呉勝浩のレビュー一覧

  • 白い衝動

    匿名

    購入済み

    難しかった。殺人衝動を持っているが、まだ人を殺してはない少年、過去に残虐な事件を起こして服役した男。少年の方はまだ救いがある気はするが、できるならやはり近寄りたくない人物。男の方は、今や今後どれだけ更生して反省しようと、事件が残酷すぎて許せない。今も苦しんで被害者や家族を思ってしまう、そんな男に救いの手を差し伸べる人間にも、軽蔑の目を向けてしまいそう。自分は未熟です。

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    2024年09月17日
  • 素敵な圧迫

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    短編集。

    『素敵な圧迫』 人の嗜好をどうこう言うつもりはないけど、なんかもう怖い。最終的にその圧迫がいいんだね。

    『ミリオンダラー・レイン』 一攫千金をきっかけに今の生活から抜け出したいという気持ちは分かるんだけどね…。想像がつかないほどの大きなものに支配されている感じ。掌の上で踊らされてるね。これは。

    『論リー・チャップリン』 父と息子のバトル。息子に勝つために"論破"する方法を学び、いざ勝負へ。微笑ましい。

    『パノラマ・マシン』 路地裏で見つけた不思議な物のせいで狂っていく。もともと持っていた狂気が、不思議な物のせいで表面に出てきただけなのかな?なんか嫌な感じの話。

    『ダニエル・

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    2024年08月15日
  • 白い衝動

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    殺人の衝動を抱えている少年と、無惨な事件を引き起こした男。理想と現実の間で揺れ動く心を抱えながら、彼らと対峙するスクールカウンセラー。
    彼らが幾層にも重なり合い、それぞれの思いや痛みを超えて柔らかく形を変えていく。『絶対悪はあるのか』を掘り下げ、内包する人間と社会は向き合うべきかと問題提起をする作品。

    異常犯罪者が刑期を終えて、自分の街で過ごしていると知って受け入れる事ができるか。私はきっと恐怖に震え、受け入れる事は難しいと思う。
    では排除・隔離・包摂、どの手段が適切なのか。とても難しい問題で、『どこまで他人を許容出来るのか』の答えは無いのかも知れない。

    最後の一行で驚きの事実が明らかにな

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    2024年08月09日
  • おれたちの歌をうたえ

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    栄光の5人組と呼ばれた連中がそれぞれ故郷を巣立って50年後、河辺に掛かってきた電話で物語が展開するが、殺されたサトシが残した暗号は何だったのか.子供時代の彼らが一人前のワルになって暗躍するが、何故かストーリーをつかめなかった.千百合さんの事件が当時の世相を反映していると感じた.在日の岩村家のような存在は普通だったが今はあまり顕在化していないようだ.

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    2024年06月09日
  • 蜃気楼の犬

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    これは好きな警察小説。
    ベテラン刑事の番場には掴みどころが無い。
    だけど間違いなく優秀で、事件を解決に導くための手法や着眼点には脱帽する。
    なのに、二回り歳下で身重の妻には弱く、常に彼女とその子供を最優先に考えている。
    この落差に番場の人間臭さが出ていて良い。
    今回の作品も面白かった。

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    2024年05月22日
  • 素敵な圧迫

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    「素敵な圧迫」はフェチに突き進み逆らう事が出来ない人間の本能的な情熱に突き動かされる思いが描かれていた

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    2024年04月24日
  • 白い衝動

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    ネタバレ

    かなり面白かった。
    確かに難しい部分もあったが、登場人物たちの心情が表れている部分も多く、なるほどと思わされる点も多かった。
    心理学の部分は専門用語も多く分かりづらかった。
    秋成・千早・入壱がどこで繋がるのか内心ドキドキしながら読むことができた。

