麻耶雄嵩のレビュー一覧
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新本格ミステリの端緒を開いた『十角館の殺人』刊行から三十周年を記念したアンソロジー。新本格第一世代のレジェンド作家七名の夢の競演。
「名探偵」をテーマに書かれたレジェンド作家のアンソロジー。
「名探偵」をテーマに、とはいえ、実はストレートに探偵ものミステリを書いてる方は少ない印象。ちょっとメタフィクションっぽかったり、今までの新本格の歴史への郷愁を感じさせるものだったり。
ただ、短篇でも粒ぞろいで、この作家陣の並びだけでも非常に贅沢なものを読んでいる満足感があります。
個人的には我孫子武丸さん『プロジェクト:シャーロック』と歌野晶午さんの『天才少年の見た夢は』が好きでした。どちらもちょっとしたIf世界の話なのですが、同じ世界観の話をぜひ読んでみたいです。
また、『天才少年の見た夢は』は、どこか某推理アクションゲームを彷彿させる設定で、それも面白かったですね。 -
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直観力の鋭い元気なももと推理力の高いクールなあおは、2人とも名探偵を目指す女子高校生。2人の学園生活と推理勝負を描いたミステリ。
作者の麻耶さんの出身地でもある三重県伊賀市が舞台の、正統派な謎ときミステリです。
3編が収録されており、最初の2編は読者への挑戦付き。私は全然わかりませんでしたが、読み返すとヒントは多いので、真剣に考えたらわかる方もいるかも。
麻耶さんの小説の中では、比較的後味も悪くなくライトな内容かと思います。
女子高生2人が時に友人として、時にライバルとして探偵として切磋琢磨してゆく。2人とも完璧な探偵という感じではないのが、初々しくて新鮮でした。
イラストレーターの問七さんのイラストの表紙が可愛いです。単行本の方はしきみさんのイラストで、そちらもとても可愛かった。
おもしろかったですが、気になるところもいくつかありました。
この2人の主人公名探偵になりたいと思う気持ちが先行しすぎているのか何なのか、人の死の扱いが2人の中でとても軽そうで、何だか現代舞台の女子高生キャラクターとして少し不気味でした。そういう部分以外は普通の学生のような造形なので余計異質に見えたのかもしれません。
また、人によってはガールズラブのような香りを感じる方もいるそうですが、個人的には若干執着強めの友情のような印象でした。 -
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ネタバレ麻耶雄嵩4作品目
隔離された村と外人、細かい時代は分からないが雰囲気は良かったと思う。
■珂允・襾鈴・庚・櫻花
珂允と襾鈴が同一人物でおぉとなって、櫻花も同一人物で???となった。
どこまでが本当の話でどこまでが櫻花の妄想なのか分からなくなってしまった。
一気に話の時系列がごちゃごちゃになったが辻褄合ってるのかな??
驚きはしたが、確認する気力はなくなってしまった。
■村の絶対権力
色々な作品で小さな村の絶対権力者や謎の掟が出てくるけど、限られた世界だとその中のことが当たり前で常識になってしまう。
それは学校でも会社でも同じことだと思う。
外から見るとおかしなことがまかり通ってることはよくある。
村の人たちもそれを心の拠り所にしてるしてる側面もあるのかなぁ
見たくないものは大鏡様(野長瀬)のせいにしておけば自分達は責任をとらずに済む。
村人の罪も重いと思う
メルカトルシリーズは初めて読みました。
本作は比較的理解しやすいみたいだけど、個人的には螢とから神様ゲームの方が好みでした。 -
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皆さんはミステリー小説をどのように読んでいるんでしょう?
私は「謎解きや面倒な辻褄合わせは作者にでもやらせとけば良い」とばかりに、ただただ読み進めて行くスタイルですので、設定の巧みさや緻密さよりも、語り口のスムースさや登場人物の魅力の方が重要な要素となります。
貴族探偵は、流れるようなストーリーとキャラ立ちした主人公で、サクサクと読むことが出来ますが、フォーマットが強固過ぎて、水戸黄門や大岡越前でも観ている気になってしまいます。
読み易いし退屈はしないんだけど、特別面白いかと言われればそうでもない。少し残念。
収録作の中では「こうもり」が面白かったんだけれども、理由を考えてハッとしました。この作品は終盤まで探偵が出てこない。
早くもこのフォーマットに飽きてきたようです。
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ネタバレ新装改訂版の帯には「10万人の読者が唖然」と書かれているが、果たしてこれを読んだ人が10万人もいるのだろうか?
文庫版で本文700p超、価格は税別1270円。麻耶雄嵩作品の中でもダントツの問題作とされている本作に、とうとう手を出した。デビュー作『翼ある闇』はそれなりに楽しめたが…。結論から言ってしまうと、何だか拍子抜けした。
覚悟していたほど読みにくくはないし、『翼ある闇』より文章はこなれている。キュビスム云々は読み流したけれど、難解というわけでもない。読み終えてまず最初に思ったのは、この長さが必要不可欠だったのかということだった。
舞台は離島の邸宅、そして訳ありな人物たちと、典型的な本格ミステリの設定だが、最初の事件が発生するまでが長い。しかも、元々離島という隔離された舞台なのに、さらに「雪の山荘」にしてしまうとは。なぜ夏でなければならないのか?
