真梨幸子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
事実を知ることは難しい。嘘をついている自覚はなくても、その人の真実が事実であるとは限らない。ある人にとっては真実でも、別の人にとっては真実ではない。作中のセリフ、「正義はいつだって、相対的」が刺さる。
一つの情報に興味を持つと、関連付けられた情報でさらに元ネタを補強していく⋯そうして、どんどん間違った情報を自分の真実にしていく⋯ネットに触れる中で自分自身も何度か体験していることだ。情報発信元が明らかに騙そうとしているなら、見分けがつきやすいのかもしれない。でも、その人にとっての真実である場合は疑うことが難しい。どうやって、この罠に嵌まらないようにすればいいのだろう。
それにしても⋯読む順番を間 -
Posted by ブクログ
ネタバレガブリエルの件には見事に騙されました!伏線回収が楽しかったです♩
解説の、「ただ単に救いのない結末や暗鬱な心理描写があるというだけでなく、それがあまりに極端なので、むしろ厭を通り越してどこかに突き抜けたような痛快感さえ漂わせる作品」という表現がすごく印象的でした。
本作品に限らず、真梨さんの小説に対してとてもしっくりくる解釈だなあと!
最近家族をテーマにした作品に興味があるので、ミレーユのお母さんやマルグリットの娘など、散々苦しめられた相手にも「家族だから」という理由で情を感じたりそれに従った行動をとる描写も興味深かったです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ1作目を再読してから読んで大正解!またしても一気読みし、予想はしていたものの最後のページで鳥肌立ちました^_^
個人的には美波は実は死んでないんじゃないかと思ってたので富士子の著書のくだりでなるほど〜〜‼️と思ったのですが、同情心を感じながら読んでいた富士子にその後すごいスピード感で裏切られて面白かったです!
登場人物も多くまさに糸のように絡み合っていて、シンプルによくこんな話思いつけるな〜!と思いました。
また、宗教に関する話(宗教という要素だけで事件の納得材料になる)や女として生きるということについてなど、考えさせられる部分もあり面白かったです◎