あらすじ
『三匹の子豚』が朝ドラで大ヒットした斉川亜樹。
鳴かず飛ばずの時代からようやく抜け出し、忙しくも穏やかな生活を送っていた。
そんなある日、彼女のもとに武蔵野市役所から一通の封書が届く。
その内容は、会った覚えもない、叔母の赤松三代子なる人物の扶養が可能かどうかという照会だった。
亜樹はパニックに陥る。
見ず知らずの叔母の面倒を本当にみる義務があるのか――と。
混乱しつつも役所からの問い合わせは放置していると、急に固定電話が鳴る。
電話を取ると、相手は開口一番、赤松三代子のことで話があるという。
問い合わせの回答をしていなかったので、役所からの電話かと思いきや、
『NPO法人 ありがとうの里』の菊村藍子という人物からだったとわかる。
彼女は、会って三代子の話がしたいと言う。仕方なく会う約束をした亜樹だったのだが――。
真梨ワールド炸裂! 衝撃の結末にページをめくる手が止められない!
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Posted by ブクログ
本の中でも書いてるけど、まさに横溝正史ばりの複雑怪奇さ。『悪魔の手毬唄』を思い出した。
このままでもじゅうぶんおもしろいんだけど、もっとおどろおどろしい雰囲気で書いたら名作になるんじゃなかろうか。
Posted by ブクログ
真梨幸子『三匹の子豚』講談社文庫。
どこからどう読んでも真梨幸子らしいイヤミス。次々と登場人物の悪行が暴かれながら、登場人物がイヤな形で複雑に絡み合い、不幸が連鎖していく様が描かれる。
読んでいて気分が悪くなるような文字通りのイヤミスだった。
鳴かず飛ばずの苦難を味わい、ようやく朝ドラの『三匹の子豚』が大ヒットしたシナリオライターの斉川亜樹は多忙ながら穏やかな生活を送っていた。
そんな中、亜樹の元に武蔵野市役所から一通の封書が届き、会ったこともない叔母の赤松三代子なる人物が生活保護を申請しているが、扶養が可能かと問合せがある。
その後、亜樹の家に『NPO法人 ありがとうの里』の菊村藍子という人物から赤松三代子のことで話があるという電話が入り、仕方なく会う約束をしてしまう。
物語の中心人物は斉川亜樹と思いきや……
定価814円
★★★★★
Posted by ブクログ
真梨幸子作品のイヤなところが全部詰まってる感じ。
女系家族のしがらみ、職場や友人との人間関係、男女の痴情……こじれにこじれて一周まわってた。笑
途中から、これ家系図書きたいな…って思ってたら、公式で用意してくれるやさしさ。
女の嫉妬はこわい、と何を読んでも思い知らされますね。
Posted by ブクログ
タイトルが気になって読んでみた。読みやすい。
母が狂えば子も狂う、連鎖するよね
虚言の感じも含め、湊かなえの母性を思い出した
不倫とか隠し子とか、ゴシップは面白いね
いい意味で入り込みすぎず、芸能人のゴシップ見るテンションで読めて面白かった。
Posted by ブクログ
これぞ真梨幸子さんらしい作品。こいつはなんか変だなと思っていた人がその人から見たら語り手の方がおかしかったとか、誰に感情移入するか、誰を主人公として見るかで感じ方が変わる。まあ現実にも往々にしてあることですね。
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タイトルだけでは中々中身を想像出来ませんが、昔読んだ絵本のタイトル❣️中々ここからあの物語の展開は想像しませんでしたがこれが本当の意味で怖い絵本なのではないかと思います。絵本は子供達に人生の教訓を教えているのでは無いかと思います。桃太郎にしてもシンデレラにしても...無意識のうちに子供達に人生の教訓を私達は読み聞かせしているのかも...
