麻耶雄嵩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
皆さんはミステリー小説をどのように読んでいるんでしょう?
私は「謎解きや面倒な辻褄合わせは作者にでもやらせとけば良い」とばかりに、ただただ読み進めて行くスタイルですので、設定の巧みさや緻密さよりも、語り口のスムースさや登場人物の魅力の方が重要な要素となります。
貴族探偵は、流れるようなストーリーとキャラ立ちした主人公で、サクサクと読むことが出来ますが、フォーマットが強固過ぎて、水戸黄門や大岡越前でも観ている気になってしまいます。
読み易いし退屈はしないんだけど、特別面白いかと言われればそうでもない。少し残念。
収録作の中では「こうもり」が面白かったんだけれども、理由を考えてハッとしました。この作品は終盤まで探偵が出てこない。
早くもこのフォーマットに飽きてきたようです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ新装改訂版の帯には「10万人の読者が唖然」と書かれているが、果たしてこれを読んだ人が10万人もいるのだろうか?
文庫版で本文700p超、価格は税別1270円。麻耶雄嵩作品の中でもダントツの問題作とされている本作に、とうとう手を出した。デビュー作『翼ある闇』はそれなりに楽しめたが…。結論から言ってしまうと、何だか拍子抜けした。
覚悟していたほど読みにくくはないし、『翼ある闇』より文章はこなれている。キュビスム云々は読み流したけれど、難解というわけでもない。読み終えてまず最初に思ったのは、この長さが必要不可欠だったのかということだった。
舞台は離島の邸宅、そして訳ありな人物たちと、典型的な本格ミステリの設定だが、最初の事件が発生するまでが長い。しかも、元々離島という隔離された舞台なのに、さらに「雪の山荘」にしてしまうとは。なぜ夏でなければならないのか?
死者が1人出たことでゴングが鳴ったのか、色々と動き出す。かつてこの島で共同生活を送っていた面々による愛憎劇には苦笑する。一応探偵役?の烏有と同様に、彼らの論理は理解不能だろう。とはいえ、一応説明はされている。
終盤に新たに提示された謎の一部は、説明されないまま終わってしまう。ネット検索してみると、熱心な読者は本作の解釈を試みているが、自分にはその気力もなかった。それほど魅力的な謎とは思わなかったのが正直なところであるが。
最後の最後に「銘」探偵メルカトル鮎が登場するのだが、問題の一言を読んでも特に衝撃は受けず。はあ…くらいにしか思わなかった。自分の読み方が悪かったのか、修業が足りなかったのか。この一言、メルカトル鮎に言わせる必要があるのか?
問題作という先入観を持ちすぎていたのが、裏目に出たか。予想ほどぶっ飛んではいなかったし、予想よりまとも。受け付けないという点では、清涼院流水氏の初期作品の方が上だった。『コズミック』『ジョーカー』は感想が書けなかったんだもの。
解説によると、麻耶さんの第3作である『痾』を読めば、もう少し手掛かりを得られるのだろうか。現在入手可能なんだっけ。血眼で探すわけではないけども。 -
Posted by ブクログ
ネタバレミステリのもしもシリーズだと理解している麻耶さん作品、今回は「もしも探偵役が赤点常習者だったら」ってところかな。
良家の子女が通うペルム学園の、美少女という事実を忘れさせるほどの変人化石オタク神舞まりあは、過疎化した部活を廃部にしようとする生徒会と衝突している。まりあのお守役にして幼馴染の後輩桑島彰は、ムリヤリまりあの所属する古生物部に入っているものの、化石には興味ない。
そんな学園生活で起こる殺人事件。突如冴えた推理を披露するまりあは生徒会役員が犯人だと主張するが、とんでも推理で生徒会との関係が険悪にならないよう彰がなんとかまりあを押さえる。
そんな構図の物語。
読んで感じたことは、解説で千街さんが言い尽くしてくれていて、付け足すことはないんだけど。
もともと赤点頭なので推理を強く否定されると自信をなくすまりあだが、読者目線ではまりあの推理には整合性があり、充分な説得力がある。これを否定するからには凌駕する新説があるのかと期待するが、彰に代替説は無く、事件そのものも解決しないまま時は過ぎ、次の事件が起こるのだ。
大変モヤモヤするのだ。
ひょっとしたら最後まで真相が明らかにされないまま終わるのか(麻耶さんならやりかねない)と思ってしまうくらい、真相は引っ張られる。
んで結局、まりあの推理力はホンモノだ、という想定内の結論なので、物足りなさが残る。
事件起こり過ぎな学園にもモヤるし、解決できない警察にもモヤる。
そんな、スッキリしない作品だったので、☆3つです。
あと、どれも殺害方法については説得力あるんだけど、犯人の動機がすごく弱いので、ホントに犯人合ってる?そんな理由で人殺す?みたいな気分になる。特に生徒会の面々。
最後には彰も殺人を犯してしまう…。なんというか、ひとりで乗り込む以外の消極的方法はいくらでも取れたじゃん…。
生徒会長荒子がだんだんイケメンに思えてくるのがせめてもの救いだった。
以下、未来の自分のためにあらすじを。
どちらかというと旧生徒会派閥のまりあのもとに、やはり旧派の新聞部福井がやってきて、現生徒会の弱みを握ったと豪語する。その翌日に福井は殺される。通報で駆けつけた交番のお巡りさんと入れ替わりで、犯人は古生物部から盗まれたシーラカンスのハリボテを被って現場から逃走。
変装したいなら演劇部の備品が最適なのに何故他の部のものなのか、という疑問から、警官も犯人の変装だったことを導いた推理には唸らされた。
この最初の推理がかなり上質だったので、それを否定されて読者(私)は混乱を始めることになる。
文化祭の準備の始まったある日、生徒会が古生物部の様子を見に来たところで雷雨で停電になる。電気が復旧したとたん、部室棟に面した体育館の壁(通称「真実の壁」)に、殺人現場のようは影が映る。真上の部室で殺人事件?
