【感想・ネタバレ】坂の上の赤い屋根のレビュー

あらすじ

わたしが人殺しになったのは、この街のせい――。
人格者と評判も高かった夫婦が、身体中を切り刻まれコンクリート詰めされて埋められた。血を分けた娘と、その恋人によって……。
その残虐性から世間を激震させた『文京区両親強盗殺人事件』から18年後。
事件をモチーフにした小説が週刊誌で連載されることになる。
そこで明らかになる衝撃の真実とは!?
真梨ワールド炸裂!
極上のイヤミス長篇。あなたは騙される快感を知る。

〈目次〉

一部
〇章 早すぎた自叙伝
一章 ある企み(2018/9/某日)
二章 飯田橋にて(2018/10/1)
三章 連載開始
四章 神楽坂にて
五章 市川聖子の忠告
六章 坂の上の隣人
七章 女の正体

二部
八章 死刑囚の妻
九章 ナチュラル・ボーン・キラーズ
一〇章 嫉妬
一一章 厄病神
一二章 追いつめられて
一三章 坂の上の赤い屋根

三部
一四章 真相
最終章 (2018/12/19)
回顧 (2014/4/1)

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Posted by ブクログ

これぞ真梨幸子!と久しぶりに唸った作品。
最後の最後でイヤな気持ちになり、ネタバレ後の2周目もちゃんと楽しめました。この引きずるような読後感、大好きです……!

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2024年11月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりの真梨幸子作品、イヤミス感が堪らない。

人それぞれの行動は、何がその人を突き動かすのか?
金か、愛か、名誉か…。
それぞれの家族背景や生まれ育った環境から培われる、自分に足りないものや自分がどんな手を使ってでも手に入れたいと思うものの大きさは計り知れない。
もしも自分が大事件を犯すことがあるとすれば、何を目的とするんだろう、などと考えてしまった。

読んでいる最中の不快感、落ち込み様、読み終わったあとのスッキリしなさが本当に癖になる。

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2023年07月31日

Posted by ブクログ

真梨幸子『坂の上の赤い屋根』徳間文庫。

長編イヤミス小説。

見事に騙された。冒頭からイヤなテイストが随所に散りばめられ、張り巡らされた伏線と捻りが連続する真梨幸子らしい作品である。

18年前に起きた残虐な殺人事件の真相と犯人たちのその後。事件を掘り起こそうとする女性たちの腹黒い企み。そして、もう1つ……言えない。

18年前に起きた『文京区両親強盗殺人事件』。被害者の娘の青田彩也子と恋人の大渕秀行とが、人格者と評判も高かった開業医夫婦の身体中を切り刻み、コンクリート詰めにして埋めるという残虐な事件。

18年後に、ある女性新人作家の手によりこの事件をモチーフにした小説が轟書房の週刊誌で連載される。大渕秀行を巡り、轟書房役員の笠原智子に元轟書房の社員でフリーライターの市川聖子、大渕秀行と獄中結婚した法廷画家の礼子と一癖も二癖もある女性たちに加え、当の女性新人作家が入り乱れてイヤミス・ワールドが展開する。

大渕秀行と青田彩也子のどちらが主犯なのか。青田彩也子は本当に出所したのか。女性新人作家が青田彩也子なのか。謎が謎を呼ぶ不幸の連鎖。

そして、明らかになる衝撃の真実……

本体価格780円
★★★★★

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2022年07月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

騙されたけど、夢オチに似たもやもや感はあった。青田サヤカと大渕ヒデユキの起こした事件を取材する記者本人が記憶喪失した青田サヤカという展開に驚いたが、実は人為的にスクープを作り出して金儲けしようとする編集者の橋本と大渕ヒデユキの罠であり、語り手が記者のイイダチヨ、大渕と獄中結婚したレイコと進んで最後の数ページまでは橋本の視点にならないため語り手たちと同様に読者も騙されるという構造になっている。『5人のジュンコ』もそうだが嫉妬、貧困など人間の弱さから起こる事件について、そこに至るまでの当事者たちの心の機微を描写するのが真梨氏はうまいなぁと感じる。

