あらすじ
一本の電話に、月刊グローブ編集部は騒然となった。複数の男女を凄絶なリンチの果てに殺した罪で起訴された下田健太。その母である下田茂子が独占取材に応じるというのだ。茂子は稀代の殺人鬼として死刑になったフジコの育ての親でもあった。茂子のもとに向かう取材者たちを待ち受けていたものは……。50万部突破の大ベストセラー『殺人鬼フジコの衝動』待望の続編。本書を読み終えた時、あの『殺人鬼フジコの衝動』のラストをもう一度読み直さずにはいられない! 【編集部より】本書は単独でもお読み頂けますが、『殺人鬼フジコの衝動』『私は、フジコ』のあとにお読み頂くと、より衝撃度が高まります。2015年11月13日(金)~ Hulu/J:COMにて全6話配信。主演:尾野真千子
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Posted by ブクログ
終始胸がざわつく展開だったが、次へ次へとページをめくる手が止まらなかった。とても面白く、個人的には前作よりも好みだった。
作中に登場する「“正義”は最も危険な詭弁であり方便であろう」というフレーズが特に印象的で、多くの気づきを与えてくれた。どんなに悪いことであっても、その人にとっては“正義”であり、さらに世間が共感してしまえば、それは“正しいこと”として成立してしまう。そんな怖さを考えさせられた。
物語はハッピーエンドではないが、読み終えたときの満足感は非常に高かった。
Posted by ブクログ
フジコを読んで、小冊子「私はフジコ」を読み、ぶっ続けで読みました。
殺人鬼フジコの育ての親、下田茂子の住む”Sヶ丘団地”で、息子の下田健太と内縁との妻藤原瑠美子は男女5人に壮絶なリンチの果てに殺した罪で逮捕。
しかし、下田健太は証拠不十分で無罪に…
茂子の住むSヶ丘団地に向かう取材陣を待ち受けていたのは…
これはぶっ続けで読むべし!
衝撃的な真実が本作で明らかになりまくり!
•5人リンチ殺人から奇跡的に保護された、左手指と左耳がない謎の女性、北野友梨→実は北野友梨ではなく、フジコの娘の”美也子”であった。
美也子は前作のあとがきのラストで、行方不明となり山林で遺体の一部が見つかった旨の新聞記事が載っていたが、実は殺された訳ではなく下田健太に陵辱されていたのだ…
耳と指全てをもぎ取られ、殺したように見せかけて美也子をSヶ丘団地に誘拐していた。
命からがら生き延びた美也子は、リンチの末殺された”北野友梨”として脱走したのだ…
•脱走の後、Gテレビの人気作家”吉川サツキ”に団地の事件の真実を打ち明ける。
•本作冒頭で、月刊グローブ編集部宛に取材依頼の電話をかけてきた”下田茂子の代理人”は美也子で、取材スタッフに”吉川サツキ”を指名してきたのは、邪魔者である下田茂子と下田健太を、味方につけた吉川サツキの手でこの世から消すため??策略だとしたら怖すぎ……
•フジコ一家を襲った強盗殺人事件「高津ヶ丘→小学生のフジコが夜中自らの父母妹を殺していた…現場に着いた茂子が死体の解体を命じたが間に合わず、フジコを残し逃走していた。
書ききれないくらいの伏線回収があり、前作をさらに深掘りする展開にページを捲る手が止まらない!
前作からここまで一気に読むことを強くお勧めする。
最近出た極限団地という作品も、今作に出てきた偽番組に設定が似ているため、楽しみ。
Posted by ブクログ
男女数名を凄絶なリンチの末に殺した罪で起訴されるも無罪判決を勝ち取った下田健太。その母茂子が月刊グローブの独占取材に応じるという。茂子は15名を殺した殺人鬼フジコの育ての親でもあった。いろいろと明らかになっていく真相!
Posted by ブクログ
一気に読んでしまった。
やはり異常さは遺伝なのか・・・
面白い。
そして参考文献に「夜と霧」があり、これは積読なので、忘れないうちに何を参考にしたのか確認しなければ。と思いました。
あと、他の方もレビューしているように最初のフジコを読んだあとに、すぐにこのインタビューを読んだ方がいいですね。私は何日か空いたので、名前とか繋がりを思い出すのがちょっとやっかいでした。
スッキリしたようなしないような。
Posted by ブクログ
前作を超える不快感を味わいました。
ストーリー的には終始山も谷もないですが読み進めるごとに登場人物に対しての不快感、嫌悪感が増していき最後は奈落に落ちます。
勿論褒めてます!オススメです!
