呉勝浩のレビュー一覧

  • スワン

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    ネタバレ

    爆弾シリーズからこの作者に興味を持ったため拝読しました。

    理不尽によって引き起こされた悲劇、それに対しての各々の選択。その選択の結果しか周囲は知らず、当事者は悲劇の責任を求められる。
    現代社会においてもよくある事象ですが、この物語は本来断罪されるべき犯人たちが退場してしまっていることが悲劇をより深めています。
    遺族は怒りの矛先をどこにぶつければいいのか、責任を誰かに求めざるを得ない。特に終盤の転換点となるとある登場人物の心情は読んでいて心苦しかったです。
    この作者さんは人の悪意をどストレートに端的に書きますよね。あまりにも刺激的かつ痛烈であるがゆえに、どうしてもページを捲る手が止められません

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    2025年05月25日
  • スワン

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    冒頭の事件がメインと思いきや、事件後の関係者たちの物語。
    展開がどこに向かっているのかわからず、先が気になりページが進みます。

    人には二面性がありどちらか一方ではない。頭では理解していても、一方だけをみてしまいがち。
    えてして世間は一面性で人を判断する。

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    2025年05月21日
  • おれたちの歌をうたえ

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    ネタバレ

    パイセン本。『おれたちの歌をうたえ』とは、そういう事か。過去の出来事に囚われた男たちが、時を超えて再び向き合う姿を描き出す。登場人物たちが成長していく過程や、彼らが抱える葛藤に共感を覚えるとともに、青春の後悔や再生のテーマが心に響く。特に、主人公・河辺の人間らしさに目覚める瞬間は、読者に希望を与える。作中の文学的要素や暗号の謎解きも、物語に深みを加えており、単なる小説にとどまらず、知的好奇心も満たしてくれる。過去と現在をつなげる複雑な構成の中で、登場人物たちが自らの過去と向き合う様子は、人生の意味を考えさせられるものがある。ちょっと長くて時間が掛かったため、読後の達成感が半端ない。

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    2025年05月08日
  • スワン

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    ネタバレ

    無差別銃撃事件ということで、最初は読むのが辛い描写が多かった…

    あっという間にたくさんの人が亡くなり、犯人も自殺。この残酷な事件がこれ以上どう広がるのか?(もう謎も何もないし明らかやん)と疑問に思いながら読み進めました。

    中盤以降、お茶会で徐々に新たな事実が見えてきて、謎が謎を呼び、一気にミステリーの展開!
    ここからが面白かった。

    こんな緊急事態下では、
    人の言動は予測できないくらい複雑で、後になってその時の気持ちも状況も説明できないのは当然。
    でも、いろんな思いを自分の心の中に落とし込んで、前に進もうとするいずみの逞しさは、すごすぎる。

    無差別銃撃事件の謎ではなく、その緊急事態下で起

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    2025年04月27日
  • 道徳の時間

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    芸術家の自殺に関する謎、講演中に起きた殺人事件に関するドキュメント映画の制作、町で連続する悪質な悪戯などが同時進行し、やがて集約されていくまでの話。 正直、ミステリーだと思って読みすすめてたはずが、いや、大枠でミステリーなんだろうけど、自殺や悪戯などは特に目新しくもない感じで片付けられていったのが意外、ただし重厚な人間ドラマとして仕上がっていた。 正直個人的に合わない内容だったけど作者の力量でなんとか読ませていただいた感じ。 この作者の作品は網羅した方が良い

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    2025年04月03日
  • ロスト

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    ネタバレ

    誘拐事件が発生し、そこから犯人の意味不明な要求に振り回される警察と芸能プロの社長、コールセンター責任者etc.の物語。序盤で内容が把握できてないうちから登場人物によって場面が代わる代わる展開されていったので人間関係を整理するので精一杯になったけど、理解してからはほぼ一気読み。終盤であらゆる謎が解けてスッキリ。さらに「えっそんなオチ?」といった感想に対する返答のように最後にどんでん返しがあってなおスッキリ。良い読書が出来た。

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    2025年04月02日
  • 雛口依子(ひなぐちよりこ)の最低な落下とやけくそキャノンボール

