呉勝浩のレビュー一覧
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作品紹介・あらすじ
最初の1行は全員一緒。
1編6ページ、24種の「最後の仕事」。
早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。
ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。
『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第三弾。
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24編からなるショートショート集。
Mephisto Readers Club(MRC)が贈る大好評シリーズ第3弾とのこと。第6弾の「それはそれはよく燃えた」をまず読んだので、次はこれということで -
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私はそもそも剥き出しの暴力が描かれた作品は苦手だ。
どうして彼女は虐げられ、誰かのために獣となり、嗤うんだろう。痛い。苦しい。
そんな中で、上巻を読みながら、何度リタイアしようと思ったか分からない。
ハチが、どうしようもない生活の中で、「仕事」をこなして人の生をまっとうする姿が単純に好きだ。
裏切られることに慣れる中に、嘘だと思っていた真実もあった。
そんな些細な本当に、彼女は多分支えられている。
そして、圧倒的に持てる者であるキュウは、どんな眼差しでハチを見ているんだろう。
神様は、創る力も壊す力も強大で、無自覚だ。
でも、神様は神様の座から降りることは出来ない。
ハチの元を訪れ、陥 -
Posted by ブクログ
呉勝浩の作品。ノワール的な要素が強く、終始暴力の匂いが立ち込める。僕は臆病なので作中の暴力行為はあまりにも壮絶でかなり重たく受け取ってしまった。
主人公のハチ、義姉のロク、そして義弟のキュウととある姉弟の物語であるがそれぞれがあまりにも世間からぶっ飛んだ生き方をしており、主に主人公であるハチの感情を通して彼女の人生、生き様を描いている。彼女はずっと幸せになる事は無いだろうし、上巻が続くにつれてどんどん堕ちていく。余りにも不幸だが、彼女にとってキュウこそ全てであり、彼の成功こそが全てという一筋が彼女の強さを表している。しかし、とある打ち開けにより彼女の想いは一変、余りにも辛すぎる真実である。下巻 -
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主人公は堤下与太郎、30にして既に薄毛、収入は中流。この実に普通の与太郎目線で話が進むので、感情移入はしやすいけど、近未来SFなところとか、格闘ゲームをしているところとか、するすると読めず、脳内で考えると眠ってる→読み進める→考える→寝る、と繰り返して読破するのに460ページのボリュームと相まってなかなか苦労しました。でも、与えられた世界観や、考えさせられることは多く、読んで良かったです。面白いと感じられる読み手を選ぶ本だと思います。ヒーローも薄毛で格好良くないし、ヒロインもジューシーさんというのですが、普通のヒロインタイプではなく、口が悪い。あ、でもジューシーさんは格好良いです。与太郎は天才
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ネタバレ
映画より原作が上!
2025年12月読了。
原作未読のままで映画を観たのたが、これだけの原作量に対して、圧倒的に尺(時間)が足りなかったため、山田くんのセリフが終盤へ向かうにつれて早口言葉のように速く成ってしまい、正直ストーリーに付いていくのが精一杯な感じで終幕となり、消化不良感満載で原作を読み始めた。
やはり謎解きのロジックはゆっくり分かりやすく説明してもらわないと「???」の連続に成ってしまう。その点でせっかく好演していた佐藤二朗の役どころがよく見えていなかったのが、原作を読んで非常に腑に落ちた感があった。
とは言え、原作にも全く瑕疵が無いとは言えない。山田くんが扮した類家の推理は、仮定や拠り所の薄い土台で -
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胸糞悪い、その一言に尽きる。
雛口依子は金髪の葵ちゃんからある依頼を受ける。
葵の兄・浦部くんが犯人とされ、依子が被害者となった
三年前の猟銃乱射事件のルポを共に書こうというのだ。
依子と葵、理不尽な世間に押し潰されてきた二人は、
取材のためかつて依子が住んでいた『三角屋根の家』を訪ね、
あの事件の奈落に向き合うが。
物語は現在・去年・四年前という三つの構成で繰り広げられ、
冒頭からエンジンはフルスロットルという感じで進んでいく。
中盤でそのフルスロットル具合が全く別の意味を為していた事に気付く。
序盤で提示された謎は、違和感に変わり、
兄の家庭内暴力に苦しんでいた雛口家という構図は、
全 -
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自分の家の隣に住む人が凶悪な殺人鬼だったら私たちは何を思いどうするのだろうか。
その殺人鬼はすでに服役し刑期を終えている。そいつを私たちは受け入れるべきか拒絶するべきか。
主人公の千早は前者の立場をとる。心理カウンセラーである彼女は、過去に凶悪な事件を犯した殺人鬼・入壱要を「受け入れるべきだ」と考える。すでに刑に服したのだから自分らと同じく対等に扱うべきだと。
要は何らの精神疾患を患っているわけではない。責任能力がある「健常者」である。しかし彼の中には常人には理解し難い欲求がある。つまり、「健常者」の中の「異常者」なのだ。
健常と異常を分つものが何であるかはわからない。その線引きは大変にグレー