麻耶雄嵩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
皆さんはミステリー小説をどのように読んでいるんでしょう?
私は「謎解きや面倒な辻褄合わせは作者にでもやらせとけば良い」とばかりに、ただただ読み進めて行くスタイルですので、設定の巧みさや緻密さよりも、語り口のスムースさや登場人物の魅力の方が重要な要素となります。
貴族探偵は、流れるようなストーリーとキャラ立ちした主人公で、サクサクと読むことが出来ますが、フォーマットが強固過ぎて、水戸黄門や大岡越前でも観ている気になってしまいます。
読み易いし退屈はしないんだけど、特別面白いかと言われればそうでもない。少し残念。
収録作の中では「こうもり」が面白かったんだけれども、理由を考えてハッとしました。この -
Posted by ブクログ
ネタバレ新装改訂版の帯には「10万人の読者が唖然」と書かれているが、果たしてこれを読んだ人が10万人もいるのだろうか?
文庫版で本文700p超、価格は税別1270円。麻耶雄嵩作品の中でもダントツの問題作とされている本作に、とうとう手を出した。デビュー作『翼ある闇』はそれなりに楽しめたが…。結論から言ってしまうと、何だか拍子抜けした。
覚悟していたほど読みにくくはないし、『翼ある闇』より文章はこなれている。キュビスム云々は読み流したけれど、難解というわけでもない。読み終えてまず最初に思ったのは、この長さが必要不可欠だったのかということだった。
舞台は離島の邸宅、そして訳ありな人物たちと、典 -
Posted by ブクログ
ネタバレミステリのもしもシリーズだと理解している麻耶さん作品、今回は「もしも探偵役が赤点常習者だったら」ってところかな。
良家の子女が通うペルム学園の、美少女という事実を忘れさせるほどの変人化石オタク神舞まりあは、過疎化した部活を廃部にしようとする生徒会と衝突している。まりあのお守役にして幼馴染の後輩桑島彰は、ムリヤリまりあの所属する古生物部に入っているものの、化石には興味ない。
そんな学園生活で起こる殺人事件。突如冴えた推理を披露するまりあは生徒会役員が犯人だと主張するが、とんでも推理で生徒会との関係が険悪にならないよう彰がなんとかまりあを押さえる。
そんな構図の物語。
読んで感じたことは、解説で -
Posted by ブクログ
書店で最初表紙を見た時はそのままスルーしかけたのですが、よくよく見ると著者は麻耶さんじゃないですか!というわけで迷わず購入して読んでみました。
2人の女子高生を探偵役に据えた連作中編3本が収められています。『神様ゲーム』『隻眼の少女』みたいな強烈なインパクトを残す後味の悪いものを期待していたのですが、、、うーん、メインのトリックは割と凝っていると思うので本格ミステリ好きの人はそれなりに楽しめそうですが、それでもこのレベルのミステリだったら別に麻耶さんじゃなくても書ける人はいっぱいいるんじゃないかなあ。つまるところ普通のミステリ小説だったので、普通じゃないものを求めていた身からするとちょっと肩透 -
Posted by ブクログ
ネタバレ3編目が一番面白かった。同時に一番つまらない部分ーーというか飽きる箇所がいくつかあった。でも、この話の中盤くらいから好みの話になって来て、更にこれを踏まえて読むと、前2編の味わいも結構変わって来ちゃうんじゃないか、とすら思う。面白い仕掛けだけど、こんな隠し球最後まで取っておくのは勿体ない。取っておいたからこその衝撃/得心があるとも言えるけど。
基本的には、児童書を彷彿とさせる設定とやりとり。学生が、そんな動機で、殺すかよ(17文字)とは毎回思うし、ワイダニットはもう少ししっかり描いて欲しかった。ハウダニットも今ひとつ腑に落ちない。
また特に前2編は、女子高生のやりとりのはずなのに、おじさ