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    登場人物のメチャクチャなキャラクター、容赦のない暴力。
    何をとっても和む要素なんて一つもない本書ですが、冒頭から最後まで途切れることない疾走感と気付けば依子や葵、リツカに感情移入させられてて、まんまとしてやられたなあと言うのが一番の感想。残酷な結末なのに、何故か最後の一行を読み終えた時の頑張れ!と言う気持ちは、素直に清々しいものでした。
    現実離れしてるけど、実際に社会で虐待や洗脳されてる人は少なからずいるはずで、そう考えると、ある意味では社会派ミステリと呼べるかもしれないとか思いました。

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    2025年03月22日
  • ロスト

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    コールセンター勤務の下荒地直孝、芸能プロ社長の安住正彦、生活安全課の鍋島道夫巡査部長、大阪府警捜査一課の麻生警部の4名の視点で物語が進む。村瀬梓が誘拐され犯人からの指示で身代金一億円を100人が100万円ずつそれぞれの指定された場所に持って行く。600頁の長編であるため途中まではなかなか進まず少々苦戦したけど、梓の安否が確認されて以降は怒涛の展開でほとんど一気読みでした。特に人物の描写が秀逸で一冊の中にたくさんの人生が詰まっていて読み応えは抜群。「この後も人生は続いていく」というセリフがグッときました。

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    2025年03月21日
  • スワン

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    無差別殺人自体、テンポ良くすすむ。テンポが良過ぎて不思議なほど悲しんだり怖がっていられない。そのおかげで悲劇の波はあとからあとから押し寄せてくる。いつ自分が殺されてもおかしくない極限状態の中での正義とはなんなのか。悪とはなんなのか。不条理な世間の渦に飲み込まれながらも立ち上がり一歩進もうとする少女の強さに心揺さぶられました。

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    2025年03月20日
  • これが最後の仕事になる

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    ネタバレ

    一生本を読んで暮らせるなら、
    人生と引き換えでもよいか?

    そこで得た報酬を娘たちに残し
    サラッと宇宙へ旅立てる?

    ふとそんなことを考えた。

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    2025年02月14日
  • 道徳の時間

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    パイセン本。「道徳の時間を始めます。殺したのは誰?」陶芸家の死亡現場で謎の落書きが見つかる。同じ頃、仕事に失敗し燻っていたビデオジャーナリストの伏見の元に、かつてある小学校で発生した殺人事件のドキュメント映画のオファーが舞い込む。道徳とは何か?「みんな」とは誰の事?今は子供を叱ると「心理的虐待」で通報される片側で、女性の尊厳を無視した性接待を強要し、その経緯や顛末も明かさないメディアもある昨今、一体何が正しいのか?という基準が人によって変わってしまう事の危機感。なんかタイムリーな内容で、読めてよかった。

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    2025年02月06日
  • 警官の道

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    どれも実力派の作家で、ハズレはありませんでした。中でも初読みの長浦氏は迫力を感じました。近い内に他の作品を読んでみようと思います。

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    2025年01月27日
  • これが最後の仕事になる

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    ネタバレ

    見たことのある名前の作家さんがたくさんの、ぜいたくな1冊。
    私は呉勝浩さんのお話が1番印象的だった。他の本にもあたりたいと思う。
    多崎礼さん、岸田奈美さん、米澤穂信さんは何作か読んだことがあり、短編でも“っぽさ”が出るなと感じる。様々な「これが最後の仕事になる」が読めて良かった。

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    2025年01月21日
  • スワン

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    ネタバレ

    ショッピングモールの銃乱射事件の話。
    臨場感あって面白かった。
    なんで2発撃たれたのかみたいな謎があった。

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    2025年01月14日
  • ライオン・ブルー

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    ハードボイルドの警察小説とでも言うか、謎解きよりも動機に焦点が当てられた一冊。
    登場人物はなかなか魅力的。主人公は耀司のはずなのに、最後には晃光の方が印象に残る不思議な感覚。それから、文庫版に一緒に掲載されてた短編も本編ときっちり繋がってて、読み応えあり。
    呉さんは、守備範囲広いなあ。

