呉勝浩のレビュー一覧

  • 白い衝動

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    千早と寺兼先生のやり取りで、学生時代に受けた精神分析の授業を思い出した。
    理解できないものはやっぱり恐怖でしかない。
    受け入れたいと思っても、どうにもならないこともある。
    そういう意味では、入壱や秋成の抱える衝動を受け入れるのは至難の業だろう。
    だけど、もし自分がその立場だったら。
    受け入れて欲しいと思うのか、仕方ないと諦めるのか。
    なんだかいろいろと考えてしまった。
    共生って意外と簡単じゃないんだよな。

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    2023年12月27日
  • 警官の道

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    葉真中顕、中山七里、呉勝浩、深町秋生、下村敦史、長浦京、柚月裕子『警官の道』角川文庫。

    7人の作家の短編を収録した警察小説アンソロジー。7人の作家全員が自分の好みというのはなかなかあり得ないことだ。読んでみれば、柚月裕子の『聖』がピカイチで後は平凡な短編ばかりで、少しがっかりした。


    葉真中顕『上級国民』。本作に描かれる刑事事件とされなかった交通死亡事故は、2018年に東京都港区で起きた元東京地検特捜部長による自動車死亡事故を思い出す。実際にこういうことはありそうだ。90歳の佐々木嘉一が交通事故で亡くなった。しかし、車を運転していた谷田部洋は逮捕されなかった。その裏には驚愕の事実が隠されて

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    2023年12月25日
  • 道徳の時間

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    江戸川乱歩賞選考にあたって審査員も紛糾(というか池井戸潤氏が厳として異議を唱えたようだが)し修正のうえ正式受賞となったいわくつきの作品。T県鳴川市で起こった現在と過去の事件。2つの事件を交錯させながらビデオジャーナリスト伏見の視点で真相に迫る。

    本作で描かれるのは人間の持つ狂気と根源的欲望。以降の呉作品に通ずるテーマである。自分の都合の良いフィルターを通して解釈する世界は本当に正しいのか?自分の常識は他人の非常識なのではないか?道徳は「みんなくん」というスケープゴートの無邪気な悪意ではないか?池井戸氏の指摘通り衝撃度を優先するあまり人物や動機の描き方が些か甘い点は否めない。特に2つの事件の犯

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    2023年11月08日
  • マトリョーシカ・ブラッド

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    推理小説としても人間ドラマとしても読み応えある警察小説。各々ワケアリの神奈川県警と警視庁のはぐれ刑事たちが事件の真相に迫る臨場感が見事。ネタバレになるので詳細は割愛するが私怨から巨悪、巨悪から個人的感情へと帰結する変遷がありきたりな警察小説と一線を画す要素になっている。根底に流れるのは人間の歪んだ欲望であり、欲望がもたらす怒りが想像を凌駕する事件をもたらした。繋がりが途絶えた空っぽのマトリョーシカであるが、最後の最も小さなマトリョーシカの中にあったのは純粋な愛の形だったのはそれが人間の根源的本質ということなのかもしれない。

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    2023年11月06日
  • 素敵な圧迫

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    読者を陥れているのに嫌な気がしない中篇6作品収録。世間の目に囚われず、登場人物を通して狂気を爆発。何故かその狂気に深く考えさせられる稀有な作品が揃った。乱暴さもおまけとして。

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    2023年11月05日
  • 素敵な圧迫

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    個人的好みもあるが、質のバラツキがある。表題作の「素敵な圧迫」と「論リー・チャップリン」は間違いなく傑作で、この2編だけでも読む価値は十分ある。残り4編は好みの分かれるところ。最後の「Vに捧げる行進」はもう一工夫あれば面白い題材。

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    2023年10月15日
  • 道徳の時間

    購入済み

    道徳よりも

    恥の文化と、罪の文化の一文に
    ハっとしました。

    内容は悲しい話です
    何を道徳と言うのか?

    話の中心は本当の犯人はどっちなのか?
    で進んで行きますが、そこは伏線に過ぎず
    監督が妹さん?なんて気付きながらも、と、
    またまた予想を裏切るどんでん返し

    総じて重いめの内容なのでレビューも低めなのかなぁ。

    #切ない

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    2023年10月16日
  • 蜃気楼の犬

    購入済み

    評価低め

    ですが、著者専売の刑事と事件の読み物で
    著者さんの作品を読み漁ってきましたが、
    読み易かったです。

    最後の書き下ろし作品は、他の方のレビュー
    にもありますが、登場人部が多くてわかり難い
    ことへの解いでもあり、無理に登場人物を理解
    する必要もない潔よさを教えられました。

    #エモい

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    2023年10月11日
  • 素敵な圧迫

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    幼少期に隙間に嵌る愉しみを知った彼女が、成長して男性に抱擁されると… 呉先生の短編集 #素敵な圧迫

    昨年『爆弾』で直木賞候補、このミス1位をとった呉勝弘先生の短編集。どれも絶妙な切り口の犯罪小説で、多くは語らずに様々な社会問題に示唆してくる。オチの切れ味も鋭いし、ミステリーとしても文芸としても素晴らしい作品集でした。

    ■素敵な圧迫 ★超オススメ
    少女時代に押入れの隙間にぴったりはまった感じが、密かな愉しみになってしまう。大人に成長した彼女は、ぴったりとはまった男性からの抱擁を求めるが…

    この変態的な性癖、ちょっと理解できる(いい大人が言うとキモいな)。しかしよくよく噛み締めると、生きる意

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    2023年10月09日
  • 素敵な圧迫

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    6編収録されている短編集。呉さんの作品は初めて読んだけれど収録作の全てのレベルが高くて驚いた。表題作の「素敵な圧迫」の徐々に増していく不穏さや、「論リー・チャップリン」の子供の屁理屈やどう答えればいいか悩むような質問に対しての向き合い方が面白い。とくにこの2編がお気に入りだけど他の作品もそれぞれの色があって楽しめる。

