あらすじ
寺の離れで「なんでも屋」を営む俺の叔父さん。家族には疎まれているが、高校生の俺は、そんな叔父さんが大好きだった。鬱々とした霧に覆われた町で、次々と発生する奇妙な殺人。事件の謎を持ちかけると、優しい叔父さんは、鮮やかな推理で真相を解き明かしてくれる――。精緻な論理と伏線の裏に秘された、あまりにも予想外な「犯人」に驚愕する。ミステリ史上に妖しく光り輝く圧倒的傑作。
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Posted by ブクログ
これは推理小説なのだろうか。毎回、誰かしら死んでいるし、謎解きがないわけじゃないんだけど、常識が通用しない世界の話になっている。舞台は、季節を問わず霧に包まれた町。と言ってもファンタジーではない。ちょっと洒落た買い物をしたければ、隣の市まで行かないとならないという、寂れた町。高校生の主人公が抱える日常の悩み事と、事件が並列に登場する。そして、優しすぎる叔父さん。内包するものが色々とありそうなのに、淡々と描かれていて、納得できないのに納得させられちゃう感じ。不思議だけど面白かった。
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すごく重大な(犯人に関する)ネタバレを見てしまってがっかりしてから読んだが、全くそんなことは関係なくおもしろかった。
ネタも理解しやすく、キャラクターも面白い、ブラックジョークもたっぷりで、いろんな麻耶的要素がうまく調和してて、麻耶雄嵩を初めて読む人にお勧めしやすいのではないかと感じた。
犯人の言い訳シーンが毎回面白くて、ネタがあっさりわかってしまっても面白く読めるのがとても良かった。
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再読。何気に気に入っている一冊。霧に覆われた田舎町で起こる数々の事件を、頼れる叔父さんが名探偵よろしく快刀乱麻を断つが如く鮮やかに解決していく、という話ではもちろんない。むしろ叔父さんがやばい。何をおいても叔父さんがやばい。しかし一番やばいのは主人公では…?と最終的にはなる。そういう話である。
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叔父さん、ただのサイコパス!
ライト?な連作短編集。
やっぱり麻耶さんのテイスト好きだわ…と再認識させられた1冊。
年齢的にどうしても叔父さん寄りになり、35歳なのに叔父さん呼ばわりを許容しててエライな、と思った。
表紙絵に引っ張られて脳内イメージが表紙絵のまんまで読み進めたけど、フケさえ落ちなければかなり好みである。
一般的に見てそれ(叔父さん)がかなり異様でも、身内的には常態なのでおかしさに気づかないんだよね。分かる。
優斗の世間知らずに起因する高校生らしい呑気さとか、彼女真紀や元カノ明美や親友陽介らとの高校ライフとか、鄙びていくだけの地方の町の閉塞感とか、よく書けてた。
叔父さんと優斗のやり取りはほほえましいし、「失敗しちゃったんだ」じゃねぇよそれは過失致死罪だよとか、「叔父さん不運だね」じゃねぇよそれは(以下略)とか、いちいち突っ込みながら読んだ(楽しかった)。
何より怖いのは、過失とはいえ罪の意識が全くない叔父さんの精神構造だろう。
ていうか、叔父さんの一方的な話を鵜呑みにしていいんだろうか…叔父さんはこの町で相当暗躍してて多くの町民の弱みを握ってるんじゃないだろうか、とまで妄想した(笑)。
6編の短編で1年が巡るんだけど、叔父さんの過去とか優斗の今後とか、物語世界そのものに流れるストーリーは解決しない。
凄く気になるけど、有耶無耶のままだからこその作品の雰囲気なのかもしれない。
(続きは無いのかな)
それにしても人がよく死ぬ町だ。
