【感想・ネタバレ】ふたり狂いのレビュー

あらすじ

「自分のことが書かれてる」小説の主人公と同姓同名の男が妄想に囚われ、作家を刺した。それに端を発し起こるデパ地下総菜売場異物混入騒ぎ、企業中傷ネット祭り、郊外マンション連続殺人。事件の陰には意外な“ふたり”の存在が。クレーマー、ストーカー、ヒステリー。私は違うと信じる人を震撼させる、一瞬で狂気に転じた人々の「あるある」ミステリ。

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Posted by ブクログ

奴らのような輩のことを、世間一般では狂ってると呼ぶのでしょうけれど、読んでいるとこの話の登場人物全員狂ってるのではないか?と錯覚してしまいます。実は奴ら全員が狂っていて…ちと登場人物の把握に手擦りましたが、後味の悪い流石のイヤミスでした。

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2023年07月15日

Posted by ブクログ

真梨幸子が描く異常な世界、サイコな人びと。8編の連作短編小説。

タイトルを見て、読んだことがあるかも知れないと思いながら読んでみると、案の定、既読。ハヤカワ文庫から2011年に刊行されたのを読んでいた。やられた!大失敗!

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2016年10月14日

Posted by ブクログ

んぁー難しかった!短編集とはいえ繋がっているから、この人がどこで出てきたとか、時系列とかちゃんと把握していかないとよく分からなくなるので、一気に読むのがいいと思う。しかもそれだけならまだ関連図みたいに自分で書いていけば理解しやすいが、色んな人の妄想なのか本当のことなのか分からない発言のせいで意味が分からなくなることがあって、最後まで読んでもスッキリせず、読んだ人の感想とか解説読んで何とか自分なりの納得感を得て、読み終わりとしました。とりあえず、人の妄想力は凄いし、コワイな、と。

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2024年08月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編が、絡み合って最後には繋がってくのが面白いです。人間の思い込みによる怖さが、本当に怖いです。メンチカツ店の店長も、何故?、、。残念。
マンションの事件は、色々な事件が絡み合って、最後こうきたか。って解決してスッキリしました。
小説家の事件の方は、もやもやが残りました。
ミサキとマイコ、熱狂的はファンによる事件が絡み、最後は?と、結局どうなった?って、思った。
でも、どちらも怖い、周りも怖い。
人間って怖い、、。
孝一が意識戻して、ちゃんと解決してくれることを願います。
でも、やっぱり真梨さんの作品は面白い。

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2021年08月17日

Posted by ブクログ

連作短編集。(2009年3月)
収録作品:エロトマニア / クレーマー / カリギュラ / デジャヴュ / ゴールデンアップル / ホットリーディング / ギャングストーキング / フォリ・ア・デュ

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2018年08月11日

Posted by ブクログ

連作短編集。
連作短編集という手法を活かしきった物語だった。
脇役として登場していた人物が、次の物語では主人公として登場する。
あちらこちらにすでに見知った人たちが配置されていて、それぞれの物語の微妙な関係性を教えてくれる。
脇役しか与えられていないときには見えていなかった部分、壊れていたり歪んでいたりする部分が、主人公となった物語では前面に押し出されてくる。
真梨さんの物語はいつもどこかグロテスクだ。
歪んだ感情に支配された人たちが織りなしていく物語。
誰もが心当たりがあるけれど、自分にはないと思いたい・・・そんな負一色に染められた感情があからさまに物語の中心にある。
好き嫌いが分かれる物語なのかもしれない。
けっして嫌いではないけれど、「好きか?」と聞かれると答えに詰まってしまいそうだ。
それでも「ちょっと読んでみようかな」と思わせる何かがある。
何かのきっかけで「狂気」の側へ行ってしまうかもしれない怖さ。
隣にいる人がもしかしたら「狂気」の側にいるかもしれない怖さ。
そして、周りにいるとても「狂気」の人たちに似ている部分のあるあの人。
「狂気」は特別な誰かだけのものではない。
普通に暮らしている人たちの中にも、そして自分の中にも、眠っているものなのだ。
それを突きつけてくる真梨さんの物語は、だからこそ「ちょっと読んでみようかな」的な位置にいるのかもしれない。

