麻耶雄嵩のレビュー一覧
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「白い幽霊」という存在でつながった4つの短編集です。
もちろん、この短編集だけでも読める話ですが、
先に長編を読んでおけばよかったとちょっと後悔しました。
前作として主人公達が初登場した長編が有るのを知らなかったので、
この本を手に取ってしまいましたが、
先にその長編を読んでおけば、違った感想になったと思います。
なぜかというと、この短編集の1編目を読んでいて、
探偵の木更津とワトソン役の香月の立ち位置が分かり辛かったからです。
更に読み進むと徐々に見えてくるのですが、
私個人としては、名探偵は名探偵、ワトソン役はワトソン役という、
王道の探偵像が好きなので、ちょっとモヤッと感が残りました。
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Posted by ブクログ
2013.9.8再読 処分
小説「メルカトルと美袋のための殺人」より、「化粧した男の冒険」「彷徨える美袋」「小人間居為不善」「水難」の4篇。
「後々までその名を人々の心に刻む銘探偵」を自称するメルカトル鮎。
日本一性格の悪い探偵だが、死体を足蹴にしたり、人が死ぬのを知りながら黙認したり、暇潰しのために自ら殺人が起きるよう仕向けたりする辺り、人として常軌を逸している。
そんな主人公を殺してやりたいとさえ思いながら、なぜか縁が切れない、ミステリ作家美袋(みなぎ)がワトソン役。
ミステリとしては小ぶりながら面白いが、探偵の特異さに目がいく1冊だった。 -
Posted by ブクログ
もったいない!っていうのが第一印象です←
着眼点や設定は非常に独創的で他に類を見ないのに、それを文章で表現するまでには(少なくとも執筆当時の)作家の技量が追いついていないのでは、というのがストーリーを通して感じたことでした。わー、何と言う生意気な感想か…←←
時々キャラクタ達の行動が一貫していない描写があったりしたのも閉口しました…。「一行前の立ち位置からその行動を取るのは不自然では?」みたいな部分が何点か目について、それすらミスリードなのかと思ったよ、最初(笑)。…繰り返しになりますが、なんか、すっっごく惜しいな~。
何だか、ものすごい物を読んだ気がするのに、上記で述べたような気持ち -
Posted by ブクログ
ネタバレ麻耶のデビュー作「翼ある闇」で活躍?した木更津悠也が再登場。
この本から読んでも問題はないけれど、「翼ある闇」を先に読んでおいた方が絶対に楽しめる。
名探偵木更津と助手の香月。2人の歪んだ関係をニヤニヤしながら読むのが良いでしょう。
事件自体は麻耶さんにしてはオーソドックスだし、短編としての出来は良いと思うので、結末にたどり着くまでが苦痛になることもない。(麻耶作品にはたまにこれがある)
しかし、最後に2人の関係に気付いてしまった木更津。この後の2人はどうなっていくんだろう。
友人関係は終わってしまうのか。それともこれまで通りなのか。 -
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今日の買い物
この作者、長編は面白いんですけど、短編は玉石混合といった感じなんですけど。この短編集も、そんな感じです。読後感がスッキリしたのと、もやもやしたのと。
それよりですね、表題の木更津悠也が俗に言うホームズ役なんです。そして香月実朝がワトソン役です。や、ポワロとヘイスティングスでもなんでもいいんですけど。でも、このふたりの関係が、一般的なホームズとワトソンじゃなくって、ひねってあって、これ以上は書けないんですけど。作者の『翼ある闇』という本が凄い秀作なんですけど……。
あー、探偵小説って本の内容を書けないから、こういう本を紹介したりするブログには難しいなぁ。 -
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ネタバレ 購入済み
物足りない
『貴族探偵』が面白かったので買ってみたがいつも推理に失敗する女探偵が出てきたことで、解決後の後味が悪い。
また、女探偵の描写が入るためか犯人の心理描写が薄く物足りない章もあるのが残念。
この作者特有の読者をミスリードするような表現は好みが分かれるかもしれない。 -
ネタバレ
他のレビューでもちょっと書かれているが、トリックの暴露に無理があり過ぎる。
死んだ人間を生きているように見せるトリックが、動物を操って死体を動かして腹話術で死体がしゃべっているように見せかけていた・・・・いや、無理やろ。腹話術している犯人のすぐ隣にいたのに気づかない主人公は、頭がおかしいのだろうか?
他にも、とある女性キャラクターが、岩の上に座っている主人公の姿が格好良かったという理由で一目惚れしたり、無実の男が警察にちょっと責められただけで自分がやったんだと催眠状態に陥ってやってもいない犯行を自供したり・・・・。さらに、犯人が無差別連続殺人鬼になった理由もすごく無理がある。
小説全体として、