呉勝浩のレビュー一覧
-
購入済み
スズキタゴサクを憎めない悔しさ
映画からの原作です。
映画を見た際に、サスペンスというより群像劇だなと感じましたが、小説を読んでその印象はさらに強くなりました。
類家だけじゃなく、等々力、倖田、清宮、鶴久、それぞれエピソードを見せられて、誰しもがそれぞれの人生の主人公であり空っぽな人間なんていないのだと強く感じました。伊勢のエピソードもうちょっと深掘りしてほしかったー
そして誰しも主人公というのはスズキタゴサクにも当てはまることで、倫理観がぶっ壊れてること(それすら本当かわからないですが)をのぞけばとても人間味があり、ある意味魅力的な人物でした。
巻末の爆弾2の導入が良すぎてすでにキャスティングが気になっています(気 -
Posted by ブクログ
『爆弾』シリーズで話題の呉勝浩の一作。
正直、個人的には爆弾よりも好みであった。
埼玉県東部に位置する架空の都市、湖名川市。
その顔とも呼べるショッピングモール『スワン』で無差別銃撃事件が発生。
死者21名、重軽傷者17名という未曾有の大惨事を
生き延びた高校生の片岡いずみ。
彼女は同じ事件の被害者で同級生の古舘小梢から
保身のために他人を見捨てたと暴露される。
被害者から一転して非難の的になったいずみの元に一通の招待状が届く。
5人の事件関係者が集められた「お茶会」の目的は、
同じ事件の被害者である吉村菊乃の死に関する謎を明かすことだった。
あらすじから漂う傑作の予感。その予感はズバリ的 -
Posted by ブクログ
スワン
久しぶりに正統な「悲劇」を読むことができた。ミステリーやサスペンスではなく、正しくクラシカルな「悲劇」の様相を取り入れた作品だ。
冒頭から商業施設での大量殺人がおこり、その後被害者となった人達の関係者にスポットがあたるが、被害者である彼らの事件後の人生が明るみになるに連れ人間の醜い部分、嫌な部分が少しずつ明かされていく。
結末についていろいろと邪推してしまったが、更に上をいくエンディングに衝撃をうけた。
この作品は冒頭以降を説明すると面白さが目減りする様に思うので詳しくは描かない、被害者であるいずみが事件を受けてどの様に変わっていくのかを是非楽しんで欲しい。
主人公のいずみが知ってい -
Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
澤登耀司は同期の現職警察官失踪事件の真相を探るため獅子追交番に赴任してきた。
過疎化した田舎町はある権力者一族に牛耳られており、同期失踪の真相を探る中で耀司は街を二分する開発計画に巻き込まれていく。
そして、失踪した同期の拳銃で開発反対派のヤクザが射殺されるという事件が起きる。
・感想
ううう…呉先生の作品ってどれもおもしろくってすごい。
読んでる時ずっとヒリヒリしてた。
爆弾は常識や倫理という線の上をたまに踏み外しながらも踏ん張りつつ「己の正義」を生きる刑事たちがいたけど、今作の耀司君は「己の役割」を果たすためだけにこれからも生きていくんだろう。
毒を食らわば皿まで。しがらみ -
Posted by ブクログ
ネタバレこの子が16歳なのがすごいと思った。強すぎる。
呉さんの本は、色んな立場の人がいろんな場面で何かをしてしまうそれを世間では罪と言われるけど本当に?
ってところに光を当てることが多いのかな、と、爆弾を読んだ時に思い、こっちの作品の方がそれがもっと細かく描かれていると感じた。
個人的に炎上とかあんま興味ないから人々のバッシングがどんなに酷いのか分からないからかもしれないけど、16歳の被害者である少女に対してこんな責め方を日本と言う国はするのだろうか、とゆーのが最初に気になってしまった。
そんな酷い国じゃないと思うんだけど,未成年に対して、てかこの子普通に被害者すぎるからって思っちゃったから、最初そ -
Posted by ブクログ
とても面白かった
犯人たちの銃殺シーンが淡々のすすむ様を重々しく描くのではなく、擬音や鼻歌、映画に例えており、
短時間で逃げ惑う人たちが次々に撃たれていくのが目にイメージできて恐ろしく感じた。
その中でも、火事の警報の時は割とすぐみんな避難できるのに、目の前に銃を構えられると動けなくなるのは、銃という具体的な死を強く感じてしまうためなのかと考えさせられ、描写の緻密さに驚いた。
死や危機に迫るときのその場その場の決断の結果がどうなっても、あとから外野や自分自身が責めたとしてもやっぱりその時はどうしようもなくて、その後も簡単に解決することはできないんだ、、抱えていくしか無いのか、、という感情 -
-
Posted by ブクログ
心理学用語の独特な言い回しがあるので飲み込むまで時間のかかるページも多かった。
『人を殺したいもの』対『人を虐げたもの』だと思っていたら、そんな単純な話ではなかった。
誰の中にも存在する『悪』をどう扱い、向き合い、消化するか。
人は知らず知らずに行っているのにその衝動を止められないものがいるわけですね。
では、止められなくて犯罪をおかし、刑に服したものは『止められない』のだろうか。
そして加害者側の人権。
加害者自身ではないものが、加害者側というだけで『被害者』にはならない。
言われなくても分かっているが、それをまざまざと見せつけてくるようなストーリーでした。
少しずつ紐解かれ、繋がってい -
Posted by ブクログ
どう感想を書くか…とても悩む。
新人というか研究者ベースの追求心がある、初期のカウンセラーに近いカウンセラーにベテランカウンセラーの対比。それは理想と現実の対比だと思う。
『異端』を理解できないのは、人として当然だろう。なぜならみな『異端』を持っていて、飼い慣らそうと必死だからだ。『異端』が無ければ、虐待も虐めも起きないのではないか、と個人的に思う。『異端』というか自分の中の『悪』に気づき、対話し続けている人がその『悪』をコントロールできている。それには『愛情を受けれる存在である』という実感も必要だと思う。だからこそ包摂は必要でありしかし難しい。そして『悪』のコントロールに困っている人は『自分 -
Posted by ブクログ
ネタバレ同著者の「爆弾」を読む前に、積ん読していたこちらをまず片付けようと思って読み始めました。
最初は時系列がぶつ切りにされていて流れが悪いような気がしたのですが、話が見えて来た途中からは加速がついて、思っていたより早く読み終えてしまいました。
これは正にセックス・アンド・バイオレンスの世界ですね。
ちょっと前に「冷たい熱帯魚」を観ていたせいか、これは映画化するなら園子温氏が適任であるように思います(諸事情で無理でしょうが)。
そういえば、園子温氏は、「愛のむきだし」という宗教団体映画も作っており、この本で色川という登場人物が作るカルト的サークルの描写とも親和性は高そうです。 -
購入済み
前作に引き続き、面白かったです。
たくさん人が出てきますが、それぞれ見せ所があり、キャラが濃くて覚えやすく読みやすい。
前回登場していたメンバーの活躍もうれしかったですが、等々力さんや鶴久さんなんかはどうしてるのかなあとも思ったり。
清宮さんもまたしっかり出てきてほしい!
続きがありそうなので、期待したいと思います。