死者が1人出たことでゴングが鳴ったのか、色々と動き出す。かつてこの島で共同生活を送っていた面々による愛憎劇には苦笑する。一応探偵役?の烏有と同様に、彼らの論理は理解不能だろう。とはいえ、一応説明はされている。
終盤に新たに提示された謎の一部は、説明されないまま終わってしまう。ネット検索してみると、熱心な読者は本作の解釈を試みているが、自分にはその気力もなかった。それほど魅力的な謎とは思わなかったのが正直なところであるが。
最後の最後に「銘」探偵メルカトル鮎が登場するのだが、問題の一言を読んでも特に衝撃は受けず。はあ…くらいにしか思わなかった。自分の読み方が悪かったのか、修業が足りなかったのか。この一言、メルカトル鮎に言わせる必要があるのか?
問題作という先入観を持ちすぎていたのが、裏目に出たか。予想ほどぶっ飛んではいなかったし、予想よりまとも。受け付けないという点では、清涼院流水氏の初期作品の方が上だった。『コズミック』『ジョーカー』は感想が書けなかったんだもの。
解説によると、麻耶さんの第3作である『痾』を読めば、もう少し手掛かりを得られるのだろうか。現在入手可能なんだっけ。血眼で探すわけではないけども。 -
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ネタバレミステリのもしもシリーズだと理解している麻耶さん作品、今回は「もしも探偵役が赤点常習者だったら」ってところかな。
良家の子女が通うペルム学園の、美少女という事実を忘れさせるほどの変人化石オタク神舞まりあは、過疎化した部活を廃部にしようとする生徒会と衝突している。まりあのお守役にして幼馴染の後輩桑島彰は、ムリヤリまりあの所属する古生物部に入っているものの、化石には興味ない。
そんな学園生活で起こる殺人事件。突如冴えた推理を披露するまりあは生徒会役員が犯人だと主張するが、とんでも推理で生徒会との関係が険悪にならないよう彰がなんとかまりあを押さえる。
そんな構図の物語。
読んで感じたことは、解説で千街さんが言い尽くしてくれていて、付け足すことはないんだけど。
もともと赤点頭なので推理を強く否定されると自信をなくすまりあだが、読者目線ではまりあの推理には整合性があり、充分な説得力がある。これを否定するからには凌駕する新説があるのかと期待するが、彰に代替説は無く、事件そのものも解決しないまま時は過ぎ、次の事件が起こるのだ。
大変モヤモヤするのだ。
ひょっとしたら最後まで真相が明らかにされないまま終わるのか(麻耶さんならやりかねない)と思ってしまうくらい、真相は引っ張られる。
んで結局、まりあの推理力はホンモノだ、という想定内の結論なので、物足りなさが残る。
事件起こり過ぎな学園にもモヤるし、解決できない警察にもモヤる。
そんな、スッキリしない作品だったので、☆3つです。
あと、どれも殺害方法については説得力あるんだけど、犯人の動機がすごく弱いので、ホントに犯人合ってる?そんな理由で人殺す?みたいな気分になる。特に生徒会の面々。
最後には彰も殺人を犯してしまう…。なんというか、ひとりで乗り込む以外の消極的方法はいくらでも取れたじゃん…。
生徒会長荒子がだんだんイケメンに思えてくるのがせめてもの救いだった。
以下、未来の自分のためにあらすじを。
どちらかというと旧生徒会派閥のまりあのもとに、やはり旧派の新聞部福井がやってきて、現生徒会の弱みを握ったと豪語する。その翌日に福井は殺される。通報で駆けつけた交番のお巡りさんと入れ替わりで、犯人は古生物部から盗まれたシーラカンスのハリボテを被って現場から逃走。
変装したいなら演劇部の備品が最適なのに何故他の部のものなのか、という疑問から、警官も犯人の変装だったことを導いた推理には唸らされた。
この最初の推理がかなり上質だったので、それを否定されて読者(私)は混乱を始めることになる。
文化祭の準備の始まったある日、生徒会が古生物部の様子を見に来たところで雷雨で停電になる。電気が復旧したとたん、部室棟に面した体育館の壁(通称「真実の壁」)に、殺人現場のようは影が映る。真上の部室で殺人事件?
このエピソードは、上下の部屋の影がキレイに重なるという偶然をどれだけ信じられるかが(読んでる方の)鍵。痴話事で学校でヒトを殺しちゃあいけないよね。
クラスメイトの八瀬に叡電部に勧誘される彰。その八瀬が、文化祭のための叡電模型を製作中に殺害される。凶器の鉄道レール(短く切られたもの)は部室窓の外に落ちていた。目撃されたライバルの嵐電部員らしき人物が犯人だと思われたが、まりあは八瀬本人の変装だと暴く。模型の修正困難な致命的欠陥に気づき、嵐電部が破壊したと見せかけるため嵐電部の制服を着てわざと目撃させ、破壊後に制服を屋上の協力者に吊し上げてもらう際に、屋上の人物が八瀬の頭にレールを落とした、との推理は辻褄も合うし合理的だ。ただ、ここからがちょっと飛躍気味なんだけど、きっと福井殺害の真相に気づいた八瀬が生徒会メンバーに協力を要請した(脅した?)、ってのが根拠に欠ける。
(編集中)