あらすじ
「週に3度、他の男とセックスすることを習慣にして」いる主婦・麻美。彼女の不倫相手が、次々と身体全体に瘤のようなものを作って原因不明の死を遂げる。彼女自身の肉体にも異変が起こる。女同士の憎悪や嫉妬、母娘で繰り返される愛憎劇。一見幸せな主婦の誰にも言えない秘密とは……。メフィスト賞受賞作。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
自分の子供に怯え、暑い暑いとイライラしながら日々を過ごす麻美。文章から、こんな女の人と知り合いたくないなと思わせるような設定で、週に3回、違う男を部屋に連れ込み、セックスをするという。子供も夫もいながら、まだ、女としての欲望が捨てきれない部分が呆れを通り越して気持ち悪い。そして、身体に異変が現れ始める。尻からひも状の得体の知れないものが出て、皮膚にはブルーベリー状のコブができ始める。そして、精神錯乱で疾走してしまった。第2章は、麻美の妹、奈美が語り手。姪、姉を失い、混乱する中、姉の夫と関係を持つ。もう、めちゃくちゃだが、「はーぶの庭」が出てきた辺りから、宗教味もあり、不気味である。家庭事情を根掘り葉掘り聞いてくるはーぶの庭の従業員かつ、同じマンションのご近所さん。変死体が見つかり、とうとう、自分の夫まで、バラバラに切り刻まれて見つかった。身体に現れる異変と、精神がおかしくなったはーぶの庭の従業員の娘。これらはすべて、「虫」のせいなのか。虫に蝕まれる記述も気色悪く、人が段々狂っていく様子もリアルで、気持ち悪い。気持ち悪さ、グロさ、官能満載のお腹いっぱいになる小説。
おそろしい
まさかの結末でしたが、おそろしいなと。
作者の作品は2冊目で、フジコ以来でしたが、フジコほどのショックさはありませんでした。
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続きが気になって一気読みしちゃいました!
叙述トリックによるどんでん返しめちゃくちゃよかったです^_^
梶原さん、山上さん、吉田さんたちの嫉妬や脅しを巡ったドロドロや麻美と奈未の母親のエピソードなど、全体を通して普通の感覚では理解できない女たちの描写が多い中で、麻美がゆり子の笑い方を不快に感じるシーンなど絶妙に共感できてしまう些細な描写もあったのが個人的に好きで面白かったです!
元々真梨さん好きでしたが、デビュー作がこんなに強烈だったと知ってより好きになりました^_^
Posted by ブクログ
いいねぇ。夢に出てきそうな、自分も大丈夫だろうかと心配していまうような、そして好奇心ですぐに調べてしまうくらいの気味悪さといいぞくぞくする感じ。
このような目には見えない菌やウイルスは本当に怖い。知れてよかった。
普通に学びになった。
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再読。
二度目でも十分に楽しめた。最後のどんでん返しも、「そーきたか」と思わせてくれた。まさにイヤミス‼️次はさっぱりした穏やかな小説が読みたくなります
Posted by ブクログ
月、水、金と別の若い男たちとフリーセックスを楽しむ主婦。ある日、月曜日の男が謎の死を遂げたことを唐突に知る。立て続けに、月に一度ほどの頻度で不倫関係にあった地元の同級生も死んでしまう。
【感 想】
ただのセックス依存症の主婦が、相手の男たちに病気だかをばら撒いてしまう話だと思った。ただ、2章を読んで分からなくなった。…そして3章。