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    2024年04月17日
  • 素敵な圧迫

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    ちょっと不思議な短編集。
    一見、こんなこと現実ではありえないかなって思ってしまうけど、でもコロナ禍でそれまで無意識に信じていたことや普通だと思っていたことがあっけなく覆ってしまって、そんな経験をした今、何が起こってもおかしくないという気がしていて、だからこそすんなりと受け容れられた。

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    2024年04月14日
  • 素敵な圧迫

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    呉さん作品 8冊目は
    表題作「素敵な圧迫」を含む6編の短編集

    【素敵な圧迫】
    「いい隙間を見つけると、胸がおどった」
    押し入れの隅っこ、布団の隙間。電源を落とした一人暮らし用の冷蔵庫。抱擁に似た、素敵な圧迫。
    体をピッタリと包み込む圧迫に取り憑かれた広美。
    大人になった広美は自分の体に肌にピタッと合う男 遼と出会う。いつまでも抱きしめていてもらいたかったが、婚約者が出来た遼は別れ話を匂わせてきた_。

    わかるぅ。押し入れ好きだった。中学の修学旅行で友達と「ドラえもんごっこ」とか言って朝まで押し入れで寝たら キツくて次の日体がミシミシ痛かった思い出 笑

    こんなピターっとくる男性、そうそう手放

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    2024年04月12日
  • 素敵な圧迫

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    ネタバレ

    7 books to go!読友さんの感想を受けて、初の呉勝浩作品。どれも尖ったパーソナリティを持つ登場人物、さらに熱量を感じる作品ばかり。表題作、『素敵な圧迫』は「紫のスカートの女」を彷彿とさせる、やばい女性の性癖。密閉・圧迫が大好き。押入れの隙間に収まりたい願望。大学での1人暮らしで冷蔵庫の中でジッと圧迫を感じることが好き。不倫相手から抱かれる密閉感が大好き。その不倫相手から別れを言われ。。。彼女があれこれ別れまいと工作する。しかし相手から殺されそうになる!ゾゾゾーーー。ボクサーのお話しも最後に!!④

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    2024年04月10日
  • 素敵な圧迫

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    表題作の『素敵な圧迫』と『ダニエル・《ハングマン》・ジャービスの処刑について』が面白かった。

    『素敵な圧迫』は狭い場所や圧迫感に幸福を感じる性癖を持つ女性が主人公。取引先の男性と肉体関係を持つようになりその男性の身体の重みや肌質などの圧迫感に虜になるが、彼には資産家令嬢の婚約者がいて───という話。設定も突飛なのだが、その後予想もしないような展開になるのが面白かった。なるほど、そっちか!
    『ダニエル・《ハングマン》・ジャービスの処刑について』は、ある一人の天才ボクサーの半生を描く自伝小説の形態を取る。普通に面白く読んでいると最後にミステリ的な仕掛けがあり、なるほどと唸った。こういう仕掛けがあ

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    2024年04月06日
  • 警官の道

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    上級国民:葉真中顕/許されざる者:中山七里/
    Vに捧げる行進:呉勝浩/クローゼット:深町秋生/
    見えない刃:下村敦史/シスター・レイ:長浦京/
    聖(あきら):柚月裕子

    作家もいろいろ 物語もいろいろ
    読んだことのない作家さん出会うのも おもしろい

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    2024年04月05日
  • 雛口依子(ひなぐちよりこ)の最低な落下とやけくそキャノンボール

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    めちゃくちゃでした。圧倒的な暴力と不快。
    登場人物たちの誰ひとりとしてまともじゃない。ひどい話です。
    でも、キャラとセリフが面白く顔を顰めながら笑ってしまい、スピード感に飲まれて先へ先へと読み進めました。
    主人公たちが映画『ベイビーわるきゅーれ』の二人で脳内再生されました。

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    2024年03月16日
  • 素敵な圧迫

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    呉さんの文章が好きだ。情景や心理や、とにかく様々なものをまざまざと思い描くことが出来る、描写の巧みさが好きだ。

