真梨幸子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
真梨幸子『フシギ』角川文庫。
連作形式の混乱混迷の恐怖のイヤミス。
見事なミスリードと次から次へと襲い掛かる恐怖の連鎖。あの人がアレでアレがコレして、こうなったのかと頭の中がぐるぐると。
次々と新たな人物が登場しては不審な死を遂げたり、失踪したり、或いは失踪したはずの人物が再び登場したりと読者を混乱の渦に巻き込みながら、数々の都市伝説で恐怖を煽りながら、主人公の作家の日常が少しずつ壊れていく様子を描く。
本作の語り手の作家がヨドバシ書店の尾上まひるという編集者と出会ったことから次から次へと不可思議な怪異と遭遇する。
やがて、尾上まひるは瑕疵物件のマンションから転落死するが、その後も作家の元に執拗に尾上まひるからのメールが届き続ける。
本体価格740円
★★★★★ -
Posted by ブクログ
読まずにはいられない、、
それがこの「私が失敗した理由は」の感想。
そして、
こわい、もあるし、え…もあるし、わかった!!もあったし、でも結局騙されたし、たしかたしかあれ…うわどういうこと、
こんなかんじです。本気でおもしろかった。
一通り読んで、途中で、だよねだよね!犯人はこのひとだよね!!とかわかった気でいたけど、
作者の真梨幸子さんが書きたいことってそんなことじゃないんだよなって落ちた。
わたしがわかったと思ったことなんて、ほんの一部分でしかなくて、
なんか もやっと、だけど考えたこともない角度からチクチクと針で刺されて
最終的には脇腹から中心にかけてぐにゃぐにゃって掻き回されてて、
気づいたら大量に出血して致命傷。たぶんひと突きより破壊力というかダメージがあった。
いい意味で、すげーいい意味で気持ち悪くて最高だった。
最初は、カタカナの名前
それは嫌いなひとを差別化してるのかなと推測したけど、
この本のなかにいいひとなんてひとりもいなかったわ。
もれなく全員。逆に清々しくて吐き気。
いろんな最期が呆気ない。呆気なくできるのがすごい。
ほんとの最後がこわい。これで最後って、、が気持ち良くて気持ち悪くてやっぱり最高。 -
Posted by ブクログ
真梨幸子『三匹の子豚』講談社文庫。
どこからどう読んでも真梨幸子らしいイヤミス。次々と登場人物の悪行が暴かれながら、登場人物がイヤな形で複雑に絡み合い、不幸が連鎖していく様が描かれる。
読んでいて気分が悪くなるような文字通りのイヤミスだった。
鳴かず飛ばずの苦難を味わい、ようやく朝ドラの『三匹の子豚』が大ヒットしたシナリオライターの斉川亜樹は多忙ながら穏やかな生活を送っていた。
そんな中、亜樹の元に武蔵野市役所から一通の封書が届き、会ったこともない叔母の赤松三代子なる人物が生活保護を申請しているが、扶養が可能かと問合せがある。
その後、亜樹の家に『NPO法人 ありがとうの里』の菊村藍子という人物から赤松三代子のことで話があるという電話が入り、仕方なく会う約束をしてしまう。
物語の中心人物は斉川亜樹と思いきや……
定価814円
★★★★★ -
Posted by ブクログ
面白かった………………!
すごい。すごい。すごい。と一気に読み切った。
作者はかなり性格が悪いんだと思う。嫉妬、恨み、憎悪、憤怒、、、描かれる人間のネガティブな心情の部分がこの作品の魅力だと思う。天才だと思う。
ミステリーの話の展開、すっかり騙されてしまった。最後に全てが分かったときの高揚感、手で口を覆い隠したくなるようなゾクゾク感、読んでいて本当に楽しかった。
以下、自分語りを含む感想。
どうやら私はこの本を平成27年に購入しているようで、読まずに所謂〝積読〟していた。久しぶりに実家に帰ってきて何となく手に取ってみたのだが、こんな素晴らしい作品を約7年も読まずに放置していたのかと思うと情けない。
いや、7年前にこの作品を読んでも良さが分からなかったかもしれない。
この作品で描かれる作家という職業とは異なるが、今の私は誰かに対して嫉妬に狂うことがある。あの女、と思うことがある。登場人物それぞれのネガティブな感情全てに共感し、安心する。
私は自分の性格の悪さに嫌気がさしている。こんなに嫉妬して、人を妬んで、どうしたいんだろうと。私だけがずっとこの「痛み」を抱えて生きていかないといけないのかと悲観するときもある。でも今はこんなに自分に寄り添ってくれる作品があるのかと、勝手な意見だがとても嬉しく、感動している。
私がもしも有名になったら、この作品を色んな人に紹介したい。世の自分だけがこんなに憎悪を持って生きているのではないかと不安に思っている人達に教えてあげたい。偉そうな言い方で、私のような分際で、失礼かもしれないがまたひとつ、頑張りたいと思う理由が増えた。
7年前、この本を買っていて良かった。今、この本を手に取ってみて良かった。私にとって、人生を変える作品になったと思う。真梨幸子さんの他の作品もぜひ読んでみたい。