この作品は最後にひっくり返すのではなく、徐々に予想のつかない結末に導かれる。登場人物同士に妬み嫉みが渦巻く、どろっどろのストーリーですごく面白く怖かった。ただその怖さのジャンルが、ゾッとする、どうしても苦手なものだった
Posted by ブクログ
読んでる最中ずっとつき纏うねっとりした感じ、たまらなかった(笑)
だけどこの後どうなっていくんだろうがあったのでかなりテンポ良く読めました。
わりと最後の方まで展開が読めない感じ、個人的にはとても好き。
寄生虫、性行為あそこら辺絶妙な感じの題材に展開。エログロサイコ具合も好きでした。
Posted by ブクログ
賛否両論ある作品だと思うが私は面白く読めました。特にメフィスト賞受賞作だけあり、色々な意味でインパクトの強さを感じた。サイコホラーな雰囲気で読み進めるうちにどんどん引き込まれました。また作品内で扱われている孤虫症は実際に日本にも僅かとはいえ実例があるらしく、怖さがありました。
Posted by ブクログ
職場で勧められて一気読み。
湊かなえなどの代表的なイヤミスに満足できなくなった人が行き着く、、って感じのエログロ。
しかし本日はミステリー×バイオホラーであり、普通に面白かった。
Posted by ブクログ
自分が恵まれていると感じたい登場人物の語りから始まるこの物語。途中から語り手の切り口が変わってどんどん物語がどろっとしてく感じがよい。まさかそんなことになろうとはという展開だった。読み終えたら孤虫症というタイトルに深みを感じれるはず。
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常に読者を落ち着かない気分にさせてくれる小説。『殺人鬼フジコの衝動』を読み、著者のデビュー作品を読みたくて手にしました。ねっとりとした空気感と不穏な雰囲気の登場人物たちに、感情移入できるキャラクターはおりませんでした。
嫌な気持ちを引きずりつつ最後までページをめくる手を止められません。
Posted by ブクログ
久しぶりの真梨作品。
安定のドロドロイヤミス
地の文っぽいところとそうじゃないところが混ざってた理由がわかってスッキリしたけど、最終的に誰も幸せじゃない終わり方すぎた…
謎の感染症×女の嫉妬こわすぎる。
やっぱりイヤミスの女王はレベルが違う。
Posted by ブクログ
キモすぎる!!(褒めてる)
終盤のスピード感のある回収がハラハラドキドキ!!
誰も幸せにならないけど面白い作品だった。
メンタル弱い人は注意。
こんなキモい話、よく思いつくなあ(褒めてる)
Posted by ブクログ
同著者の「私が失敗した理由は」で取り上げられており、本当にあった本だったので読んでみた。
うーん、この気持ち悪さたまらん笑
五十嵐さんの「リカ」のようなサイコホラーとはまた違ったテイストのサイコホラー、、
バイオよりの。
最後の閉め方とかも余韻があって好きでした。
読む人は選ぶと思うが
Posted by ブクログ
まんまと騙されてしまった、恐ろしい話だった…
語りの視点の変化が秀逸で、最後に「そうだったの?!」とびっくり。
ページは多いが続きが気になるのでさくさく読める!
読んでるこっちが狂いそうなくらい精神病者がリアルで、
なんだかむずむずしてしまった…
そしてオチが怖すぎる。タワマンの人間関係、恐ろしい…
さすがイヤミスの女王!