Posted by ブクログ
再読。
とりあえずしんどい。しんどかった。
フジコの周りにいる人間はことごとく悪魔。茂子、健太・・・
高峰美也子も結局は人を操る悪魔のような感じ。天性のもののよう。もしまたもう一度読むなら、西暦と元号をメモして、あと複雑な人間関連があるから関連図をかけば更によく分かると思う。
Posted by ブクログ
これが殺人鬼フジコの業(カルマ)か…。
前作の『殺人鬼フジコの衝動』を読んでからでないと理解し難い作品。
前作の人物関係が難しく名前をメモしながら読んでいたのが役にたちました。
(殺された人と家族などの相関図)
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今回の作品での"真実"とは、
フジコは、母の妹(茂子)が実母だったという点。
茂子の息子(下田健太)が今作の事件の犯人で、テーマ主題でもあるけれど、その健太と藤子が実の兄妹だとわかったのも衝撃。
また藤子の子どもである美也子は、健太のおこす事件の被害者の1人で、みっちゃんとなっている。
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『殺人鬼フジコの衝動』では美也子は、最後に茂子と小阪さんに会いにいき殺されたのかな?…という疑問で終わっていたが、(身体の一部発見だけのため)今作で再登場し、最後にはフジコの業かと思わせる終わりかたでした。
話のはじめ、みっちゃん(不明人物)は死んだことになっているが、最後のほうで北野友莉(=みっちゃんが成り代わり)と分かる。
事件の唯一の生存者、北野友莉となったみっちゃん(美也子)がGテレビの吉永サツキと出会い、ことの詳細を告白する。結果的に、吉永サツキの正義感を利用して憎き相手(下田健太と茂子)を処分したことになる。
生き残った美也子が、これから人生を踏み外していかないかがやや不安ではある…。
Posted by ブクログ
読む順番を間違えてはいけない小説です。「殺人鬼フジコの衝動」を読んだ後、本書を読むと言う順番を守った方がよいです。そして、間髪いれずに読んでしまうことをお勧めします。本書を読み終わった後、一作目の後書きを読み返しました。いろんな伏線があり、きっちり回収しつつ、後味の悪い事件を追体験できような作品です。
一気読みしてしまう危険書籍です。
すごかった。
もともとドラマに興味を持ち、ドラマを全話観てから「殺人鬼フジコの衝動」「わたしはフジコ」そして今作を読みました。
殺人鬼フジコの衝動はドラマで大筋は分かっていて、やはりドラマに出てきた小説がまんま出版されたのかなと思い、続編と銘打たれていたのでこちらも読んだら、「殺人鬼フジコの衝動」と「わたしはフジコ」での疑問や明かされていなかった箇所が全て布石で今作で明らかになり、読んでなるほど…と、とてもスッキリしました。
最後の数行で、「みっちゃん」がインタビューの申し出から操っていた…?とゆう燃料も投下され終わりましたが、みっちゃんは、ああせざるを得ない状況だったのかもなぁと思いました。
健太のように面白半分自分の欲の為に操るのとは違い、やった事は間違いなく残虐的ですが、手記でも正常な判断が出来ているつもりになっていたけれど出来ていなかったのではないかなと。
でも、母と姉同様「アズイフパーソナリティ」を発症し演じるようになったのかも?とも思いました。
久々に様々な解釈が出来る小説を読んだなぁと思いました。
Posted by ブクログ
8章の最後の5文字で目ん玉ひん剥いて深いため息がでた
衝撃が強すぎて前作の何故!?ってなってた部分が腑に落ちたといえば落ちたけど...。ものすごく落ちた。
今作もめっちゃ病めました。
Posted by ブクログ
『殺人鬼フジコの衝動』よりも強引な感じもしなくはないが、それにしてもよく組み立てられていて、読みながら予想させられる楽しさもあるし、また前作から読み返したい気持ちになってくる。ただ相変わらず胸糞だし、こんなの書いてたらヤバイ奴だと思われるであろうリスクを背負って書き続けてるのもなかなかすごい。
Posted by ブクログ
多くは語りません
殺人鬼フジコの衝動→私は、フジコ→インタビュー・イン・セル 殺人鬼フジコの真実→殺人鬼フジコの衝動
で読みました
登場人物の見え方も最初と変わる
まだ最新作の『フジコの十ヶ条』は読んでないので、時期を置いて手に取ろうと思います。
Posted by ブクログ
複数人の男女をリンチの末殺害した罪で起訴されたが、無罪となった男、健太は茂子の息子で、フジコの従兄弟だった。
被害者と関係者の証言からリンチ事件の真相、フジコの出生が判明。
相関図があればより面白い!
