麻耶雄嵩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ前作からオールドスタイルな女探偵、高徳愛香が加わり、貴族探偵に対するツッコミ役を担っている為、前作よりコメディ色が強めな印象でした。
前半3遍は可もなく不可も無くな感じ。愛香の推理が貴族探偵を犯人とするという縛りを設けていたとしても、ツッコミ所満載のガバガバ推理なことを除けば。
4編目の「弊もとりあへず」は前作の「こうもり」を彷彿とさせる作品。 叙述トリックと逆叙述トリックが合わさり、読者、登場人物、実際に発生した事件、3つの認識すべてにズレが生じて物凄くややこしくなっていて、面白かった。ただ、初めて逆叙述トリックというものを味わった「こうもり」のインパクトを超えられなかったのも事実。
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Posted by ブクログ
ネタバレ仕掛けられてるトリックに感心する。
普通の叙述トリックではなく逆になってる。
トリックが明かされると倒叙ミステリーの様になる。自分でも何を言ってるか分からんけど。
読んでいる分にはややこしくないけど、読み終わるとややこしい。
読後に色々語りたくなる。その意味では今敏のパーフェクトブルーみたいな。
最序盤から語り手を長崎に固定してしまってた事が悔やまれる。
語り手が曖昧なのが不満で、最初の数十ページを何度も読んで長崎で落ち着いてしまった。
あわよくば終盤の風呂場のシーンで驚愕できたかもしれないのに。
ベットに横になり優しく囁きかけるシーンの違和感が半端ないので多分無理だったけど。
タカタカタ -
Posted by ブクログ
ネタバレ前作「神様ゲーム」では片鱗が見えるくらいだった鈴木くんの邪悪さが、連作短編という形をとったことでより鮮明になる。「神様」であるがゆえの反論のできなさ、人間に対する無味乾燥さが作品全体を意地悪く飾っていて、不快指数がかなり高い。
同じ導入を繰り返すため、自然と思考実験的な側面も強くなってくる。特に因果論・決定論にさらっと踏み込む「バレンタイン昔語り」は秀逸。テッド・チャンを筆頭にSFではよく扱われるテーマではあるが、ミステリという舞台で展開されると味わいが違う。小説全体に対する「どうしてこんな短期間に殺人が連続するんだ?」というイチャモンに対してもそれは神様が託宣をしたからだよ、と答えられてし -
Posted by ブクログ
ネタバレ途中でキュビズムの説明がされたことで「なら世界が丸ごとキュビズムになってるってこと!?それなら雪の密室も館の構造も異常気象も桐璃が和音に似てることも説明できるし!」と思い至り、バラバラだった出来事に1本の線が通ったかのように思え久しぶりにミステリ小説を読みながら光明が見えた思いはしたものの、「でもこれミステリ小説だし流石にそういうオチにはならないよね(それだともうSFじゃん)、なにかのミスディレクションなのかな」と一度推理を捨てた。しかし、その後も一向にそれ以外の可能性を示唆する情報が出てこず、えーと思っていたらマジでそのまま突っ走っていき、え、謎解きパートは???
確かに名探偵による解説 -
Posted by ブクログ
ネタバレ数十年ぶりに再読。当時は???しかなかったけれど、もう一度読んでもやっぱり分からない…
当時と違うのは、考察がたくさんあること。(昔もあったのかもだけど…)
とはいえ、いくつか考察を読んでも、謎は深まるばかり。
「和音」の復讐、という説がいちばんありそうかなーと思う。でも、烏有の過去が映画とシンクロしていたこととか、ふたりの桐璃とかは、ちょっと色々無理がある…
もう全部烏有の記憶が改竄されてたってことなのでは、と思う。
キュビズムとか奏鳴曲の形式と、物語の関わりについてはなんとなーく前よりは理解できた、気がするし、そこがこの作品をわからん…と思いつつ何度も読む理由というか要素?になっていると -
Posted by ブクログ
ネタバレ新本格ミステリの作家さん7人による「名探偵」がテーマのアンソロジー。面白かったです。
メルカトル鮎(シリーズ未読でした)、火村英生、法月綸太郎と名探偵シリーズもあれば、綾辻さんは深泥丘なんだ…という楽しみもありました。探偵AIは2作品。
「プロジェクト・シャーロック」のみ既読でした。シャーロック・ホームズのAIがあるなら教授もね…という。マイアミの鑑識課員やラスベガスの科学捜査研究所もプロジェクトに参加してくるのも面白かった…以前、募金の名義に名探偵ものの作品の登場人物名を使ってたリストを目にしたことがあって錚々たるメンバーだったのを思い出したりしました。
「天才少年の見た夢は」の戦中シェルタ -
購入済み
サンプルとしてとても良い試み
今まで読んだことのない作家の作風、特に文体を知るのには、とても良い試みである。サンプルなのでミステリーに必須の伏線関係、特にオチの部分のどんでん返し は当然入っていないので評価できないが、文章そのものが読みやすいか文体が気に入るか の評価はできる。三津田信三 さんが苦手だ と言うのはよくわかった。