麻耶雄嵩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ捜査どころか、推理まで使用人にさせる貴族探偵が主人公のシリーズ。5つの短編からなるが,「こうもり」が秀逸。ただし,総合すると,複雑すぎる嫌いがある。もっとシンプルに騙してほしいところ。設定は面白いが,その設定を生かしきっているとも言い難い。★3で。
〇 ウィーンの森の物語
デキ:★★☆☆☆
密室モノ。トリックも平凡だし,そもそもバックルに正津の指紋があったことが真相に繋がる証拠とは思い難い。貴族探偵による真相解明という雰囲気だけはよいが,ミステリとしては及第点以下
※ あらすじ
都倉計器の社長,都倉政一が密室で殺害される。密室は,密室にするために糸をつかった偽装がされていることがあきら -
Posted by ブクログ
アンソロジーは、初読みの作家さんを手に取るきっかけにもなるのだけど、今回は、お馴染みの作家さんに大軍配な感じ。
「ウシュクダラのエンジェル」
他の国の宗教や慣習を安易に批判・否定するわけではないのだけど、なんとも切ない展開だった。そういうお話に、京介の語り口がやけに似つかわしい。
「禁じられた遊び」
ずっと綸太郎パパの入院話で、どんな事件に関わるのかと思ったら。
あの映画を一ひねり二ひねりした展開はさすが。
でも、名探偵の本領発揮はなかったような(笑)
「詩人の死」
なんていう毒を含んだ作品なんだろう。
いかにも葉村晶、いかにも若竹七海。
「バルーン・タウンの裏窓」
懐かしのバルーン・タ -
購入済み
麻耶作品で一番素直なミステリー
ちょっと無理あるストーリーだけど一番衝撃は少なかった。
なるほど、と思える素直なミステリー。
ただ、これだけの狂気を見たあとだと、最後の微笑ましい顔ですら疑いたくなる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ麻耶雄嵩は,文章が読みやすく,えぐい話が多いので,かなり好きな作家のひとり。「隻眼の少女」は,日本推理作家協会賞と本格ミステリ大賞をダブル受賞した作品ということで,読む前から期待が高まる。
内容は,二部構成になっている。
第一部は,1985年の冬に起こった連続殺人事件を二代目御陵みかげが解決する話。
第二部は,2003年の冬に起こった殺人事件を三代目御陵みかげが解決する話。
いずれの事件の真犯人は二代目御陵みかげ。1985年の事件は,自らの目を2歳のときに抉ったという父を殺害するために,カモフラージュとして琴折家の人間を殺害していく。自らの探偵としてのデビューという位置づけでもあったので,ダミ -
Posted by ブクログ
ネタバレメルカトルが相変わらずと言う感じで、とても好き。
自分の目的の為なら犯人でっちあげなんて当たり前。
なのでメルカトルと美袋の為の殺人同様、本当の犯人が誰か?というのはわからないまま。
それがメルカトル鮎なので、そういうものだと受け入れるしかないけど今回本当に誰が犯人なんだよ!ってなりすぎて。
それが狙いなので仕方ないのはわかってるけど。
個人的には「九州旅行」が最高に好きです。
また、美袋がメルカトルの所為で酷い目に会います。
でもこの話で特によくわかるけど、美袋自身も相当アレな人間なので(翼ある闇を読めば更にわかる)、同情の余地が余りない(笑) -
Posted by ブクログ
部活を引退し、受験を控えた高校生の烏兎とその親友の獅子丸が、同級生の祐今に襲い掛かった事件に挑んでいく青春ミステリです。
久しぶりに摩耶さんの作品を読みましたが、面白かったです‼
いきなり13章から始まり、なんだこりゃと思いながら読み進めていったのですが、まんまと騙されました。
読み方が珍しい漢字が多く、それだけで少し世界が歪んだように感じます。摩耶ワールドですね。また、普通の高校生とは思えない生徒会のスパイ探しとかの件も好きです。
犯人の心理に少し共感するところがありました。ネタバレになるので書きませんが、人間はいろいろなことで悩み、憎しみを抱くものなんですね。でも、それはその人しかわからな -
Posted by ブクログ
僕が麻耶雄嵩ファンなのかというと、言い切る自信はない。それでも不思議と手を出してしまうのは、なぜなんだろう。今回、絶版になっていた『あいにくの雨で』が集英社文庫より復刊されたので、読んでみたわけだが…。
以前、講談社のPR誌『IN☆POCKET』に麻耶さん自らが本作を語る文章が掲載されていたが、僕の記憶が確かならば、その文章のタイトルは、「あいにくの出来で」というものだった…。辛い作品だったとまで書いている。
そこまで言われると逆に興味がわくではないか。結論から言うと、他の麻耶作品同様、読後感がもやもやするのは同じ。麻耶さんらしいなあとは思う。『翼ある闇』などと比較すると地味なのは否 -
Posted by ブクログ
メルカトル鮎って…すごい最低な探偵じゃねーか!!!(ほめ言葉)(笑)
何かもう、ここまで外道を極めるといっそ清々しいですね!(ほめ言葉)
とりあえず、美袋くんは、ワトソン史上ハイクラスの可哀想な相棒ですね。こんなに探偵のことを憎々しく思ってるワトソンもいないよなあ(笑)。まさかの「いつか殺してやる」発言ですからね〜(笑)。
でも、「瑠璃鳥〜」でメルカトルが美袋くんに指摘したある事実を読んだ時に、
「散々、メルカトル憎しや恨めしや!って言っといて…本当は好きで一緒にいるんじゃないの? 美袋くんも、“OH, GOD, YES”なアドレナリンジャンキーなんじゃないの〜?!(出典:SHERLO