麻耶雄嵩のレビュー一覧

  • 夏と冬の奏鳴曲  新装改訂版

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    再読。新装改訂版の方は初めてだが。最初読んだ時の衝撃が凄まじかったので話の展開はほぼ覚えていた。何を書いてもネタバレに繋がりそうというか、逆に何を書いても真実には繋がらないのではないかとも思える。本書を詳しく知りたいなら読んでくれ、それしか書けることはない。

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    2022年01月29日
  • 螢

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    ほとんど登場しない(ように見える)人物がいたり、自分をボクと呼ぶ女性がいたり、明らかに何かが怪しいが、それでも読み進めていくことになり、最後に騙されたことに気づく。読者はもちろん、作中の人物まで騙されているトリックがあり面白い。後日再読したくなる作品。

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    2022年01月09日
  • 夏と冬の奏鳴曲  新装改訂版

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    ネタバレ

    幻想小説かと見紛うほどの大胆な展開。しかしあくまでも推理小説の体系で提示される謎。終幕の烏有の選択。最後に真相の一片を告げて去る銘探偵。圧巻でした。

    迎えにきた船から眺める、事件の終焉を示す和音島の崩壊。和音という概念から端を発した凄惨な数日間は、信奉者の彼らの死体、絵画、黙示録、フィルム、展望台全てを海に沈めて幕を閉じる。和音は世界から消える。烏有は真相の追求をやめる。この、ある程度のしこりと寂しさだけを残して全てが消失する締め括り、最高でした。

    最後に全て崩壊する孤島ものは堪らないですね!

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    2021年12月07日
  • 貴族探偵 1

    ネタバレ 購入済み

    貴族探偵

    新米探偵の高徳愛香と、

    執事など使用人を駆使して
    謎を解いていく貴族探偵。

    ドラマでもみたけど、
    二人のこれからがワクワクする。

    #タメになる #ドキドキハラハラ #カッコいい

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    2021年05月17日
  • メルカトルかく語りき

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    いやー面白かった。
    あとがきで著者自身も語っていたように、普通の短編集に入っていたらどの短編も「はぁ⁉︎」ってなりそうだけど、同じ趣向で固めてるからどんどんその毒に侵されていく。メルカトル鮎という唯一無二の"銘"探偵にハマっていく。

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    2021年04月06日
  • 貴族探偵

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    ネタバレ

    「こうもり」白眉。短編の中だと一番好きかもしれない。叙述トリックは読者と
    登場人物の認識のずらすわけだが、普通は読者側に誤認させる。逆に読者は正しい情報を得ていて...というのは普通の叙述トリックを読んだ後に読むとやはり面白い。「蛍」と構造は同じ。蛍の方が純粋な逆転になっている(こうもりでは読者に貴生川を絵美の彼氏だと誤認させる構造になっているので)から綺麗な気もするが、こういうのは短編の方が映えると思っている。

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    2020年12月30日
  • あいにくの雨で

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    アンチミステリ等駆使しなくても、麻耶はこれだけのカタストロフを与えてくれるんだなと再度実感。とんでもない青春ミステリ。同作者の「蛍」並にオチでやられた感のある作品。言い回しの妙も含めて、好きだなぁ。

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    2020年11月25日
  • 7人の名探偵

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    ミステリーアンソロジー7作品短編集。あとがき解説無。
    新本格30周年記念に寄せて7人の名探偵を一気に味わえる心にくい演出です。
    順に読み進め7作目の『仮題・ぬえの密室』に全てが集約され、ずっしりとした本格の歴史を感じました。これから読まれる方にも入りやすい作品を探すのにお勧めです。

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    2020年11月03日
  • 7人の名探偵

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    ネタバレ

    新本格30周年の記念アンソロジー。
    新本格に夢中になってたのが20年前くらいなので、思えば自分も年をとったものだなあと。あと、出産~育児で読書から離れていたのもあり、これで久しぶりに読んだ作者も結構いたりして懐かしくなった。
    全体を通して、ストレートな本格の割合が低くて、結構意外だった。全員の個性が良く出ているというか。意外とみんなゴリゴリの本格というわけではないんだねえ、なんて思った。でもそれがつまらないわけでは無くて、それもとても楽しめた!!

    ○「水曜日と金曜日が嫌いー大鏡家殺人事件―」
    麻耶雄嵩らしい。「7人の名探偵」と言われてメルカトル出してくるのがすごいと思ってしまった。でもやっぱ

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    2020年09月07日
  • 螢

    購入済み

    驚いた

    すごい作品ですね、傑作だと思います。
    麻耶先生の作品としては比較的万人向けだと思いますので、入門にもいいかもしれません。

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    2020年08月18日
  • メルカトルかく語りき

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    ネタバレ

    どう評価していいのかわからなくて混乱してる……。

    「死人を起こす」「九州旅行」「収束」までは、色々思うところあり突っ込みつつも、まあ、ミステリの枠をはみ出てないというか、面白かったけど、「答えのない絵本」と「密室荘」はミステリではない……と思う。これがアンチ・ミステリという事なの?「密室荘」はともかく「答えのない絵本」はロジカルではあるのかな。いや……うーん??読み返して考えてみたい。
    とにかく、読むごとにどんどん深みにはまる麻耶ワールドって感じ。固めてポンて。

