呉勝浩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
やる気も正義感も、少々くたびれてきた、県警捜査一課のオッサン刑事、番場。
だが、事件現場に立つと途端に、その洞察、観察力を発揮する。
だからか、仲間は彼を「現場の番場」と呼び、一目置く。
当の番場は、50を過ぎ二回りも年下の女性を嫁にして、一途に愛情を注いでいる。
女性のバラバラ遺体発見から始まる「月に吠える兎」。
被害者の指二本がなくなっている代わりに、本人のものではない指が残されていた。
そして、「真夜中の放物線」では、男性の飛び降り死体が発見されたが、周辺の高い建物といえば、少し離れた位置にあるマンションだけ。
そこから落ちたにしては、不自然な距離に遺体はあった…。
興味 -
Posted by ブクログ
ネタバレ呉勝浩の初読み。
しばらく前に見かけて気になってはいた一冊。
気にはなったけれど、「古本で出回ってからでもいいか」と、そっと棚に戻した一冊でもあり。
しがない小遣い制既婚勤め人には、初読み作家を新刊で買うのには勇気がいるもので(苦笑)。
同僚からの誕プレを開いたら出てきたのが、この一冊だという偶然。同僚に感謝。
かな~り久しぶりに「ページをめくるのが止まらない」という程にのめりこんだ一冊でもあり♪
かといって、題名に沿って道徳とは何か?などと語る気はない。(もちろん、道徳とは何かと考えさせられる要素は多々あったけれど)
自分はこの作品を、、、、
報道の在り方を問う物語として、
父と -
Posted by ブクログ
道徳の時間を始めます。
殺したのはだれ?―有名陶芸家の死亡現場で、殺人をほのめかす落書きが見つかる。
同じ頃、VJ(ビデオジャーナリスト)の伏見にかつて町の小学校で起きた殺人事件の映画撮影のオファーが。
伏見はふたつの事件の奇妙なリンクに搦め捕られていく。
選考会も紛糾した江戸川乱歩賞受賞作を完全リニューアル。
□□□
以上、裏表紙の内容紹介から。
いや、聞きしに勝るスリリングな展開。
かなり複雑に入り組んだストーリーなので、頭の中を整理しながら読み進めましたが、筆力があるのでぐいぐい読ませます。
新人賞受賞作は、このくらいの熱気がなきゃ、ですね。
本筋とは離れますが、63ページにこんな場面が -
Posted by ブクログ
暴力事件で捕まり取り調べを受けるスズキタゴサクを名乗る男
彼は霊感があると自称し、都内の爆発事件を次々に予言していく
重要参考人のスズキタゴサクvs刑事たちの知能戦のお話
フィクションとわかってても目を逸らしたいほど嫌悪感を強く感じる爆弾魔、スズキタゴサク
だけど、きっと目を逸らしたくなるのは1ミリでもコイツの発言に共感する部分があるからなんだろう
目の前で倒れてる誰かより、大事な人を優先的に助けてほしい
そういう汚い部分が自分にもあるって認めるのは苦しい
でも、実際に目の前にしたら、知らない誰かに手を差し伸べるし、どんなに憎くても殺せないんだろう
読後、時間が経つと剥き出しの悪意と本