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    2023年09月28日
  • 素敵な圧迫

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    うわ面白い。
    今まで読んだことない部類の短篇ばかりでめちゃくちゃ新鮮。
    どれも結末が予想できない。
    中でも『論リー・チャップリン』は抜群の面白さで思わず笑ってしまう。
    この作家さん、こんなコミカルな話も書くのか。
    意外すぎる。
    表題作も先が読めなさすぎて良かった。
    ああでも『ダニエル~』の結末が一番かも。
    真意が明かされた瞬間は興奮で震えそうだった。

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    2023年09月24日
  • 素敵な圧迫

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    コロナを皮肉ったものやくすっと笑えるものまで詰まった短編集。
    「論リー・チャップリン」が最高だった。
    中学生の息子に脅迫される父親のオロオロがなんだか笑えるタッチで書かれていて、今までの著者のイメージがいい意味で変わった。

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    2023年09月14日
  • 白い衝動

    購入済み

    爆弾以来

    著者の作品を読み漁っています
    他にも同様の方は大勢いらっしゃると
    想像するのは容易ですが。。。

    今作はこれまで拝読した警察モノではなく
    一瞬著者名を再確認しました、
    が、思いもよらぬ伏線回収の羊遣いの答えは
    当に著者の作品でした。

    いつもの手の込んだミステリーに加えて、
    社会性テーマも練り込まれた読み応え大の良作。

    最後の解説で別作のレビュー点あまり良くないので
    敬遠していた作品が挙がっていたので、やっぱり読むことにします。

    #シュール

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    2023年09月09日
  • 素敵な圧迫

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    「スワン」や「爆弾」が面白くて、最近気になっている、呉勝浩さんの短編集ということで購入し、すぐに拝読しましたが、エンターテイメント性と各物語を締めくくる多彩なオチに妙な爽快感がありました。

    個人的には表題の「素敵な圧迫」が1番好きで、物語は30ページ程度しかないのですが、オチのインパクトが強烈だったのと、ウィットに富んだオチが刺さりました。

    個人的にはシリアスだったり、イヤミスだったりする作品を期待してた部分も相まって、少し評価は控えめになった部分もありますが、中毒性のある作品だと思うので、ぜひ手に取ってもらいたい作品です。

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    2023年09月03日
  • マトリョーシカ・ブラッド

    購入済み

    今作もなかなか

    やられました。

    最後に向かうまでの伏線、思いもよらない展開
    全てに通じるマトリョーシカの意味。

    良く考えられ、仕組まれた作品でした‥感心
    今作は登場人物が多いので混乱する所もありますが
    主要人物だけおさえ置けば読み進められ点も◯。

    #シュール

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    2023年09月02日
  • 白い衝動

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    呉さんの著書はまだ3作品目ですが、スタイルは違えど共通して社会コミュニティの問題を取り扱われているのかなと。

    他作品も読ませて頂く予定なので変わるかもしれませんが、『爆弾』『道徳の時間』『白い衝動』に限っては一般人と呼ばれる人間と、そこからはみ出したと言われてしまう人間との格差問題に対する提議を感じました。

    殺人衝動に悩む少年と、殺人未遂を犯して出所してきた男。自身も過去に悩みながら彼らを救おうとする心理学者のお話です。
    なので、心理学用語と治療法がばんばん出てきて苦手な方は疲れてしまうかも知れません。

    ですが、素人でも分かりやすく、性善説と性悪説の曖昧さに確かに難しいよな…と考えさせら

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    2023年08月28日
  • 道徳の時間

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    すごくおもしろく一気読みしたのだが、評価は分かれるようですね。
    動機が弱い…という意見が多いようだが、巻末の解説文に、「そうか、たしかに…!」という動機にまつわるある出来事に触れられていて背筋が寒くなるようだった。
    また、最近はまっていたドラマ『エルピス』に通ずるものも感じた。「荒削り」と言われるのかもしれないけど、複数のテーマを絡めて(なんなら時代を先取りし)一気に読ませるのはすごいのでは。

    ちなみに明らかな誤植を見つけたので出版社に問い合わせメールを送ったけど、返信なしで残念。

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    2023年01月16日
  • 新世代ミステリ作家探訪

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    ミステリ作家とのトークイベントをまとめたもの。ミステリを俯瞰したようなテーマと、インタビュアー自身の考えも多く語られているのが特徴か。
    ミステリの面白さが多角的に見られる。最近のミステリを読めてないなと実感し、読みたい本がたんと増えた。

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    2022年11月16日
  • 新世代ミステリ作家探訪

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    若林さんがガンガン踏み込んで面白い話を引き出してくださるので楽しかった。「こうではないですか?」と斬り込んで「そうじゃないですね」と返される場面も多かったけど、それはまあご愛嬌。

    印象に残っているのはこの辺▼
    ・円居さんの「推理漫画よりも早く展開する頭脳バトルやギャンブル漫画のテンポが求められていると感じている」という話や、FGO他ノベライズの裏話。

    ・SFミステリと特殊設定ミステリの違いと阿津川さん・逸木さん・方丈さんのスタンスの違い。

    ・澤村さんの「ジャンルの書き手でないからこそジャンルあるあるなシチュやキャラに頼りたくない」スタンスはそういう考えもあるんだと新鮮だった。

    ・呉さん

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    2022年10月27日
  • 道徳の時間

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    2022.09.08

    中盤から怒涛の展開で一気に読んでしまった。
    巻末解説にもあったが、確かに犯人の動機が薄い。
    もう少し具体的にしてくれてもよかったのになあと。

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    2022年09月12日