関係ないけど、新潮文庫の正統派然とした様式と麻耶作品との違和感が半端ない。
・失くした御守…この作品のノリを見定めることになる最初のエピソードである。
名家の箱入りお嬢様が軟禁状態を脱出して恋人と駆け落ちしたと思いきや心中だったと思いきや殺人だったぽい、という話。
叔父さん、犯人が「早く見つかるといいね」とか言ってるけど、結局叔父さんがお嬢様を逃し、待ち合わせ場所で恋人を過って轢き、転倒した恋人は頭ぶつけて死に、ショックで自殺しようとしたお嬢様を止めようとしたら短刀がお嬢様に刺さっちゃった…って両方叔父さんが殺してる。その感想が「與五さんにはホント悪いことをしたよ」ってのも、優斗の「起こってしまったことは仕方ないよ」って切り返しもめちゃ怖い。その上現場の証拠品を待ち帰ったり証拠隠滅工作したり、完全にクロじゃん。
・転校生と放火魔…引っ越した元カノ明美が戻ってきて、優斗の日常もゴタゴタしてきたところに、放火事件が起こる。最初はボヤだったがエスカレートし、ついに放火殺人に発展する。
四神を隠れ蓑に五獣だった、という事件のからくりには驚かされたけど、うち一件の放火は叔父さんの仕業だった…。なんていうんだろう、良かれと思った行為であれば罪にならないわけないのに、そのあたりの感覚が完全に麻痺してて、怖い。そして真実を聞いても「そうか…」としか思わない優斗、もしかして君がサイコパスかもしれないぞ。
・最後の海…医者の次男坊の司は美大に進学したかったのに、長男が不始末を起こしたせいで跡を継ぐ話が浮上する。そんな時父親の首吊死体が発見される。
2度あることは3度ある、で読者が「どうせ叔父さんでしょ」と考えるのを先回りして優斗に「また叔父さんの仕業なんでしょ?」と言わせちゃう麻耶さん、好き。
実は唯一叔父さんが関与しなかった事件。
・旧友…叔父さんの旧友が恨みを買い、奥さんともども殺される。容疑者は自宅で自殺していたが、実は逆で旧友が妻と容疑者を殺した犯人だった。肝心の旧友はなんで死んだかというと叔父さんと揉み合っているうちに(略)。
叔父さんと旧友のすれ違った友情を教訓に、優斗に友達の大切さを諭す叔父さん、ちょっと切ない話…って本筋はぐらかしてるよね?
・あかずの扉…秋祭りがテレビで紹介されて急に予約で満室となった旅館の客室の準備を手伝うことになった優斗と陽介。作業を終えて旅館の温泉に入っているとどこからともなく死体が出現する。
はい、犯人は叔父さんです。揉み合ったら相手が足を滑らせて頭を打ちました。
優斗みたいに「本当に間が悪い事故だったんだね」とは全く思わないけど、事後の証拠隠滅ぶりが過失致死では済まないんだよなぁ。
・藁をも摑む…高校の校舎から飛び降りたらしい二人の女学生の第一発見者になってしまった優斗。不仲の二人が抱き合う格好で発見された謎に真紀らがとんでも推理を披露する。しかしそのとんでも推理がほぼほぼ正解、という話。ここでも人が死ぬきっかけになってるのは叔父さんだけどね。「つい彼女が右足を乗せていた丸椅子を蹴ってしまったんだ」って、蹴ってるじゃん。
あーヤバイ。まとめてみたら改めてマジヤバイ。
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デビュー時から屈折した探偵と助手をテーマに描き続けてきた著者の茶目っ気たっぷりの実験作。随所で苦労の跡がうかがえる。「化石少女」で感じた気味の悪さも、この域までくれば逆に気持ち良く...はやっぱりならないが、癒し系日常ミステリと言ってもバチは当たるまい。
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定職にも就かず実家の離れに住み、何でも屋を営む俺の叔父さん。
町のみんなからは疎んじられてるけど、先の見えないくすんだこの田舎町でなぜか次々と起きる事件をいつも解決してくれる。でもちょっと待ってよ、その解決って...