    「死人を起こす」は面白かった。本筋とは違うところでぽこんと出てくる殺人事件にちょっと笑ってしまった。

    「九州旅行」も面白かった

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    2020年07月21日
  • 貴族探偵 1

    購入済み

    探偵

    男女の探偵ものだけど、ちょっとドキドキするシーンもありますがそんなにいやらしい感じもなく読みやすかったです。コミカルな雰囲気が好きです。

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    2020年02月10日
  • 貴族探偵対女探偵

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    ネタバレ

    前作に引き続き貴族探偵の傲慢さが、鼻に付く!
    けど、高徳さんの純朴に探偵業に向き合う姿が愛くるしくて、主役は完全に高徳さんに絞られているおかげで前作よりストーリー性が増し読みやすかった。

    多重解決型ということで、ある意味ミスリードからの使用人たちの鮮やかなどんでん返しっていうテッパンが心地よい。最後の『なほあまひある』で遂に貴族探偵が負けるのかって思うハラハラ感と最後の落ちは、平和的で納得はできるけどもっとエッジの効いた形も期待しちゃったなぁ。
    ともあれ、浮世絵離れしたふわふわっとして悲壮感のない世界観は読んでいてノンストレスに謎と向き合える、手に取りやすい素敵な作品です。

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    2019年12月12日
  • あぶない叔父さん(新潮文庫)

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    これは推理小説なのだろうか。毎回、誰かしら死んでいるし、謎解きがないわけじゃないんだけど、常識が通用しない世界の話になっている。舞台は、季節を問わず霧に包まれた町。と言ってもファンタジーではない。ちょっと洒落た買い物をしたければ、隣の市まで行かないとならないという、寂れた町。高校生の主人公が抱える日常の悩み事と、事件が並列に登場する。そして、優しすぎる叔父さん。内包するものが色々とありそうなのに、淡々と描かれていて、納得できないのに納得させられちゃう感じ。不思議だけど面白かった。

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    2019年11月12日
  • 新装版 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件

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    再読。十年以上ぶりに読んだけれど今読んでも滅茶苦茶面白い。多少の読みづらさはあるけど二転三転する結末はたまらんねぇ。最後のオチも好みも好みドストライク!

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    2019年10月05日
  • 貴族探偵対女探偵

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    シリーズ第2作目と知らずに読み始めたが、第1作目を読んでいなかったことや、解説や裏表紙のあらすじも読まずに本編を読んだことは、貴族探偵の立ち位置を「よく分からないのままでいさせられた」という意味で、ラッキーだった。解説にもあったけれど、探偵とワトソン役の役割について考えさせられる。そここそが本書の特異な点であり、楽しめるところでもある。第4話でちょっと解決の理解にこんがらかったものの、最終話が本書を締めくくるにふさわしい予想外の結末になっていたため、オセロで端を取ると間がひっくり返るかのように第1話までの評価も好印象になった。近いうちに第1作目も読んでみたい。そして第3作以降の続刊も期待したい

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    2018年05月10日
  • あぶない叔父さん(新潮文庫)

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    すごく重大な(犯人に関する)ネタバレを見てしまってがっかりしてから読んだが、全くそんなことは関係なくおもしろかった。
    ネタも理解しやすく、キャラクターも面白い、ブラックジョークもたっぷりで、いろんな麻耶的要素がうまく調和してて、麻耶雄嵩を初めて読む人にお勧めしやすいのではないかと感じた。
    犯人の言い訳シーンが毎回面白くて、ネタがあっさりわかってしまっても面白く読めるのがとても良かった。

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    2018年03月16日
  • メルカトルかく語りき

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    ミステリマニア向け。個人的には伝説級の作品だが、評価が分かれる気はする。麻耶雄嵩を初めて読むのには全く勧めない。

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    2017年10月14日
  • メルカトルかく語りき

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    屈指の名作『答えのない絵本』のためにその前のすべての短編を捧げているといっても過言ではない一冊。個人的な所感ではには『答えのない絵本』は麻耶雄嵩の短編では最高傑作、『収束』はそれに準ずる質の高さを誇る。ラストの『密室荘』と『九州旅行』はファンサービスとしては外せない。最初の短編はこの一冊のルール説明と見ていいだろう。アンチミステリの更に奥地アンチ〇〇〇〇〇〇における完全なる最高地、禁じ手の本格ミステリだと思う。『答えのない絵本』は後期クイーン問題も含めた隙を潰しきった堅牢なロジックも感嘆に値する。

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    2017年08月01日
  • 鴉

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    素晴らしい。シリーズの中ではかなり普通な部類だがそれでもやはり麻耶作品で、攻めた作りになっている。シリーズとしてはメルカトルのバックボーンが気になりすぎて眠れなくなりそう……彼は一体……。ミステリとしても優れた一作。

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    2017年08月01日