呉勝浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まさにやけくそキャノンボールだった。
理不尽で暴力的でイカレてたけど、読後感は最高。
ライトでエッジの効きまくった文体が気持ちよくて、内容はずっと最低だけど一気に駆け抜けちゃった。
いままで読んだ呉先生のなかで登場人物たちが一番トんでた。独特な言い回しをマシンガンみたいにしゃべり倒す葵ちゃんとテンション低めなのにワードチョイス面白い依子(本人はそんなつもりないんだろうけど)の会話ずーーーーっと読んでいたかった。終盤の葵ちゃんの「運が良かったな、ここがブロンクスじゃなくて病院で!」が大好きだったので病院で人をボコった時には是非使わせてもらおうとおもいました。(そんな時こないけど)
あと、わたしはきっしょい脳みそ性器なおもしろイカレ男すきなので時郎くんでるたびきゃっきゃしてた。でもお気に入りキャラは兄貴です。最強の称号に弱い。
表紙裏は絶対読後に読んでください。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「やられっぱなしはつまんねえよ」
ヤクザの下働きをする幼馴染のワタルとタカト。兄貴分に振られた仕事は簡単な荷運び……だったはずが気がつけば見知らぬ三人の遺体が。
呉勝浩先生だからこそ面白くなってるけど、話だけだとちょっとパンチ足りない気もした。でも、わたしは文体や台詞回しがとにかく好きなので一気読みしちゃいましたね。タカト視点の時とか最高だな……って思ってたらタカトも「いやぁ……サイコー。」つってて更に最高になりました。
キャラクター全員濃いから視点コロコロ変わっても混乱しないし、テンポが超よくて、普段小説読まないけど青年漫画すき~みたいな人も愉しめるんじゃないかな。
跳ねっ返りのクソガキが舐められたり騙されたりしても、持ちうる手札で真っ向からやり返そうとするの眩しかった。ぎらぎらしてた。
あと、蓮がワタルに言った「疑え。誰も彼もだ」は読後に振り返ると弟分への捨てきれなかった情の欠片みたいだとおもっちゃったり。
お気に入りキャラはタカトと世良のボンボンです。脳筋馬鹿とピンドン直ビンするイカれ男。 -
Posted by ブクログ
殺人の衝動を抱えている少年と、無惨な事件を引き起こした男。理想と現実の間で揺れ動く心を抱えながら、彼らと対峙するスクールカウンセラー。
彼らが幾層にも重なり合い、それぞれの思いや痛みを超えて柔らかく形を変えていく。『絶対悪はあるのか』を掘り下げ、内包する人間と社会は向き合うべきかと問題提起をする作品。
異常犯罪者が刑期を終えて、自分の街で過ごしていると知って受け入れる事ができるか。私はきっと恐怖に震え、受け入れる事は難しいと思う。
では排除・隔離・包摂、どの手段が適切なのか。とても難しい問題で、『どこまで他人を許容出来るのか』の答えは無いのかも知れない。
最後の一行で驚きの事実が明らかになり、冒頭とラストが綺麗に結びつく。社会が抱える悪を問うだけでなく、謎解きミステリーとしても秀逸な作品です。 -
Posted by ブクログ
表紙に誘われて〜^^;
【道徳】
社会生活を営む上で、ひとりひとりが守るべき行為の規準(の総体)。自分の良心によって、善を行い悪を行わないこと。
なので、コイツらには関係ないかもしれん。守ってないし、良心ないし、善悪の判断できんみたいやし。
って、そう思う
善悪って何?
良心って?
守るって?
「しょせん、道徳なんてその程度、っていうのがぼくの結論。書き換えたり、書き戻したり、作者によって好きなように設定されるルールにすぎない…」
落ちぶれたビデオジャーナリストが、小学校で起きた殺人事件のドキュメンタリーの撮影を頼まれる。
「え?この事件、犯人捕まってるけど、何か変?」
疑問が疑問を呼ぶ訳やけど、犯人の動機が…
確かにむごい幼少期だし、何か道徳とか、それぞれの範囲というか、線引きが違うんで、そら道徳という一言で言われても!っとは思う。
まぁ、道徳と言っても、「万引きバレたら、払う」で済むと思っているようなのが国を運営してんのに、道徳とか言うな!っと気もするけど(−_−;)
しかし、この動機はなぁ〜
合理的とか書いてるけど…
まぁ、現実はそうなんかもやけど…
多分、上手くいきそうな気はするけど、
道徳が〜〜〜(^◇^;) -
Posted by ブクログ
葉真中顕、中山七里、呉勝浩、深町秋生、下村敦史、長浦京、柚月裕子『警官の道』角川文庫。
7人の作家の短編を収録した警察小説アンソロジー。7人の作家全員が自分の好みというのはなかなかあり得ないことだ。読んでみれば、柚月裕子の『聖』がピカイチで後は平凡な短編ばかりで、少しがっかりした。
葉真中顕『上級国民』。本作に描かれる刑事事件とされなかった交通死亡事故は、2018年に東京都港区で起きた元東京地検特捜部長による自動車死亡事故を思い出す。実際にこういうことはありそうだ。90歳の佐々木嘉一が交通事故で亡くなった。しかし、車を運転していた谷田部洋は逮捕されなかった。その裏には驚愕の事実が隠されていた。★★★★
中山七里『許されざる者』。復興五輪などと銘を打って、コロナで延期された汚職に塗れた東京オリンピック。犬飼隼人シリーズの短編。今の時代、こんなこともありそうだ。東京オリンピックの閉会式を演出する予定の演出家の三浦伽音が殺害される。一体何があったのか。★★★★
呉勝浩『Vに捧げる行進』。警察官の名前がモルオとは。コロナ禍で疲弊する日常の中、町で頻出する落書き犯。その驚愕の意図とは。モルオという名前がどうにもこうにも。ストーリーが入って来ない。★★★
深町秋生『クローゼット』。ゲイの警察官か。世も末だななんて言うと顰蹙を浴びる、何とも嫌な世の中になったものだ。LGBTQなる少数派ばかりを擁護して一体何になるんだろうか。上野署の荻野大成と相棒の中澤祐一は荒神と呼ばれ、重宝されながら管内で起きる様々な事件現場に臨場する。その荻野には誰にも言えない秘密があった。★★★
下村敦史『見えない刃』。最近、やたらと性犯罪のニュースを耳にする。世の中、おかしなことになっているな。ある日、刑事課長に呼ばれた明澄祥子は性犯罪を専任することを命ぜられる。東堂とコンビを組んで性犯罪の捜査に乗り出した明澄が見た現実とは。★★★★
長浦京『シスター・レイ』。最近、注目している作家の短編。フランス帰りで予備校の講師という能條玲という謎の美女が主人公。玲は半グレ集団のトラブルに巻き込まれた知人の家族を救うために、果敢にも半グレ集団のアジトに乗り込む。★★★★
柚月裕子『聖』。最後の最後に納得のいくレベルの短編が収録されていてほっとした。母親と自分を虐待し、母親と別れたろくでなしの父親に復讐するためにヤクザに憧れ、組事務所に出入りする少年・聖。中華料理店でアルバイトをしながら、神戸の金坂組のバッジをもらうチャンスを狙う聖は、組に出入りするサングラスをかけた迫力十分の男に弟子入りを懇願する。★★★★★
本体価格820円
★★★★