麻耶雄嵩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレオカルトスポット探検サークル「アキリーズ・クラブ」の学生6人が,同サークルのOBが所有している黒いレンガ屋敷ファイアフライ館にやってきた。この屋敷は,10年前,作曲家の加賀螢司が演奏家6人を殺害した場所だった。
また,アキリーズ・クラブのメンバーの一人,対馬つぐみは,「ジョージ」と呼ばれる殺人鬼に惨殺されていた。
アキリーズ・クラブのメンバー6人と同サークルのOBであり,ファイアフライ館のオーナーである佐世保左内が宿泊した嵐の夜,オーナーの佐世保が何者かに惨殺される…というストーリー。
探偵役を務めるのは,アキリーズ・クラブの4回生,平戸久志と1回生,島原駿策。平戸は,アキリーズ・クラブのメンバー以外の外部犯人説を主張し,島原は,アキリーズ・クラブのメンバーに犯人がいるのではないかと疑う。
この作品には,二つのトリックが仕掛けられている。一つ目のトリックは,物語の視点を誤認させるというもの。長崎直弥が盗聴をしていること,会話のタイミングなどの叙述を駆使し,アキリーズ・クラブの2回生である長崎直弥の視点を,あたかも,同2回生の諫早郁夫の視点で描かれていると誤認させるように記述している。
物語の途中で,ジョージという殺人鬼の正体が佐世保左内であることが分かる。そして,佐世保の共犯者がアキリーズ・クラブに存在していることが分かる。読者には,物語の視点が諫早郁夫であると誤認させているので,読者は,諫早が共犯者とは思い難い。しかし,諫早が共犯者だったという真相が暴かれる。これがサプライズの一つ。
もう一つの叙述トリックは性別誤認トリック。性別誤認トリックといえば,本来は女性である人物を,叙述トリックにより,読者に男性と誤認させるというものが有名である。しかし,本作は,登場人物表に「松浦千鶴」という名前と「S女子大学1回生」と明記し,長崎の視点において「紅一点」などと女性であることが明らかであるように描く。そして,物語の登場人物の会話などでは,松浦千鶴の性別は明らかにしない。こうすることで,松浦が,読者と長崎以外の人物には男性だと誤認させていたという事実を伏せているのである。これは,読者に性別を誤認させるというトリックを知っているほどサプライズが大きい。物語の登場人物内の「つまり真犯人は,松浦が女である事実を知っていたのです。」,「何だって!」という会話を読んだとき,見事に引っかかってしまったので,完全に「え?」と思ってしまった。
物語の設定や性別誤認トリックなど,綾辻行人の館シリーズを思わせる。物語の語り手の誤認トリックと性別誤認トリックをベースは見事だが,物語全体は突拍子がないストーリーで,嫌いな人は嫌いな作品だろう。麻耶雄嵩らしいといえばそれまでだが。
個人的には好みの作風。★4で。 -
購入済み
後味悪いファンタジーミステリー
麻耶さんらしい後味の悪さ。
よくあるミステリーの様な理論立てて推理していく類のものではなく、救いもない。
空間も理由もリアリティとはかけ離れていて、ふと現実に戻った時、こんなもの壊してしまえばいいのにと思っていたが、最後に本当に壊れてしまった。
リアリティがないからこそ人間くさい。
本当の殺人なんて至極ファンタジーなのかもしれない。 -
購入済み
確実に驚くことができます
意外な犯人に驚きはするけど、モヤモヤします。モヤモヤするけど、そうきたか!と唸ります。唸るけど、モヤモヤします。そんなミステリーだと思います。ミステリーに必要なのは驚きだ!という人にはお勧めです。
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Posted by ブクログ
ネタバレずっと読みたいと思ってたメルカトル鮎物をやっと読みました。
噂に聞いてたとおり鬼畜ですね。
まぁでも探偵がかならずしもいい人とは限らないのだからこれはこれでありかと。
なにより美袋くんとの掛け合いが面白かったです。
本当に何故こんなにも嫌な奴と思いながらも付き合い続けてるんだろう…
『遠くで瑠璃鳥の啼く声が聞こえる』『小人閑居為不善』『彷徨える美袋』が特に良かった。
小人~は解説にも書いてありましたが、事務所に依頼人が来るというホームズのスタイルに近く、ラストの黒い感じも良かったと思います。
彷徨える美袋は見事な振り回されっぷりがまた…。
ラストは名ゼリフですね。
メルの性格が性格なので万人受けはしなそうですが、私は面白く読めました。