呉勝浩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
表紙に誘われて〜^^;
【道徳】
社会生活を営む上で、ひとりひとりが守るべき行為の規準(の総体)。自分の良心によって、善を行い悪を行わないこと。
なので、コイツらには関係ないかもしれん。守ってないし、良心ないし、善悪の判断できんみたいやし。
って、そう思う
善悪って何?
良心って?
守るって?
「しょせん、道徳なんてその程度、っていうのがぼくの結論。書き換えたり、書き戻したり、作者によって好きなように設定されるルールにすぎない…」
落ちぶれたビデオジャーナリストが、小学校で起きた殺人事件のドキュメンタリーの撮影を頼まれる。
「え?この事件、犯人捕まってるけど、何か変?」
疑問が疑 -
Posted by ブクログ
葉真中顕、中山七里、呉勝浩、深町秋生、下村敦史、長浦京、柚月裕子『警官の道』角川文庫。
7人の作家の短編を収録した警察小説アンソロジー。7人の作家全員が自分の好みというのはなかなかあり得ないことだ。読んでみれば、柚月裕子の『聖』がピカイチで後は平凡な短編ばかりで、少しがっかりした。
葉真中顕『上級国民』。本作に描かれる刑事事件とされなかった交通死亡事故は、2018年に東京都港区で起きた元東京地検特捜部長による自動車死亡事故を思い出す。実際にこういうことはありそうだ。90歳の佐々木嘉一が交通事故で亡くなった。しかし、車を運転していた谷田部洋は逮捕されなかった。その裏には驚愕の事実が隠されて -
Posted by ブクログ
江戸川乱歩賞選考にあたって審査員も紛糾(というか池井戸潤氏が厳として異議を唱えたようだが)し修正のうえ正式受賞となったいわくつきの作品。T県鳴川市で起こった現在と過去の事件。2つの事件を交錯させながらビデオジャーナリスト伏見の視点で真相に迫る。
本作で描かれるのは人間の持つ狂気と根源的欲望。以降の呉作品に通ずるテーマである。自分の都合の良いフィルターを通して解釈する世界は本当に正しいのか?自分の常識は他人の非常識なのではないか?道徳は「みんなくん」というスケープゴートの無邪気な悪意ではないか?池井戸氏の指摘通り衝撃度を優先するあまり人物や動機の描き方が些か甘い点は否めない。特に2つの事件の犯 -
購入済み
道徳よりも
恥の文化と、罪の文化の一文に
ハっとしました。
内容は悲しい話です
何を道徳と言うのか?
話の中心は本当の犯人はどっちなのか?
で進んで行きますが、そこは伏線に過ぎず
監督が妹さん?なんて気付きながらも、と、
またまた予想を裏切るどんでん返し
総じて重いめの内容なのでレビューも低めなのかなぁ。 -
購入済み
評価低め
ですが、著者専売の刑事と事件の読み物で
著者さんの作品を読み漁ってきましたが、
読み易かったです。
最後の書き下ろし作品は、他の方のレビュー
にもありますが、登場人部が多くてわかり難い
ことへの解いでもあり、無理に登場人物を理解
する必要もない潔よさを教えられました。
-
Posted by ブクログ
幼少期に隙間に嵌る愉しみを知った彼女が、成長して男性に抱擁されると… 呉先生の短編集 #素敵な圧迫
昨年『爆弾』で直木賞候補、このミス1位をとった呉勝弘先生の短編集。どれも絶妙な切り口の犯罪小説で、多くは語らずに様々な社会問題に示唆してくる。オチの切れ味も鋭いし、ミステリーとしても文芸としても素晴らしい作品集でした。
■素敵な圧迫 ★超オススメ
少女時代に押入れの隙間にぴったりはまった感じが、密かな愉しみになってしまう。大人に成長した彼女は、ぴったりとはまった男性からの抱擁を求めるが…
この変態的な性癖、ちょっと理解できる(いい大人が言うとキモいな)。しかしよくよく噛み締めると、生きる意 -
購入済み
爆弾以来
著者の作品を読み漁っています
他にも同様の方は大勢いらっしゃると
想像するのは容易ですが。。。
今作はこれまで拝読した警察モノではなく
一瞬著者名を再確認しました、
が、思いもよらぬ伏線回収の羊遣いの答えは
当に著者の作品でした。
いつもの手の込んだミステリーに加えて、
社会性テーマも練り込まれた読み応え大の良作。
最後の解説で別作のレビュー点あまり良くないので
敬遠していた作品が挙がっていたので、やっぱり読むことにします。 -
購入済み
今作もなかなか
やられました。
最後に向かうまでの伏線、思いもよらない展開
全てに通じるマトリョーシカの意味。
良く考えられ、仕組まれた作品でした‥感心
今作は登場人物が多いので混乱する所もありますが
主要人物だけおさえ置けば読み進められ点も◯。 -
Posted by ブクログ
呉さんの著書はまだ3作品目ですが、スタイルは違えど共通して社会コミュニティの問題を取り扱われているのかなと。
他作品も読ませて頂く予定なので変わるかもしれませんが、『爆弾』『道徳の時間』『白い衝動』に限っては一般人と呼ばれる人間と、そこからはみ出したと言われてしまう人間との格差問題に対する提議を感じました。
殺人衝動に悩む少年と、殺人未遂を犯して出所してきた男。自身も過去に悩みながら彼らを救おうとする心理学者のお話です。
なので、心理学用語と治療法がばんばん出てきて苦手な方は疲れてしまうかも知れません。
ですが、素人でも分かりやすく、性善説と性悪説の曖昧さに確かに難しいよな…と考えさせら