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2025年03月11日

Posted by ブクログ

結局どこに重きを置くのかってわからない作品
悪い意味でなく

真梨さんワールドに巻き込まれたぁ
という感じ

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2024年12月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この作者さんの本って「親の見栄に子供が巻き込まれる」「子供を自分の所有物みたいに扱う親が多い」「なんか周囲の治安が悪い」って感じで、読んでいてモヤモヤするので取り扱い注意なんだけど、読みやすいのでついつい読んでしまうんだよなぁ……。(今回の一冊を含めて、真っ当な親はおらんのかと思いながらいつも読んでしまう)

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2024年11月30日

Posted by ブクログ

見事に騙された·····!イヤミス覚悟で読んでいたが、途中で頭が混乱した。最後の伏線回収でなんとかスッキリしたが、モヤモヤは残った·····。

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2024年05月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いやー、真梨幸子節炸裂という感じ。良いイヤミスだった!

読み進めるごとに様々な事実(らしきもの)か明らかになるのだが、「本当にこれが真実なのか?」「もしくは、真実の一部に過ぎないのではないか?」というモヤが晴れないまま物語は進行していく。
それは、全てが語られないことであったり、何となくの違和感であったり。
それが終始拭えないままどんどんと降り積もっていくので、後味の悪さだけでなく、読んでいる最中もずっと暗く重い気分を味わい続けることができます。(褒めています)



最後に真相がわかった後は、ほんとにスッキリ。でも、当然黒幕はお咎めなしなので、後味の悪さもしっかりあります。

いやー、橋本に関してはほんと、ずっと怪しかったよね。早すぎた自叙伝の「蒸しパン」と橋本の実家が蒸しパン売ってて…という繋がりも、うーん?と気になってはいた。
そして橋本が家族の話をチラ見せする度に感じる違和感。
コイツは、何を隠しているんだろう?何を考えているんだろう?と。
ああ、冒頭の【わたし】はコイツだったか〜!と最後にきちんと答え合わせさせてくれる仕掛けはとても気持ちが良かった。

そして橋本の手のひらの上で踊らされる面々。
読み終えてから橋本の立場で読み返してみると、一気にスカッと物語になるお見事な働きぶり。笑
特に市川聖子がいい仕事している。
逆に登場時の大物感とは打って変わって察しの悪い笠原智子が何と言うか、アホっぽく見えて癒されます。

ちなみに、この物語で一人勝ちしているのは橋本のように見えるが、約一千万円を手にして逃げおおせているエイコもなかなかだ。(最初、エイコも誰かの差し金?と思ったけど違うようだし、殺されることもなく、ほんとに一人勝ちでは?)



どの「犯人」「関係者」も、生まれ育った家庭に影響を受け、歪んでいったという人格形成の過程を垣間見れるのも良い。
さらに言えば、そこには「嫉妬」が満ちている。
自分より優遇されるきょうだいを見て。もしくは、恵まれた環境にいる他者を見て。
澱んだ負の感情が渦巻いて、大きな負のエネルギーとなって表出されてしまった感じ。
これぞイヤミスですね。

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2023年08月01日

Posted by ブクログ

帯に「読後感爽快!」と書いてあるのですが逆にモヤモヤするイヤミスだと思います。
主軸となる事件の描写が少ないのが物足りないけど、伏線が回収されて最後に謎が明かされるのは良かったです。周りの人物が濃い中、獄中の犯人がただのイケメン…あっさりな感じでした。

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2022年08月27日

購入済み

クズしか出てない話

登場人物の誰にも共感できない話

視点がころころ変わるので、しばらく誰が語っているのかわからない。
そこが飽きずにどんどん読める。

スッキリしないがありそうでなさそうな、ギリギリのハラハラ感がある。

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2022年07月29日

Posted by ブクログ

登場人物が多いのと話が複雑に絡み合っているので
理解に追いつくのが少し難しいかも?と感じた
真梨幸子作品はこれまでたくさん読んでいて、
この作品もイヤミス満載の作風で面白かった

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

先が気になって読める面白さはあるけど、そう思ってしまう自分の野次馬性すら(ストーリー内に登場する週刊誌の読者かのように)醜く思えてしまう。
出てくる人みんなグロテスクで嫌い。
人死にすぎ。