麻耶雄嵩の長編作品はほぼ全て読んでいるはずだが、どうも連作短編集も読んだ方がよさそうなのでまずはこの作品。
長編とは違う意味で人を食った作品で、基本的には特殊な縛りをあえて作った上で、綺麗な本格ミステリを成立させ、最後に毒をふりかけるという趣向。殺人事件や田舎の閉塞感をあっけらかんと突き放す、変な開放感のある結末が毎回楽しい。
これは「貴族探偵」や「化石少女」も楽しみだ。
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真相がわからないままモヤモヤと終わります。
神様ゲーム系?
叔父さんが殺したんじゃないの?誰も突っ込まないの?
終始一貫して「おじさんったら、おっちょこちょいなんだから!もう、可愛い!」みたいな甥の態度も不気味。
退屈せず読めたので星4か迷いましたが、真相が分からず仕舞いでモヤモヤしているのに加えて、甥の三角関係の行方が消化不良だったこともあり、3にしました。
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解説より
タイトルは古典探偵小説のアンクル・アブナーのもじりらしい
鬱々とした霧に覆われた霧ヶ町で起こる事件の謎を叔父さんが解き明かしてくれる…がよくよく考えると叔父さんあぶないよ…
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なんだか狐につままされたような作品。
叔父さんがとんでもないのはまだわかるとして、優斗も素直に気味悪さも感じないで受け止めちゃっている関係が、薄気味悪いですな。摩耶作品は意表を突く作風ではあるけど、これは何だかスッキリしない終わり方かなぁ。トリックは軽めの本格派テイストで、そこは揺るがないんだなという印象、読んだかいがありました。
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なんでも屋の叔父さんと事件に遭遇する僕の短編集。現場に居合わせて運悪く、結果的に犯罪に加担してしまう叔父さん。むしろ犯人では。
加害者の気持ちを慮って優しいな、と感動している場合ではないぞ優斗。
最後の話で優斗を呼び出したのは、真紀なのか明美なのか。
解決の付け方が変わっていて面白い。
Posted by ブクログ
いやー、帯コメント通り「驚愕の問題作」だし、作品名通り「あぶない」し。一編読み終えた時点で頭のなが一瞬「?」になる。これは、好みにもよるかもしれないけど個人的には非常に心地が悪い作品であった。決して面白くないわけではない。面白いのだけど心地が悪いのです。
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『化石少女』に続き、麻耶作品8作目。まあ面白かったんだけど…叔父さんの廻りにのみ事件が起き、真実が語られる——何故かこの物語の人工性(神としての作者)を強く感じ、なんか…こう、物語に入っていけない印象を受けた。他の麻耶作品ではこんな感じではなかったのに——どうして?もうこの作者は卒業した方がいいかもしれない……。星三つ半。
Posted by ブクログ
あぶない(どころではない)叔父さんと甥の連作短編集。やはり麻耶雄嵩、尋常な話ではない。だんだん慣れてはくるのだが、それでも驚いたり脱力したり、といいつつ推理小説らしいトリックが仕掛けられていたり。新作を読みたいかと言われると微妙だが、さすがではある。
Posted by ブクログ
〇 総合評価 ★★★☆☆
〇 サプライズ ★★☆☆☆
〇 熱中度 ★★☆☆☆
〇 インパクト ★★★★☆
〇 キャラクター★★★☆☆
〇 読後感 ★★☆☆☆
〇 希少価値 ★☆☆☆☆
シリーズを通した「連続殺人犯」ともいえる「叔父さん」が存在する異色の作品。麻耶雄嵩らしい独特のインパクトがある作品ともいえる。
