呉勝浩のレビュー一覧
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爆弾シリーズから。
呉さんの作品は総じて群像劇だなと。
入れ替わり立ち替わりで視点が変わるので、より情報が煩雑になって面白い反面、おっちゃんが多いので何が何やらというところではあります(笑)あと本筋から外れますが大阪が舞台の作品なのに関西弁が少なくてちょっと物足りなさ感じたところもあります。
他作を引き合いに出して恐縮ですが、犯人の動機だったり事件にまつわる人々の心情など、他人や万人には理解し得ない感情とそれに対する葛藤が爆弾とも共通してるところであり、これこそ呉作品の真髄なのかなと思いました。
人間は多面的なものである、という。
他のコメントでもありましたが、三溝さんの「これからも事件 -
購入済み
ドリトス食べたくなりました
導入から占拠中の描写は緊張感があってめちゃくちゃ面白かったです。
徐々にあの人もこの人も登場してきて、今度は誰が出る?あの人は出るのか?と緊張でヒリヒリしながらもワクワクしながら読みました。
1番沸いたのはSSBCの彼が類家に電話をかけてきたとこですかね。
最後の爆破以降の流れはあっけない印象でちょっと拍子抜けだったのですが、次作への布石だと前向きに受け取りました。
前作の影の主人公は等々力だと思って読んでたんですが、今回は柴咲かなー。
ほんと「心の形」は人それぞれなんだなぁとしみじみしながら読了。次巻(あると確信してます)
が楽しみです。 -
購入済み
スズキタゴサクを憎めない悔しさ
映画からの原作です。
映画を見た際に、サスペンスというより群像劇だなと感じましたが、小説を読んでその印象はさらに強くなりました。
類家だけじゃなく、等々力、倖田、清宮、鶴久、それぞれエピソードを見せられて、誰しもがそれぞれの人生の主人公であり空っぽな人間なんていないのだと強く感じました。伊勢のエピソードもうちょっと深掘りしてほしかったー
そして誰しも主人公というのはスズキタゴサクにも当てはまることで、倫理観がぶっ壊れてること(それすら本当かわからないですが)をのぞけばとても人間味があり、ある意味魅力的な人物でした。
巻末の爆弾2の導入が良すぎてすでにキャスティングが気になっています(気 -
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『爆弾』シリーズで話題の呉勝浩の一作。
正直、個人的には爆弾よりも好みであった。
埼玉県東部に位置する架空の都市、湖名川市。
その顔とも呼べるショッピングモール『スワン』で無差別銃撃事件が発生。
死者21名、重軽傷者17名という未曾有の大惨事を
生き延びた高校生の片岡いずみ。
彼女は同じ事件の被害者で同級生の古舘小梢から
保身のために他人を見捨てたと暴露される。
被害者から一転して非難の的になったいずみの元に一通の招待状が届く。
5人の事件関係者が集められた「お茶会」の目的は、
同じ事件の被害者である吉村菊乃の死に関する謎を明かすことだった。
あらすじから漂う傑作の予感。その予感はズバリ的 -
Posted by ブクログ
またガラッと変わった作風で来ましたね、呉さん!
今回はSF!
私の大好物のディストピア!
『爆弾』である程度の知名度を獲得したから自由に書けているのかも、という線もありますがとにかく、文学色の濃かった『Q』の次にこれとは…
これだから呉さん布教委員会は止められない!!(皆さんのご入会を涎垂らしてお待ちしております)
ただ、本作が賛否両論なのも頷けます。
今回は格闘ゲーム観戦がお好きな呉さんが、主人公の趣味として格闘ゲームを出すだけだったのが、書いて行くうちにどんどん話の肝になって行った為に、それはもう呉さんの格闘ゲーム愛が爆発している訳です。(うまいこと言った、爆弾だけに)
練習シーンもそれ -
Posted by ブクログ
スワン
久しぶりに正統な「悲劇」を読むことができた。ミステリーやサスペンスではなく、正しくクラシカルな「悲劇」の様相を取り入れた作品だ。
冒頭から商業施設での大量殺人がおこり、その後被害者となった人達の関係者にスポットがあたるが、被害者である彼らの事件後の人生が明るみになるに連れ人間の醜い部分、嫌な部分が少しずつ明かされていく。
結末についていろいろと邪推してしまったが、更に上をいくエンディングに衝撃をうけた。
この作品は冒頭以降を説明すると面白さが目減りする様に思うので詳しくは描かない、被害者であるいずみが事件を受けてどの様に変わっていくのかを是非楽しんで欲しい。
主人公のいずみが知ってい -
Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
澤登耀司は同期の現職警察官失踪事件の真相を探るため獅子追交番に赴任してきた。
過疎化した田舎町はある権力者一族に牛耳られており、同期失踪の真相を探る中で耀司は街を二分する開発計画に巻き込まれていく。
そして、失踪した同期の拳銃で開発反対派のヤクザが射殺されるという事件が起きる。
・感想
ううう…呉先生の作品ってどれもおもしろくってすごい。
読んでる時ずっとヒリヒリしてた。
爆弾は常識や倫理という線の上をたまに踏み外しながらも踏ん張りつつ「己の正義」を生きる刑事たちがいたけど、今作の耀司君は「己の役割」を果たすためだけにこれからも生きていくんだろう。
毒を食らわば皿まで。しがらみ -
Posted by ブクログ
ネタバレこの子が16歳なのがすごいと思った。強すぎる。
呉さんの本は、色んな立場の人がいろんな場面で何かをしてしまうそれを世間では罪と言われるけど本当に?
ってところに光を当てることが多いのかな、と、爆弾を読んだ時に思い、こっちの作品の方がそれがもっと細かく描かれていると感じた。
個人的に炎上とかあんま興味ないから人々のバッシングがどんなに酷いのか分からないからかもしれないけど、16歳の被害者である少女に対してこんな責め方を日本と言う国はするのだろうか、とゆーのが最初に気になってしまった。
そんな酷い国じゃないと思うんだけど,未成年に対して、てかこの子普通に被害者すぎるからって思っちゃったから、最初そ -
Posted by ブクログ
とても面白かった
犯人たちの銃殺シーンが淡々のすすむ様を重々しく描くのではなく、擬音や鼻歌、映画に例えており、
短時間で逃げ惑う人たちが次々に撃たれていくのが目にイメージできて恐ろしく感じた。
その中でも、火事の警報の時は割とすぐみんな避難できるのに、目の前に銃を構えられると動けなくなるのは、銃という具体的な死を強く感じてしまうためなのかと考えさせられ、描写の緻密さに驚いた。
死や危機に迫るときのその場その場の決断の結果がどうなっても、あとから外野や自分自身が責めたとしてもやっぱりその時はどうしようもなくて、その後も簡単に解決することはできないんだ、、抱えていくしか無いのか、、という感情 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・あらすじ
・感想
面白くって一気読みしてしまったーーーー。
さすが呉先生…。
呉先生の作品はまだ爆弾シリーズとこの作品しか読んだことないんだけど、爆弾は正直50回以上読んでると思う。
普通の人々と社会の外に生きる人と人間なんて残酷で身勝手で醜いと諦めた人間とその残酷さからも綺麗事からも逃げない人間と気高い信念を持った人間たちが描かれてて、私は何かあるたびに(何もなくても)爆弾を読む日々を過ごしてるんだけど、きっとこのスワンも同様に何度も読み返すと思う。
呉先生の人間への信頼とか希望の書き方が好きなんだよなーー。
白と黒、バレエ、白鳥の湖というキーワードとアイテムを巧みに使ってて、疑心暗鬼 -