    短編集でありながら、読みごたえがある。
    特にボクシングを題材にした「ダニエル・《ハングマン》・ジャービスの処刑について」では、ボクサーの身のこなしがみごとに再現されて実際の試合を見ているよう。

    うわ、嫌だなと思うような人間の描写もしかり。読み終えてドンヨリとしてしまうのは、とにかく引き込まれてしまうからなんだろうな。

    短編でありながら重ための話がほとんどだが、「論リー・チャップリン」は楽しんで読んだ。

    「ミリオンダラー・レイン」「Vに捧げる行進」の主人公にも好感が持てた。どち

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    2024年03月10日
  • 警官の道

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    警官も人。
    悩みもあれば間違いもする。
    そんな中でも信念をもって行動し生きている人はかっこいい。
    どの作家さんの作品も響きました。

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    2024年02月29日
  • 警官の道

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    ネタバレ

    「警官」という職業に焦点を合わせているのが面白い。するっと読むつもりだったのに、好きな作家が多すぎて没入。急いで読むことができなくて、思いのほか時間を要しました。

    まずひとつめの葉真中さんで掴みバッチリ。以降、コロナに寄せた話もちらほらあり、あまりに寄せすぎるのは私は苦手なのですが、世間がパニックになっている間に作家たちはなんとかこれに絡めた話を書けないものかと考えていたのだなぁと思ったりも。

    警官だって普通の人間。LGBTをカミングアウトする時期に悩む姿なども描かれ、その生き様が興味深い。

    柚月姐さん、好きです♪

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    2024年02月20日
  • 素敵な圧迫

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    世にも奇妙な物語を彷彿とさせるような不思議なお話をまとめた短編集。
    「素敵な圧迫」「ミリオンダラー・レイン」
    「論リー・チャップリン」「パノラマ・マシン」
    が私は好きでした。
    ちょっと間抜けで生きづらさを感じている、
    そんな人間臭い登場人物がまたいい。
    落ちもはっきりしていて、爽快感もある。
    この方の長編も読んでみたい。

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    2024年02月14日
  • 警官の道

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    警察小説の短編集
    葉真中顕、中山七里、呉勝浩、深町秋生、下村敦史、長浦京、柚月裕子
    今読まれているこの作家達の警察小説アンソロジーという事で、期待しまくって読み進めましたが・・・
    作品によって大きく好き嫌いがある感じですかね?中山七里と柚月裕子はさすがの面白さでしたが、長浦京は警察小説ですらなく、「リボルバー・リリーの現代版」の様相だし・・・
    他の方にも是非読んでいただき、感想を聞きたいです。

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    2024年02月01日
  • 白い衝動

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    面白かった、そして難しかった。
    どんな人にも人権があり、過ちを起こした人でも人権がある。それを包摂する社会の難しさ
    いや、諦めてもいいんじゃないか。諦めて孤独に耐える方がお互い幸せなのかもしれない

    他人を受け入れるってどういうことなのか
    なんか、時代に沿ってるな〜て気もした

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    2024年01月23日
  • 雛口依子(ひなぐちよりこ)の最低な落下とやけくそキャノンボール

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    アナーキーな作品タイトルに違わず国内の凶悪事件をまぜこぜにしたような相当胸糞悪い内容ではあるが、不思議な疾走感とポップさがある。読者を絶対的憂鬱かつ不愉快に導かない(いや、導かれてはいるか)、絶妙なバランス感覚を持った文章。記憶が風化しない程度の数年前と去年を交互に織り交ぜながら、物語が進んでいくと徐々に全容を現す展開はぐいぐい引き込まれる。結果精神的ダメージもあるが。呉氏のほか作品とは毛並みがやや異なり、一方で圧倒的理不尽さがここにはある。

    巻末付録の『毒母VSメンヘラ娘』も不快指数絶賛MAX状態。ご一読あれ。

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    2024年01月22日