Posted by ブクログ
前作ほどの衝撃はないが、フジコの衝撃の後日談・補完として充分面白かった。みっちゃんの驚きと前作から描写されているカルマは終わらないんだ、、というイヤミスならではの読後感はとても良い。
Posted by ブクログ
フジコの衝動を読んで、最新作にいく前に気になって読んでみました。
今度は衝動に比べて気持ち悪い、性癖がやばすぎ!でした。でも、衝動の最後の伏線が回収されたときの爽快感はすごかったです!読み切ってよかった!
Posted by ブクログ
「殺人鬼フジコの衝動」より面白かった!
全ての謎が解けて、あらゆる伏線が回収された感じでスッキリ。
茂子が恐ろしすぎるし、異常すぎだ…
久しぶりにこの2作品を読んで、ホントにイヤミスの王道と言っても過言ではないし、後味悪すぎ…笑
とにかく期待も込めて次の「フジコの16ヶ条」を期待して待ちたいと思う!
Posted by ブクログ
「リング」の貞子のように「フジコ」ウィルスが身近な人に感染したかのように展開する話。この手のスピンオフ的な作品は肩透かしをくらう事も多いが、本作は十分に楽しめた。
Posted by ブクログ
前作必読な作品。
正直、インタビュー五日目までは少々退屈気味……でしたが、六日目以降が凄かった!驚きとジットリとした気持ち悪さがこれでもか!と脳に飛びこんでくる。前作が好きな人は読んでみてほしい。
Posted by ブクログ
ドットドロだね。
題材が北九のあれなだけに、「ケモノの城」とかも連想はしたけど、あっちよりソフトだし、何より相変わらず文章や物語に引き込まれる。
前作もそうだったけど、「小学校の下校中に蹴って帰ってた缶を家に持って帰ってその缶で城を作った」みたいな伏線の拾い方をするから最後まで気が抜けない。
これは「衝動」とセットで読むべきものなのに、タイトルが良くないよなぁ…
タイトルだけでの印象は「実写を撮った後の役者へのインタビュー」なのかと思ってずっと放置してた。
Posted by ブクログ
前作に引き続き面白かった。
フジコの方は(ミスリードはさておき)話の展開がなんとなく読めた上で転がるストーリーを追っていくために読み進める手が止まらないという感じだったけど、今作は核心というか、茂子と健太の目論見が不透明で不気味なまま展開していくのを、真相が知りたいがためにどんどん読み進めてしまう感じだった。後半からは一気読みしてしまった。
事件のモデルが北九州なだけあって、グロくて胸糞なところも怖かった。
ただ、自分の読み込みが浅いだけかもしれないけど、肝心の健太が巧妙な詐欺師かつサイコパス殺人鬼になれたのかという理由がいまいち分からなかったことだけ残念。結局「血の業」ってことなのか?