「連続殺人犯」とはいえ,別に叔父さんは知能犯というわけではない。「なんでも屋」である叔父さんが,様々な事件に関与し,結果として人を殺してしまうという設定。インパクトはある。
設定上,最終的な犯人が「叔父さん」であることが分かってしまうのでサプライズはそれほどない。しかし,短編集の3番目の作品である「最後の海」は犯人が叔父さんではない。短編集の真ん中で,読者の裏を書く作品があるためややサプライズがある。それ以後は叔父さんが犯人ではないかも…と思わせているのも上手い。
設定は面白いのだが,個々の短編集のミステリとしてのデキはイマイチ。「失くした御守」のトリックはコタツに隠れていたというもの。「転校生と放火魔」は放火犯を叔父さんが殺害してしまうというプロットはそれなりに面白いが「四神」をテーマとしたミッシングリングがさほど面白くない。「最後の海」は叔父さんが犯人でないというプロットは面白い。しかし,トリックは二人羽織りで死亡時刻をごまかしたというもの。ちゃちすぎるトリック。「旧友」は被害者と加害者を誤認させるというプロットは面白いが,トリックは犯人である叔父さんが密室にいて,第1発見者が入ってきたときに外から入ってきたふりをするというもの。これも推理クイズ並みのちゃちいトリック。「あかずの扉」は犯人である叔父さんが石のふりをして目撃者をやり過ごすというもの。これもひどい。「藁をもつかむ」に至ってはトリックらしいトリックはない。
文体も「冷めた性格」である主人公である「斯嵯優斗」の視点から描かれているため淡々としている。そのため盛り上がりに乏しい。主人公の恋愛話も交わってきて全体的に退屈。先を読みたいと言う意識が持ちにくい。トータルで見て設定負けしている作品だと思う。そもそも設定は面白いのだが,この設定で面白い作品を作るのは難しいのかもしれない。設定の面白さから,短編集としては,全く面白くないというわけではないので,ギリギリ★3程度で。
〇 メモ
〇 シリーズに共通の仕掛け
基本的には「叔父さん」が意図せず殺人を犯している真犯人という設定。
〇 斯嵯優斗
〇 美雲真紀
〇 武嶋陽介
〇 辰吉明美
〇 失くした御守
国語教師與五康介が良家の娘で婚約者である鴻嘉恭子と心中に見せかけて殺害される。
真相は,叔父さんが車で與五に接触し,後頭部を地蔵にぶつけて死亡したというもの。後を追って自殺しようとした恭子も叔父さんが誤って殺害してしまう。恭子が消失したのは叔父さんがこたつに隠したから。叔父さんは二人のために心中に見せかける工作をした。
叔父さんが悪意がなく殺人し,偽装工作まで行っているという話。叔父さんを慕う主人公優斗の視点から描かれるので叔父さんが「いい人」として描かれるのがなんとも歯がゆい。トリックらしいトリックはなく,こたつに隠れていたのが消失の原因などバカミス的なものしかない。全体のなんとも言えない雰囲気を楽しむ作品か。ギリギリ★3。
〇 転校生と放火魔
潟田という女性が放火をしていた。叔父さんは潟田の犯行に気付き,見回りをしているところを鉢合わせしてしまい,潟田を殺害してしまう。叔父さんは潟田を犯人にしないようにするために火を付ける。
潟田と同居していた平川という男は,明美の母親である法子(離婚した妻)に未練があり,殺害しようとするが未遂に終わる。
これも叔父さんが放火魔だった潟田を殺害してしまうことで謎が深まるという話。ミステリらしいトリックなどはほとんどない。連続殺人という奇妙な設定を楽しむシリーズということか。優斗が視点となっている話も淡々としており,味気ない。ギリギリ★3か★2というところ
〇 最後の海
医者の家である枇杷家で,家を継ぐはずだった長男の理が犯罪を犯す。そのため,画家を目指していた次男の司の美大への進学が困難になる。そんな最中,枇杷家の当主である枇杷均の死体が発見される。
