呉勝浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ爆弾シリーズからこの作者に興味を持ったため拝読しました。
理不尽によって引き起こされた悲劇、それに対しての各々の選択。その選択の結果しか周囲は知らず、当事者は悲劇の責任を求められる。
現代社会においてもよくある事象ですが、この物語は本来断罪されるべき犯人たちが退場してしまっていることが悲劇をより深めています。
遺族は怒りの矛先をどこにぶつければいいのか、責任を誰かに求めざるを得ない。特に終盤の転換点となるとある登場人物の心情は読んでいて心苦しかったです。
この作者さんは人の悪意をどストレートに端的に書きますよね。あまりにも刺激的かつ痛烈であるがゆえに、どうしてもページを捲る手が止められません -
Posted by ブクログ
ネタバレパイセン本。『おれたちの歌をうたえ』とは、そういう事か。過去の出来事に囚われた男たちが、時を超えて再び向き合う姿を描き出す。登場人物たちが成長していく過程や、彼らが抱える葛藤に共感を覚えるとともに、青春の後悔や再生のテーマが心に響く。特に、主人公・河辺の人間らしさに目覚める瞬間は、読者に希望を与える。作中の文学的要素や暗号の謎解きも、物語に深みを加えており、単なる小説にとどまらず、知的好奇心も満たしてくれる。過去と現在をつなげる複雑な構成の中で、登場人物たちが自らの過去と向き合う様子は、人生の意味を考えさせられるものがある。ちょっと長くて時間が掛かったため、読後の達成感が半端ない。
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Posted by ブクログ
ネタバレ無差別銃撃事件ということで、最初は読むのが辛い描写が多かった…
あっという間にたくさんの人が亡くなり、犯人も自殺。この残酷な事件がこれ以上どう広がるのか?(もう謎も何もないし明らかやん)と疑問に思いながら読み進めました。
中盤以降、お茶会で徐々に新たな事実が見えてきて、謎が謎を呼び、一気にミステリーの展開!
ここからが面白かった。
こんな緊急事態下では、
人の言動は予測できないくらい複雑で、後になってその時の気持ちも状況も説明できないのは当然。
でも、いろんな思いを自分の心の中に落とし込んで、前に進もうとするいずみの逞しさは、すごすぎる。
無差別銃撃事件の謎ではなく、その緊急事態下で起 -
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