Q団体の闇もうやむやなまま…これはこれでイヤミス感あっていいけれども。
フジコの真実とあの人の正体は中盤でなんとなく予想がついてたけど、ラストであの人もまた「血の業」を感じざるを得ない終わり方をしたこともゾッとした。
Posted by ブクログ
何年か前に『殺人鬼フジコの衝動』を読み、合わせて買っていたのを読み終わりました。
恐怖で人間を支配したり操る事の恐ろしさが、非常に後味悪く見事に描かれています。最後は血生臭さのオンパレードです。
前作とは種類の違う不穏な物語
形式上『殺人鬼フジコの衝動』の続編だが「前作を上巻とした下巻」「前作で完成していると考える人にとってはスピンオフ」の様な作品。前作と同じようなものを期待して読むと肩透かしを食らうが、私自身は面白かったと思う。
前作の殺人鬼視点とはうってかわって、今作では事件を追う記者側からの視点になる。記者たちはフジコの養母下田茂子にフジコの事件とはまた別の事件についてインタビューを試みようとする。しかし、どうにも上手くいかない。その段階では記者たちにとって、下田茂子はただの事件関係者であって、警戒すべき対象ではない。そのため、何も疑うことなく普通に接して、結果的に翻弄されてしまう。しかし、読者の私たちは茂子の本性を知っている。そのギャップが不安を生む。
「記者たちは大丈夫なのか?」
「茂子に取り込まれてしまわないだろうか?」
「フジコの様に『蝋人形、おがくず人形』となり果ててしまわないだろうか?」
ずっと不安な気持ちを持ち続けたままに読み進めないといけない。
Posted by ブクログ
最初から不穏な空気で、どこかしらに何かの救いを求めて読み進めるけど、どんどん深い闇へ堕ちていくような。
徹底的だな!と思ってしまった次第。
誰一人、謄本取る人すらも間に合わないんだもんなぁ…。
まさしくイヤミス。
Posted by ブクログ
フジコの続編
前作では分からなかった事件の
背景や茂子についても描かれていた。
本当に恐ろしい人とは
悪い事という意識が無く
正義、救い、人の為、と信じる
そんな茂子のような人だと思う。
登場人物をメモしながら読む方が
良かったと後悔したが、
時間が経過したらもう一度読みたい。
Posted by ブクログ
殺人鬼フジコの衝動の続編
一作目殺人鬼フジコではわからなかった真実が明らかになる。終始、茂子の不穏な感じと団地の不気味な描写が怖くて、また一作目の胸糞とは違った嫌な感じがあった。真実はわかるもののやっぱり胸糞。
実は茂子がフジコの実母だった…とか
叙述トリックも途中出てくるのだけど…
そんなのが霞むくらいの胸糞ストーリー
Posted by ブクログ
前作「殺人鬼フジコの衝動」が個人的に微妙だったせいか続編の方が面白かった。
作者ははじめからシリーズ物のつもりで構成を練ったのだろうが、前作からよくここまで話を膨らませたなぁと感心した。大抵薄っぺらくなってつまらなくなるのに、前作よりさらに狂気を孕んでいた気がする。
前作、茂子がやたら口にしていた「あなたのお母さんみたいにはなってはダメ」と、フジコの「私はお母さんみたいにならない!」というあの印象的なセリフも実は…
下田健太の学生時代のエピソードは嘘みたいだが、似たような話を聞いたことがあるので、人はきっかけと役割があれば割と簡単に化ける事ができるのかもしれない。
前作から間が空いてしまったので文庫本を引っ張り出して復習する必要があった。登場人物が多すぎる…
登場人物全員嫌な奴感が半端ないが、その中でも吉永サツキの鼻持ちならない感じはなんなのか。笑
Posted by ブクログ
前作のインパクトには敵わないものの、かつてフジコが身を寄せていた下田一家でここまで話を膨らませるとは。北九州連続監禁殺人事件をモチーフとした団地でのリンチ殺人事件。序盤から茂子の洗脳が始まってるんじゃないかという不穏な雰囲気は良い。Q教団の組織力も怖い。
でも目立つのは健太の異常性。みっちゃんも里佳子も奴の人形になりかけていた。高峰美也子が死んでなかったのは衝撃。そういう生かし方もあったか。
Q教団が存在する限りこのような惨劇は繰り返されるのだろうか。
Posted by ブクログ
「殺人鬼フジコの衝動」を先に読み、よく分からなかった部分をクリアにしたくて読んだ。こちらもイヤミスの女王の名に恥じないおぞましい事件が起きるものの、グイグイと読ませる文章のせいで一気読み。面白かった。次は茂子と健太の目線での話が読みたい。
Posted by ブクログ
『血は争えない』とはこのことか。
前作では主人公フジコ目線からの物語となっていたが、今作の主人公は下田健太だが、話し手は記者となっており、前作と比べ作風がガラッと変わる。
