笑)


    ただね、読んでから10日くらいして、ある意味かつてないどんでん返しが仕掛けられてたことに気づいたときには笑いとともに感心したよ。


    つまりね、(以下ネタバレ)

    犯人が二転三転する話はよくあるけど、探偵が二転三転するってのは初かもしれん。

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    2021年02月15日
  • 貴族探偵 1

    購入済み

    貴族探偵

    この二人はホタルの高野部長とホタルみたいなコンビニも見えなくもないかな。年齢とか全然違うけど。事件ものも好きになった。

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    2020年12月19日
  • 新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件

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    ネタバレ

    「7人の名探偵」で気になっていたメルカトル鮎シリーズ?が読みたくてこちらをチョイス。麻耶雄嵩氏のデビュー作らしい。
    色々ぶっ飛んだ作品らしいけど……ああ(察し)

    コレはすごいな。以下ネタバレ




    二転三転どころかゴロゴロ転がってるやないかレベルで話が変わる後半(笑)

    結局シリーズでのメルカトル鮎は一番最後に残った人、なんだよね?
    大量殺人な割にはサクサク話が進むのは、出オチかと思ういきなり現れた二人の死体が原因?
    というか、国内ミステリーで警察が名探偵と言われる人物の発言を重要視するのってなんか意外な気がする……気のせいかな。
    探偵がゴロゴロいる世界観が読んでて不思議やった。

    犯人は

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    2020年11月18日
  • 貴族探偵対女探偵

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    短編集。貴族探偵第二弾。今作は悲しくも咬ませ犬の役割を割り振られた女探偵・高徳愛香目線で物語が進む。前作「貴族探偵」よりパンチ力は低いもののどの話もどんでん返しに満ちている話だと言える。最後の話である「なほあまりある」での愛香の成長ぶりはついつい登場人物に感情移入してしまう読者には感慨深いものがあるかもしれない。まぁそのオチもやっぱり貴族探偵らしいオチになっているのだけど。

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    2020年10月19日
  • あぶない叔父さん(新潮文庫)

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    ネタバレ

    叔父さん、ただのサイコパス!

    ライト?な連作短編集。
    やっぱり麻耶さんのテイスト好きだわ…と再認識させられた1冊。
    年齢的にどうしても叔父さん寄りになり、35歳なのに叔父さん呼ばわりを許容しててエライな、と思った。
    表紙絵に引っ張られて脳内イメージが表紙絵のまんまで読み進めたけど、フケさえ落ちなければかなり好みである。

    一般的に見てそれ(叔父さん)がかなり異様でも、身内的には常態なのでおかしさに気づかないんだよね。分かる。
    優斗の世間知らずに起因する高校生らしい呑気さとか、彼女真紀や元カノ明美や親友陽介らとの高校ライフとか、鄙びていくだけの地方の町の閉塞感とか、よく書けてた。
    叔父さんと優

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    2020年09月14日
  • 貴族探偵

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    ネタバレ

    貴族探偵と名乗る探偵が様々な事件を解決していく話…。
    しかし、貴族探偵自身が自分で調査したり、推理したりするといったことはなく、従者やメイドが推理していくというちょっと変わった探偵だった。

    短編がいくつかあるというものだったので、読んでいくうちに探偵推理したり、探偵の正体が分かるのかと思ったが最後まで分からずじまいだったのは個人的に残念だった。
    ただ、謎のままにしておくことで想像するという楽しみはあるのかなと思う。

    すらすら読むことができ、どのように推理していくのか楽しみながら読むことが出来た。

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    2020年08月30日
  • メルカトルと美袋のための殺人

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    ネタバレ

    メルカトル短編集。もしかしてこの短編集が美袋くん初登場なのかな?
    文庫の最後に初出一覧があるといいのにな。まさか「瑠璃鳥」が美袋くんのシリーズ初登場ってことないよね?だったらどうしよう……。しょっぱなからやばいやつじゃん。それはメルもだけどさ。

    麻耶雄嵩はこれを含めてまだ三作しか読んでない(しかもすべてメルカトルもの)けど、タイトルのセンスがすごく好き。「メルカトルと美袋のための殺人」というのも、殺人をほんとに道具か何かのように粗雑に扱うこの二人にはふさわしいタイトルで面白い。

    「遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる」 美袋の恋愛顛末。メルの説明に納得しちゃうのうそでしょ? メルの説明通りだとし

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    2020年07月27日