このエピソードは、上下の部屋の影がキレイに重なるという偶然をどれだけ信じられるかが(読んでる方の)鍵。痴話事で学校でヒトを殺しちゃあいけないよね。
クラスメイトの八瀬に叡電部に勧誘される彰。その八瀬が、文化祭のための叡電模型を製作中に殺害される。凶器の鉄道レール(短く切られたもの)は部室窓の外に落ちていた。目撃されたライバルの嵐電部員らしき人物が犯人だと思われたが、まりあは八瀬本人の変装だと暴く。模型の修正困難な致命的欠陥に気づき、嵐電部が破壊したと見せかけるため嵐電部の制服を着てわざと目撃させ、破壊後に制服を屋上の協力者に吊し上げてもらう際に、屋上の人物が八瀬の頭にレールを落とした、との推理は辻褄も合うし合理的だ。ただ、ここからがちょっと飛躍気味なんだけど、きっと福井殺害の真相に気づいた八瀬が生徒会メンバーに協力を要請した(脅した?)、ってのが根拠に欠ける。
(編集中) -
Posted by ブクログ
書店で最初表紙を見た時はそのままスルーしかけたのですが、よくよく見ると著者は麻耶さんじゃないですか!というわけで迷わず購入して読んでみました。
2人の女子高生を探偵役に据えた連作中編3本が収められています。『神様ゲーム』『隻眼の少女』みたいな強烈なインパクトを残す後味の悪いものを期待していたのですが、、、うーん、メインのトリックは割と凝っていると思うので本格ミステリ好きの人はそれなりに楽しめそうですが、それでもこのレベルのミステリだったら別に麻耶さんじゃなくても書ける人はいっぱいいるんじゃないかなあ。つまるところ普通のミステリ小説だったので、普通じゃないものを求めていた身からするとちょっと肩透かしを食ったような読後感だったのでした。
物語の終盤に描かれている、探偵モノのミステリにおけるホームズ役とワトソン役に関する考察の部分も本作のポイントのひとつなのかなあと思われますが、個人的には本格の様式美的な部分には興味が無いので割とどうでもいいというか。小説なんだから無理に型にはめず基本自由に描けばいいんじゃない?って傍からは思えちゃうのですが、そこはやっぱり難しいんですかね。
つらつら余計なことばかり書いてますが、筆致はライトで読み易いです。そういう意味ではライトノベルっぽい表紙にしているのは正解ですね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ3編目が一番面白かった。同時に一番つまらない部分ーーというか飽きる箇所がいくつかあった。でも、この話の中盤くらいから好みの話になって来て、更にこれを踏まえて読むと、前2編の味わいも結構変わって来ちゃうんじゃないか、とすら思う。面白い仕掛けだけど、こんな隠し球最後まで取っておくのは勿体ない。取っておいたからこその衝撃/得心があるとも言えるけど。
基本的には、児童書を彷彿とさせる設定とやりとり。学生が、そんな動機で、殺すかよ(17文字)とは毎回思うし、ワイダニットはもう少ししっかり描いて欲しかった。ハウダニットも今ひとつ腑に落ちない。
また特に前2編は、女子高生のやりとりのはずなのに、おじさん臭かったり、逆に無理して「らしさ」を出そうとしているように見えたりする箇所があったりする。
探偵にとってワトソン役とは、他者とは、みたいな話をもっと中心に据えればもっと好きだったのかも知れない。語り手としてあおが登場しない2編を、3編目を読んだ状態で読み返すとどう感じるかは非常に気になるところ。いつか読み返したい。
ただ、殺すという字をあてておいて、そうじゃないというのはずるくないかな、と思った。