記者目線から物語が進むが、途中には過去のインタビュー記事が挟まることで、今回の事件や下田健太に対して薄らとヴェールに包まれてるような印象を受けた。読み進めても何も掴めないような。それでも下田健太の異常性はひしひしと伝わるが。
ーーーー以下ネタバレ含
高津区一家惨殺事件の真犯人はフジコで、フジコを守るために茂子と小坂初代が関与してたのは驚いた。手を下したのはてっきり小坂初代だと思ってた。
また、フジコの戸籍関係の話も驚きと共に納得した部分。
ラストの後日談含めて、『血は争えない』と感じた。電話をかけることで他人を動かし、結果として下田健太たちを追い詰めた。ただしその結果、無関係な人が一人死に、無関係な人が殺人犯になった。やっていることは、茂子や下田健太、フジコとなんら変わらない。
これは、茂子から始まった3世代に続くサイコパスの物語だ。
Posted by ブクログ
ちびちび読まずに一気読みした方がよかったな。登場人物が多くてごちゃごちゃしているので、ゆっくり読むと内容を忘れそうになる。また、胸糞悪いので読むのがしんどくなってくるので一気に読んでしまった方がいい。
読みながら、悪魔がそのまま生き続ける最悪のバッドエンドじゃないだろうな…と不安だったので、とりあえずラストについては満足。前作の衝撃のラストの覆りもよかった。
「〜衝動」を越える衝撃と戦慄という説明文にはいささか疑問はあるけれど、とりあえず納得はできた。
Posted by ブクログ
個人的には一作目『殺人鬼フジコの衝動』よりもおもしろかったかなぁ。
登場人物が広がる分、色々と動きがあって読みやすかったのかも。
ずーっとどんよりしてるし、痛いこと・怖いことのオンパレードだし、気持ちの良い要素は一切ないけど、なんか怖いもの見たさで読んじゃうんだよねぇ。
下田健太と茂子が殺されたので少しホッとしたのもつかの間、実は美也子にみんな踊らされてて、それは結局茂子の血がそうさせた、的な結末もやばいでしょ。
被害者面してるけど、結局血からは逃げられないんだね、みたいな。
あとは、人間関係がかなり複雑で(血縁関係とか、Q教団の絡みとか)、正直一回読んだだけでは理解しきれなかった。
『殺人鬼フジコの衝動』と続けて読んだ方がよさそう。
そして、フジコシリーズ最新刊出てるのよね。
ちょっと色々思い出しつつ、読んでみるか〜〜〜〜
Posted by ブクログ
難しいなーーー前作の構造がすごく面白かったんだけど、期待が高まりすぎて上回らなかった。
いやまあ面白かったんだけど!
途中で、みっちゃんの正体を察してしまったために驚きが薄まってしまったせいかなあ…?
前作のフジコの人生に見られた凄惨さや必死さ、どんよりとした気持ちの悪い薄暗さ…が好きだったんだけど、今作は取材者側ということもあり、主役陣の味わいがあっさりしていた。
ねっとりした気持ち悪さを期待していたんだけど、主役陣が無個性に近いというか…。村木は良くも悪くも凡庸で、井崎はそこそこ仕事はできるがまあこれも凡人だし、何かありそうだった吉永も(一応「何か」はあったけど)そんなに深い部分まで描かれずに殺人を犯すし、と。
まあ、それもこれも、茂子とその血を引く者(美也子)の手のひらの上。という都合上、敢えて「自我が薄い感じ」にしたのかなあ?
自分の意志で行動していたと思われていた吉永の行動も結局は美也子に操られていた、というオチは好きでした。
そしてフジコは実は茂子の実子だった(からこそ前作のセリフが光る!)ため、美也子が生きていることで茂子の血も生きていく感じが良い感じに後味が悪いところも良い!
あとは、前作の感想で「フジコ家の殺人事件は茂子がやったかと思ってたけどコサカサンノオカアサンが犯人だったのかー」と書いたけど、ガッツリミスリードしてしまったのは、やられたーwと思った。結局フジコだったんかい!でも結局、隠蔽諸々は茂子とコサカサンノオカアサンだったんだもんね。まあいいか。
そう、コサカサンノオカアサンは良い味出してる。今作初め、団地で登場した時は興奮したし、茂子宅への到着を遅らせたのも全部茂子の思いのままなんだろうなぁと思いながら読んでて楽しかった。
ただ、一応今作は、結局全部美也子が裏で操っていたということなんだよね?
ということは、茂子は一体それぞれの場面で何を思い、そして死んでいったんだろうというのが、とても気になる。
茂子が色んな意味で元凶になっているのはもちろんだけど、描かれないままの部分も多いから、謎のまま死んでしまった感もあって、消化不良なんだよね。それもまた後味が悪くてまあ良いとも言えるけど。
最後に。様々な作品に影響を与えるのは、結局のところ、実在する事件である(北九州…)というのが、最も恐ろしいことかもしれないな、と思いました。事実は小説よりも奇なり、ですね。