Posted by ブクログ
久々の真梨さんだったが、結論から言うととても面白かった。と言っても、人物の心情に寄り添いそれ故に喜怒哀楽を追体験する感情移入型....では決して無く、どちらかというと本書はTHE創作。まさしく1本の朝ドラを視聴したかのような感覚だ。
ラストに向けての荒々しさは否めないのだが、大ヒットした「殺人鬼フジコの衝動」に近い臨場感を味わった
毎度の事ながらオリジナル相関図作成必須級の登場人物の多様さなのだが、本書はあちらこちらで関係が絡まることは無いので比較的読みやすい部類かと思う。
日を跨ぐと記憶が三割消える私は、残りの七割に本書の記憶が残る方に全ベットした神頼みギャンブラーのような日々を送ってしまったので、命懸けのゲームに興奮する変態じゃない限りは大人しくオリジナル相関図を制作することをオススメする
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さて、内容は省かせていただくが個人的に感慨深い気持ちになった箇所を記録として残しておく
子豚の次女ふーちゃんの娘 布由がパパ活の持論を展開した場面だ。
「私は彼に人助けをしたという恍惚感を与えている」「募金と同じだ。それが詐欺だろうと募金をしたという行為が重要であり、それにより今までの罪がチャラになったような清々しさすら感じる。贖罪をしたような気分になるのだ」
「それは頑固な便秘が解消された時の感覚にも似ているかもしれない。つまり自分は便秘症の人に整腸薬を処方しているに過ぎない」
ここら辺で強く真梨幸子を感じた(笑)
真梨さんの人間に対する偏見と侮蔑の表れが嫌味として至る所に小出しされていて性格の悪い私はニヤニヤしっぱなしであった
でも彼女の表現する棘って殺傷能力は無いんですよね
なんというか「難しくて考えてなかったけど言葉にするとそんな感じ」を見事に柔らかい闇で表現してくれている
例えるなら、ある事に気付いてなかった傷の膿を出してもらって「あれ?膿んでた?知らなかったけどスッキリしたー!」といった感覚
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ドロドロな展開で想像出来る未来は割かし万人共通かと思うのだが何故、想像した時女性はこのような堕ち方をするのだろうか。悪い意味でなく「典型的な物語」だと言うのに、おそらく大体の読者は「他人事」として創作された本書を楽しむのだろう
他人事なのに典型的
これって、壁を隔てただけの隣人なんじゃございません???きっとすぐ隣に居ますね。ヒェッ
Posted by ブクログ
大ファンの真梨幸子先生
最近、新作を活発に出されてます。真梨幸子作品は全部読もうと思ってますがちょっと追いついていません。(笑)
内容はいつも通り女性が主役、人間関係もめちゃくちゃで、「この人なんだっけ?」って読み返してしまう。それでやたら死んでしまう。
聞けば「えっ!」って思う方もいると思いますが、このいつものパターンが
面白く、欲している自分がいます。そして読後感の悪さ。今回は本当に悪かった、
これも欲している(?)ハッピーエンドや爽快感なんて必要なしです!
タイトル通りの構成もとても好き。
誰が主役だかわからず、ぐちゃぐちゃなまま進んできますが、非常に読みやすく、どんどん進んでいきます。グロ感は少ないですが、高評価。
Posted by ブクログ
初めてこの方の作品を読みましたが、面白かったです。
まさかこんなふうに繋がっていくとは…
読み始めた時に抱いていた作品のテーマと読み終わってからのそれが全くの別物でした。
Posted by ブクログ
童話三匹の子豚の話を題材に、ストーリーとしてはどんどん人が死んでいく。
いつもながらの真梨幸子さん特有の人間関係の分かりにくさ笑
でもこの話はまだ理解しやすかったほうかな。
最後の最後に意外な犯人。
いつもよりイヤミス感がなかった気がする。
おもしろかった!
Posted by ブクログ
このような人間のドロドロとした部分、マウントなど未成年のうちに知っておきたかった。
いかにして成り上がるか生き残るかの人間心理について意識しながら将来を考えていたら今と違ったかもしれない。
Posted by ブクログ
一通の封書から、人生が転がっていく。
亜樹の子供の存在も、克子、史朗もなんとなくこうかな?というのは、わかって読み進めていった。
藍子も、関係者じゃないかと読み進める。
嫉妬、羨望、復讐の連鎖が続く。
最後の登場人物をすっかり忘れてた…。
(p106待機していたはずのタクシーに触れていないってことは…?赤松家に二人で行ったのに、一人しか戻ってこないことを不思議に思わない、過去、現在を追っていた人物なら通報もしない…小説では一切、亜樹が、タクシーを利用したしてないは触れられていないけど)
Posted by ブクログ
先が気になりあっという間に読み進めてしまった。最後まで犯人が予想できず、最後にあっと驚かされるまさに真梨幸子といった展開の作品。ただ、最後やや無理がある部分が数点あったように感じられた。