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2017年03月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分の読解力が足りないせいか、よく分からない部分もありますが、真梨幸子らしい感じで楽しめました。
ただ、人物相関がよく分からないかも・・・
ジャパン光の部長は、後に奥さん尊厳死にでてくる夫で、
ジャパン光の派遣嬢は、後に派遣先でマイコとイジメ問題起こす山口さん・・・であってる?

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2017年02月23日

Posted by ブクログ

時系列を把握していないと頭の中がぐちゃぐちゃになる物語だった。
誰が嘘をついていて、誰が真実を話しているのか。
いや、本人に"嘘をついている"という自覚がないのであれば、それはもはや"真実"になり得るのか。
接点のない他人に知らず知らずのうちに執着される恐怖というものは、とても悍ましいものである。
「自分は他人にとって特別だ」「自分は他人に認められている」
そんな、昨今若者の中でも問題にもなりつつある、自己肯定感が心地良く感じることは厄介で、人間なら誰でも持ちうる性質だろう。
他人なんていなくても、のびのびと気楽に生きていける世の中になれば、毎日目を覆いたくなるような、悪質な事件も減るのではないだろうか。

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2025年05月24日

Posted by ブクログ

【2023年17冊目】
相関図必須の短編集。それぞれの話が少しずつ繋がっていますが、登場人物がそこそこいるので、一気に読まないと「あれ、この人前の話で何したんだっけ」と混乱することもしばしば。

狂っているのは誰なのか。それとも全員狂っている世界が正常なのか。

これから読む方は是非、相関図を書きながら読むことをおすすめします。

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2023年01月28日

Posted by ブクログ

最後が個人的には残念。。

狂った人間の起こすミステリ短編集。
短編集だけれどそれぞれの話が微妙に繋がっていて、前回のスピンオフ的な話が続く感じ。
そして狂った人間の起こす物語はミステリというより、もはやホラー。

内容は本当に狂気だしグロテスクな感じもあるのだけれど、口調や書きっぷりのおかげで何故かポップに感じられて、さくさく読めました。

最終章までは、ある事件の全容が明らかになったりですごく面白くて。
これは最終章で、この物語の全てが明らかになる感じね!と勢いよく読んだので、正直終わり方にはちょっとがっかり。
結局……?って感じで、はっきりしないからこそ恐怖が胸に残って読後気持ち悪いっていうのが良いことなんだろうけれど、ここまできたらすっきり終わって欲しかったなあ。

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2021年08月03日

Posted by ブクログ

小説の主人公と同姓同名の男が妄想に囚われ、著者を刺してしまう。
それに端を発し起こるデパ地下総菜売場での異物混入事件、企業中傷ネット祭り、郊外マンション殺人。
クレーマー、ストーカー、ヒステリーなど、日常に潜む狂気を描いた短編集。

一つ一つは独立した話ですが、各エピソードや登場人物が繋がっている連作短編集となっています。
それぞれの話がうまくリンクされ、時系列もシャッフルされており、複雑に凝った構成です。
どの話にも狂気と正気のはざまを行き来する誇大妄想に囚われた人たちが出てきて、読み進めるうちに気持ちがイガイガしてきます。

タイトルの「ふたり狂い」は作中の説明によると、妄想を持つ人の近くにいるうちに正常な人まで妄想を共有してしまう感応精神病のことをいうらしいのですが、まさに読み手までにも伝染するような狂気のほとばしりに、こちらの精神もやられそうになります。

永遠に続くような狂気の万華鏡を見せられているようで、気分が悪くなるほど面白かったです。

ちょっと凝りすぎてて、ラストがわかりにくかった・・・。

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2017年05月08日

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