Posted by ブクログ
「週に3度、他の男とセックスすることを習慣にして」いる主婦・麻美。彼女の不倫相手が、次々と身体全体に瘤のようなものを作って原因不明の死を遂げる。彼女自身の肉体にも異変が起こる。女同士の憎悪や嫉妬、母娘で繰り返される愛憎劇。一見幸せな主婦の誰にも言えない秘密とは……。
メフィスト賞受賞作。
主人公の身体にこぶが出来てから、主人公は妄想や幻覚に苦しむ。主人公の淫乱な母親に対する憎悪、主人公の住んでいるマンションの最上階の住民に対する嫉妬、受験勉強が過ぎてカリカリしている娘から逃避したくて妹のマンションを隠れ蓑に若い男たちと不倫している主人公の淫乱さをねちっこく描きつつ、主人公麻美と妹の不幸な生い立ちやマンション最上階の住民で自然食レストランを経営している主婦たちの企みを絡めて、主人公の周辺で起こる殺人事件の謎解きがサイコバイオホラータッチで描いていて、どす黒くも背筋が凍る後味を残すイヤミスの傑作です。
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読書備忘録675号。
★★★★。
フォローさせて頂いている方が気持ち悪い気持ち悪いと連発していたので読みました。笑
チャレンジャブルな小説でした。
ヌルヌル、ぴちゃぴちゃ的なエロ・セックス小説であり、女の恨み・妬み・嫉妬をこれでもかと盛り込んだ小説であり、トリックミステリー小説。
物語の中心で気持ち悪さを発揮しているのが孤虫症というSEXで感染する寄生虫病。
モデルは芽殖孤虫症で、致死率はほぼ100%。これまで世界で18例しか症例がない。
皮膚にブルーベリーのようなぶつぶつが出来、その中に孤虫症の幼虫がうじゃうじゃいるというもの。ゾゾッ。
実際には、成虫が見つかっておらず、すなわち終宿主がなんなのかがわからない。
この小説では、ある女性の血筋の人間が終宿主だった、という気持ち悪いものです。
あと、タワマンに住む階でヒエラルキー構造を作る女達の恐ろしさ。なぜ、そこまで人より優れていたいのか理解に苦しむ。それも、人間性ではなく、薄っぺらい表面だけで。
しかし、ここまでストレートに表現する真梨さん、全然嫌いではありません。笑
機会があれば別の作品も読んでみよ。
Posted by ブクログ
なんちゅう作品じゃ
ラブストーリー?
サスペンス?
いやいや
最後まで読んで…
人間の体内に燻る虫たちの話
ほんっとに虫が嫌いな
私でも一気に読めたから
ぜひ、未読の人は読んでほしい
あっ
あと、肉はしっかり焼こうね
Posted by ブクログ
2005年。第32回。
「殺人鬼フジコの衝動」は小学時代だけ読んだことある。同じトーン。
1章は麻美の視点。東京郊外のタワマンの8Fに住む。夫は仕事忙しく(早く帰ってこられても困るが)、娘は中学受験でカリカリ。週3アパートで3人の男と関係をもつ。神経症ぽい。
2章は妹のナミの視点。インディーズバンドリーダーの夫とはうまくいってない。義兄にほのかな思いを寄せる。麻美のタワマン住民と関りを持ち始め。
小説がでてきたり、だんだん話の流れがあれ?となり。
あー、そうなるんだ。
全体的にエロ、悪意、虫。肉はよく焼いて食べよう。刺身も気になるなぁ。
トヨザキさんが絶賛のあとがき。
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まさかの結末だった。怪しい人が、麻美→奈美→(夫→アコ→山下らへんの主婦→梶原)とどんどん変わるから何を信じればいいか分からなくなってた。やばい人だと思ってた麻美はそこまでやばくなくて、実際には梶原やマンションの主婦がおかしい人だったのには驚いた。色んな登場人物の中身を色んな角度から見れた気がする。一つの角度からでは見えないこともあると思った。確かに主婦たちの不穏な空気は感じてたけど、まさか最終的に主婦たちが主犯だとは思わなかったし、アコがこの話のキーになるとは思わなかった。「孤虫症」っていうのも最初はなんかの比喩みたいなものなのかなって思ってだけど、実際に存在するとは思わなかった。あと最後人が死にすぎててちょっと面白かった。欲を言うなら、主婦たちのことももっと知りたかった。
とにかく、ミステリー要素もあるし、グロいし、登場人物頭おかしいし、どんでん返しで本当に面白かった。また読みたい。
Posted by ブクログ
