麻耶雄嵩のレビュー一覧

  • 隻眼の少女

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    舞台、ヒロインの立ち位置、主人公の立ち位置、真犯人の真意は面白くて好きだと思えたがために、表紙の盛大なネタバレが勿体なく感じた…
    ただ長い年月をかけた伏線の回収と結末の綺麗さは良いので、読んで損は無い作品。

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    2023年11月17日
  • あいにくの雨で

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    一応青春ミステリという区分にはなるんですけど、麻耶作品らしく一筋縄ではいかない作品となっています。
    青春ミステリらしい爽やかさはほぼ皆無で、どんよりとした雰囲気が作品全体を纏っています(ある意味麻耶作品らしいちゃあらしいけども)

    初期の頃の作品ですが、「翼ある闇」や「夏と冬の奏鳴曲」のような衝撃はないものの、作者らしい歪みに満ちたラストを迎えます。

    中盤の生徒会のスパイ活動のくだりは少し読んでてダレましたが、それでもラストの展開や、余韻を残すラスト、全体のジメッとした雰囲気が個人的に好きでした

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    2023年11月17日
  • 貴族探偵対女探偵

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    ネタバレ

    前作からオールドスタイルな女探偵、高徳愛香が加わり、貴族探偵に対するツッコミ役を担っている為、前作よりコメディ色が強めな印象でした。

    前半3遍は可もなく不可も無くな感じ。愛香の推理が貴族探偵を犯人とするという縛りを設けていたとしても、ツッコミ所満載のガバガバ推理なことを除けば。

    4編目の「弊もとりあへず」は前作の「こうもり」を彷彿とさせる作品。 叙述トリックと逆叙述トリックが合わさり、読者、登場人物、実際に発生した事件、3つの認識すべてにズレが生じて物凄くややこしくなっていて、面白かった。ただ、初めて逆叙述トリックというものを味わった「こうもり」のインパクトを超えられなかったのも事実。

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    2023年11月03日
  • 螢

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    ネタバレ

    仕掛けられてるトリックに感心する。
    普通の叙述トリックではなく逆になってる。
    トリックが明かされると倒叙ミステリーの様になる。自分でも何を言ってるか分からんけど。
    読んでいる分にはややこしくないけど、読み終わるとややこしい。
    読後に色々語りたくなる。その意味では今敏のパーフェクトブルーみたいな。

    最序盤から語り手を長崎に固定してしまってた事が悔やまれる。
    語り手が曖昧なのが不満で、最初の数十ページを何度も読んで長崎で落ち着いてしまった。
    あわよくば終盤の風呂場のシーンで驚愕できたかもしれないのに。
    ベットに横になり優しく囁きかけるシーンの違和感が半端ないので多分無理だったけど。

    タカタカタ

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    2023年10月26日
  • さよなら神様

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    ネタバレ

    前作「神様ゲーム」では片鱗が見えるくらいだった鈴木くんの邪悪さが、連作短編という形をとったことでより鮮明になる。「神様」であるがゆえの反論のできなさ、人間に対する無味乾燥さが作品全体を意地悪く飾っていて、不快指数がかなり高い。

    同じ導入を繰り返すため、自然と思考実験的な側面も強くなってくる。特に因果論・決定論にさらっと踏み込む「バレンタイン昔語り」は秀逸。テッド・チャンを筆頭にSFではよく扱われるテーマではあるが、ミステリという舞台で展開されると味わいが違う。小説全体に対する「どうしてこんな短期間に殺人が連続するんだ?」というイチャモンに対してもそれは神様が託宣をしたからだよ、と答えられてし

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    2023年10月11日
  • 夏と冬の奏鳴曲  新装改訂版

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    ネタバレ

    途中でキュビズムの説明がされたことで「なら世界が丸ごとキュビズムになってるってこと!?それなら雪の密室も館の構造も異常気象も桐璃が和音に似てることも説明できるし!」と思い至り、バラバラだった出来事に1本の線が通ったかのように思え久しぶりにミステリ小説を読みながら光明が見えた思いはしたものの、「でもこれミステリ小説だし流石にそういうオチにはならないよね(それだともうSFじゃん)、なにかのミスディレクションなのかな」と一度推理を捨てた。しかし、その後も一向にそれ以外の可能性を示唆する情報が出てこず、えーと思っていたらマジでそのまま突っ走っていき、え、謎解きパートは???

    確かに名探偵による解説

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    2023年10月05日
  • 夏と冬の奏鳴曲  新装改訂版

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    ネタバレ

    数十年ぶりに再読。当時は???しかなかったけれど、もう一度読んでもやっぱり分からない…
    当時と違うのは、考察がたくさんあること。(昔もあったのかもだけど…)
    とはいえ、いくつか考察を読んでも、謎は深まるばかり。
    「和音」の復讐、という説がいちばんありそうかなーと思う。でも、烏有の過去が映画とシンクロしていたこととか、ふたりの桐璃とかは、ちょっと色々無理がある…
    もう全部烏有の記憶が改竄されてたってことなのでは、と思う。

    キュビズムとか奏鳴曲の形式と、物語の関わりについてはなんとなーく前よりは理解できた、気がするし、そこがこの作品をわからん…と思いつつ何度も読む理由というか要素?になっていると

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    2023年08月14日
  • 化石少女

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    ネタバレ

    春に出た続編を読みたくてまずは前作から読んでみた。いつものごとく癖が強い本格ミステリだった。化石少女のキャラクターの好き嫌いはわかれそうだが、最後の展開もふくめて著者らしい独特の味にあふれていてとてもよかった。続編を読むのが楽しみだ。

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    2023年07月17日
  • あぶない叔父さん(新潮文庫)

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    他の本読みながら、合間合間に少しずつ読んでたけど意外と面白いってゆーか何とも奇妙な。。。

