麻耶雄嵩のレビュー一覧
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ネタバレ一度読んだことがあったような気がしつつも、最後まで読み進めてしまった。
まず、あまりにも長崎の名前が出てこないために、何かしらあるのでは?あれ、どこかで殺されていたか?と思ってしまう。これは勝手に諫早目線だと思って読んでいたので余計に勘繰ってしまった。
松浦については、そもそも設定で女子大生だということを明示してある以上、むしろ他の登場人物たちに男だと誤認させていたことに気付かなかった。
総じて主語というか、今この瞬間に誰がその場にいるのかが曖昧なまま進んでいくところがミソだった。
ただ、猟奇殺人のあった場所に泊まることで、再びその館の生み出すメロディが、また人を狂わせていくところに、不思議な後味を残すのであった。 -
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豪奢な館。雨。閉じ込めた数人。そして死体。
舞台は整いました。
オカルトサークルの大学生がOBの保有する、実際に殺人が起こった館へと合宿に赴く。他方、1年前にサークルメンバーは猟奇的な殺人の被害者となった。
死が立ち込める陰鬱な始まり。死体と即席探偵とワトソン君の共演。
実は最初の仕掛けは予想通りでした。ただそこで終わらないのが麻耶先生。二重三重トラップを仕掛けられすっかり驚いてしまいました。そしてラストシーン。あぁ…と呻いてしまう物語の余韻がいつまでも残る印象的な終わり方です。
少し古い小説ですし人気があるので読んだ方も多いと思いますが、未読の方はぜひ。 -
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麻耶雄嵩さんの『さよなら神様』。
【あらすじ】
『神様ゲーム』に続く「神様シリーズ」の第2作であり、第15回本格ミステリ大賞を受賞した作品。物語は「犯人は〇〇だよ」神様と名乗る鈴木太郎の一言から始まる。必要以上に情報を与えたり事件へ介入したりすることなく、久遠小探偵団たちが鈴木の告げた犯人が本当に犯人なのかを確かめるため、アリバイ崩しや事件の検証に挑んでいく。全6編からなる短編集。
【感想】
前作とは異なり、犯人が最初から提示されるという異色の設定。しかし、神様である鈴木はそれ以上の情報をほとんど与えないのも気まぐれの表れなのかと感じられる。構成は、久遠小探偵団達が事実であるかどうかアリバイ崩しを打ってでるといったサスペンス調となっている。
どの事件もアリバイや犯行の構造が奇をてらった斬新な内容で、真相のすべてが明確に説明されず、読み手に解釈を委ねる部分もある。
それでも、犯人については神様が下した判断として揺るぎないからこそ、真相に釈然としない部分が残ったとしても、「結局、犯人は誰なのか」というもどかしさに振り回されることなく読み進めることができた。
そして中盤、事件だけではない「ある秘密」が明かされることで、物語は単なるアリバイ崩しのサスペンスから、登場人物たちの関係性や心情の変化へと広がっていく。
終盤にかけての展開には賛否が分かれると思うが、次に何が明かされるのか分からない先の読めなさがあり、最後まで飽きることなく読み進められたと感じられた。
最後に、タイトルの意味も明らかになるのだが、神様と対になる存在として「悪魔」という言葉が置かれ、神様が必ずしも善なる存在ではないと考えるならば、主人公が選んだ行動もまた、自らの意思だけではなく、何かに心を支配された結果だったのではないか。
そう考えると、人間の考えは恐ろしく単純明快では言い表せない世界観を作り出したのは明快だなと感じた。
前作でやや物足りなさを感じた登場人物同士の関係性や犯行の意図も読み取ることができ、予想を裏切る結末も含め、麻耶雄嵩さんの世界観を味わう作品として十分な満足感があった。
本格ミステリーとして、論理的に犯人や犯行方法を予想しながら読み進めることを目的とすると、アリバイや犯行の事実が予想を超えてくるため、展開の読めないワクワク感が好きな人に是非ともおすすめしたい。 -
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私立ペルム学園でなぜか次々と起こる殺人事件。古生物部の部長にして化石オタクの神舞まりあは妙に鋭い推理の数々を披露する。部員である桑島彰はとある事情からなんとか彼女の推理を握り潰そうと画策するが...
化石少女シリーズ第二弾。
前作のあの結末からどう続けるつもりなのかと思いきや、今作では彰同様に闇を抱えた新入部員、高萩双葉が加わり、歪な三角関係を維持したまま物語は進んでいく。
最終話ではいきなりとある仕掛けが炸裂するが、それによってもたらされる結末は前作以上の衝撃度。
明るくキャッチーな設定によって邪悪でおどろおどろしい構図を中和する、麻耶雄嵩らしい怪作。
ライバル探偵の登場という趣向が不発気味なのはもったいなかった。 -
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良家の子女たちが通う由緒正しき私立ペルム学園で何故か次々と起こる殺人事件。廃部の危機に晒されている古生物部の部長にして化石オタクの神舞まりあは、彼女を目の敵にする生徒会の面々が怪しいと決めつけて、牽強付会の推理の数々を披露する。まりあの幼なじみにして唯一の部員である桑島彰は、彼女の突拍子もない問題だらけの推理が表沙汰になるのをなんとか防ごうとするが...
願望ありきで真偽不明のこじつけ推理が繰り広げられる楽しい連作短編集。
表面的にはコミカルな作品ではあるが、微妙な緊張感を孕んだまま物語が進んでいき、最終的に平穏な学園生活が瓦解するかと思われたその時、共依存に近い奇跡的な均衡を得て幕を閉じる。
作者お得意の名探偵論やワトソン論からこういう作品が出来てしまうのが面白いところ。
ここから更に続編があるようで楽しみ。 -
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ネタバレ「最後の一行 white」よりもこちらの方が最後の一行のインパクトが強かった。
◆市塔承「プカプカ塔」
伝染病を治す特効薬として、鳥の卵を求めにとある島に辿り着いた3人の男。
島には先住民がいて、捉えられてしまったが、先住民の話す言葉がオノマトペで構築されているのは、新逸だった。全くわからない言葉ではないから、考えたら分かりそうなもどかしさがあった。
結局、完璧に意思疎通はできず、最終的には自分たちの行いのせいで目的は達成できず、言葉の意味を取り違えたせいでバッドエンドになったが、「なるほどそういうことか!」とページを戻ってしまった。
ネタバレしない範囲で、知ってても問題ない単語
・エーン、オンオン、キャッキャ、オンギャア:人の名前。その人が生まれて最初に発した言葉がそのままその人の名前になる
・ヨボヨボ:その島の長老を指す。
・モジャモジャ:島に来た3人の男たちの総称。もじゃもじゃ髭を生やしているから。
・チュンチュンパァ:朝
・ザブンヒラヒラ:地上に咲く青い花。幻覚作用がある。
・シュタッ:立て
・ピーチク:ピーチクと鳴く鳥
・コケコッコ:多分鶏
・キュルルーグ:今回モジャモジャが探していた鳥
・テクテク:歩く
・コロコロコロン:卵
・モグモグ:食べる
・ズババグサッ:ぶっ刺さっている
・ポックリ:死ぬ
・ザブンザブン:海
・プカプカ:???
・ザブンノソノソ:???
◆歌野晶午「邪魔者」
オチがある程度予測できてしまったが、それであっても引き付けられた。
スパンっ物語が終わるのも良い。
その後の展開が気になるけど、一番驚いたタイミングで終わったので、余韻がすごい。