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    2024年11月29日
  • 蜃気楼の犬

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     「正義とか治安とか、そんなのは守りたい誰かがいて初めて成り立つんだ」

     元警察官は、かつての仲間がみてもひと目でわからないほど風貌が変わっていた。

     現場の番場と呼ばれる50歳の刑事は、二回り年下の嫁の妊娠で喜んでいたが、その嫁の精神不安定にだんだんと自分も不安定になっていく。
     その番場についている若手の船越とのコンビで事件を追う。

     バラバラ殺人に混ざった他人の指、
     交差点の真ん中に残った墜落死体、
     駅の階段から落ちて死んだ介護士、
     幼稚園の立てこもり犯、
     交差点を中心にして3人の犠牲者を出した連続狙撃殺人、
     ビリヤードに興じる4人の毒殺事件

     警察小説短編集。

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    2024年11月03日
  • 素敵な圧迫

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    ネタバレ

    短~中編6篇。特に何縛りとかはない。業が深くて濃ゆい話が多い。

    <面白かった編>
    ・「素敵な圧迫」
    表題作。
    隙間なくピッタリくる圧迫、の快感は分かる気がする。
    でもまさかそっちが本命になるとか思わなかったよ~。
    冷静で賢い広美はきっと存分に圧迫を楽しめると思う。そんでいつか来る終わりの日にも、止められない楽しみが終わってしまうことに歯嚙みはしても、自分の選択を後悔することはないんじゃないかなー。

    ・「論リー・チャップリン」
    「賢さはタダだから!」の一文に膝を打つと同時に、「それは『賢さ』じゃねぇ!!」と反論したくなる。まぁそれが本物かどうかなんて関係なくて、老若男女手に入れやすくて周りが

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    2024年09月22日
  • 雛口依子(ひなぐちよりこ)の最低な落下とやけくそキャノンボール

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    まさにやけくそキャノンボールだった。
    理不尽で暴力的でイカレてたけど、読後感は最高。
    ライトでエッジの効きまくった文体が気持ちよくて、内容はずっと最低だけど一気に駆け抜けちゃった。
    いままで読んだ呉先生のなかで登場人物たちが一番トんでた。独特な言い回しをマシンガンみたいにしゃべり倒す葵ちゃんとテンション低めなのにワードチョイス面白い依子(本人はそんなつもりないんだろうけど)の会話ずーーーーっと読んでいたかった。終盤の葵ちゃんの「運が良かったな、ここがブロンクスじゃなくて病院で!」が大好きだったので病院で人をボコった時には是非使わせてもらおうとおもいました。(そんな時こないけど)
    あと、わたしは

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    2024年09月20日
  • バッドビート

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    ネタバレ

    「やられっぱなしはつまんねえよ」

    ヤクザの下働きをする幼馴染のワタルとタカト。兄貴分に振られた仕事は簡単な荷運び……だったはずが気がつけば見知らぬ三人の遺体が。

    呉勝浩先生だからこそ面白くなってるけど、話だけだとちょっとパンチ足りない気もした。でも、わたしは文体や台詞回しがとにかく好きなので一気読みしちゃいましたね。タカト視点の時とか最高だな……って思ってたらタカトも「いやぁ……サイコー。」つってて更に最高になりました。
    キャラクター全員濃いから視点コロコロ変わっても混乱しないし、テンポが超よくて、普段小説読まないけど青年漫画すき~みたいな人も愉しめるんじゃないかな。
    跳ねっ返りのクソ

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    2024年09月20日
  • 白い衝動

    匿名

    購入済み

    難しかった。殺人衝動を持っているが、まだ人を殺してはない少年、過去に残虐な事件を起こして服役した男。少年の方はまだ救いがある気はするが、できるならやはり近寄りたくない人物。男の方は、今や今後どれだけ更生して反省しようと、事件が残酷すぎて許せない。今も苦しんで被害者や家族を思ってしまう、そんな男に救いの手を差し伸べる人間にも、軽蔑の目を向けてしまいそう。自分は未熟です。

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    2024年09月17日