【感想・ネタバレ】Q 上巻 覚醒前夜のレビュー

あらすじ

あの子の輝きに、生かされている。

千葉県富津市の清掃会社に勤めるハチこと町谷亜八は、過去に傷害事件を起こし執行猶予中の身。ようやく手に入れた「まっとうな暮らし」からはみ出さぬよう日々を生きている。唯一の愉しみは祖父の遺したアウディでアクアラインを走ることだった。ある日、血の繋がらない姉・ロクから数年ぶりに連絡が入る。二人の弟、キュウを脅す人物が現れたという。
キュウにはダンスの天賦の才があった。彼の未来を守るため、ハチとロクは、かつてある罪を犯していた。折しも華々しいデビューを飾りキュウは急速に注目を集め始めたところである。事件が明るみに出ればスキャンダルは避けられない。弟のため、ハチは平穏な日々から一歩を踏み出すことを決意するのだが……。
一方、ロクの同棲相手である本庄健幹は彼女の行動に違和感を覚えだす。言いようのない不安を解消するため、健幹はロクの故郷・富津に向かった。あてもなく情報を探るうち、首に刺青を入れた男と出会う。彼もまた、町谷の家を探していた。
抗えない圧倒的な〈現実〉、そして守るべき日常。そのなかでそれぞれの愛を貫こうとする人々。コロナ禍の日本を舞台に突如現われたカリスマをめぐる、最高速度の物語。

※この作品は過去に単行本として配信されていた『Q』 の文庫版となります。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

帯と作者に惹かれて書店で衝動買い!で、アタリました!退廃的な雰囲気を纏った世界観の下、血のつながっていない3人の兄妹を中心としたストーリー。しっかり者のロク、執行猶予中のハチ、芸能事務所に所属するキュウ、この3人の個性が際立っていて、いずれも危ういところがあり、そこがよかったです。「才能は持って生まれたものではなく、自分にふさわしいものに出会えること」とのこと。その才能を持つキュウをスター?にするために、ロクとハチの異常なまでのこだわりぶりが、どこに向かうのかが楽しみなストーリーです。この2人の関係性も含め、下巻が楽しみ!

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

呉勝浩の作品。ノワール的な要素が強く、終始暴力の匂いが立ち込める。僕は臆病なので作中の暴力行為はあまりにも壮絶でかなり重たく受け取ってしまった。
主人公のハチ、義姉のロク、そして義弟のキュウととある姉弟の物語であるがそれぞれがあまりにも世間からぶっ飛んだ生き方をしており、主に主人公であるハチの感情を通して彼女の人生、生き様を描いている。彼女はずっと幸せになる事は無いだろうし、上巻が続くにつれてどんどん堕ちていく。余りにも不幸だが、彼女にとってキュウこそ全てであり、彼の成功こそが全てという一筋が彼女の強さを表している。しかし、とある打ち開けにより彼女の想いは一変、余りにも辛すぎる真実である。下巻では彼女はどの様に変わるのか。できる限り幸せになってほしい。

もう一人の主人公と言える健幹はロクの恋人であり、結婚を約束しているがどこと無くロクの挙動に不安を感じており、彼女の過去を調査しようと決意する。彼の行動は余りにも危なっかしく、とある場面は目を覆いたくなる程見ていられない有様だ。
彼の行動力は見事だが、世間知らずの様な有様は見ていて歯痒いし気分のいいものでは無い。しかし、最後、ロクと「決意」を共有し、下巻に続く場面において健幹の今作における存在意義が見えた様な気がする。

また、この時期の作品ではどうしても仕方がないが、「コロナ禍」の話が土台に来てしまう。物語の中に不純物が入った感覚になってしまうし、この時期の作品が必ずコロナ禍を語るという「お約束」がどうしても茶番に見えてしまう(こんなリアリティはミステリーでは不純物だ)が残念だ。

上巻時点では筆者の作品である「スワン」の方が好みだが、下巻でどの様な展開になるかで世界観が一変しそう。あまりにも楽しみだ。

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2025年12月24日

Posted by ブクログ

子供頃から親、同級生から不遇と尊厳をも貶められた「ハチ」は、その輩から天才ダンサーの弟「キュウ」を守る為、殺しも厭わない姉「ハチ」。しかし、デビュー間近に更なる試練が…
姉「ロク」市議会議員、「刺青」の男、父親、母親など強烈キャラが登場!上巻でスピードとバイオレンス感とムカつく野郎など、下巻へのアイドリング終了

評価は暫定

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2026年01月09日

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