この作品では,主人公である斯嵯優斗が叔父さんが犯人であると疑い,叔父さんに「どうやって殺したの?」と聞く。すると叔父さんは「無闇に人を疑うのは良くないな。」と諭す。この作品は叔父さんが犯人ではないというサプライズ。犯人は均の弟である則高と均の後妻の葉子。トリックは二人羽織りで死亡時間を偽るというもの。トリックはまごうことなきバカミス。叔父さんが犯人だろうという先入観を逆手にとるサプライズがウリ。これを短編集の真ん中に持ってくることで後半の作品でも叔父さんが犯人かどうか疑心暗鬼で読むことになる。美大への進学を迷う司の描写も後味が悪く,麻耶雄嵩らしい短編といえる。とはいえ,★4とするほどでもない。★3の上の方という感じ。
〇 旧友
叔父さんの旧友である柳ヶ瀬伸司という男が株で大儲けをして霧ヶ町に帰ってきた。その柳ヶ瀬伸司が妻と一緒に死体で発見される。柳ヶ瀬伸司は嫌がらせを受けていたこともあって,叔父さんと妻の弟である木之元誠の二人が見張りを頼んでいたが,死体で発見される。密室殺人のようになってしまう。柳ヶ瀬伸司を恨んでいた汐津という男も死体で発見される。イルボラ様の祟りであると町では噂されるが…。
真相は柳ヶ瀬伸司が妻と汐津を殺害していた。妻と塩津が不倫をしていたのが原因。柳ヶ瀬は自分のアリバイ工作として叔父さんと木之元に見張りを頼んでいた。叔父さんは自首するように勧めるうちに柳ヶ瀬伸司を殺害してしまう。浮気されたことや妻が不倫していたことが広まらないようにするために,叔父さんは柳ヶ瀬が生きていたように見せかける。具体的には密室の中で待機し木之元を呼んで,木之元が入ってから外から来たように振舞った。これがトリック
イルボラ様の呪いをミスディレクションにしつつ,被害者と加害者を誤信させるというプロット。トリックが密室の中に犯人がいたという使い古されたものである点がバカミス的ではある。この短編集の中では及第点のデキだろう。★3で。
〇 あかずの扉
主人公の優斗と友人である陽介は,テレビで秋えびすという祭のことが放送され,予約が増えている旅館の部屋の整理のアルバイトに行く。叔父さんも同じ旅館で人形造りを手伝う。その旅館で手伝いに来ていた奥実秀夫という秋えびすのスポンサーの死体が発見される。
この作品も実行犯は叔父さん。奥実が不倫していることが分かる手帳を見せてしまったことから興奮した奥実ともみ合っているうちにこけて風呂場の石で頭を打って死んでしまう。叔父さんは庭石を使って死体を風呂の中に沈める。叔父さん自身が石のふりをしてやり過ごす。事件は事故として処理される。
石のふりをして現場でやり過ごすことで容疑の圏外に行くというバカミストリック。これはバカ。ある意味面白い作品だし,「あぶない叔父さん」という作品らしい作品だろう。★3どまりかな。
〇 藁をも掴む
優斗の通う高校で二人の女生徒が屋上から抱き合う形で落ちて死亡する。二人は恋敵だった。主人公の優斗は真紀と明美の二人のどちらかを選ぶか迷う。ノイローゼのようになった優斗は,屋上からどちらかを突き落として殺害しようとするが,叔父さんに止められる。優斗が突き落とそうとしていたのは真紀でも明美でもなく幽霊だった。叔父さんが止めなければ,優斗が屋上から落ちていたかもしれない。
女生徒の二人の転落の真相は,叔父さんが一枚かんでいた。恋敵の二人は,今カノの方が元カノを殺害しようとして屋上から落とそうとしているところを,叔父さんが慌てて止めようとして声を掛け,二人とも転落死してしまった。
幽霊騒ぎの余韻があるが,トリックらしいトリックもなく平凡なデキ。★2~★3というところか。
Posted by ブクログ
本当にいろんな意味であぶない叔父さんだったな…
優斗もあぶないよ…お前らしっかりしろ。
でも叔父さんかわいいよちくしょう…。
ただ麻耶さんにしたら毒っ気が少なかったな。
Posted by ブクログ
離れに暮らす「何でも屋」の叔父さん。身の回りに起こる事件の真相が叔父さんから語られるという形式。
いや、普通に読んだら犯人は叔父さんじゃん!って話(そうじゃないのもあるが)なんだが、語り部の優斗が自然と受け入れていく。ミステリーとしてどうなんだよこれ!って話なんだけど、個人的にはそんなに嫌じゃない。
でもオカルト要素が入るのはナシだな。