呉勝浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
わたしの人生は、わたしの唯一の財産。
前作「爆弾」を読んでから、この本を読むことを強くお薦めします。前作を凌ぐほどの面白さで、冒頭数ページで世界に入り込めます。
ストーリーもキャラクターも全然違うのに、「羊たちの沈黙」のレクター博士が、なぜか頭に浮かんだ。試しに「爆弾」「羊たちの沈黙」で検索してみたら、作者の呉勝浩さんのインタビューがヒットした。「爆弾」は、「ダイ・ハード3」のクイズと爆弾テロという骨格に「羊たちの沈黙」の圧倒的な悪役を組み合わせたものということでした。なるほど納得、深く腑に落ちました。
前作に続き同じ登場人物たちが出てくるところもいい。また続編がありそうなので、次回も期 -
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前作に負けず劣らず面白かった。
今作もスズキタゴサクが嘲り、嘯き、弄ぶ。そして類家が閃き、見抜き、切り返す。法律スレスレのラインを越えながら。その上何と言っても、今作の主犯はスズキタゴサクではなく、彼は間違いなく脇役に過ぎない。それなのに端役に留まらず圧倒的な存在感を残す今作は前作以上に作者の力量を感じた。
類家は今作も後手に回らざるを得ない圧倒的に不利な状況を強いられながらも真相に執念で喰らい付いていく。前作の清宮では出来なかった制御役を新キャラの高遠が務める。旧キャラも新キャラも魅力が余すことなく詰まっている。
血流が粟立つ読後感だった。今作も映像化が待ちきれない。 -
Posted by ブクログ
「誰か、先生にとって邪魔な人間はいませんか?」
「え?」
「ぼくに、その人を殺させてくれませんか?」
「答えは出た?」
「はい。『美しい』は、自分より上位のものに向けられる気持ちなんだと気づきました」
「上位?」
「そうです。芸術作品も、大自然も、動物も、ぼくたちより強いものだと思うんです。自分では届かないもの、かなわないもの。ひれ伏す感じ、というか」
「たしかに、神様に向かって『かわいい』とは言わないかもね」
「神は『美しい」ですよね。だって、ぼくらの生殺与奪を握っているから。だったら『かわいい』は、自分より下位なんじゃないかって思うんです。自分の支配下にあって、自分には害がなくて、その気 -
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おもしろい
少し前に好評なSF小説に挫折したばっかりですが
こちらは完読
とても愉快痛快おもしろかったです
超オススメ
格ゲーはよくわかりません -
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ネタバレ・あらすじ
13年前に鳴川第二小学校でカリスマ教育者刺殺事件が起こる。
犯人である向晴人は「これは道徳の問題なのです」という一言以外の黙秘を貫き、懲役15年の判決が下る。
伏見は世界中を飛び回るフリーカメラマンだったがある不祥事を起こし鳴川市で妻子と共に暮らしていた。
山奥で世捨て人同然に暮らしていた陶芸家青柳南房の自殺と市内で立て続けに起こる悪質な傷害事件。
それぞれの現場には13年前の事件を彷彿とさせるメッセージが残されていた。
ディレクター越智冬菜から13年前の鳴川事件のドキュメンタリー映画のカメラマンをしないかという打診を受けた伏見。
撮影を続ける中で彼女の映画にかける執念や自分の -
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ネタバレ第三部以降、かなりのスピード感。終盤にかけてのたたみかけがうまく、映画や漫画でもそうだが様々な伏線を飲み込んでいくうねりがある作品だった。
一部、細かい部分で言えば気になることもあるが、小さい事が全く気にならないほどストーリーに飲み込まれる。この作品は結局、ハチの物語なのか、キュウの物語なのか、それともロクの人生か、はたまたタテキが主人公なのかとそれぞれがそれぞれの役割をきちんと演じ切っている。
一方で問題が何も解決していないモヤモヤが残る。なんでも結論づける事が正しいとは思わないし、一定の不確定要素がある方が物語が深く、濃くなる事がある。今作は一瞬の熱量に充てられて誤魔化されているが、通り -
購入済み
爆弾シリーズから。
呉さんの作品は総じて群像劇だなと。
入れ替わり立ち替わりで視点が変わるので、より情報が煩雑になって面白い反面、おっちゃんが多いので何が何やらというところではあります(笑)あと本筋から外れますが大阪が舞台の作品なのに関西弁が少なくてちょっと物足りなさ感じたところもあります。
他作を引き合いに出して恐縮ですが、犯人の動機だったり事件にまつわる人々の心情など、他人や万人には理解し得ない感情とそれに対する葛藤が爆弾とも共通してるところであり、これこそ呉作品の真髄なのかなと思いました。
人間は多面的なものである、という。
他のコメントでもありましたが、三溝さんの「これからも事件 -
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ドリトス食べたくなりました
導入から占拠中の描写は緊張感があってめちゃくちゃ面白かったです。
徐々にあの人もこの人も登場してきて、今度は誰が出る?あの人は出るのか?と緊張でヒリヒリしながらもワクワクしながら読みました。
1番沸いたのはSSBCの彼が類家に電話をかけてきたとこですかね。
最後の爆破以降の流れはあっけない印象でちょっと拍子抜けだったのですが、次作への布石だと前向きに受け取りました。
前作の影の主人公は等々力だと思って読んでたんですが、今回は柴咲かなー。
ほんと「心の形」は人それぞれなんだなぁとしみじみしながら読了。次巻(あると確信してます)
が楽しみです。 -
購入済み
スズキタゴサクを憎めない悔しさ
映画からの原作です。
映画を見た際に、サスペンスというより群像劇だなと感じましたが、小説を読んでその印象はさらに強くなりました。
類家だけじゃなく、等々力、倖田、清宮、鶴久、それぞれエピソードを見せられて、誰しもがそれぞれの人生の主人公であり空っぽな人間なんていないのだと強く感じました。伊勢のエピソードもうちょっと深掘りしてほしかったー
そして誰しも主人公というのはスズキタゴサクにも当てはまることで、倫理観がぶっ壊れてること(それすら本当かわからないですが)をのぞけばとても人間味があり、ある意味魅力的な人物でした。
巻末の爆弾2の導入が良すぎてすでにキャスティングが気になっています(気 -
Posted by ブクログ
『爆弾』シリーズで話題の呉勝浩の一作。
正直、個人的には爆弾よりも好みであった。
埼玉県東部に位置する架空の都市、湖名川市。
その顔とも呼べるショッピングモール『スワン』で無差別銃撃事件が発生。
死者21名、重軽傷者17名という未曾有の大惨事を
生き延びた高校生の片岡いずみ。
彼女は同じ事件の被害者で同級生の古舘小梢から
保身のために他人を見捨てたと暴露される。
被害者から一転して非難の的になったいずみの元に一通の招待状が届く。
5人の事件関係者が集められた「お茶会」の目的は、
同じ事件の被害者である吉村菊乃の死に関する謎を明かすことだった。
あらすじから漂う傑作の予感。その予感はズバリ的