呉勝浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『爆弾』を拝読し、かなり好みでしたので呉さんが乱歩賞を受賞したこちらも拝読。
皆さんが仰るようにどの登場人物が今話しているのか分かり辛い事も多かったですが、ご本人もその指摘を受け止めていらっしゃるのか『爆弾』では見事に進化をされている事が分かり驚きました。
難点と言えばその位で、ドキュメンタリー映画を作って行く行程で謎が謎を呼び、叩き上げのジャーナリストであった主人公がそれを追って行く展開がどうなるのか予想も付かず、ミステリーを読んでいる!と満足感に満ち溢れました。
最後の方で明かされるある人物がとんでもない事をしでかしていた事実に『道徳の時間』と言うタイトルがずしんと響きました。
たった1つの難点についても、根底にはそれぞれの人物を掘り下げようとする呉さんの熱意が溢れており、途中から気にならなくなりました。
またお気に入りの作家さんが増えて嬉しい限りです。
余談ですが、巻末に江戸川乱歩賞の選考経過と選考書評も載っており、最終選考に残った作品ですらこんなに酷評されるのか…と青ざめました。
「もっと小説を読んで下さい」の評にはびっくりしましたが、これらを糧に進化できるか否かがその後の分かれ目なんでしょうね。
小説家の皆さんに対する尊敬の念がまた増しました。
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購入済み
爆弾から
続いてレビューポイントの高い本作を続読
大変良く考えられた伏線が何重にも張られ
しっかり回収されて、
人生訓も散りばめられた良作で今回も一気読み。
最後まで解を明かさない、引っ張っりとか
それも伏線なの?って感心しました。
登場人物の相関と、誰のセリフなのかを
しっかり理解する必要がやっぱりありますね。 -
Posted by ブクログ
理解できない、したくない、そんな他人をそれでも信じたいと思ってしまう。その純粋な衝動に立ち向かっていく話。
人は異物を排除する。何か揚げ足を取れるものがあれば躊躇なく実行する。それは自己を安全に保ちたいという当然の欲求ながらも少しでも客観視できればその醜さには気づける程度の衝動だ。
しかしながら、その衝動に突き動かされ続けるのもまた人間ということをじんわりと教えてくれる。正直まったく共感をできるような話の展開ではない。それでも没頭できたのはそこに不可解以外の真の人がいたのかもしれない。
熱中して読めた。人間の心理をえぐるだけではないミステリー要素もまた読み進める手が取らない理由の1つだったと思う -
Posted by ブクログ
ネタバレタゴサクと警察官たちの推理合戦、
騙し合いが面白かった。
タゴサクの無敵感、気持ち悪さ、
登場人物の置かれた立場や性癖。
人間というのは心に1人の囚人を抱えている、
という作中に出てくる短歌が
この物語には合っているなと感じた。
私は長谷部の妻に同情してしまう。
夫の性癖の暴露、それに伴う一家離散、
息子の異常な犯行計画。
しかし、ホームレスとして再会したときに
シェアハウスに招き入れてあげたのは
息子の少し残っていた人間らしさだったのかな。
あとがきにあったけど続編も出ているようで。
また気が向いたら読んでみたいと思う。
ただ、結構重たい内容なので
少し勇気が入りそう…。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
ミステリー、幻想小説、SFと多岐にわたる短編小説集。
・感想
呉先生らしい風刺作品集だなと思った。
「素敵な圧迫」
この性癖は江戸川乱歩感あるな、と思いながら読んでたけどそれもそのはずで江戸川乱歩特集の雑誌に書いた作品だったんだ!
精神的圧迫の結論として最後のタクシー運転手の会話を持ってきたのは感嘆した。
「まずい法律ができました」「どうまずいんです?」「そこはよくわからない。でもどうにかしないと」「どうにかって?」「それはよくわからない」という流れから「生きていれば圧迫は勝手にやってくる」という流れに社会的なメッセージを感じる。好き。
「ミリオンダラー・レイン」
3億円事件を題材に貧困低学歴の主人公と格差、資本主義と搾取、革命ごっこに興じる左翼運動家などなど。
呉先生のこういう社会との距離感が好き。
「論リー・チャップリン」
屁理屈こねて議論のゴールをずらして、マウント取ってはい論破!する人たちを題材にした作品。
相手を論破する理由を疑問に思い、論破したその先に何があるのか知りたいと思ってるので楽しく読めた。
確かに言い負かすのは気持ちいいだろうね。
でも最後はちょっとほっこりする終わりでよかった。
そういえばこの主人公の名前はアトミックブレイバーの主人公と同名なんだけどたまたま??何か意味があるのだろうか。
「パノラマ・マシン」
結局妄想じゃ満足できなくなるよね。
だって現実は何にも変わってないんだし…そりゃいくら並行世界で欲望が叶っても虚しくなるだけだろうなと思う。
憎い相手は現実で殺してなんぼ!(そういう作品ではない)
「ダニエル・ハングマン・ジャービスの処刑について」
ボクシングには全然興味ないけど、ただ殴り合ってるだけじゃない、といううことを知れた。
色んな駆け引きがあるのね…。
人が殴り合ってるの見て楽しめる感性は持ってないけども、スポーツとして楽しんでる人がいることも理解できた気がする。
ミステリーとして割と好きなオチだった。
「Vの行進」
コロナ禍にあった自粛ムードへのアンチテーゼ作品。
後半は抽象的すぎてちょっとよくわからなかった…。
でも私も意味の分からないマスク会食とかお気持ちでの自粛反対派だったなー。
人がいない場所での意味のないマスク、意味のない手洗いしてるやつとかマジで嫌いだった…。
それはもはや形だけの儀式じゃん、むしろ逆に汚いって思うこと多かった。
清潔不潔の基準がおかしい人が沢山いるね。