デビュー作にしてすでによくできた構成でこれまた最後まで読むとあーそういうことかーとなる仕掛けが上手い。何冊か読んだ限りではどれも一貫して蛙の子は蛙みたいな話だがこの人はなにかトラウマか恨みでもあるのだろうか。
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感染の広がり方も、体内に虫がいる描写も、人間関係も。この小説は気持ち悪さで出来ている。読んでて嫌になり、気持ち悪くなる生々しくて不快なストーリー。でもやめられない。頭がおかしくなりそうになりながらも、読み終えることができた。
Posted by ブクログ
解説が実に皮肉で面白かった。
勿論本編あってこそだが、本編をより面白くさせる、短い文章で殴りつけてくるような、力のある解説だった。
寄生虫など造詣が浅いが、気味の悪さは抜群だった。
タイトルにもなっている"孤虫症"がフィクションかと思いきや実在するものだとネタばらしする解説がなんとも後味が悪く、とても良かった。
相変わらず、真梨さんの人間誰しもが持つ歪さの描写力は舌を巻く。
ある意味寄生虫よりも、人間の内面の方が気味が悪いように思う。
これがデビュー作とは流石である。
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真梨幸子さんのデビュー作。エンディングのドタバタが少し気になったが、印象的な作品で、すでにイヤミス三大女王の風格が出ていたし、なんなら濃い味であったと思う。
何よりも寄生虫がトラウマ。
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駅近34階タワマンの8階で暮らし一流企業の夫と中学受験を控えた娘を持つ麻美。妹の結婚前に住んでいたアパートを隠れ家に3人の男を飼い、関係を持った男たちが奇病で死んでいく。寄生虫感染の恐怖と娘の事故死でノイローゼとなり、ある日右手を切り落として失踪するという第一章。そして第二章は語り手が妹の奈未に切り替わり、麻美の不幸な生い立ちや周囲との関連が語られ徐々に紐付いていく。終始様々なドロドロが詰まった展開に引き込まれエログロバイオミステリーといった新ジャンルの中にどっぷり浸かれる。
書評に「こんなもの書きましたけど何か文句でもありますか」と紹介があり、とてもしっくりきてニヤけた。そしてこの孤虫症という奇病がフィクションでは無いという…震える一作。
Posted by ブクログ
不穏な空気感か終始漂っていて怖いけど興味を維持したまま読み終えれた。
後半の怒涛の種明かしが圧巻だった。
振り返った時、最初の語り手に救いが無さすぎた。
狭いコミュニティの怖さ、視野の狭さによる顛末にも感じた。
Posted by ブクログ
本編を通して不穏な雰囲気が漂う。描写の気持ち悪さはものすごかった。
未知の寄生虫に侵されてエグい死に方をするバイオホラーなのかと思ってたけど、登場人物も相当なエグさだった。
三章の種明かしがちょっと雑すぎてそこは残念だった。アキコのセリフが2、3ページに渡って続いてて、演出も何もなかった。あと一章、麻美の実体験ではなく梶原が書いた小説だったと言う仕掛けは、無理があると思う。夢オチみたいな残念感があった。ハラハラドキドキを返してくれといった感じ。
Posted by ブクログ
メフィスト賞受賞、嫌ミスクィーンの名に恥じない出色の読み物。
筆者作品は苦手ながら、現実に案外近いところをえぐっているかなとも。。改めて筆力に脱帽
女性の汚点をこれでもかというほどに綴り、母、娘、近所関係、夫婦間、して不倫関係。
女とセックスに焦点を極限まで絞り切って、案外こうt峰無形とも言えない展開、そして処理も整然と言える。
情景に色を付け、臭いを漂わせ、温度感、音(叫びも多々)が映像的に盛り上がりっぱなし。
読みたくないと思いつつ、最後まで怖いもの見たさに読み切って・・この気分、軟化で浄化しないと現実に戻れない・・はぁ
麻美、奈央の世界が20年もさかのぼり、さらに明治時代の【記録】まで登場するげ結構、読み手側の頭に入れさせるのにも感心させられた。
お勧めしません
評価が高く期待していたのですが見事に裏切られました。最後はただの辻褄あわせの説明を会話形式でにしただけで余韻もうなにも残りません。今の真梨幸子さんの作品のような人間の本質をえぐり出すという感じとは程遠い出来です。