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2025年05月03日

Posted by ブクログ

覚悟して読んだ。相変わらずのどす黒いイヤミス度満載。
全く爽快感はなく、どんよりした気持ちになりました。でもまた読んでしまいます…真梨幸子。

小説の中の殺人事件は、91年に実際にあった『札幌両親強盗殺害事件』がモデルとなってるらしいのでリアリティがある。実の娘とその恋人に殺される両親…マイナスの感情というのは本当に何より怖いもの。自分の子供に殺されるなんて、残酷で悲しすぎる…しかし世の中に実際に起こった話。真梨幸子さんが、この事件をモチーフにどんどん妄想を膨らませていったのだろうな。

昨年この小説はWOWWOWでドラマ化されているようなので、早くサブスク配信されないかなあと思っています。

エログロのドロドロの描写もあり、気持ち悪かったので星は3つにしました。

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2025年03月17日

Posted by ブクログ

出てくる人間、全員が嫌な奴。
人間の醜い部分、全開。

大渕と青田彩也子、お互いに食い違う証言。
どちらが本当なのか?事の真相を確かめるために読み進めるがその内、この人物が本当は青田彩也子なのか?と思わせる内容がいくつも出てきて、もはや何が本当なのか?がわからなくなってしまった。これ、著者にまんまと嵌められてたっぽい。最後ネタバレの所も真相は明るみになるものの、個人的に幾つかの謎が残ってしまったのでモヤモヤした感じは拭えない読後感。

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2025年03月15日

Posted by ブクログ

「殺人鬼フジコ」シリーズの方が面白かったかなー。
意外性はあるけど、もっとイヤミスであってほしかった。フジコシリーズで期待値高めたあとに読んだからかな。

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2025年02月25日

Posted by ブクログ

物語の展開というか、描く目線がどんどん変わっていって、なにが真実でどこが妄想なのかその境界線に自信が持てなくなる。振り回され続けた。

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2023年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

途中まではとても面白くて読み進める手が止まらなかったが、終わり方はかなりご都合主義で拍子抜けしてしまった。
最後の「腐った蒸しパン」のところだが、ミチルを殺したのは結局大渕ではなく橋本ということでいいのかな?
優しい姉と言っていたが、最後の自供(?)のとおり、両親が優秀な姉ばかり気にかけるのが許せなくて橋本が殺したということで合ってる?
あと礼子のお金を盗んだ瑛子も橋本の差し金?さすがにそこまでは考えすぎ?

なんだか一部謎が残ってもやもやしたままです。

この後「6月31日の同窓会」を読もうと思って気づいたが、終わりの方で出てきた松川凜子はその小説にも出てくるみたい。
先にそちらを読んでいればニヤリとできたのかな?

全然関係ないけど、橋本涼って、ジャニーズのHiHi Jetsの橋本涼さんと同姓同名ですよね。

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2022年09月20日

Posted by ブクログ

1つの長編ミステリーだけど、群像劇っぽくお話が展開してゆくこの感じ。真梨幸子らしさ満載!!

途中の展開はグイグイ引きこもまれて一気読み。
登場人物みんなキャラがたってて、先が気になってしょうがない。
★4でもいいけど……迷った末の★3。ラストの真相、真犯人?のところがちょっと弱いかな…と思ってしまったので。
あとは、キャラクター達のむき出しの感情の書き方が、ちょっと生々しくて(生々しすぎて)………。

で。今作で思ったのは「人というものは、物事を主観的にしか見れないんだな」ということ。だから、同じ事件・同じ出来事でも、見る人によって捉え方や感じ方が違ってしまう。
例えば、彩也子は「清楚な女子高生」だったのか、「頭の弱い尻軽」か、それとも「親からの愛情に飢えたかわいそうな子」なのか。
大渕は「ビッチに踊らされたかわいそうな男」なのか、「女子高生を、あやつって殺人事件まで起こした極悪人」なのか、はたまた「天性・無自覚のジゴロ」なのか。

たぶんどれも正解で不正解。
真実はひとつだけど、答えはひとつじゃない。
私にとっては正解でも、他の人にしたら全くの不正解
…みたいな事って沢山あって、人と分かり合えるなんて不可能なのでは??

って思わされたのが、今作で一番怖かった。

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2022年08月02日

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