    危なすぎるおじさん笑

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    2023年07月11日
  • 7人の名探偵

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    ネタバレ

    新本格ミステリの作家さん7人による「名探偵」がテーマのアンソロジー。面白かったです。
    メルカトル鮎(シリーズ未読でした)、火村英生、法月綸太郎と名探偵シリーズもあれば、綾辻さんは深泥丘なんだ…という楽しみもありました。探偵AIは2作品。
    「プロジェクト・シャーロック」のみ既読でした。シャーロック・ホームズのAIがあるなら教授もね…という。マイアミの鑑識課員やラスベガスの科学捜査研究所もプロジェクトに参加してくるのも面白かった…以前、募金の名義に名探偵ものの作品の登場人物名を使ってたリストを目にしたことがあって錚々たるメンバーだったのを思い出したりしました。
    「天才少年の見た夢は」の戦中シェルタ

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    2023年06月11日
  • 7人の名探偵

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    日本を代表するミステリ作家による豪華なアンソロジー。
    本格ミステリ界を牽引する方々だけあってクオリティは折り紙つきです。
    ラストを締める綾辻さんの「仮題・ぬえの密室」が本格ミステリの歴史を感じさせて感慨深い気持ちになりました。(あと麻耶雄嵩の扱いで笑いました)

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    2023年05月25日
  • 隻眼の少女

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    最後の一文が心に残る…

    本屋さんで見かけて気になって購入した作品。

    読んでいるとどこまで信じていいのか、
    誰を信じていいのか、
    探偵としての少女の行動ですら疑ってしまう…
    そんな風に感じる一冊。

    18年後に起こる事件の真相が明るみになった時、
    人とはなんと愚かでしたたかなんだろうと思う。

    これまでになかった探偵像に引き込まれ、
    家族とは…
    と考えた一冊でもあった…

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    2023年05月22日
  • 螢

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    これから読むひとに言いたいのは「この作品は信じていいぞ」ということ。
    違和感が雑な描写によるものなのかわざとなのか、きちんと結末するのかと疑いながら読み続けてしまった。
    男尊女卑丸出しに思える描写が多かったのも最後まで読むと、それかー、と清々しく騙されていて、読み終えてからもう一度読むと、あー!あー!あああ〜と、引っかけとヒントの繰り返しだと気づく。やられた〜!2回目が面白い。良くできてる。面白かった。結末の謎については「身許がわからない女性」であれこれ考えた結果、こうだろうなと勝手に考えたけど合ってるかはわからない。お疲れ様でした。

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    2023年05月04日
  • 螢

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    かつて演奏家6人を惨殺し謎の言葉を残し人生を終えた作曲家:加賀蛍司。 10年後、惨劇の痕の残る屋敷に肝試しに来た大学のサークルメンバー達。 世間を賑わす殺人鬼「ジョージ」。 雨の山荘での殺人から何かが始まる・・・。

     トリック自体は真新しさはないのだけれど使い方が非常に上手かったですね。 登場人物のまともさ、がっつり王道な館クローズドサークルものなのは麻耶雄嵩っぽくないなと思ったけれども最後の最後にやってくれます。 

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    2023年05月01日
  • 隻眼の少女

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    母の名跡を継ぐ隻眼少女探偵が自殺志望の青年を助手見習いにして連続殺人事件に取り組むミステリー。
    キャラが立ち過ぎな名探偵と田舎の名家という取り合わせから横溝正史的なモノを予想させるがそれも恐らくは作者の手の内と思われる。批判も多いようだが個人的にはかなり意外な真相であり犯人の特異性が際立つ非人間的邪悪さは特筆に値する。

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    2023年04月18日
  • 7人の名探偵

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    新本格ミステリのレジェンド作家による短編集、ではあるけれど、単なるミステリ短編集では済まないのが予想外で面白かった。テーマが『名探偵』であるせいか、『もし名探偵がAIだったら?』という被りもあったけれど、当然物語の展開はまったく違うから、その差異も含めてとても楽しかった。ラストを飾る綾辻行人は、自伝かエッセイのようでもあったけれど、しみじみとした昔語りにレジェンドたちの歴史の重みを感じることが出来、良い余韻の残る締めだったと思う。

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    2023年03月07日
  • 貴族探偵 1

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    原作付きは珍しいけど

    この作者の作品で原作付きは珍しいと思うけど、さすがベテランなので、原作に引っ張られすぎず独特な抜け感が満載で、面白い。

    #笑える

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    2023年02月28日
  • 貴族探偵

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    面白かった!
    探偵と名乗るのに捜査も推理もその披露までも使用人にやらせる貴族探偵。こんなんアリかよと思うんだけど、アリだなあとなっちゃうのが麻耶雄嵩。短編のタイトルがシュトラウスで統一されてるのがなんとも言えないおかしみ。
    『春の声』とかもうほんと麻耶雄嵩全開では?
    『こうもり』はすごかった!すぐ読み返しちゃった。

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    2023年02月27日
  • 夏と冬の奏鳴曲  新装改訂版

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    今やネットで考察を手軽に見ることができるが当時はどうだったんだろ〜。
    読後はかなりモヤモヤする作品です。
    匣の中の失楽に近いものを感じます。奇書。

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    2023年02月08日
  • 「さあ、どんでん返しだ。」(キャンペーン8作品無料試し読み)

    購入済み

    サンプルとしてとても良い試み

    今まで読んだことのない作家の作風、特に文体を知るのには、とても良い試みである。サンプルなのでミステリーに必須の伏線関係、特にオチの部分のどんでん返し は当然入っていないので評価できないが、文章そのものが読みやすいか文体が気に入るか の評価はできる。三津田信三 さんが苦手だ と言うのはよくわかった。

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    2023年02月05日