呉勝浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公は堤下与太郎、30にして既に薄毛、収入は中流。この実に普通の与太郎目線で話が進むので、感情移入はしやすいけど、近未来SFなところとか、格闘ゲームをしているところとか、するすると読めず、脳内で考えると眠ってる→読み進める→考える→寝る、と繰り返して読破するのに460ページのボリュームと相まってなかなか苦労しました。でも、与えられた世界観や、考えさせられることは多く、読んで良かったです。面白いと感じられる読み手を選ぶ本だと思います。ヒーローも薄毛で格好良くないし、ヒロインもジューシーさんというのですが、普通のヒロインタイプではなく、口が悪い。あ、でもジューシーさんは格好良いです。与太郎は天才
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ネタバレ
映画より原作が上!
2025年12月読了。
原作未読のままで映画を観たのたが、これだけの原作量に対して、圧倒的に尺(時間)が足りなかったため、山田くんのセリフが終盤へ向かうにつれて早口言葉のように速く成ってしまい、正直ストーリーに付いていくのが精一杯な感じで終幕となり、消化不良感満載で原作を読み始めた。
やはり謎解きのロジックはゆっくり分かりやすく説明してもらわないと「???」の連続に成ってしまう。その点でせっかく好演していた佐藤二朗の役どころがよく見えていなかったのが、原作を読んで非常に腑に落ちた感があった。
とは言え、原作にも全く瑕疵が無いとは言えない。山田くんが扮した類家の推理は、仮定や拠り所の薄い土台で -
Posted by ブクログ
映画を観たので原作も読んでみた。500ページ近くあったけど、映画さながらの緊迫感がありめちゃめちゃおもしろかった
映画だと登場人物それぞれの内面の描写が少なかったけど、小説だとそこにページが割かれていて、行動の動機や心情の変化がよくわかった
特に映画から印象が変わったのは清宮で、映画のほうがソフトな感じだったな
ページにぎゅうぎゅうに字が詰め込まれているが、会話劇と話の展開に臨場感があるのでたくさん読める!と興奮した
映画を観たあとなので、タゴサクが佐藤二朗さんでしか想像できなかったし、類家も山田裕貴さんだった
続編の『法廷占拠』も読みたい -
Posted by ブクログ
ネタバレ『爆弾』の続編。今回はタゴサクは脇役。主人公の柴咲奏多の話を聞いて社会問題として考えさせられることが多かった。
以下、タゴサクについてネタバレあり。
タゴサクは序盤はうざくて、その後しばらくは存在感なし。終盤になって本領を発揮する。前作の『爆弾』でも思ったが、絶対にバカではない。なんだったら学歴もありそう。
今回、タゴサクの言葉で心の残ったのは、「勝手に期待されて、勝手に利用されて、勝手にがっかりされるのは、もう飽きました。こりごりです。」重いな。
ラストはタゴサクに考えるところができたみたい。
これまでは「命なんて惜しくありません。」というスタンスだったが(どこまで本心かは不明だが)、「