呉勝浩のレビュー一覧
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Netflix版のキャストが頭に入った状態で読むと、もう完全に脳内再生されるタイプの小説だった。特に伊藤沙莉のサラ役は本当にハマり役で、セリフのテンポ感とか表情まで自然に浮かんでくる。映像を見たあとだからこそ、情景が異常にクリアだった。
ただ、その一方で「ここまで半年も準備して、人生を全部かけて事件を起こすなら、もう宅建でも取って普通に不動産会社で働いたほうが、2人とも幸せだったんじゃないか……」とも思ってしまった。努力の方向が完全に破滅へ向かっていて、その真面目さが逆に痛々しい。犯罪者って衝動的というより、“変に勤勉”なんだなと感じる作品だった。あと、こんなところでくすぶっている犯罪者はこ -
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暴行事件で取調を受けていたスズキタゴサクは霊感を使えると爆破の予告する。予告は現実になる。さらに三度爆破は起こると予告。警視庁特殊犯係の交渉術を学んだ清宮と類家は次の爆破情報を聞き出そうとする。スズキタゴサクは愚鈍そうな見た目の卑屈な男である。というのは擬態であり、実は知能が高く博識の愉快犯で、しかも饒舌である。それらを清宮は見抜いて、あえて誘いに乗ったが爆破を阻止できず、逆に暴行を扇動されてしまう。自身は下等で他者を見下さない平等主義者だと言い。社会の建前は命は平等であると言いながら、命に格差が存在している欺瞞を証明した。しかし、全体的に幼稚な主張でもある。類家に対しては正直だからこそ嘘つき
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「誰か、先生にとって邪魔な人間はいませんか?」
「え?」
「ぼくに、その人を殺させてくれませんか?」
「答えは出た?」
「はい。『美しい』は、自分より上位のものに向けられる気持ちなんだと気づきました」
「上位?」
「そうです。芸術作品も、大自然も、動物も、ぼくたちより強いものだと思うんです。自分では届かないもの、かなわないもの。ひれ伏す感じ、というか」
「たしかに、神様に向かって『かわいい』とは言わないかもね」
「神は『美しい」ですよね。だって、ぼくらの生殺与奪を握っているから。だったら『かわいい』は、自分より下位なんじゃないかって思うんです。自分の支配下にあって、自分には害がなくて、その気 -
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おもしろい
少し前に好評なSF小説に挫折したばっかりですが
こちらは完読
とても愉快痛快おもしろかったです
超オススメ
格ゲーはよくわかりません -
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ネタバレ・あらすじ
13年前に鳴川第二小学校でカリスマ教育者刺殺事件が起こる。
犯人である向晴人は「これは道徳の問題なのです」という一言以外の黙秘を貫き、懲役15年の判決が下る。
伏見は世界中を飛び回るフリーカメラマンだったがある不祥事を起こし鳴川市で妻子と共に暮らしていた。
山奥で世捨て人同然に暮らしていた陶芸家青柳南房の自殺と市内で立て続けに起こる悪質な傷害事件。
それぞれの現場には13年前の事件を彷彿とさせるメッセージが残されていた。
ディレクター越智冬菜から13年前の鳴川事件のドキュメンタリー映画のカメラマンをしないかという打診を受けた伏見。
撮影を続ける中で彼女の映画にかける執念や自分の -
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ネタバレ第三部以降、かなりのスピード感。終盤にかけてのたたみかけがうまく、映画や漫画でもそうだが様々な伏線を飲み込んでいくうねりがある作品だった。
一部、細かい部分で言えば気になることもあるが、小さい事が全く気にならないほどストーリーに飲み込まれる。この作品は結局、ハチの物語なのか、キュウの物語なのか、それともロクの人生か、はたまたタテキが主人公なのかとそれぞれがそれぞれの役割をきちんと演じ切っている。
一方で問題が何も解決していないモヤモヤが残る。なんでも結論づける事が正しいとは思わないし、一定の不確定要素がある方が物語が深く、濃くなる事がある。今作は一瞬の熱量に充てられて誤魔化されているが、通り -
購入済み
爆弾シリーズから。
呉さんの作品は総じて群像劇だなと。
入れ替わり立ち替わりで視点が変わるので、より情報が煩雑になって面白い反面、おっちゃんが多いので何が何やらというところではあります(笑)あと本筋から外れますが大阪が舞台の作品なのに関西弁が少なくてちょっと物足りなさ感じたところもあります。
他作を引き合いに出して恐縮ですが、犯人の動機だったり事件にまつわる人々の心情など、他人や万人には理解し得ない感情とそれに対する葛藤が爆弾とも共通してるところであり、これこそ呉作品の真髄なのかなと思いました。
人間は多面的なものである、という。
他のコメントでもありましたが、三溝さんの「これからも事件 -
購入済み
ドリトス食べたくなりました
導入から占拠中の描写は緊張感があってめちゃくちゃ面白かったです。
徐々にあの人もこの人も登場してきて、今度は誰が出る?あの人は出るのか?と緊張でヒリヒリしながらもワクワクしながら読みました。
1番沸いたのはSSBCの彼が類家に電話をかけてきたとこですかね。
最後の爆破以降の流れはあっけない印象でちょっと拍子抜けだったのですが、次作への布石だと前向きに受け取りました。
前作の影の主人公は等々力だと思って読んでたんですが、今回は柴咲かなー。
ほんと「心の形」は人それぞれなんだなぁとしみじみしながら読了。次巻(あると確信してます)
が楽しみです。